統計解析
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プレミアムで見る多変量解析とは、対象について観測された多数の変数(変量という)に関するデータを要約し、ある目的のもとに統合する統計的な分析手法の総称です。いくつもの変量が互いにどう絡んでいるのか——その関係を取り出すのが狙いです。この節では、単回帰分析・重回帰分析・主成分分析・因子分析・判別分析・クラスター分析・コンジョイント分析の7つを学びます。令和2年度・3年度で出題されており、「何をしたいときにどれを使うか」を1対1で結びつけておけば確実に得点できます。
簡単にいうと
多変量解析は「多数の変数のデータを要約し統合する手法の総称」!そして回帰分析は「要因から結果を予測する」。要因が1つなら単回帰、複数なら重回帰だよ。
① 多変量解析とは
多変量解析とは、対象について観測された多数の変数(変量という)に関するデータを要約し、ある目的のもとに統合する統計的な分析手法の総称です。
この分析を行うことで、複数の変量間の関係(相関)を解き明かすことができます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 対象について観測された多数の変数(変量) |
| 何をするか | データを要約し、ある目的のもとに統合する |
| 性格 | 統計的な分析手法の総称 |
| 分かること | 複数の変量間の関係(相関) |
② 「変量」という言葉
具体例
設例 多変量解析の手法
> 次の記述の正誤を判定せよ。(令和2年度第24問 改題)
> ある商品の売上高の日次データと、その商品の売上高に関係があると想定されるいくつかの変数のデータがある。どの変数が売上高にどの程度寄与しているのかを検討するには、判別分析を用いる。
解答 ×
回帰分析(重回帰分析)を用います。
判別のキーワード
| 選択肢の語 | 対応 |
|---|---|
| どの変数がどの程度寄与しているか | 重回帰分析 |
| 結果が0か1かを決定する | 判別分析 |
重回帰分析を実際に使う
状況:店舗の売上高を予測したい

回帰分析
試験のポイント
簡単にいうと
主成分分析は「まとめる」、因子分析は「原因を探る」、判別分析は「0か1かを決める」!主成分分析と因子分析は向きが逆——データから合成変数を作るのが主成分、背後の原因を探るのが因子だよ。
① 主成分分析
多変量の資料から、少数の合成された新たな変数(主成分)を求める手法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何をするか | 少数の合成された新たな変数(主成分)を求める |
| 元になるもの | 多変量の資料 |
簡単にいうと
クラスター分析は「似た性質のものを集めて集団を作る」!コンジョイント分析は「複数の要素の最適な組合せを探る」。令和2年度では2つを入れ替えた出題がされたよ。
① クラスター分析
異なる性質のものが混じり合った集団から、互いに似た性質をもつものを集め、クラスター(集団)を作る手法です。
分類の方法はさまざまであり、ビッグデータの分析手法として重要なものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何をするか | 互いに似た性質をもつものを集め、クラスター(集団)を作る |
| 対象 |
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| 意味 |
|---|
| 変量 | 観測された変数 |
多変量=多数の変数——名前がそのまま内容を表しています。
③ 単回帰分析
1つの要因から、1つの結果を予測するときの分析手法です。
y=ax+bで表すことができます(aとbは定数)。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| y | 結果(予測したいもの) |
| x | 要因 |
| a、b | 定数 |
分析の例
| 例 |
|---|
| ある店舗の販売数量が気温に影響を受ける場合、気温から販売数量を予測する |
④ 重回帰分析
複数の要因から、1つの結果を予測するときの分析手法です。
2つの要因のときは、y=ax+bu+cで表すことができます(aとbとcは定数)。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| y | 結果(予測したいもの) |
| x、u | 要因(2つ) |
| a、b、c | 定数 |
分析の例
| 例 |
|---|
| ある店舗の売上高が販売員の数/取扱商品数/特売日の日数に影響を受ける場合、これら3つの要因から売上高を予測する |
⑤ 単回帰と重回帰の違い
| 単回帰分析 | 重回帰分析 | |
|---|---|---|
| 要因の数 | 1つ | 複数 |
| 結果の数 | 1つ | 1つ |
| 式 | y=ax+b | y=ax+bu+c(2要因のとき) |
「要因が1つか複数か」——これが判別の一点です。
⑥ 回帰分析でできること
| できること | 内容 |
|---|---|
| 予測 | 要因の値から結果を予測する |
| 影響度の把握 | どの要因がどの程度寄与しているか |
⑦ 令和2年度で問われた誤り
| 誤った記述 | 正しくは |
|---|---|
| ある商品の売上高の日次データと、その商品の売上高に関係があると想定されるいくつかの変数のデータがある。どの変数が売上高にどの程度寄与しているのかを検討するには、判別分析を用いる | 回帰分析(重回帰分析)を用いる |
「どの程度寄与しているか」は回帰分析——判別のキーワードです。
⑧ 判別のキーワード
| 選択肢の語 | 対応 |
|---|---|
| 1つの要因から1つの結果を予測する | 単回帰分析 |
| 複数の要因から1つの結果を予測する | 重回帰分析 |
| どの変数がどの程度寄与しているか | 重回帰分析 |
⑨ 第13章とのつながり
第13章で学んだ機械学習の分類では、回帰分析は教師あり学習に分類されていました。
| 分類 | 手法 |
|---|---|
| 教師あり学習 | 回帰分析、判別分析、ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、SVM |
| 教師なし学習 | クラスター分析、主成分分析、因子分析 |
多変量解析の手法が、そのまま機械学習の手法でもある
| 手法 | 機械学習での分類 |
|---|---|
| 単回帰分析・重回帰分析 | 教師あり学習(回帰) |
| 判別分析 | 教師あり学習(分類) |
| 主成分分析 | 教師なし学習(次元削減) |
| 因子分析 | 教師なし学習 |
| クラスター分析 | 教師なし学習(クラスタリング) |
この対応を押さえておくと、両方の理解が深まります。
⑩ 回帰分析を使う際の注意
| 注意 | 内容 |
|---|---|
| 相関と因果は別 | 関係があっても原因とは限らない |
| 外挿は危険 | データの範囲外での予測 |
| 要因を入れすぎない | 多重共線性の問題 |
「外挿」の危険
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 気温10〜30度のデータで作ったモデル | その範囲では使える |
| 気温40度を入れて予測する | 信頼できない |
「多重共線性」
| 状況 | 問題 |
|---|---|
| 要因どうしが強く相関している | それぞれの寄与が正しく求まらない |
| 例 | 内容 |
|---|---|
| 「販売員の数」と「人件費」を両方入れる | ほぼ同じことを表している |
似た意味の要因は1つに絞る——実務上の注意点です。
| 項目 | 変数 |
|---|---|
| 結果(y) | 月間売上高 |
| 要因1(x₁) | 販売員の数 |
| 要因2(x₂) | 取扱商品数 |
| 要因3(x₃) | 特売日の日数 |
分析の結果(例)
(単位:万円)
係数の読み方
| 要因 | 係数 | 意味 |
|---|---|---|
| 販売員数 | 85 | 1人増やすと月商85万円増 |
| 取扱商品数 | 0.4 | 1品目増やすと月商0.4万円増 |
| 特売日数 | 12 | 1日増やすと月商12万円増 |
| 定数項 | 320 | すべてが0でも320万円 |
経営判断への活用
販売員を1人増やすべきか
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売上増 | 月85万円 |
| 粗利率30%なら粗利増 | 月25.5万円 |
| 人件費 | 月28万円 |
| 判断 | 見合わない |
特売日を1日増やすべきか
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売上増 | 月12万円 |
| 粗利増(特売なので粗利率20%) | 月2.4万円 |
| 告知費用など | 月3万円 |
| 判断 | 見合わない |
取扱商品数を50品目増やすべきか
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売上増 | 月20万円 |
| 粗利増(30%) | 月6万円 |
| 在庫コスト、管理の手間 | 月4万円 |
| 判断 | やや有利 |
「定量的に判断できる」ことが回帰分析の価値
| 勘で判断 | 回帰分析 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 経験 | データ |
| 説明 | 難しい | 数字で示せる |
| 検証 | できない | 後から確認できる |
注意点:相関と因果
| 発見 | 解釈の注意 |
|---|---|
| 販売員数と売上に強い相関 | 売上が多いから販売員を増やしたのかもしれない |
逆の因果関係
| 可能性 | 内容 |
|---|---|
| 販売員 → 売上 | 人を増やしたから売れた |
| 売上 → 販売員 | 売れているから人を増やした |
どちらかはデータだけでは分からない
確かめる方法
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 時間的な順序を見る | 増員が先か、売上増が先か |
| 実験する | 一部の店舗だけ増員して比較 |
| 現場に聞く | どういう経緯で増員したか |
「データ+現場の理解」が必要——統計だけでは結論が出ません。
単回帰分析の例:気温と販売数量
状況:アイスクリームの販売数量を気温から予測したい
| 気温(℃) | 販売数量(個) |
|---|---|
| 20 | 120 |
| 22 | 145 |
| 25 | 180 |
| 28 | 220 |
| 30 | 250 |
| 33 | 290 |
回帰式(例)
活用
| 明日の予想気温 | 予測販売数量 |
|---|---|
| 27℃ | 13×27 − 140 = 211個 |
発注への活用
| 判断 | 内容 |
|---|---|
| 211個を目安に発注する | 勘より精度が高い |
| 余裕を見て220個 | 欠品を避ける |
効果
| 項目 | 改善 |
|---|---|
| 廃棄 | 減る |
| 欠品 | 減る |
| 発注の時間 | 短縮 |
「外挿の危険」を確認する
| 気温 | 予測 | 妥当か |
|---|---|---|
| 27℃ | 211個 | データの範囲内。妥当 |
| 40℃ | 380個 | 範囲外。危険 |
40℃では逆に外出を控えて売れないかもしれない
| 現象 | 内容 |
|---|---|
| 猛暑日 | 人が外に出なくなる |
| 直線関係が崩れる | 予測が外れる |
「データの範囲内で使う」——これが回帰分析の鉄則です。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a 多変量解析とは、対象について観測された多数の変数に関するデータを要約し、ある目的のもとに統合する統計的な分析手法の総称である。
> b 単回帰分析は、1つの要因から1つの結果を予測するときの分析手法であり、y=ax+bで表すことができる。
> c 重回帰分析は、1つの要因から複数の結果を予測するときの分析手法である。
解答 a:○ b:○ c:×
| 例 |
|---|
| 社員を評価して選抜チームを作る場合、社員の複数の属性から選抜の基準を設定する |
② 主成分分析の目的
| 目的 | 内容 |
|---|---|
| 情報を要約する | 多数の変数を少数にまとめる |
| 総合的な指標を作る | 複数の指標を1つに |
「次元削減」
第13章で学んだ機械学習の分類では、主成分分析は教師なし学習の次元削減に分類されていました。
| 用途 | 内容 |
|---|---|
| 次元削減 | 画像圧縮など |
③ 因子分析
多変量のデータに対して、そのデータが得られる原因や根拠(因子)を探る分析手法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何をするか | データが得られる原因や根拠(因子)を探る |
分析の例
| 例 |
|---|
| 子どもたちの国語、数学、理科、社会、英語の5科目のテストの点数(データ)を得て、これらのデータを生み出す共通因子(学力)を仮定し、共通因子とデータの関係を探る |
④ 主成分分析と因子分析の違い
| 主成分分析 | 因子分析 | |
|---|---|---|
| 何をするか | 少数の合成された新たな変数を求める | データが得られる原因や根拠を探る |
| 向き | データ → 合成変数 | 原因(因子) → データ |
| 発想 | まとめる | 背後にあるものを探る |
⑤ 向きの違いを図で理解する
主成分分析
| 順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 5科目の点数がある |
| ② | それらを合成して「総合力」という主成分を作る |
因子分析
| 順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 5科目の点数がある |
| ② | 背後に「学力」という共通因子があると仮定する |
| ③ | その因子が各科目の点数を生み出していると考える |
「作る」か「仮定する」か——この違いが本質です。
⑥ 判別のキーワード
| 選択肢の語 | 対応 |
|---|---|
| 少数の合成された新たな変数(主成分)を求める | 主成分分析 |
| データが得られる原因や根拠(因子)を探る | 因子分析 |
| 共通因子を仮定し、共通因子とデータの関係を探る | 因子分析 |
⑦ 判別分析
結果が0か1かを決定するときに用いられる手法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何をするか | 結果が0か1かを決定する |
分析の例
| 例 |
|---|
| 新卒採用において、応募者のテストデータや面談結果から採用するかしないかを決定する |
⑧ 判別分析と回帰分析の違い
| 判別分析 | 回帰分析 | |
|---|---|---|
| 結果 | 0か1か(カテゴリ) | 連続した数値 |
| 例 | 採用する/しない | 売上高がいくらか |
「分類」か「予測(数値)」か
第13章で学んだ機械学習の分類と対応します。
| 機械学習での分類 | 多変量解析の手法 |
|---|---|
| 回帰 | 回帰分析 |
| 分類 | 判別分析 |
⑨ 判別分析が使える場面
| 場面 | 判別すること |
|---|---|
| 採用の可否 | 採用する/しない |
| 与信の判断 | 貸す/貸さない |
| 顧客の離反予測 | 離反する/しない |
| 不良品の判定 | 良品/不良品 |
| 受注の見込み | 受注できる/できない |
⑩ 3つの手法の整理
| 手法 | 何をするか | 分類(機械学習) |
|---|---|---|
| 主成分分析 | 少数の合成された新たな変数を求める | 教師なし学習 |
| 因子分析 | データが得られる原因や根拠を探る | 教師なし学習 |
| 判別分析 | 結果が0か1かを決定する | 教師あり学習 |
主成分分析と因子分析は教師なし、判別分析は教師あり
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 主成分分析・因子分析 | 正解ラベルがない。構造を見つける |
| 判別分析 | 正解ラベル(採用された/されなかった)がある |
⑪ 実務での使い分け
| やりたいこと | 手法 |
|---|---|
| 多数の指標を1つの総合指標にまとめたい | 主成分分析 |
| アンケートの回答の背後にある価値観を探りたい | 因子分析 |
| 2つのどちらかに分類したい | 判別分析 |
⑫ 第13章の機械学習とのつながり
| 手法 | 現代的な呼び方 |
|---|---|
| 判別分析 | 分類(classification) |
| 主成分分析 | 次元削減(PCA) |
統計学の手法が、そのまま機械学習の手法として使われている——用語が違うだけで中身は同じです。
具体例
主成分分析を実際に使う
状況:社員を評価して選抜チームを作りたい
評価項目(6つ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 営業成績 | 売上達成率 |
| 顧客満足度 | 顧客からの評価 |
| 知識テスト | 商品知識 |
| 協調性 | 上司・同僚評価 |
| 提案力 | 企画の採用数 |
| 勤怠 | 遅刻・欠勤の少なさ |
課題
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 6つの指標をどう総合するか | 単純に合計してよいか |
| 重みをどうつけるか | 恣意的になる |
主成分分析を使うと
| 結果 | 内容 |
|---|---|
| 第1主成分 | 6項目を合成した「総合力」 |
| 第2主成分 | 別の軸(例:対人力 vs 業務遂行力) |
第1主成分の解釈
| 項目 | 係数 |
|---|---|
| 営業成績 | 0.45 |
| 顧客満足度 | 0.42 |
| 提案力 | 0.40 |
| 知識テスト | 0.35 |
| 協調性 | 0.38 |
| 勤怠 | 0.20 |
すべての項目が正の係数
| 解釈 | 内容 |
|---|---|
| 第1主成分は「総合的な能力」を表す | 全体的に高い人が高得点 |
第2主成分の解釈
| 項目 | 係数 |
|---|---|
| 営業成績 | 0.50 |
| 提案力 | 0.45 |
| 顧客満足度 | −0.30 |
| 協調性 | −0.48 |
正と負が混在
| 解釈 | 内容 |
|---|---|
| 正が大きい人 | 個人の成果が高い |
| 負が大きい人 | 協調性・顧客対応が高い |
「攻めの人材」と「支えの人材」という軸
選抜への活用
| 目的 | 選び方 |
|---|---|
| 総合力の高い人を選ぶ | 第1主成分が高い人 |
| バランスの取れたチームを作る | 第2主成分で両極から選ぶ |
「合成変数を作る」ことの価値
| 6項目のまま | 主成分にまとめる | |
|---|---|---|
| 比較 | 難しい | 1〜2軸で比較できる |
| 可視化 | できない | 散布図で描ける |
| 判断 | 恣意的 | データに基づく |
因子分析を実際に使う
状況:顧客アンケートから、購買の背後にある価値観を探りたい
アンケート項目(10問、5段階評価)
| 項目 |
|---|
| 価格の安さを重視する |
| 品質の良さを重視する |
| ブランドを重視する |
| デザインを重視する |
| 機能の多さを重視する |
| アフターサービスを重視する |
| 環境への配慮を重視する |
| 生産地を重視する |
| 口コミを重視する |
| 店員の説明を重視する |
因子分析の結果(例)
| 因子 | 高い係数の項目 | 解釈 |
|---|---|---|
| 因子1 | 品質、ブランド、アフターサービス | 「安心志向」 |
| 因子2 | デザイン、機能、環境 | 「こだわり志向」 |
| 因子3 | 価格、口コミ | 「合理志向」 |
背後にある3つの価値観が見つかった
活用
| 因子 | 訴求の仕方 |
|---|---|
| 安心志向 | 保証、実績、サポート体制 |
| こだわり志向 | デザイン、素材、環境配慮 |
| 合理志向 | 価格、コスパ、レビュー |
顧客を分類する
| 顧客層 | 主な因子 | 施策 |
|---|---|---|
| A群 | 安心志向が高い | 長期保証を訴求 |
| B群 | こだわり志向が高い | デザイン、ストーリーを訴求 |
| C群 | 合理志向が高い | 価格、レビューを訴求 |
企業経営理論のセグメンテーション——年代や性別ではなく、価値観で分けるアプローチです。
「10項目を3つにまとめられた」ことの価値
| 10項目のまま | 3因子にまとめる | |
|---|---|---|
| 理解 | 複雑 | 分かりやすい |
| 施策 | 絞りにくい | 3つに集中できる |
| 社内の共有 | 難しい | 言葉にできる |
判別分析を実際に使う
状況:新卒採用の判断
データ
| 変数 | 内容 |
|---|---|
| 適性テストの点数 | 数値 |
| 面接評価 | 5段階 |
| 筆記試験 | 数値 |
| グループワーク評価 | 5段階 |
| 結果 | 採用した/しなかった(0か1) |
過去のデータから判別式を作る
| 判別得点 | 判定 |
|---|---|
| 閾値以上 | 採用(1) |
| 閾値未満 | 不採用(0) |
係数の読み方
| 変数 | 係数 | 解釈 |
|---|---|---|
| 面接評価 | 0.5 | 最も重視されている |
| GW評価 | 0.4 | 次に重視 |
| 適性テスト | 0.3 | — |
| 筆記 | 0.2 | 最も影響が小さい |
この分析の価値
| 発見 | 内容 |
|---|---|
| 実際には面接が最重要だった | 建前では総合評価と言っていた |
| 筆記の影響が小さい | 実施の意味を再検討 |
「実際にどう判断しているか」が見える
| 自覚 | 実際 | |
|---|---|---|
| 判断の基準 | 総合的に判断している | 面接の印象が支配的 |
この気づきが改善につながる
| 改善 | 内容 |
|---|---|
| 面接の評価基準を明確にする | 属人性を減らす |
| 筆記の内容を見直す | 判断に使える内容に |
| 評価の重みを意識的に決める | 無自覚な偏りを正す |
採用後の成果との関係も見る
| 分析 | 内容 |
|---|---|
| 入社後の評価を結果にする | どの選考項目が成果を予測するか |
| 発見の例 | 対応 |
|---|---|
| 面接評価と入社後の成果に相関がない | 面接の方法を見直す |
| 適性テストと成果に相関がある | 適性テストを重視する |
「選考基準の妥当性」を検証できる——人事における統計の実務的な活用例です。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a 主成分分析は、多変量の資料から、少数の合成された新たな変数(主成分)を求める手法である。
> b 因子分析は、多変量のデータに対して、そのデータが得られる原因や根拠(因子)を探る分析手法である。
> c 判別分析は、複数の要因から1つの結果を予測するときの分析手法である。
解答 a:○ b:○ c:×

主成分分析・因子分析・判別分析(1/2)

主成分分析・因子分析・判別分析(2/2)
試験のポイント
| 位置づけ | ビッグデータの分析手法として重要 |
分析の例
| 例 |
|---|
| ユーザの性別、年齢、居住地、嗜好、収入などの性質を定量化し、性質の似ているユーザを集めて、集団(クラスター)を作り、ユーザを分類する。クラスター毎にユーザの特性に合わせたダイレクトメールを送信する |
② 「クラスター」の意味
| 語 | 意味 |
|---|---|
| cluster | 房、集団、群れ |
③ クラスター分析の位置づけ
第13章で学んだ機械学習の分類では、教師なし学習のクラスタリングに分類されていました。
| 分類 | 用途 |
|---|---|
| 教師なし学習 | 正解ラベルがない |
| クラスタリング | 顧客セグメンテーション |
④ 「正解がない」ことの意味
| 判別分析 | クラスター分析 | |
|---|---|---|
| 事前の分類 | ある(採用/不採用) | ない |
| やること | どちらに属するか判定する | いくつのグループに分かれるか見つける |
| 機械学習での分類 | 教師あり | 教師なし |
⑤ コンジョイント分析
商品やサービスを構成する複数の要素の最適な組合せを探るためにマーケティング分野で利用される分析手法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何をするか | 複数の要素の最適な組合せを探る |
| 利用分野 | マーケティング分野 |
分析の例
| 例 |
|---|
| 分譲マンションであれば、価格、広さ、間取り、駅からの距離、駐車場の有無、日当たり、…といった複数の要素について、顧客はどの点を重視しているのか、また顧客に最も好まれるような要素の組合せはどれかを統計的に探る |
⑥ コンジョイント分析でできること
| できること | 内容 |
|---|---|
| 各要素の重要度を測る | 価格と立地、どちらが重視されるか |
| 最適な組合せを求める | 最も好まれる仕様 |
| トレードオフを定量化する | 駅から5分遠くなる代わりにいくら安ければよいか |
3つ目がとくに実務的
| 問い | 答え |
|---|---|
| 駅から10分 → 15分になるなら、価格はいくら下げるべきか | 数値で示せる |
⑦ 令和2年度で問われた誤り
| 誤った記述 | 正しくは |
|---|---|
| 数千人の顧客について、属性データ(男女・所得・購入履歴など)や趣味・嗜好に関するデータがある。顧客の特性にあったマーケティング活動をしたいので、顧客を分類するには、コンジョイント分析を用いる | クラスター分析を用いる |
判別のキーワード
| 選択肢の語 | 対応 |
|---|---|
| 似た性質をもつものを集め、集団を作る/顧客を分類する | クラスター分析 |
| 複数の要素の最適な組合せを探る | コンジョイント分析 |
「分類する」ならクラスター分析、「組合せを探る」ならコンジョイント分析
⑧ 7つの手法の総まとめ
| 手法 | 何をするか |
|---|---|
| 単回帰分析 | 1つの要因から1つの結果を予測する |
| 重回帰分析 | 複数の要因から1つの結果を予測する |
| 主成分分析 | 少数の合成された新たな変数(主成分)を求める |
| 因子分析 | データが得られる原因や根拠(因子)を探る |
| 判別分析 | 結果が0か1かを決定する |
| クラスター分析 | 似た性質をもつものを集め、クラスター(集団)を作る |
| コンジョイント分析 | 複数の要素の最適な組合せを探る |
⑨ 「やりたいこと」から手法を選ぶ
| やりたいこと | 手法 |
|---|---|
| 数値を予測したい | 回帰分析 |
| どの要因が効いているか知りたい | 重回帰分析 |
| 指標をまとめたい | 主成分分析 |
| 背後の原因を探りたい | 因子分析 |
| 2つに分類したい(正解あり) | 判別分析 |
| グループに分けたい(正解なし) | クラスター分析 |
| 最適な組合せを知りたい | コンジョイント分析 |
⑩ 機械学習との対応(再掲)
| 多変量解析の手法 | 機械学習での分類 |
|---|---|
| 回帰分析 | 教師あり学習(回帰) |
| 判別分析 | 教師あり学習(分類) |
| 主成分分析 | 教師なし学習(次元削減) |
| 因子分析 | 教師なし学習 |
| クラスター分析 | 教師なし学習(クラスタリング) |
「正解ラベルがあるか」で教師あり・なしが決まる——第13章と合わせて押さえておきましょう。
具体例
設例 クラスター分析とコンジョイント分析
> 次の記述の正誤を判断せよ。(令和2年度第24問 改題)
> 数千人の顧客について、属性データ(男女・所得・購入履歴など)や趣味・嗜好に関するデータがある。顧客の特性にあったマーケティング活動をしたいので、顧客を分類するには、コンジョイント分析を用いる。
解答 ×
クラスター分析を用います。
判別の一点
| 選択肢の語 | 対応 |
|---|---|
| 顧客を分類する | クラスター分析 |
「分類する」という語がクラスター分析の目印
クラスター分析を実際に使う
状況:顧客3,000人をグループ分けしたい
使うデータ
| 変数 | 内容 |
|---|---|
| 年間購買金額 | 数値 |
| 来店頻度 | 回/年 |
| 平均客単価 | 数値 |
| 最終来店からの経過日数 | 日数 |
| 購入カテゴリ数 | 種類 |
分析の結果(4つのクラスター)
| クラスター | 人数 | 特徴 |
|---|---|---|
| A | 280人 | 高頻度・高単価・幅広い購入 |
| B | 920人 | 高頻度・低単価・カテゴリ限定 |
| C | 640人 | 低頻度・高単価 |
| D | 1,160人 | 低頻度・低単価・長期未来店 |
各クラスターへの施策
| クラスター | 施策 |
|---|---|
| A(優良顧客) | 特別な扱い。新商品の先行案内。関係を維持する |
| B(常連・限定購入) | 他カテゴリを勧める。クロスセル |
| C(たまに大きく買う) | 来店頻度を上げる。イベント案内 |
| D(離反予備軍) | 再来店を促す。復帰特典 |
売上への貢献度を見る
| クラスター | 人数比 | 売上比 |
|---|---|---|
| A | 9% | 42% |
| B | 31% | 28% |
| C | 21% | 22% |
| D | 39% | 8% |
パレートの法則に近い構造
| 発見 | 内容 |
|---|---|
| 上位9%が売上の42% | 優良顧客の維持が最優先 |
| 下位39%は売上の8% | 費用をかけすぎない |
施策の優先順位
| 順 | 対象 | 理由 |
|---|---|---|
| ① | Aの維持 | 失うと影響が大きい |
| ② | BとCの引き上げ | Aになる可能性 |
| ③ | Dへの働きかけ | 費用対効果を見ながら |
「全員に同じDMを送る」からの脱却
| 一律のDM | クラスター別のDM | |
|---|---|---|
| 反応率 | 低い | 高い |
| 費用 | 同じ | 絞れば下がる |
| 顧客の印象 | 関係ない情報 | 自分に合った情報 |
企業経営理論で学ぶワン・トゥ・ワン・マーケティング——その基盤となる分析です。
コンジョイント分析を実際に使う
状況:新商品の仕様を決めたい(業務用の調理器具)
検討する要素と水準
| 要素 | 水準 |
|---|---|
| 価格 | 15万円/20万円/25万円 |
| 処理能力 | 標準/1.5倍/2倍 |
| サイズ | 大/中/小 |
| 保証期間 | 1年/3年/5年 |
| メンテナンス | 自社対応/訪問サービス |
すべての組合せ
| 計算 | 結果 |
|---|---|
| 3×3×3×3×2 | 162通り |
162通りすべてを評価してもらうのは現実的でない
コンジョイント分析の工夫
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 直交表を使う | 代表的な十数通りだけを評価してもらう |
| 統計的に全体を推定する | 各要素の重要度を求める |
分析の結果(例)
| 要素 | 重要度 |
|---|---|
| 価格 | 35% |
| 処理能力 | 28% |
| メンテナンス | 18% |
| 保証期間 | 12% |
| サイズ | 7% |
各水準の評価(部分効用)
| 要素 | 水準 | 効用 |
|---|---|---|
| 価格 | 15万円 | +1.8 |
| 20万円 | 0 | |
| 25万円 | −2.1 | |
| 処理能力 | 標準 | −1.2 |
| 1.5倍 | +0.4 |
読み取れること
| 発見 | 内容 |
|---|---|
| 価格が最重要 | 予想どおり |
| サイズはほとんど重視されない | 意外な発見 |
| 訪問サービスの価値が高い | 有料でも成立しうる |
トレードオフを計算する
| 問い | 計算 |
|---|---|
| 処理能力を標準から2倍にすると、いくらまで値上げできるか | — |
| 計算 | 内容 |
|---|---|
| 処理能力の効用増 | 1.5 − (−1.2) = 2.7 |
| 価格の効用変化 | 15万円→25万円で −3.9 |
| 1万円あたりの効用 | −0.39 |
| 2.7 ÷ 0.39 | 約6.9万円 |
「処理能力を2倍にすれば、約7万円の値上げが許容される」
この分析の実務的な価値
| 判断 | 内容 |
|---|---|
| 処理能力2倍の開発費が7万円未満なら | やるべき |
| 7万円を超えるなら | 見送る |
「サイズはほとんど重視されない」という発見
| 従来の想定 | 実際 |
|---|---|
| 小型化が競争力になる | 顧客はあまり重視していない |
開発資源の再配分
| 変更前 | 変更後 |
|---|---|
| 小型化に開発費を投入 | 処理能力の向上に投入 |
「思い込みを数字で正す」ことが、コンジョイント分析の最大の価値
中小企業での実施可能性
| 課題 | 対応 |
|---|---|
| 回答者を集められない | 既存顧客に依頼する |
| 分析ができない | 外部の専門家、大学との連携 |
| 費用 | 補助金、専門家派遣制度 |
簡易版として
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 主要顧客に直接聞く | 「価格と処理能力、どちらを取りますか」 |
| 選択肢を2つ提示して選んでもらう | 簡易的なコンジョイント |
厳密でなくても、「何を重視するか」を構造的に聞くだけで発見がある
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a クラスター分析は、異なる性質のものが混じり合った集団から、互いに似た性質をもつものを集め、クラスター(集団)を作る手法である。
> b コンジョイント分析は、商品やサービスを構成する複数の要素の最適な組合せを探るためにマーケティング分野で利用される分析手法である。
> c クラスター分析は、分類の方法が1つに定まっており、ビッグデータの分析には適さない。
解答 a:○ b:○ c:×

クラスター分析とその他の多変量解析
試験のポイント
プレミアムプラン
¥9,800〜/ 買い切り・自動更新なし(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。
判別の基準
| 2倍 | +1.5 |
| メンテナンス | 自社対応 | −0.8 |
| 訪問サービス | +0.9 |