システム開発の関係者
開発方法論
システム開発にはどんな立場の人たちが関わるの?ユーザ企業・ベンダ・協力会社の関係を整理しよう!
システム開発の関係者
簡単にいうと
システム開発にはどんな立場の人たちが関わるの?ユーザ企業・ベンダ・協力会社の関係を整理しよう!
① 開発の関係者
システム開発プロジェクトには、さまざまな立場の関係者が携わります。それぞれの役割と関係性を理解しておくことが、試験対策の第一歩です。
| 関係者 | 役割 | 備考 |
|---|---|---|
| ユーザ企業(発注者) | システムを利用する側。要件を定義し、開発を依頼する | 自社にIT部門がある場合は内製することもある |
| ベンダ(受注者) | 開発を請け負うIT企業。設計・実装・テスト等を実施する | SIer(システムインテグレータ)とも呼ばれる |
| サブベンダ(協力会社) | ベンダから一部の作業を再委託される企業 | 多重下請け構造が課題になることもある |
| オフショア開発 | 海外(インド、ベトナム等)に開発作業を委託する形態 | コスト削減が主な目的だが、コミュニケーションが課題 |
| ニアショア開発 | 国内の地方拠点に開発を委託する形態 | 言語・時差の問題がなく、品質管理がしやすい |
オフショア開発は海外への委託で人件費を抑える手法ですが、言語や文化の違いから仕様の認識齟齬が生じやすいというリスクがあります。一方、ニアショア開発は国内の地方都市を活用するため、コストを抑えつつもコミュニケーション上の障壁が小さいという利点があります。
② システム構想フェーズ
開発プロジェクトの最上流に位置するのがシステム構想フェーズです。ここではシステム化の目的・範囲・方針を決定し、開発パートナーの選定に向けた準備を行います。
主要な成果物と文書を確認しましょう。
システム化計画書: 現行業務の課題分析を踏まえ、導入するシステムの目的・範囲・効果・概算スケジュール・予算をまとめた文書です。経営戦略との整合性が求められる重要文書であり、この計画書が承認されて初めて本格的な開発プロジェクトが始動します。
RFI(Request For Information:情報提供依頼書): ベンダに対して「御社ではどのような技術や製品がありますか?」と情報提供を依頼する文書です。まだ候補ベンダを絞り込む前の情報収集段階で使用されます。ベンダの技術力、過去の実績、おおまかな費用感などを把握する目的があります。
RFP(Request For Proposal:提案依頼書): RFIで情報を集めた後、候補ベンダに対して「この要件でシステムを構築する提案をしてください」と正式な提案を依頼する文書です。要件(機能要件・非機能要件)、制約条件、予算感、スケジュール、評価基準などを明記します。ベンダはRFPの内容に基づいて提案書と見積書を作成し、発注者はそれらを比較評価してパートナーを選定します。
ポイントはRFI→RFPの順序です。まずRFIで広く情報を集め、次にRFPで具体的な提案を求めるという流れになります。
具体例
RFIとRFPの使い分けを、中小企業が社内システムを刷新するシーンで追ってみましょう。
ある製造業の中小企業が、老朽化した生産管理システムの入れ替えを検討しています。
ステップ1(RFI発行): まずIT部門の担当者が複数のベンダに対してRFI(情報提供依頼書)を送付します。「生産管理システムの入替を検討中です。御社の関連製品や導入実績、概算費用感をお教えください」といった内容です。この段階では細かい要件は書かず、広く情報を集めることが目的です。
ステップ2(情報の整理と候補絞り込み): 5社から返ってきたRFI回答を比較し、「技術的に対応可能な3社」に候補を絞ります。
ステップ3(RFP発行): 絞り込んだ3社に対してRFP(提案依頼書)を送付します。今度は具体的に「在庫管理機能は必須、生産計画のAI最適化は任意、予算は3,000万円以内、来年4月稼働開始」といった詳細要件を記載します。
ステップ4(ベンダ選定): 3社が提出した提案書と見積書を評価基準に照らして比較し、最も適切なベンダと契約を結びます。
このように「RFI=情報を広く集める→RFP=具体的な提案を求める」という2段階のアプローチが、発注者のリスクを低減させる定石です。
試験のポイント
- ・要は「RFI=情報収集→RFP=提案依頼の順
- ・ユーザ企業=発注者、ベンダ=受注者(SIer)」
- ・RFIとRFPの順序を逆に出題するひっかけが頻出
- ・オフショア=海外委託(コスト削減)、ニアショア=国内地方委託(コミュニケーション容易)の違いも押さえる
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