令和3年度 第6問 設問2 解説
問題文
下図は、IS 曲線とLM 曲線を描いている。この図に基づいて、下記の設問に答 えよ。 GDP IS 利子率 LM LM 曲線が垂直であるときの財政政策と金融政策の効果に関する記述として、 最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。なお、ここでは物価水準が一定 の短期的な効果を考えるものとする。 a 政府支出を増加させると、完全なクラウディング・アウトが発生する。 b 政府支出を増加させると、利子率の上昇を通じた投資支出の減少が生じる が、GDP は増加する。 c 貨幣供給を増加させると、利子率の低下を通じた投資支出の増加が生じる が、GDP は不変である。 d 貨幣供給を増加させると、利子率の低下を通じた投資支出の増加によって、 GDP は増加する。
解説
正解はイ(aとd)です。LM曲線が垂直というのは貨幣需要が利子率にまったく反応しないケースであり、これは古典派的な状況を表します。この場合、政府支出を増加させるとIS曲線が右にシフトして利子率は上昇しますが、LM曲線が垂直であるためGDPは全く増加せず、投資の減少分が政府支出の増加分を完全に相殺する「完全なクラウディング・アウト」が生じます(a)。一方、貨幣供給を増加させるとLM曲線が右にシフトし、利子率が低下して投資が刺激され、GDPは大きく増加します(d)。 これに対し、bは「GDPは増加する」としている点が誤りで、LM垂直では財政政策の効果はゼロです。cは「GDPは不変」としている点が誤りで、LM垂直では金融政策の効果が最大化されます。 覚え方としては、「LM垂直=財政政策無効・金融政策最強」「LM水平=財政政策最強・金融政策無効」という対称的な関係をセットで覚えておくと、この種の問題で迷わず判断できます。
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