消費、投資、金融政策に関する理論
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プレミアムで見るケインズ理論では、不況期における拡張的な金融政策の実施は、物価の上昇を招くものの、雇用増加と国民所得の増加をもたらす、ということを学習しました。この節では、それとは異なる金融政策に関する理論として、古典派の理論を学習します。
登場するのは貨幣数量式 、そこから導かれるケンブリッジ方程式とマーシャルのk、そしてマネタリストの主張するk%ルールです。
式そのものは という4文字の等式ひとつですが、古典派の仮定を入れると「金融政策は無効」という結論が出てくるところが要です。第8章、第9章で学んできた古典派の考え方が、ここで1本の式に結晶します。
令和3年第8問で貨幣数量式とk%ルールがまとめて問われています。経済学・経済政策の最後の論点として、しっかり仕上げていきましょう。
簡単にいうと
使われたお金の総額と、取引された金額の総額は同じはず。この当たり前の式から、金融政策は無効という結論が出てくるよ!
① 定義
貨幣数量式とは、
**1年間に行われる取引総額(取引量に物価を掛けたもの)は、
使われた貨幣総額(貨幣量に貨幣の流通速度を掛けたもの)に等しくなる**
という関係を表したものです。
簡単にいうと
貨幣数量式をひっくり返すと、「お金は所得の何割か手元に置かれる」という式になるの。その割合がマーシャルのkだよ!
① 古典派の貨幣需要
ケインズ派は貨幣需要について取引需要と投機的需要の2つを想定していましたが、
古典派は取引需要のみを想定します。
取引で使用される貨幣量(取引総額に相当)は、
国民所得 が増加すると比例的に増えるので、次のような式で表されます。
簡単にいうと
そのつど景気を見て動かすのではなく、毎年決まった率で増やせばいい。これがマネタリストの主張するk%ルールだよ!
① k%ルール
**マネタリストは、裁量的金融政策は行うべきではなく、
国民所得の成長に合わせて毎年k%で貨幣供給量を増加させればよいと考えます(k%ルール)。**
景気が良いから引き締める、悪いから緩める、といったそのつどの判断を否定し、
あらかじめ決めたルールに従うという考え方です。
② なぜルールに従うべきなのか
マネタリストの主張には、いくつかの根拠があります。
(1) 政策には時間のずれがある
第7章の裁量的財政政策で見たのと同じ問題です。
景気の悪化を統計で把握し、政策を決め、実施し、効果が出るまでには時間がかかります。
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| 記号 | 意味 |
|---|---|
| マネーサプライ(貨幣供給量) | |
| 貨幣の流通速度 | |
| 物価水準 | |
| 実質国民所得 |
左辺の は、1年間に使用された貨幣の総額を表し、
右辺の は名目国民所得を表します。
② 貨幣の流通速度
貨幣の流通速度 とは、
1年間に人々の間で貨幣が受け渡しされる回数(貨幣の回転率、貨幣の使用頻度、取引回数)
であり、一定と考えます。
同じ1万円札でも、1年に10回人から人へ渡れば、10万円分の取引を支えたことになります。
だから「貨幣量 × 回転数」が、1年間に使われた金額の総額になるわけです。
③ 古典派の結論 ― 金融政策は無効
ここからが本題です。
古典派の立場に立った場合、 は常に完全雇用国民所得が実現されるため、こちらも一定です。
第9章で学んだとおり、古典派理論ではAS曲線が垂直で、
国民所得はつねに完全雇用国民所得 で一定でした。
したがって、 のうち、
となります。
すると、動けるのは と だけです。
よって、マネーサプライ を増加させても物価 が上昇するだけである。
つまり、拡張的金融政策は無効という結論が得られます。
④ 式で確かめる
を について解くと、
と が一定なら、 は に比例します。
を2倍にすれば も2倍になる。ただそれだけで、(実質国民所得)は変わりません。
これを貨幣の中立性といいます。
貨幣量の変化は名目の値(物価)を動かすだけで、
実質の値(生産量、雇用)には影響しない、という考え方です。
⑤ 第9章とのつながり
第9章で学んだ古典派のAD-AS分析では、
「AD曲線をどうシフトさせても、国民所得は変化せず物価水準だけ変化する」という結論でした。
貨幣数量式は、この結論を別の角度から表現したものです。
| AD-AS分析(第9章) | 貨幣数量式(第10章) | |
|---|---|---|
| 古典派の仮定 | AS曲線が垂直 | が一定(完全雇用国民所得) |
| 金融緩和の効果 | 物価だけ上昇 | 物価だけ上昇 |
| 結論 | 有効需要管理政策は無効 | 拡張的金融政策は無効 |
⑥ ケインズ派ならどう考えるか
ケインズ派では、 は一定ではありません。
需要が足りなければ は完全雇用水準を下回ります。
そのため、 を増やせば も増える余地があります。
また、ケインズ派は貨幣の投機的需要を認めるので、
(貨幣の流通速度)も一定とは考えません。
流動性のわなの状態では、増えた貨幣が手元に滞留して使われないので、
が下がってしまいます。
で、 が増えても が同じだけ下がれば、 は変わりません。
「お金を増やしても物価も所得も動かない」という状況です。
が一定か否かが、古典派とケインズ派の見解を分けるもう1つの鍵になっています。
具体例
貨幣数量式を、数値で確かめましょう。
例題1: 基本の計算
マネーサプライ 兆円、貨幣の流通速度 、
実質国民所得 兆円のとき、物価水準 はいくらでしょうか。
例題2: マネーサプライを増やした場合(古典派)
同じ経済で、マネーサプライを600兆円に増やしたとします。
古典派の立場では 、 のまま変わりません。
| 変更前 | 変更後 | |
|---|---|---|
| マネーサプライ | 500 | 600(+20%) |
| 貨幣の流通速度 | 2 | 2(一定) |
| 実質国民所得 |
マネーサプライを20%増やしたら、物価が20%上がっただけ。
実質国民所得はまったく変わりませんでした。
これが「拡張的金融政策は無効」ということの中身です。
例題3: 変化率で考える
の両辺の変化率をとると、

貨幣数量式と古典派の結論
試験のポイント
(貨幣数量式と同じ式です。)
② ケンブリッジ方程式の導出
①を変形すると、次のようになります。
ただし
この式をケンブリッジ方程式といい、 をマーシャルのkといいます。
③ マーシャルのkの意味
ですから、貨幣の流通速度の逆数です。
そして という形から、
つまり、名目国民所得のうち、どれだけの割合が貨幣として保有されるかを表しています。
が「1年に何回使われるか」だったのに対し、
は「所得の何割を手元に置いておくか」です。
たとえば なら で、
「所得の4分の1にあたる金額を、つねに貨幣として持っている」ということになります。
④ 読み取れる関係
**マネーサプライ(貨幣供給量) と名目国民所得 との間には、
という比例定数を通じた正の相関関係が成り立つ**ことが確認できます。
が増えれば も増える、という素直な関係です。
ただし、古典派の立場では が一定なので、増えるのは だけです。
⑤ 記号の整理
| 記号 | 名前 | 意味 | 関係 |
|---|---|---|---|
| 貨幣の流通速度 | 1年間に貨幣が受け渡しされる回数 | ||
| マーシャルのk | 名目国民所得のうち貨幣で保有される割合 |
と は逆数の関係です。
理屈のうえでも整合的です。
手元に置く割合が小さければ、その分だけお金が世の中を速く回ることになります。
⑥ ケインズの流動性選好理論との対比
第8章で学んだケインズの貨幣需要関数と比べてみましょう。
| ケインズ | 古典派(ケンブリッジ方程式) | |
|---|---|---|
| 貨幣需要の中身 | 取引需要+投機的需要 | 取引需要のみ |
| 何に依存するか | 国民所得と利子率 | 名目国民所得のみ |
| 式 | ||
| 利子率の影響 | ある(投機的需要を通じて) | ない |
古典派の貨幣需要には利子率が入っていません。
これは第8章で学んだ「古典派のケース=貨幣需要の利子率弾力性がゼロ=LM曲線が垂直」
という話と、きちんとつながっています。
利子率が入っていないのですから、貨幣需要は利子率に反応しません。
だからLM曲線が垂直になるのです。
⑦ 理論のつながりを確認する
古典派の主張が、あちこちで同じ結論を導いていることを確認しておきましょう。
| 章 | 論点 | 古典派の主張 |
|---|---|---|
| 第8章 | LM曲線 | 貨幣需要は取引需要のみ → LM曲線は垂直 → 財政政策は無効、金融政策は有効 |
| 第9章 | AS曲線 | 名目賃金は伸縮的 → AS曲線は垂直 → 有効需要管理政策は無効 |
| 第10章 | 貨幣数量式 | も も一定 → を増やせば が上がるだけ → 金融政策は無効 |
第8章では「古典派なら金融政策は有効」だったのに、
第10章では「古典派は金融政策は無効」となっています。
矛盾ではありません。
第8章のIS-LM分析は物価を一定とした分析でした。
第9章以降で物価の変動を考えると、
金融緩和は物価を上げるだけで実質の国民所得は増えない、という結論になります。
どの分析の枠組みで聞かれているかを確認する、という第7章の教えが、
最後まで効いてきます。
具体例
ケンブリッジ方程式とマーシャルのkを、数値で扱ってみましょう。
例題1: マーシャルのkを求める
マネーサプライが500兆円、名目国民所得が2,000兆円のとき、
マーシャルのkはいくらでしょうか。
名目国民所得の25%が貨幣として保有されているということです。
貨幣の流通速度を求める
1年間に貨幣が4回受け渡しされていることになります。
検算: 。一致しました。
例題2: マネーサプライを求める
マーシャルのkが0.2、物価水準が1.5、実質国民所得が600兆円のとき、
必要なマネーサプライはいくらでしょうか。
例題3: マーシャルのkが変化した場合
不安が高まり、人々が手元に多くの現金を持つようになったとします。
マーシャルのkが0.25から0.4に上がりました。
貨幣の流通速度は、
4から2.5に下がりました。お金が世の中を回らなくなったということです。
マネーサプライが500兆円のままなら、
名目国民所得が2,000兆円から1,250兆円に激減してしまいます。
マーシャルのkが上がる=貨幣の流通速度が下がる=経済活動が縮む、
という関係が見てとれます。
これに対処するには、中央銀行がマネーサプライを増やす必要があります。
500兆円から800兆円へ増やせば、名目国民所得を維持できます。
日本の「マーシャルのkが高い」という話
日本はマーシャルのkが国際的に見て高い水準にあると言われます。
つまり、名目GDPに比べてマネーサプライが大きいということです。
言い換えると、お金は多く出回っているのに、あまり使われていない状態です。
これは第8章で学んだ「量的緩和でマネタリーベースを増やしても
マネーストックが増えず、物価も動かなかった」という話と重なります。
理論が現実を読むときの道具になっている例です。
式の変形を確実に
から への変形は、両辺を で割るだけです。
この3行を自分で書けるようにしておけば、
どの記号を聞かれても対応できます。
試験での問われ方
取引需要のみを想定します。2つを想定するのはケインズ派です。
正の相関関係が成り立つ」→ 正しい。
と の逆数関係
これは頻出の引っかけどころです。
、
「流通速度が速いほど、手元に置く割合は小さい」と意味で覚えておけば、
逆数だということを忘れません。
試験のポイント
そのころには景気が自力で回復していて、かえって過熱を招くかもしれません。
(2) 長期的には効果がない
第9章の自然失業率仮説で見たとおり、
マネタリストは長期的には失業率を自然失業率以下にできないと考えます。
裁量的な政策をくり返しても、物価上昇率だけが高くなっていくだけです。
(3) 貨幣数量式からの帰結
で が一定なら、
実質経済成長率に合わせてマネーサプライを増やせば、物価が安定します。
これが「国民所得の成長に合わせて毎年k%で増加させる」ということの根拠です。
(4) 予測可能性が高まる
ルールが決まっていれば、企業も家計も先を見通しやすくなります。
中央銀行が何をするか分からないという不確実性がなくなるので、
経済活動が安定します。
③ ケインズ派との対比
| ケインズ派 | マネタリスト | |
|---|---|---|
| 金融政策の考え方 | 有効需要を積極的に管理 | k%ルール |
| 裁量的な介入 | 必要 | すべきでない |
| 根拠 | 需要不足が失業を生む | 政策は時間のずれを伴い、長期には無効 |
| 中心人物 | ケインズ | フリードマン |
第9章で見た比較表の「金融政策」の行が、ここで詳しく説明されたことになります。
④ 「k」という文字に注意
この節には、紛らわしい2つの「k」が出てきます。
| 内容 | |
|---|---|
| マーシャルのk | 名目国民所得のうち貨幣として保有される割合() |
| k%ルールのk | 毎年の貨幣供給量の増加率(%) |
まったく別のものです。
たまたま同じ文字が使われているだけなので、混同しないでください。
試験でも、この2つを入れ替えた選択肢が出ることがあります。
⑤ 第10章のまとめ
第10章で学んだ内容を整理しておきましょう。
| 節 | 論点 | キーワード |
|---|---|---|
| 消費に関する理論 | 消費の三大仮説 | ライフサイクル/恒常所得/相対所得(ラチェット・デモンストレーション) |
| 投資に関する理論 | 限界効率理論以外の投資理論 | 加速度原理/トービンのq/新古典派 |
| 金融政策に関する理論 | 古典派の金融政策論 | /ケンブリッジ方程式/マーシャルのk/k%ルール |
⑥ 経済学・経済政策の全体を振り返る
第1章から第10章までの流れを、最後に俯瞰しておきます。
| 章 | 内容 | 分野 |
|---|---|---|
| 第1〜5章 | 消費者・企業の行動、市場の効率と失敗 | ミクロ経済学 |
| 第6章 | GDP、物価指数、景気動向指数 | マクロの測り方 |
| 第7章 | 生産物市場(45度線分析、乗数理論、IS曲線) | マクロ経済学 |
| 第8章 | 貨幣市場(貨幣供給・需要、LM曲線、IS-LM分析) | マクロ経済学 |
| 第9章 | 労働市場と物価(AD-AS分析、失業) | マクロ経済学 |
| 第10章 | 消費・投資・金融政策の諸理論 | マクロ経済学の補完 |
ミクロで「個々の主体がどう行動するか」を学び、
マクロで「国全体がどう動くか」を学び、
最後に「代表的な理論の対立」を押さえる、という構成です。
とくにケインズ派と古典派の対立は、第7章から第10章を貫く軸になっています。
この対立軸を頭に置いておけば、初見の論点でも「どちらの立場の主張か」で見当がつきます。
具体例
k%ルールの考え方を、数値で確かめましょう。
設定: ある国の実質経済成長率が毎年2%と見込まれています。
貨幣の流通速度 は一定です。
k%ルールに従う場合
物価上昇率をゼロにしたいなら、
毎年2%ずつマネーサプライを増やせばよいことになります。
マネーサプライの推移
| 年 | マネーサプライ | 実質GDP | 物価水準 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 500兆円 | 500兆円 | 1.00 |
| 2年目 | 510兆円 | 510兆円 | 1.00 |
| 3年目 | 520.2兆円 | 520.2兆円 | 1.00 |
経済の成長に合わせてお金を増やしているので、物価が安定しています。
裁量的な政策をした場合(マネタリストの批判)
3年目に不況が来たと判断して、マネーサプライを一気に10%増やしたとします。
| 年 | マネーサプライ | 実質GDP | 物価水準 |
|---|---|---|---|
| 3年目 | 561兆円(+10%) | 520.2兆円 | 1.078 |
で と が一定なので、増えた分だけ物価が上がります。
しかも、政策の効果が出るころには不況が終わっていて、
かえって景気を過熱させるかもしれません。
「だったら最初からルールに従っておけばよい」というのがマネタリストの主張です。
現実の金融政策との関係
現在の主要国の中央銀行は、k%ルールそのものは採用していません。
しかし、インフレ目標(インフレーション・ターゲティング)という形で、
| 主張・概念 | 学派・人物 |
|---|---|
| 有効需要の原理 | ケインズ |
| セイの法則 | 古典派 |
| 流動性選好理論 | ケインズ |
| 貨幣数量説・ケンブリッジ方程式 | 古典派 |
| 自然失業率仮説・貨幣錯覚 | フリードマン(マネタリスト) |
| k%ルール | マネタリスト |
| 恒常所得仮説 | フリードマン |
| ライフサイクル仮説 |
この表を埋められるようになれば、経済学・経済政策の総仕上げは完了です。

ケインジアンとマネタリストの対立
試験のポイント
プレミアムプラン
¥9,800〜/ 買い切り・自動更新なし(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。
| 500(変わらない) |
| 物価水準 | 2 | 2.4(+20%) |
が一定なら なので、
マネーサプライを5%増やし、実質経済成長率が2%の場合
この関係式は、k%ルール(次のテーマ)の根拠にもなっています。
「実質経済成長率に合わせてマネーサプライを増やせば、物価は安定する」わけです。
実質経済成長率が2%なら、マネーサプライも2%増やせばよい。
物価が安定します。
例題4: ケインズ派の見方(流動性のわな)
流動性のわなの状態で、マネーサプライを500から600に増やしたとします。
増えた100はすべて手元に滞留し、取引には使われませんでした。
つまり、貨幣の流通速度が下がります。
もともと でした。
取引総額が変わらないなら、
が2から1.67に下がったので、 は1,000のまま。
物価も実質国民所得も変わりません。
「お金を増やしても何も起こらない」という、流動性のわなの状況です。
設例(令和3年第8問に近い形)
問: 貨幣数量式に関する記述として、次の正誤を判定せよ。
a 貨幣数量式は で表され、 は貨幣の流通速度である。
b 古典派の立場では、マネーサプライを増加させると実質国民所得が増加する。
c 貨幣数量式において、 は名目国民所得を表す。
解答
a ○: 定義のとおりです。
b ×: 古典派の立場では、 は常に完全雇用国民所得で一定なので、
マネーサプライを増加させても物価が上昇するだけで、実質国民所得は増加しません。
c ○: 右辺の は、物価水準 × 実質国民所得なので、名目国民所得を表します。
記号の意味を確実に
の4つの記号を、それぞれ言えるようにしておいてください。
そして、左辺 は使われた貨幣の総額、右辺 は名目国民所得。
が実質で、 が名目、という関係も取り違えないようにしましょう。
「そのつど恣意的に判断するのではなく、明示したルールに従う」という発想は、
マネタリストの主張を受け継いだものと言えます。
日本銀行が「物価安定の目標を2%とする」と掲げているのも、この流れです。
設例(令和3年第8問 c)
問: 次の記述の正誤を判定せよ。
「ケインズ的な金融政策の考え方によれば、
貨幣供給量は経済成長率に合わせた一定率(k%)で増加させることが望ましい。」
解答: ×(誤り)
k%ルールはマネタリストの考え方です。
ケインズ的な金融政策の考え方は、有効需要を積極的に管理する、つまり
そのつど景気に応じて裁量的に金融政策を行うというものです。
この設例の狙い
内容そのものは正しい(k%ルールの説明として合っている)のに、
誰の主張かを入れ替えているという引っかけです。
経済学の選択肢では、この形の誤りが非常に多く見られます。
内容だけでなく、誰の主張かまで確認する癖をつけてください。
主張と学派の対応表
最後に、この科目で問われる主要な対応をまとめておきます。
| 相対所得仮説 | デューゼンベリー |
| トービンのq理論 | トービン |