ハードウェア
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プレミアムで見るパソコンでもスマートフォンでも、中を開けて基板を眺めれば無数の部品が載っています。ところが、その一つひとつが何をしているのかという観点で整理すると、コンピュータの仕事はたった5種類の役割に集約できます。これが5大装置です。この節では、まず情報技術という科目全体の地図を確かめたうえで、5大装置のそれぞれが何を担当し、データと制御の指示がどの順番でやり取りされるのかを追いかけます。最後に、その装置たちを1枚の基板の上で結びつけているマザーボードを取り上げ、ソケットやスロットといった接続口の名前を押さえます。ここはこの科目の入口にあたる部分で、あとに出てくるCPU・記憶装置・インタフェースの話は、すべてこの5大装置の図のどこかに位置づけられます。
簡単にいうと
いきなり専門用語の海に飛び込む前に、まずは地図を広げよう!この科目で出てくる話は、じつは「コンピュータの中」「つなぐ」「ためる」「守る」の4方向に整理できるんだ。そのうえで、コンピュータの中身を5つの役割に分けるところから始めるよ!
① この科目で学ぶことの地図
自宅からインターネットにつないでWebページを見る、という何気ない場面を思い浮かべてください。この一場面の裏側には、この科目で学ぶ論点がほとんど全部詰まっています。
| 場面のどこか | 対応する分野 | この科目での位置づけ |
|---|---|---|
| 手元の機械そのもの | ハードウェア | 電子回路や周辺機器という物理的な実体 |
| ブラウザやメールソフト | ソフトウェア | 機械に何をさせるかを書いた命令の集まり |
| 通信回線・ルータ・プロバイダ | ネットワーク/インターネット | 離れた機械どうしをつなぐしくみ |
| 相手側で情報を管理している場所 | データベース | 大量のデータを整理してためておくしくみ |
| 個人情報や取引情報を守る手立て |
具体例
表計算ソフトで「セルA1とA2を足してA3に表示する」という、ごく単純な操作を5大装置の言葉に翻訳してみましょう。どの装置がいつ働いているのかを、順番に声に出して追いかけてみてください。
1. 入力装置……キーボードから数値「120」「80」と数式「=A1+A2」が打ち込まれます。キーの押下という物理現象が、機械が扱える電気信号に変換されます。
2. 記憶装置(主記憶)……打ち込まれた値と数式が主記憶装置に置かれます。このとき、表計算ソフトのプログラム本体も、補助記憶装置から主記憶装置に読み込まれています。
3. 制御装置……主記憶装置から「足し算せよ」という命令を取り出して解読し、演算装置に対して「この2つの値を足せ」と指示を出します。
4. 演算装置…… を実行し、結果の を得ます。
5. 記憶装置(主記憶)……結果の

コンピュータの5大装置
試験のポイント
簡単にいうと
5つの名前を覚えるだけなら1分で終わるけど、試験で問われるのは「どっち向きに何が流れるか」!データの流れと制御の流れは別の線で描かれるんだ。ここを混ぜてしまうと、関係図の問題でごっそり落とすよ!
① 5つのステップで追いかける
コンピュータの中でデータがどう動くのかを、番号を振って整理します。
| 順番 | 動き | 補足 |
|---|---|---|
| ① | 入力装置からデータを主記憶装置に入力する | 人間の指示が機械の中に入る入口 |
| ② |
簡単にいうと
5大装置をバラバラに置いても動かないよね。それを1枚の板の上で結びつけて、電気と信号を通しているのがマザーボード!ソケットとスロットの名前は、そのまま用語問題になるからここで覚えちゃおう。
① マザーボードとは何か
マザーボードとは、CPUや記憶装置などの部品を装着する基板のことです。単なる台座ではなく、装置と装置の間のデータ転送を制御する役割も担っています。母(mother)という名前のとおり、さまざまな部品を抱え込んで面倒を見る親玉です。
マザーボードの上には、部品を差し込むための接続口がいくつも用意されています。差し込み口には大きく2つの呼び名があり、CPUやメモリを載せる受け皿をソケット、カード状の部品を差し込む細長い溝をスロットといいます。
② マザーボード上の主な接続口
| 名称 | 何をつなぐか |
|---|
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| セキュリティ |
| 盗まれない・壊されないようにする手立て |
たとえばネット証券で株式を売買すれば、証券会社はあなたの氏名や残高、注文の履歴をデータベースで管理します。その情報が第三者に盗み見られたり、書き換えられたりしては困ります。だからこそセキュリティが要る——というように、それぞれの分野はばらばらに存在しているのではなく、1本の流れでつながっています。
そして、ソフトウェアに書かれた命令に従って実際に処理を動かしているのは、コンピュータの機械の部分、つまりハードウェアです。ハードウェアとは、コンピュータを構成している電子回路や周辺機器などの物理的な実体、いい換えれば機械そのものを指します。
② コンピュータを5つの役割に分ける
コンピュータは一見すると複雑な機械ですが、やっていることは驚くほど画一的です。指示を受け取り(入力)、その指示に従って計算し(演算)、途中経過と結果を覚えておき(記憶)、全体の手順を指揮し(制御)、結果を人間に見せる(出力)。この5つの役割に対応する装置を5大装置といいます。
| 装置 | 担当する役割 | 具体例 |
|---|---|---|
| 入力装置 | 人間が理解できる情報を、機械が扱える形に変換して取り込む | キーボード、マウス、タッチパネル、スキャナ |
| 記憶装置 | プログラムやデータを保存する | 主記憶装置(メモリ)、補助記憶装置(SSD、ハードディスク) |
| 演算装置 | 算術演算・論理演算を実行する | CPUの中の演算部分 |
| 制御装置 | 命令を取り出して解読し、各装置に指示を出す | CPUの中の制御部分 |
| 出力装置 | 処理結果を人間が理解できる形に変換して外に出す | ディスプレイ、プリンタ、スピーカ |
このうち演算装置と制御装置をひとまとめにした部品がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)です。つまり「5大装置」といっても部品が5つ転がっているわけではなく、CPUが2つの役割を兼ねている、という点に注意してください。試験では「CPUは演算機能と制御機能をもつ」という形で問われます。
③ 記憶装置は2階建てになっている
記憶装置はさらに主記憶装置と補助記憶装置に分かれます。
作業机(主記憶)は手が届きやすい代わりに狭く、棚(補助記憶)は広い代わりに取りに行く手間がかかる、と考えるとイメージしやすいでしょう。この「速いが小さい/遅いが大きい」という関係は、のちに学ぶ記憶装置の階層の話にそのままつながっていきます。
④ 本体と周辺装置
5大装置のうち、CPUと主記憶装置は本体に収められ、入力装置・出力装置・補助記憶装置は周辺装置として本体につながる、という分け方もよく使われます。周辺装置を本体につなぐときの約束事が、この節の最後に出てくるインタフェースです。
6. 出力装置……主記憶装置にある がディスプレイに送られ、セルA3に表示されます。
7. 記憶装置(補助記憶)……ファイルを保存すると、主記憶装置の内容が補助記憶装置に書き込まれ、電源を切っても残るようになります。
ここで見落としやすいのが、演算装置と入力装置・出力装置が直接やり取りしていないという点です。データは必ずいったん主記憶装置を経由します。キーボードからCPUへ直行する矢印は引かれませんし、CPUからディスプレイへ直行する矢印も引かれません。試験で5大装置の関係図の穴埋めが出たときは、この「必ず主記憶装置を通る」という原則を思い出せば、たいてい答えが決まります。
一方、制御装置からは各装置へ指示の矢印が飛びます。データの流れ(実線)と制御の流れ(点線)は別物として描き分けられるのが約束です。
| プログラム本体もここで読み込まれる |
| ③ | 主記憶装置のデータをCPUが読み込み、処理して、結果を主記憶装置に書き込む | 計算そのもの。出入りとも主記憶が相手 |
| ④ | 主記憶装置の処理結果を出力装置に出力する | 人間に見える形になる |
| ⑤ | 主記憶装置の処理結果を補助記憶装置に書き込む | いわゆる「保存」 |
5つとも主記憶装置が片方の端になっていることに気づいたでしょうか。主記憶装置はコンピュータの中の中継地点であり、ここを経由しない移動はありません。「補助記憶装置から直接CPUへ」も「入力装置から直接出力装置へ」も起こりません。
② データの流れと制御の流れ
5大装置の関係図では、2種類の矢印が使い分けられます。
制御装置は自分でデータを加工しません。あくまで指揮者であって、演奏はしないわけです。逆に演算装置は計算しかせず、いつ計算を始めるかは自分では決めません。この役割分担が、CPUを「制御機能」と「演算機能」の2つに分けて説明する理由です。
③ プログラム内蔵方式という前提
いまの説明はすべて、プログラムもデータと同じように主記憶装置に置かれていることを前提にしています。この考え方をプログラム内蔵方式(プログラム記憶方式、ノイマン型)といいます。数学者フォン・ノイマンが提唱したとされる方式で、現在のコンピュータはほぼこの型です。
プログラム内蔵方式の利点は、プログラムを入れ替えるだけで同じ機械にまったく別の仕事をさせられることです。表計算ソフトを終了してブラウザを起動すれば、同じハードウェアが別の道具に変わります。配線を組み替えないと仕事を変えられなかった初期の計算機と比べると、この柔軟さは決定的でした。
一方で、命令もデータも同じ主記憶装置に取りに行くため、CPUと主記憶装置を結ぶ経路が渋滞しやすいという弱点も抱えています。CPUがどれだけ速くなっても、主記憶装置からのデータ待ちで手が空いてしまうのです。この渋滞をどう解消するかが、のちに学ぶキャッシュメモリやメモリインタリーブの出発点になります。
④ バス——装置どうしを結ぶ通り道
装置と装置の間でデータや信号をやり取りする共通の伝送路をバスといいます。乗り合いバスのように、複数の装置が1本の路線を共有するイメージです。
| バスの種類 | 運ぶもの |
|---|---|
| データバス | 実際のデータそのもの |
| アドレスバス | 主記憶装置のどの番地を読み書きするかという位置情報 |
| コントロールバス | 読み込みか書き込みかといった制御信号 |
バスが一度に運べるビット数をバス幅といい、幅が広いほど一度に多くのデータを運べます。また、バスが1秒間に何回動作するかを外部クロック周波数といいます。CPUがいくら速くてもバスが細ければ全体は速くならない、という点は、システムの性能評価でいうボトルネックの考え方そのものです。
具体例
「データの流れ」と「制御の流れ」を取り違えた選択肢は、試験で繰り返し出てきます。次の記述の正誤を考えてみてください。
> a 入力装置から読み込まれたデータは、演算装置に直接送られて処理される。
> b 制御装置は、主記憶装置から命令を取り出して解読し、各装置に動作の指示を出す。
> c 補助記憶装置に保存されたプログラムは、主記憶装置を経由せずCPUが直接実行する。
> d 演算装置は、次にどの命令を実行するかを自分で判断して処理を進める。
解答 a:× b:○ c:× d:×
この4つは、言葉を少し入れ替えるだけで無数の選択肢が作れます。「データは主記憶を経由する」「指示を出すのは制御装置」——この2つの原則さえ握っていれば、その場で作られた初見の選択肢でも判定できます。

データの流れと制御の流れ
試験のポイント
| CPUソケット | CPU | CPUの製造メーカごとに規格が異なる。メーカが違うCPUは載せられない |
| メモリソケット | メモリモジュール(主記憶) | 同一規格のメモリを複数枚差してデータ処理を高速化する技術がある |
| シリアルATA(SATA) | ATA対応ハードディスクや光学ドライブ | ケーブルで内蔵ドライブをつなぐ |
| PCIスロット | 拡張カード | 古くからある汎用の拡張スロット |
| PCI Expressスロット | ビデオカード(グラフィックボード)などの拡張カード | PCIの後継規格。高速な機器向け |
メモリモジュールは拡張メモリ、増設メモリともよばれます。パソコンの動作が重いときに「メモリを増設する」というのは、このメモリモジュールをメモリソケットに追加で差すことを指しています。
なお、同一規格のメモリを2枚1組で差して高速化する技術をデュアルチャネルといいます。マザーボード上のメモリソケットには「2枚1組」となる組み合わせが決まっていて、正しい組で差さないとデュアルチャネルは働きません。色分けされたソケットが並んでいるのはこのためです。
③ 拡張という考え方
パソコンは買ったときの構成のままで一生使うものではありません。あとから機能を足せるように、マザーボードにはあらかじめ空きのスロットが用意されています。
拡張の考え方は、のちに学ぶスケールアップ(1台の性能を上げる)とスケールアウト(台数を増やす)の区別にもつながります。メモリやカードを足して1台を強くするのがスケールアップの発想です。
④ 電源とチップセット
マザーボードには電源ケーブルをつなぐ電源コネクタがあり、ここから各部品に電気が配られます。また、CPUとメモリ、CPUと周辺機器の間のやり取りを取り持つ制御用の半導体をチップセットといい、マザーボードがどの規格のCPUやメモリに対応できるかは、このチップセットで決まります。
つまり「このマザーボードにはこのCPUしか載らない」という制約は、CPUソケットの物理的な形とチップセットの対応状況の両方から生まれている、ということです。
具体例
社内のパソコンが古くなり、買い替えではなく部品の追加で延命できないかと相談を受けた場面を考えます。マザーボードの知識が、そのまま判断材料になります。
相談内容……表計算の大きなファイルを開くと動作が極端に遅くなる。写真の編集も画面の描画がもたつく。
確認する順番
1. 主記憶装置の容量を確認する……大きなファイルを開いたときだけ遅いのであれば、主記憶装置が足りず、補助記憶装置との間でデータの出し入れ(スワッピング)が多発している可能性が高いといえます。メモリソケットに空きがあれば、同一規格のメモリモジュールを増設できます。このとき2枚1組で差してデュアルチャネルを効かせると、さらに転送が速くなります。
2. 画面描画の負荷を切り分ける……写真編集の描画がもたつくのであれば、PCI Expressスロットの空きにビデオカードを増設するという手があります。描画処理をCPUから切り離せるので、CPUを交換しなくても体感は大きく改善します。
3. CPUの交換は最後に検討する……CPUソケットの規格が合わなければ載せ替えはできません。マザーボードごと交換となると、実質的に新品を買うのと変わらない費用になります。
この判断の要点
「遅い=CPUが非力」と短絡しないことです。遅さの原因が主記憶装置の不足なのか、描画処理なのか、補助記憶装置の読み書きなのかで、打つべき手がまったく違います。システムの性能評価で学ぶボトルネックを特定してからそこに手を入れるという考え方は、実はこんな身近な場面から始まっています。
なお、補助記憶装置がハードディスクであれば、SATA接続のSSDに交換するだけで起動やファイル読み込みが劇的に速くなることも多く、費用対効果の面では最初に検討してよい選択肢です。

マザーボードと拡張のしくみ
試験のポイント
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