費用逓減産業(自然独占)
市場の失敗と政府の役割
この節では、費用逓減産業(自然独占)の仕組みと規制方式を学びます。平均費用が右下がりになる産業で自然独占が成立するメカニズムを理解し、限界費用価格規制・平均費用価格規制・二部料金制の違いを押さえます。
費用逓減産業と自然独占
簡単にいうと
電力やガスみたいに巨額の設備投資が必要な産業は、1社で供給した方が効率的!でもそのまま放置すると独占の弊害が出ちゃう!
費用逓減産業とは、莫大な固定費用が必要で、実際に実現しうる需要規模のもとでは平均費用ACが右下がり(逓減)になるような産業。通信・ガス・水道・鉄道など。
費用逓減産業では、参入した企業は規模を拡大するほど有利(平均費用逓減)→競争の結果、1社だけが生き残る→自然独占が成立。
問題点:
1) 生産量を増やすほど有利なため、他の企業より早く参入した企業が市場の寡占化・独占化を進める
2) 大規模に経済が動いている場合、複数の企業で生産するよりも1社が供給した方が効率的(供給企業を限定した方が望ましい)
しかし独占を放置すると高価格・低生産量の弊害→各種の規制が必要
具体例
電力会社: 発電所・送電線の建設に莫大な固定費用。100万世帯に供給する場合、1社で供給した方が2社で分担するより平均費用が低い→自然独占。しかし独占のまま放置すると電気料金が高騰→政府による価格規制。
試験のポイント
- ・要は「固定費が巨大で平均費用が右下がり→自然と1社独占になる→規制が必要」の流れ
- ・費用逓減産業の特徴(ACが右下がり)と自然独占の成立メカニズムを理解する
- ・「複数社より1社の方が効率的」という点がポイント
限界費用価格規制と平均費用価格規制
簡単にいうと
自然独占への規制は2種類!限界費用で規制すると赤字になるけど効率的、平均費用で規制すると赤字にならないけど少し非効率!
自然独占(費用逓減産業)への価格規制:
限界費用価格規制(ファーストベスト): 価格=限界費用(P=MC)に規制。社会的に望ましい生産量Q₁が実現し、社会的総余剰が最大化される。ただし費用逓減産業ではMC<ACのため、P=MC<AC→企業は赤字。補助金が必要。
平均費用価格規制(セカンドベスト): 価格=平均費用(P=AC)に規制。企業の利潤はゼロ(独立採算が実現)で補助金不要。ただし生産量Q₂<Q₁で社会的最適より少ない→次善の策。
二部料金制: 基本料金(固定費用の回収)+従量料金(限界費用)の2段構え。限界費用価格規制と同じ効率的な生産量を実現しつつ、基本料金で赤字を補填。
具体例
自然独占企業のグラフで:
- 自然独占均衡: MR=MCで生産量Q₀、価格P₀(高い)→利潤あり
- 限界費用価格規制: P₁=MC、生産量Q₁(最大)→利潤=収入−費用=P₁Q₁−AC₁Q₁<0(赤字)→補助金必要
- 平均費用価格規制: P₂=AC₂、生産量Q₂(Q₀<Q₂<Q₁)→利潤ゼロ→補助金不要

費用逓減産業の価格規制
試験のポイント
- ・要は「MC規制=効率的だけど赤字(補助金要)、AC規制=赤字なし(独立採算)だけど非効率」のトレードオフ
- ・限界費用価格規制: P=MC→効率的だが赤字→補助金必要
- ・平均費用価格規制: P=AC→利潤ゼロ(独立採算)→補助金不要
- ・二部料金制はMC規制の赤字を基本料金で回収する方式
- ・グラフから各規制の価格・生産量・利潤を正確に読み取る問題が頻出
まとめ
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