プログラミング言語
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プレミアムで見るマークアップ言語は、データの構造を記述する言語です。プログラミング言語が「処理の手順」を書くのに対し、マークアップ言語は「これは見出しである」「これは本文である」という構造そのものを書き表します。文書の一部をタグとよばれる特別な文字列で囲むことで、文章の構造や修飾情報を文章中に記述します。この節では、SGML・HTML・XMLという3つの系譜を押さえたうえで、HTMLを支えるCSSやCMS、そしてXMLによるデータ交換までを扱います。令和元年度には、CSSとXMLの説明を入れ替えた形で出題されました。
簡単にいうと
マークアップ言語は「印をつける言語」!タグで囲むことで「ここは見出し」「ここは本文」と示すんだ。SGMLが祖先で、そこからHTMLとXMLが生まれたよ。
① マークアップ言語とは
マークアップ言語は、データの構造を記述する言語です。
文書の一部をタグとよばれる特別な文字列で囲うことにより、文章の構造(見出しなど)や修飾情報(文字の大きさや組版の状態など)を文章中に記述します。
なお、マークアップ言語はテキストファイルです。
② プログラミング言語との違い
| プログラミング言語 | マークアップ言語 | |
|---|---|---|
| 書くもの | 処理の手順 | データの構造 |
| 実行されるか | される | されない(解釈されて表示される) |
| 例 | Java、Python |
具体例
タグで構造を示すということ
同じ内容を、タグなしとタグありで書き比べてみます。
タグなし
```
1次基本テキスト 経営情報システム 3,300円
```
何がタイトルで、何が価格なのか、機械には分かりません。
タグあり(XML)
```
<書籍>
<タイトル>1次基本テキスト</タイトル>
<科目>経営情報システム</科目>
<価格>3300</価格>
</書籍>
```
それぞれの値が何を表すかが明示されています。
この違いが効く場面

マークアップ言語
試験のポイント
簡単にいうと
HTMLは「ヘッダ」と「本文」の2部構成!そして、見た目を整えるのがCSS、更新を楽にするのがCMS。この3つの役割分担を押さえよう。
① HTML(HyperText Markup Language)
Webページを書くためのマークアップ言語です。SGMLの考え方を引き継ぎつつ、ウェブで使う分だけに絞って仕立て直したものにあたります。
Web上で使用されるハイパーテキストを記述するために用いられます。
第5章で学んだとおり、ハイパーテキストとは、テキスト内の任意の場所に他のテキストの位置情報(リンク)を埋めこみ、複数のテキストを相互に連結できるようにしたテキストのことです。
② HTMLの構造
HTMLでは、文書全体を1つの大きな要素として捉え、その中にヘッダ部分(head)と本体部分(body)を記述する構造になっています。
ヘッダ部分、本体部分それぞれにタグを指定することができ、文章の一部をタグで囲むことにより、文章の構造や修飾情報(文字の大きさやレイアウトの状態など)を文書中に記述します。
簡単にいうと
XMLの強みは「タグを自分で決められる」こと!だから、何のデータかが一目で分かるの。CSVと比べると、その違いがはっきりするよ。
① XML(eXtensible Markup Language)
ユーザが独自のタグを指定できるメタ言語(言語を記述するための言語という意味)です。
XMLでは、HTMLのようにタグが固定されたマークアップ方法だけではなく、利用者独自のタグを使って文書の属性情報や論理構造を定義できます。
② XMLの構造
```
<title>1次基本テキスト</title>
```
| 部分 | 名称 |
|---|---|
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「動く」のがプログラミング言語、「表す」のがマークアップ言語——この区別が基本です。
③ テキストファイルである
マークアップ言語はテキストファイルです。
第2章で学んだテキストファイルの性質を思い出してください。
| 性質 | この節での意味 |
|---|---|
| 文字情報のみ | メモ帳でも開いて編集できる |
| 異なるOSでも読める | どんな環境でも扱える |
| 固有の制御情報を含まない | 特別なソフトがなくても中身が分かる |
この性質が、次のテーマで学ぶデータ交換に使える理由になります。
④ タグで囲むという仕組み
文章の一部をタグで囲むことで、その部分が何なのかを示します。
| 例 | 意味 |
|---|---|
| `<title>1次基本テキスト</title>` | 「1次基本テキスト」はタイトルである |
| 部分 | 名称 |
|---|---|
| `<title>` | 開始タグ |
| 1次基本テキスト | 内容 |
| `</title>` | 終了タグ |
| title | 要素名 |
終了タグには「/」が付く——これが開始と終了を見分ける目印です。
⑤ 代表的なマークアップ言語
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| SGML(Standard Generalized Markup Language) | ISOの国際規格に制定された文書の構造を記述する言語であり、HTMLやXMLのもとになった言語 |
| HTML(HyperText Markup Language) | Webページを書くためのマークアップ言語。SGMLから、ウェブで使う分に絞って仕立て直したもの |
| XML(eXtensible Markup Language) | ユーザが独自のタグを指定できるメタ言語(言語を記述するための言語) |
⑥ 3つの系譜
| 世代 | 言語 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 祖先 | SGML | ISOの国際規格。HTMLとXMLのもと |
| 子 | HTML | Webページに特化 |
| 子 | XML | 独自のタグを定義できる |
SGMLから、目的の違う2つが生まれたという関係です。
⑦ HTMLとXMLの違い
| HTML | XML | |
|---|---|---|
| タグ | 固定されている(決まったタグを使う) | ユーザが独自に指定できる |
| 目的 | Webページの表示 | データの構造を表す |
| 分類 | マークアップ言語 | メタ言語(言語を記述するための言語) |
⑧ メタ言語とは
メタ言語とは、言語を記述するための言語です。
| 内容 | |
|---|---|
| HTML | 決められたタグを使う |
| XML | どんなタグを使うかを自分で決められる |
たとえば、
| 用途 | 使えるタグの例 |
|---|---|
| 成績表 | `<受講生>` `<番号>` `<名前>` `<得点>` |
| 人事情報 | `<人事>` `<名前>` `<誕生日>` `<資格>` |
| 商品情報 | `<商品>` `<商品名>` `<価格>` |
目的に合わせてタグを作れるため、「言語を作るための言語」といわれるのです。
⑨ 第3章とのつながり
第3章で学んだ半構造化データの説明を思い出してください。
> 半構造化データ……あらかじめスキーマを定義せず、データにキーやタグなどを付加することで、データ構造を柔軟に定義できるデータ。JSONやXML、YAMLなどのフォーマットで保存されることが多い
XMLは、半構造化データの代表例です。タグによって「どこに何が書いてあるか」が分かるため、機械が読み解けます。
⑩ 第3章・第7章とのつながり
XMLは、この科目の各所で登場します。
| 章 | XMLが出てくる場面 |
|---|---|
| 第2章 | MPEG-7(マルチメディアの内容記述) |
| 第3章 | 半構造化データ |
| 第7章 | Webサービス(SOAPはXML形式のメッセージ) |
| 本節 | マークアップ言語としてのXML |
「異なるシステムの間でデータをやり取りする」という場面で、XMLは繰り返し使われています。
| タグなし |
|---|
| タグあり |
|---|
| 人が読む | 読める | 読める |
| 機械が処理する | 意味が分からない | 項目ごとに取り出せる |
| 項目が増えたとき | 区切りが分からなくなる | タグで判別できる |
第2章のCSVと比べる
```
1次基本テキスト,経営情報システム,3300
```
CSVでも区切りは分かります。しかし、
| CSV | XML | |
|---|---|---|
| 区切り | カンマ | タグ |
| 何のデータか | 分からない | タグ名で分かる |
| 項目の順番 | 決まっていなければならない | タグで判別できる |
| 階層構造 | 表せない | 表せる |
| ファイルの大きさ | 小さい | 大きくなる |
XMLは「自己記述的」
XMLのファイルは、それだけ見れば何のデータか分かります。事前に「1列目はタイトル、2列目は科目」という取り決めを共有しておく必要がありません。
そのかわり、タグの分だけファイルが大きくなります。第7章で学んだRESTがJSONを選んだのも、この軽さが理由のひとつでした。
3つの言語の関係を、家系図で
```
SGML(ISOの国際規格、祖先)
├── HTML(Webページ専用)
└── XML(タグを自分で決められる)
```
なぜSGMLから2つに分かれたのか
SGMLは非常に多機能で、そのぶん複雑でした。そこで、
| 言語 | 割り切ったこと |
|---|---|
| HTML | Webページ向けにタグを固定し、単純にした |
| XML | SGMLの機能を絞り、扱いやすくした |
「多機能で複雑なものから、目的を絞った使いやすいものが生まれる」——技術の世界でよく見られる流れです。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a マークアップ言語は、文書の一部をタグとよばれる特別な文字列で囲うことにより、文章の構造や修飾情報を記述する。
> b SGMLは、HTMLやXMLのもとになった言語である。
> c マークアップ言語はバイナリファイルである。
解答 a:○ b:○ c:×
<html> ←開始タグ
<head>
ヘッダ:この部分にHTML文書全体の
</head> 基本的な情報を記述する
<body>
本文:この部分にHTML文書の内容を
</body> 記述する。この部分がブラウザ上に表示される
</html> ←終了タグ
```
③ ヘッダと本文の違い
| 部分 | 記述する内容 | 画面に表示されるか |
|---|---|---|
| ヘッダ(head) | HTML文書全体の基本的な情報 | されない |
| 本文(body) | HTML文書の内容 | される |
ヘッダには、ページの題名や文字コードの指定、CSSの読み込みなど、「表示はされないが必要な情報」を書きます。
④ アンカータグとハイパーリンク
また、`<a>`と`</a>`というタグ(アンカータグ)により、Webページから別のWebページに移動すること(ネットサーフィン)を可能にし、ハイパーリンクを実現します。
たとえば、`<a href="http://www.tac-school.co.jp/kouza_chusho/">中小企業診断士講座</a>`により、Webページ上に表示された中小企業診断士講座という文字をマウスでクリックすると、hrefの後に記載された「http://www.tac-school.co.jp/kouza_chusho/」という場所に移動します。
| 部分 | 役割 |
|---|---|
| `<a href="URL">` | 移動先を指定する開始タグ |
| 中小企業診断士講座 | 画面に表示される文字 |
| `</a>` | 終了タグ |
表示される文字と、移動先のURLは別という点に注目してください。第5章のフィッシングの話で「表示されている文字列と実際の飛び先が違うことがある」と述べたのは、この仕組みによります。
⑤ CSS(Cascading Style Sheet)
Webページのレイアウトを定義する規格です。
Webページの作成にはHTMLを用いますが、HTMLはあくまでも文書構造を定義するものであり、レイアウトを規定するものとしては機能不足の面があります。
そこで、見栄えの良いレイアウトを作成するために、CSSが策定されました。
CSSを使うと、フォントの種類や形状、サイズ、背景カラーなどの設定が容易にでき、複数ページにわたって統一した表現を実現できます。
⑥ HTMLとCSSの役割分担
| HTML | CSS | |
|---|---|---|
| 定義するもの | 文書構造 | レイアウト(見栄え) |
| 例 | 「これは見出しである」 | 「見出しは24ポイントの青文字」 |
「何であるか」を書くのがHTML、「どう見せるか」を書くのがCSS——この分担が基本です。
⑦ なぜ分けるのか
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 複数ページで統一できる | 1つのCSSを全ページで読み込む |
| デザインの変更が1か所で済む | CSSだけ直せば全ページに反映 |
| 内容と見た目を別々に管理できる | 分業しやすい |
100ページのWebサイトで、見出しの色を変えたいという場面を考えます。
| 分けていない場合 | CSSで分けている場合 | |
|---|---|---|
| 直す場所 | 100ページすべて | CSS 1か所 |
この章で繰り返し見てきた「変更の影響を1か所に閉じ込める」という原則が、ここでも働いています。
⑧ CMS(Contents Management System)
CMSとは、見た目も配置も文章も画像もまとめて預かって、編集もHTMLとしての書き出しも引き受けてくれる仕組みです。
ホームページで公開したい情報が多くなるほど、Webコンテンツのページ数は増加し、そのメンテナンスは煩雑になります。
CMSを利用することによって膨大なWebページの一元管理が可能になり、ホームページの更新作業に係る負荷を軽減することができます。
⑨ CMSが解決する問題
| CMSがない場合 | CMSがある場合 |
|---|---|
| HTMLを直接書く必要がある | 画面から入力するだけ |
| 専門知識が必要 | 知識がなくても更新できる |
| ページが増えると管理が煩雑 | 一元管理できる |
| 更新のたびに担当者に依頼 | 担当部署が自分で更新できる |
第2章で学んだWordPressが、CMSの代表例です(オープンソースソフトウェアの一覧で「ブログ」に分類されていました)。
⑩ HTML Living Standard
WHATWG(Web Hypertext Application Technology Working Group)という団体により策定されたHTMLの標準規格です。
HTML5の継続的な更新が停止されたため、現在ではほぼ全てのWebブラウザでサポートされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 策定団体 | WHATWG |
| 背景 | HTML5の継続的な更新が停止された |
| 現状 | ほぼ全てのWebブラウザでサポート |
「HTML5」という呼び方から「HTML Living Standard」へ移行したという経緯です。Living(生きている)という名前は、版を区切らず継続的に更新されるという性格を表しています。
⑪ 3つの用語をまとめる
| 用語 | 何をするか |
|---|---|
| HTML | Webページの文書構造を記述する |
| CSS | Webページのレイアウトを定義する |
| CMS | コンテンツを管理し、編集・表示する |
構造・見栄え・管理——それぞれ別の層を担当しています。
具体例
設例 CSSとXMLの取り違え
> 次の記述の正誤を判定せよ。(令和元年度第3問 改題)
> CSSは、タグによってWebページの構造を記述するマーク付け言語であり、利用者独自のタグを使って文書の属性情報や論理構造を定義できる。
解答 ×
XMLの内容です。CSSは、Webページのレイアウトを定義する規格です。
「利用者独自のタグ」がXMLの目印
| 選択肢の語 | 対応する用語 |
|---|---|
| 利用者独自のタグを使って定義できる | XML |
| レイアウトを定義する | CSS |
| Webページを記述するマークアップ言語 | HTML |
| コンテンツを管理し編集・表示するシステム | CMS |
中小企業のホームページ運営を考える
従業員30名の会社で、自社サイトを運営する場面を想定します。
CMSを使わない場合
| 更新作業 | 手順 |
|---|---|
| 新着情報を追加したい | ① 制作会社に依頼 ② HTMLを修正してもらう ③ 費用が発生 ④ 数日待つ |
| 問題 | 内容 |
|---|---|
| 費用がかかる | 1回の更新で数千円〜数万円 |
| 時間がかかる | 数日 |
| 頻繁に更新できない | 結果として情報が古くなる |
CMSを使う場合
| 更新作業 | 手順 |
|---|---|
| 新着情報を追加したい | ① 管理画面にログイン ② 文章を入力 ③ 公開ボタンを押す |
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 自社で更新できる | 費用がかからない |
| 即座に反映される | その場で公開 |
| 頻繁に更新できる | 情報が新しく保たれる |
3つ目が事業上の意味を持つ
第13章で学ぶデジタルマーケティングでは、更新頻度が検索結果の順位や訪問者の信頼に影響するとされています。
「自社で更新できる」ことが、集客につながる——CMSの導入は、技術的な利便性だけでなく、事業上の効果を持ちます。
CMS導入時に確認すべきこと
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰が更新するか | 担当者を決めないと、結局更新されない |
| 権限の設定 | 誰が公開まで行えるか |
| セキュリティ | CMSの脆弱性が狙われることがある |
| バックアップ | データが失われたときに戻せるか |
3つ目に注意
CMSは広く使われているため、その脆弱性を狙った攻撃も多くあります。第6章で学んだとおり、
| 対策 |
|---|
| CMS本体と拡張機能を最新に保つ |
| 管理画面のパスワードを強固にする |
| 二要素認証を設定する |
| 不要な拡張機能を入れない |
「便利だから入れる」だけでなく、運用まで含めて助言する——これが診断士に求められる視点です。
HTMLとCSSの分離を、実務の言葉で
| 場面 | HTMLとCSSの分担 |
|---|---|
| 会社案内のページを作る | HTMLに文章を書く |
| 企業カラーに合わせる | CSSで色を指定する |
| ロゴを新しくしたので全体の色を変える | CSSだけ直す |
「内容」と「見た目」を分けておけば、片方だけを変えられる——これは資料作成でも同じです。ワープロソフトの「スタイル」機能も、同じ考え方に基づいています。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a HTMLでは、文書全体を1つの大きな要素として捉え、その中にヘッダ部分と本体部分を記述する。
> b CSSを使うと、複数ページにわたって統一した表現を実現できる。
> c HTML Living Standardは、W3Cという団体により策定されたHTMLの標準規格である。
解答 a:○ b:○ c:×

HTMLの構造と関連用語(1/2)

HTMLの構造と関連用語(2/2)
試験のポイント
| 開始タグ |
| 1次基本テキスト | 内容 |
| `</title>` | 終了タグ |
| title | 要素名(この場合はtitle) |
③ HTMLとの違いをもう一度
| HTML | XML | |
|---|---|---|
| タグ | 固定(決められたタグを使う) | 利用者独自のタグを使える |
| 目的 | Webページの表示 | 文書の属性情報や論理構造の定義 |
| 分類 | マークアップ言語 | メタ言語 |
eXtensible は「拡張可能な」という意味です。タグを自分で増やせる=拡張できる、という性格が名前になっています。
④ XMLによるデータ交換
XMLはテキストファイルであり、異なるOSやアプリケーションソフトウェアで読み込むことができるため、CSV同様、異なるシステム間におけるデータ交換に用いられます。
⑤ CSVとの共通点と違い
| CSV | XML | |
|---|---|---|
| テキストファイル | ○ | ○ |
| 異なるシステム間のデータ交換 | ○ | ○ |
| 何のデータかが分かるか | 分からない | 分かる |
| 階層構造 | 表せない | 表せる |
| ファイルサイズ | 小さい | 大きくなる |
⑥ CSVとXMLの比較(具体例)
CSV
```
10,田中,60
20,鈴木,50
```
何のデータを表しているのか不明です。
XML
```
<クラスの名簿>
<受講生>
<番号>10</番号>
<名前>田中</名前>
<得点>60</得点>
</受講生>
<受講生>
<番号>20</番号>
<名前>鈴木</名前>
<得点>50</得点>
</受講生>
</クラスの名簿>
```
データの形式・構造が明確になり、分かりやすい文書の作成が可能です。
⑦ 事前の取り決めが不要になる
XMLは利用者が自由にタグを定義できることから、送信者および受信者で事前に情報を共有せずとも、データの形式や構造を明確に示すことができます。
ここが、CSVとの決定的な違いです。
| CSV | XML | |
|---|---|---|
| 事前の取り決め | 必要(1列目は何か、2列目は何か) | 不要(タグに書いてある) |
| 項目が増えたとき | 取り決めを更新し、双方が対応 | タグを追加するだけ |
| 項目の順番 | 決めた順でなければならない | タグで判別できる |
⑧ Webサービスでの利用
よってXMLは、Webサービスなど、インターネットを介した不特定多数のコンピュータ同士のデータ交換やデータ形式の標準化などに用いられます。
「不特定多数」という点が重要です。
| 相手 | 必要なこと |
|---|---|
| 決まった相手 | 事前に取り決めればよい(CSVで足りる) |
| 不特定多数 | 事前の取り決めができない(XMLが要る) |
第7章で学んだWebサービスでは、「Webアプリケーション同士が相互にXML形式のメッセージを送受信する」とありました。どこの誰が使うか分からないからこそ、自己記述的なXMLが選ばれたわけです。
⑨ XMLによるデータ交換の例
人事データベースから給与アプリケーションへデータを渡す場面を考えます。
| 順番 | 動き |
|---|---|
| ① | 人事データベースから抽出する |
| ② | XMLテキストファイルを作る |
| ③ | データ変換する |
| ④ | 給与アプリケーションに登録する |
抽出したXML
```
<人事>
<名前>小林一郎</名前>
<誕生日>1977/1/1</誕生日>
<資格>1級</資格>
</人事>
```
変換後のXML
```
<給与>
<従業員名>小林一郎</従業員名>
<生年月日>S52/1/1</生年月日>
<保有資格>1級</保有資格>
</給与>
```
⑩ この例が示すもの
| 変換された内容 | 内容 |
|---|---|
| タグ名 | 名前 → 従業員名、誕生日 → 生年月日 |
| 値の形式 | 1977/1/1 → S52/1/1(西暦から和暦へ) |
システムごとに呼び方も形式も違う——この違いを吸収するのが、データ変換の役割です。
第3章で学んだETLの「T(Transform:変換)」や、データマッピング(異なるシステム間で同じ内容を示す項目同士を関連付ける)が、まさにこの作業にあたります。
⑪ XMLとJSONの現在
第7章で学んだとおり、現在のWeb APIではJSONが主流になっています。
| XML | JSON | |
|---|---|---|
| 記述 | タグで囲む(冗長) | 簡潔 |
| 自己記述性 | ○ | ○ |
| 現在の主流 | SOAP、文書系 | REST、Web API |
XMLが劣っているわけではなく、用途によって使い分けられているというのが実情です。試験では、XMLの性質(独自のタグ、テキストファイル、データ交換)を押さえておけば十分です。
具体例
設例 XMLの定義
> 次の記述の正誤を判定せよ。(令和元年度第3問 改題)
> CSSは、タグによってWebページの構造を記述するマーク付け言語であり、利用者独自のタグを使って文書の属性情報や論理構造を定義できる。
解答 ×
XMLの内容です。
「利用者独自のタグ」という語がXMLの目印
この1語だけで、XMLの説明だと判断できます。HTMLはタグが固定されており、CSSはそもそもタグを定義する規格ではありません。
システム間のデータ連携を設計する
小売業で、店舗のPOSレジと本部の販売管理システムを連携させる場面を考えます。
CSVで連携する場合
```
20240401,S001,P123,3,1500
```
| 必要なこと | 内容 |
|---|---|
| 取り決め書を作る | 1列目は日付、2列目は店舗コード… |
| 双方で共有する | 双方のシステム担当者が同じ理解を持つ |
| 変更時に調整する | 項目を追加するときは事前に連絡 |
XMLで連携する場合
```
<売上>
<日付>2024-04-01</日付>
<店舗コード>S001</店舗コード>
<商品コード>P123</商品コード>
<数量>3</数量>
<金額>1500</金額>
</売上>
```
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 取り決め書がなくても意味が分かる | タグに書いてある |
| 項目を追加しやすい | 既存のタグには影響しない |
| 順番が変わっても大丈夫 | タグで判別できる |
項目を追加する場面で差が出る
「値引額」という項目を追加したいとします。
| CSV | XML | |
|---|---|---|
| 追加の方法 | 列を1つ増やす | タグを1つ増やす |
| 受け取る側 | 必ず対応が必要(列がずれる) | 無視すれば動き続ける |
| 調整の手間 | 同時に切り替える必要がある | 段階的に対応できる |
2つ目が実務上の利点
CSVでは、送る側が列を増やした瞬間、受け取る側の処理が壊れます。同時に切り替える必要があるため、連携相手が多いと調整が大変です。
XMLなら、知らないタグは無視するという作りにしておけば、段階的に対応できます。
ただし、CSVにも利点がある
| CSV | XML | |
|---|---|---|
| ファイルサイズ | 小さい | 大きい(タグの分だけ) |
| 表計算ソフトで開く | そのまま開ける | 開けない |
| 人が目で確認する | 見やすい | 見づらい |
大量のデータを送る場合は、CSVのほうが現実的なこともあります。
判断の軸
| 状況 | 向く形式 |
|---|---|
| 決まった相手と、大量のデータをやり取りする | CSV |
| 不特定多数、または相手が変わりうる | XML |
| 構造が複雑(階層がある) | XML |
| 相手が表計算ソフトで扱う | CSV |
| Web APIで連携する | JSON(第7章) |
「どれが優れているか」ではなく「どの場面に向くか」——この節で学んだ言語の使い分けと、同じ考え方です。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a XMLは、利用者独自のタグを使って文書の属性情報や論理構造を定義できる。
> b XMLはテキストファイルであり、異なるOSやアプリケーションソフトウェアで読み込むことができる。
> c XMLでデータ交換を行うには、送信者および受信者で事前に情報を共有しておく必要がある。
解答 a:○ b:○ c:×

XMLとデータ交換(1/2)

XMLとデータ交換(2/2)
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