法律の分類
法律の分類
法律には、日常生活に密接にかかわる民法や商法から、行政法や国際法まで幅広い種類があります。経営法務を学ぶにあたって、まず法律にはどのような分け方があるのかを押さえておきましょう。分類の視点を理解しておくと、個別の法律を学ぶときに『この法律はどの領域に属するのか』がすぐにわかるようになります。
法律の分類
簡単にいうと
簡単にいうと、法律は『書かれたルールか慣習か』『誰にでも適用されるか特定の人だけか』『当事者の意思で変えられるかどうか』など、さまざまな切り口で仕分けできます。7つの分類軸を覚えておくと、試験で個別の法律が出てきたときに位置づけがすぐわかります。
法律の分類には主に以下の7つの視点があります。
①成文法と不文法
分類の視点は『文書として書き起こされているかどうか』です。
- 成文法:文書の形で公布された法のことです。国会が制定する法律、内閣が制定する命令(政令)、各省の省令、地方公共団体の条例、最高裁判所の規則などがあります。
- 不文法:文書化されていない法のことです。慣習に基づく慣習法や、裁判例が積み重なってできた判例法などがあります。
②一般法と特別法
分類の視点は『適用対象が限定されているかどうか』です。
- 一般法:適用範囲が限定されていない広い法律です。民法が代表例です。
- 特別法:対象となる人・事柄・地域などが限定されている法律です。商法や会社法が代表例です。
- 特別法は一般法に優先して適用され、特別法に規定がない事項については一般法が補充的に適用されます。
③強行法規と任意法規
分類の視点は『当事者の意思で適用を排除できるかどうか』です。
- 強行法規:公の秩序に関わるルールで、当事者の合意があっても変更できません。物権法や会社法が代表的です。
- 任意法規:当事者の意思が優先するルールです。債権法や契約に関する規定が代表的です。
④公法と私法
分類の視点は『国家機関が関わるかどうか』です。
- 公法:国家権力や公益に関する法律です。憲法、行政法、刑法、訴訟法などがあります。
- 私法:対等な私人間の法律関係を規律する法律です。民法、商法、会社法などがあります。
⑤民事法と刑事法
分類の視点は『私人間の紛争か、国家の刑罰に関わるか』です。
- 民事法:私人間の紛争を解決するための法律です。民法、商法、会社法、民事訴訟法などがあります。
- 刑事法:国家の刑罰権の行使を規律する法律です。刑法、刑事訴訟法などがあります。
⑥実体法と手続法
分類の視点は『権利や義務の中身を定めたものか、それを実現する手順を定めたものか』です。
- 実体法:権利・義務など法律関係の内容(実体)を定めた法律です。民法、刑法などがあります。
- 手続法:実体法の内容を実現するための手続を定めた法律です。民事訴訟法、刑事訴訟法などがあります。
⑦英米法と大陸法
分類の視点は『世界の法律における法体系の違い』です。
- 英米法:イギリスやアメリカの法体系で、慣習法や判例法を重視します。
- 大陸法:ドイツやフランスなどヨーロッパ大陸の法体系で、成文法を重視します。日本の法体系は大陸法に属します。
具体例
たとえば商法と民法の関係でいうと、商法は『商人間の取引』に限定して適用される特別法であり、民法は商法に規定がない場合に補充的に適用される一般法です。ある取引にトラブルが起きたとき、まず商法の規定を確認し、そこにルールがなければ民法の規定を適用する、という順序になります。
試験のポイント
- ・・一般法と特別法の関係(特別法優先の原則)は頻出です
- ・・強行法規と任意法規の区別を正確に覚えましょう(物権法=強行法規、債権法=任意法規)
- ・・日本の法体系が大陸法系に属することも押さえておきましょう
- ・・テキストでは過去問マーカーなし
- ・基本知識として全体像を理解しておく程度でOKです
まとめ
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