ロゴ
財務・会計令和5年度第15問 設問2

令和5年度 第15問 設問2 解説

問題文

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 現在、Y社は総資本10 億円(時価ベース)の全額を自己資本で調達して事業活動 を行っており、総資本営業利益率は10 %である。また、ここでの営業利益は税引 前当期純利益に等しく、また同時に税引前キャッシュフローにも等しいものとす る。Y社は今後の事業活動において、負債による調達と自己株式の買い入れによっ て総資本額を変えずに負債と自己資本との割合(資本構成)を1: 1に変化させるこ とを検討しており、その影響について議論している。 モジリアーニ・ミラー理論において法人税のみが存在する場合、Y社が資本構 成を変化させることで、企業全体の価値に対する影響として、最も適切なものは どれか。ただし、法人税率は20 %とする。

ア企業価値が1 億円減少する。
イ企業価値が1 億円増加する。正解
ウ企業価値が4億円減少する。
エ企業価値が4億円増加する。

解説

正解はイです。MM理論(法人税がある場合)では、負債利用による企業価値の増加は「負債額×法人税率」という節税効果(タックスシールド)によって生じます。本問では総資本10億円のうち、資本構成を1:1にするため負債額は5億円となります。したがって節税効果は5億円×20%=1億円となり、企業価値は1億円増加します。 誤りの選択肢について、アは符号を逆にした誤りです。ウは金額・符号ともに誤りで、おそらく総資本10億円×法人税率20%×何らかの誤った係数で計算したものと考えられます。エは金額が誤りで、総資本10億円×税率20%=2億円、あるいはそれに近い誤計算(例えば総資本全体を負債と誤認した場合の計算)から4億円という誤答を導いた可能性があります。 次に同様の論点に出会った際は、まず「節税効果=負債額×法人税率」という公式を思い出し、総資本ではなく実際の負債額を正確に算出することがポイントです。本問では資本構成の比率(1:1)から負債額を正しく5億円と求められるかが正誤の分かれ目になります。

この問題を実際に解いてみる

プレミアム会員は年度別・科目別演習が無制限

演習を始める