開発モデル
開発方法論
どんな順番で開発するか?が開発モデル!ウォータフォール、スパイラル、アジャイル…それぞれの特徴を比べよう!
開発モデル
簡単にいうと
どんな順番で開発するか?が開発モデル!ウォータフォール、スパイラル、アジャイル…それぞれの特徴を比べよう!
① ウォータフォールモデル
開発工程を「基本計画→外部設計→内部設計→プログラミング→テスト→運用保守」の順に進め、原則として前の工程に戻らない(後戻りしない)モデルです。名前の通り「滝の水が上から下へ流れ落ちるように」工程を順次実行していきます。
利点: 工程ごとの成果物が明確で、進捗管理がしやすい。大人数のチームでも役割分担がしやすく、大規模プロジェクトに適している。
欠点: 後工程で問題が発覚しても手戻りが困難。要件が曖昧な状態で進めると、完成時にユーザの期待と大きくずれるリスクがある。
② プロトタイプモデル
本格開発に先立って試作品(プロトタイプ)を作成し、ユーザに早い段階で触ってもらって評価・フィードバックを得るモデルです。ユーザの要件が明確でない場合に特に有効で、「実物を見ながら要件を固めていく」というアプローチを取ります。
利点: ユーザの要求を早期に確認できるため、完成後の認識齟齬が減る。
欠点: 試作品を作るコストがかかる。大規模システムでは試作の範囲が広がりすぎて非効率になりがち。小〜中規模のシステムに向いている。
③ スパイラルモデル
システム全体を複数のサブシステムに分割し、各サブシステムに対してウォータフォール的な工程(設計→実装→テスト)を繰り返し適用していくモデルです。各反復の冒頭でリスク分析を行い、技術的なリスクや要件の不確実性を早期に洗い出すことが特徴です。
利点: リスクを段階的に潰しながら進められる。サブシステム単位で品質を確認できるため、大規模システムでも柔軟性がある。
欠点: 反復のたびに計画・レビューが必要で管理コストが増大しやすい。
④ インクリメンタルモデル(段階的開発)
システムの機能を複数の「増分(インクリメント)」に分け、優先度の高い機能から順に開発・リリースしていくモデルです。最初のリリースで核となる機能を提供し、次のリリースで追加機能を積み上げるイメージです。
利点: 部分的にでも早期に利用を開始できる。ユーザからの早期フィードバックを後続の開発に活かせる。
欠点: 全体設計を最初にしっかり行わないと、後から追加する機能との整合性が取れなくなるリスクがある。
⑤ アジャイル開発
「俊敏な」という意味のアジャイルは、変化に迅速に対応するための軽量な開発手法群の総称です。2001年に発表されたアジャイルソフトウェア開発宣言では、以下の4つの価値が掲げられました。
1. プロセスやツールよりも個人と対話を重視する
2. 包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを重視する
3. 契約交渉よりも顧客との協調を重視する
4. 計画に従うことよりも変化への対応を重視する
代表的な手法としてXP(エクストリーム・プログラミング)やスクラムがあります。小〜中規模のプロジェクトや、要件変更が頻繁に発生する案件に特に適しています。
開発モデルの比較表
| モデル | 進め方 | リスク対応 | 規模適性 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ウォータフォール | 順次実行(後戻りなし) | 低い | 大規模 | 管理しやすい、計画重視 |
| プロトタイプ | 試作→評価→本開発 | 中程度 | 小〜中規模 | ユーザ評価で要件確認 |
| スパイラル | サブシステム単位で繰返し | 高い | 大規模 | リスク分析が各反復の起点 |
| インクリメンタル | 機能単位で段階リリース | 中程度 | 中〜大規模 | 部分利用が可能 |
| アジャイル | 短い反復サイクル | 高い | 小〜中規模 | 変化対応、顧客協調 |
具体例
ウォータフォールとアジャイルの違いを、家を建てる場面で考えてみましょう。
ウォータフォール方式の家づくり: まず設計図を完璧に仕上げ、施主(ユーザ)の承認を得てから着工します。基礎工事→骨組み→屋根→内装→外構の順に進め、各工程が完了してから次に移ります。途中で「やっぱり間取りを変えたい」と言われても、基礎を壊してやり直すのは莫大なコストがかかるため、原則対応しません。完成するまで住むことはできませんが、最終的に設計通りの立派な家が建ちます。
アジャイル方式の家づくり: まず最小限の一部屋(リビング)だけを2週間で作り、実際に住みながら「次はキッチンが欲しい」「寝室はもう少し広く」とフィードバックを受けて次の部屋を作ります。2週間ごとに新しい部屋が追加され、住みながら改善していきます。途中で「和室は要らなかった」と気づいても、まだ作っていないので損失は最小限です。
大規模ビルならウォータフォール、住みながら改善したい住宅ならアジャイルが向いている――このように「プロジェクトの規模と変更の頻度」で最適なモデルが変わります。

ウォータフォールモデル
試験のポイント
- ・要は「ウォータフォール=順次(大規模)、スパイラル=繰返し+リスク管理、アジャイル=迅速・柔軟(小〜中規模)」
- ・スパイラルの最大の特徴は反復ごとのリスク分析であること、インクリメンタルは部分リリースで早期利用可能であること、アジャイル宣言の4つの価値は選択肢で出題されやすい
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