令和6年度 第10問 設問2 解説
問題文
近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の取り組みが中小企業にも 拡大している。DX 推進に関する下記の設問に答えよ。 情報処理推進機構(IPA)が公開している「中小規模製造業者の製造分野におけ るデジタルトランスフォーメーション(DX)推進のためのガイド」では、中小規模 製造業が先進的にDX に取り組んでいる事例を基に、これからDX に取り組む 企業に向けて、その必要性や進め方がまとめられている。 このガイドに記載されている内容に関する記述の正誤の組み合わせとして、最 も適切なものを下記の解答群から選べ。 a スマートサービスは、AI やIoT などのデジタル技術を使い、顧客に高い体 験価値を与えるサービスのことで、モノの使用状況に基づいてメンテナンスな どを行うサービスのほか、モノづくりのノウハウを提供・サポートするサービ スも含まれる。 b スマートファクトリーは、生産設備をデジタル化し、ネットワーク上でデー タをやりとりすることで効率化している工場のことである。 c 製造分野のDX は、顧客価値を高めるため、製造分野で利用されている製造 装置や製造工程の監視・制御(OT:運用技術)などのデジタル化を軸に、IT と の連携により製品やサービス、ビジネスモデルの変革を実現することと定義さ れている。 d 中小規模製造業におけるDX においては、収益増に直結するスマートプロダ クトへの取り組みから行うことが推奨されている。
解説
正解はアです。IPAのガイドでは、a・b・cの記述はいずれも正しい内容です。スマートサービスはAIやIoTを活用し顧客に高い価値を提供するサービスで、保守メンテナンスだけでなくノウハウ提供型サービスも含む点が定義通りです。スマートファクトリーも設備のデジタル化とネットワーク連携による効率化工場という説明が正確です。製造分野のDXについても、OTとITの連携によりビジネスモデル変革を実現するという定義が示されている通りです。一方dは誤りで、ガイドでは中小規模製造業がいきなり収益に直結するスマートプロダクトから着手するのではなく、まず自社の製造工程の見える化・効率化(スマートファクトリー化)など足元の改善から段階的に取り組むことが推奨されています。 この論点で迷わないためには、DXの進め方は「身近な工程改善から段階的に高度化していく」という原則を軸に判断するとよいです。いきなり大きな価値創出(スマートプロダクト・サービス)から始めるという記述が出てきたら、優先順位を疑うという判断基準を持っておくと選択肢を絞りやすくなります。
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