ネットワーク
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プレミアムで見る複数の拠点を通信回線で結んで、情報のやり取りをする仕組みをネットワークといいます。インターネットはもちろん、電話やFAXが接続している電話網もネットワークです。とくにコンピュータ同士がお互いに連携して処理を行うようなネットワークをコンピュータネットワークといい、接続することでデータの共有やプリンタなどの機器の共有が可能になります。この節では、範囲の広さによる分類(LANとWAN)から始め、つなぎ方の形(トポロジ)と、つなぐ線そのもの(接続媒体)を押さえます。どれも「1台が壊れたときに全体がどうなるか」という観点で比べると、特徴が頭に入りやすくなります。
簡単にいうと
ネットワークの分類は、まず「範囲の広さ」から!建物の中だけならLAN、本社と支社を結ぶならWAN。この2つの関係が、この章ぜんぶの土台になるよ。
① ネットワークとは
複数の拠点を通信回線で結んで、情報のやり取りをする仕組みをネットワークといいます。インターネットはもちろん、電話やFAXが接続している電話網もネットワークです。
とくに、コンピュータ同士がお互いに連携して処理を行うようなネットワークをコンピュータネットワークといいます。コンピュータ同士をネットワークで接続することにより、データの送受信によるデータの共有やプリンタなどの機器の共有が可能となります。
② ネットワークで何が変わるのか
ネットワークがない世界を想像すると、価値がはっきりします。
| ネットワークがなければ | ネットワークがあれば |
|---|---|
| ファイルをUSBメモリで手渡しする | 共有フォルダから直接開ける |
| 部署ごとにプリンタを買う | 1台を全員で使える |
| 各自のパソコンにデータが散らばる | サーバで一元管理できる |
| 支社の売上を電話やFAXで報告する | 本社のシステムに直接入力できる |
具体例
ある中小企業のネットワーク構成を読み解く
従業員50名、本社と1つの支店を持つ会社を想定します。
| 場所 | 何があるか | 分類 |
|---|---|---|
| 本社の各フロア | パソコン30台、プリンタ3台、ファイルサーバ1台 | LAN |
| 支店 | パソコン15台、プリンタ1台 | LAN |
| 本社⇔支店 | 通信事業者の回線で接続 | WAN |
| 本社⇔インターネット | プロバイダ経由で接続 |

ネットワークの全体像とLAN・WAN
試験のポイント
簡単にいうと
トポロジは「つなぎ方の形」のこと。見分けるポイントは「1台が壊れたら全体が止まるか」!スター型は止まらない、リング型は止まる。ここが決め手だよ。
① トポロジとは
トポロジ(topology)とは、ネットワークの接続形態のことです。LANのトポロジには、スター型、リング型などがあります。
もともとは数学の位相幾何学(トポロジー)に由来する言葉で、形のつながり方に注目する考え方です。ケーブルが何メートルあるかではなく、どこから何本出ていて、どこにつながっているかが問題になります。
② スター型
LANを制御する装置を中心として、これに複数のコンピュータを放射線状に接続した形態のことです。
LANを構築する最も手軽な方法は、ハブを中心に接続することです。
特徴
簡単にいうと
ケーブルにも3種類あるの。安くて扱いやすいより対線、ノイズに強い同軸ケーブル、そして圧倒的に速い光ファイバ。それぞれ「ノイズ対策をどうやっているか」が違うんだ。
① 3つの接続媒体
LAN内で機器を接続する媒体には、より対線、同軸ケーブル、光ファイバなどがあります。
② より対線(ツイストペアケーブル)
より対線は、2本の銅線を「より合わせた」ケーブルです。
2本の銅線をより合わせることで、中を流れる電気信号が、磁気や電気的なノイズの影響を受けにくくなるようにしています。価格が安いうえ、取り扱いも楽です。
なぜより合わせるとノイズに強いのか
2本の線をねじり合わせると、外部から入ってくるノイズが2本の線に同じように乗ります。受け取る側は2本の差を見るので、両方に同じだけ乗ったノイズは差し引きで消えます。撚る(より合わせる)という単純な工夫で、追加の部品なしにノイズを減らしているわけです。
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③ コンピュータネットワークの種類
コンピュータネットワークには、同一構内など限られた範囲内のコンピュータや周辺機器を接続したLAN、本社と支社など地域的に離れたLAN同士を接続したWANなどがあります。
LAN(Local Area Network)
LANとは、企業のビル内や工場、あるいは大学のキャンパスなど、限られた範囲内でコンピュータや関連機器を接続したネットワークです。
WAN(Wide Area Network)
WANとは、本社と支社など、地域的に離れたLAN同士を接続したネットワークです。WANは、通信事業者が設置・運用する回線網を指すことが多いものです。
④ 2つの違いを整理する
| LAN | WAN | |
|---|---|---|
| 意味 | Local(局所的な)Area Network | Wide(広い)Area Network |
| 範囲 | ビル内、工場内、キャンパス内 | 地域的に離れた拠点間 |
| 誰が敷設するか | 自社(構内配線) | 通信事業者が設置・運用する回線網 |
| つなぐもの | コンピュータや周辺機器 | LAN同士 |
「LAN同士を接続したネットワーク=WAN」という関係が要点です。WANは、単に広いネットワークというより、LANとLANの橋渡しだと捉えてください。
⑤ 全体像を図で
この構造は、インターネットにもそのまま当てはまります。世界中のLANが、通信事業者の回線網を通じてつながっているのがインターネットです。
⑥ 自社で敷くか、借りるか
LANとWANの違いは、誰が設備を持つかという費用の話にもつながります。
| 設備 | 費用の性格 | |
|---|---|---|
| LAN | 自社でケーブルを敷き、機器を買う | 初期投資(設備投資) |
| WAN | 通信事業者の回線を借りる | 毎月の利用料(経費) |
ビルの中にケーブルを敷くのは自社でできますが、東京から札幌まで自社で回線を引くことは現実的ではありません。だからWANは通信事業者から借りる形になります。
この「借りる」という発想は、第12章で学ぶクラウドコンピューティングやITアウトソーシングにもつながる考え方です。自前で持つか、サービスとして使うか——情報システムの世界では、この選択が繰り返し問われます。
このとき何ができるか
どこが遅くなるか
| 経路 | 速度の目安 | ボトルネックになりやすいか |
|---|---|---|
| 本社のLAN内 | 1Gbps程度 | なりにくい |
| 本社⇔支店(WAN) | 100Mbps程度 | なりやすい |
| インターネット | 契約による | なりやすい |
WANはLANより遅く、費用も高いのが一般的です。したがってシステムを設計するときは、
といった工夫が必要になります。第7章で学ぶ分散処理の考え方は、こうした事情から生まれています。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a LANとは、企業のビル内や工場など、限られた範囲内でコンピュータや関連機器を接続したネットワークである。
> b WANとは、同一構内のコンピュータを接続したネットワークであり、自社で回線を敷設する。
> c コンピュータ同士をネットワークで接続することにより、データの共有やプリンタなどの機器の共有が可能となる。
解答 a:○ b:× c:○
| 長所 | 短所 |
|---|
| 1つの端末が故障してもネットワーク内の他の端末に影響を与えることはない | ハブが故障するとLAN全体の機能が停止してしまう |
| 拡張が容易(ハブにポートがあれば追加できる) | 中心の装置に依存する |
③ リング型
すべての端末を環状にケーブルで接続する方式です。
特徴
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| — | 他の方式に比べ、ケーブルの総延長が長くなる |
| — | ある端末が故障すると、データの送受信ができなくなるため、LAN全体に影響を与える |
リング型は、データが端末から端末へバケツリレーのように渡っていく構造です。輪の1か所が切れれば、そこから先へ進めなくなります。だから1台の故障が全体に波及します。
④ 2つを比べる
| スター型 | リング型 | |
|---|---|---|
| 形 | 中心の装置から放射状 | すべての端末を環状に接続 |
| 中心の装置 | ハブが必要 | 不要 |
| 1台の端末が故障 | 他に影響しない | LAN全体に影響 |
| 中心装置の故障 | LAN全体が停止 | — |
| ケーブルの総延長 | 短い | 長くなる |
| 拡張 | 容易 | 手間がかかる |
⑤ 決め手は「1台の故障で全体が止まるか」
この2つを見分ける最短の問いは、「端末が1台壊れたらどうなるか」です。
なぜこうなるのかは、データの通り道を考えれば分かります。スター型では、すべてのデータがハブを経由します。端末Aと端末Bがやり取りするとき、端末Cは経路に関係ありません。リング型では、AからBへ行くデータがCを通過するかもしれません。だからCが壊れると困るのです。
⑥ 現在の主流
後で学ぶとおり、近年の規格では、トポロジはスター型が主流になっています。
理由は上の表から明らかです。1台の故障が全体に波及しないこと、そして端末の追加が容易なことは、実務上きわめて大きな利点だからです。リング型は、トークンパッシング方式(次節)と組み合わせたトークンリング方式として使われてきましたが、現在ではほとんど見かけません。
⑦ ハブへの依存という弱点
スター型の唯一の弱点は、中心のハブが壊れると全体が止まることです。
この弱点への対策として、重要なネットワークでは
といった手立てが取られます。第7章で学ぶフォールトトレランス(障害が起きても機能を維持する設計)の考え方が、ここでも使われます。
具体例
オフィスのLANを設計してみる
3フロアのオフィスに、合計40台のパソコンを設置する場面を考えます。
スター型で組む場合
| 階 | 構成 |
|---|---|
| 1階 | ハブ1台に、パソコン15台を接続 |
| 2階 | ハブ1台に、パソコン15台を接続 |
| 3階 | ハブ1台に、パソコン10台を接続 |
| 全体 | 3台のハブを、親のハブでまとめる |
ハブにハブを接続することをカスケード接続といいます(次節で詳しく学びます)。
このとき何が起きるか
| 故障 | 影響範囲 |
|---|---|
| 2階のパソコン1台が壊れた | その1台だけ |
| 2階のハブが壊れた | 2階の15台すべて |
| 親のハブが壊れた | 全40台 |
影響範囲が階層に応じて広がることが分かります。したがって、
という投資の配分が導けます。どこが止まるとどこまで止まるかを把握することが、設備投資の優先順位を決めるわけです。
リング型ならどうなるか
40台を1本の輪でつなぐと、
実用に耐えません。これがスター型が主流になった理由です。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a スター型は、1つの端末が故障してもネットワーク内の他の端末に影響を与えることはない。
> b リング型は、ある端末が故障してもLAN全体には影響を与えない。
> c リング型は、他の方式に比べてケーブルの総延長が短くなる特徴がある。
解答 a:○ b:× c:×

LANのトポロジー(スター型vsリング型)
試験のポイント
同軸ケーブルは、中央に1本の銅線があって、その周りを絶縁体で被い、その外に細い銅線の網があって、一番外側はビニールで包まれています。つまり、輪切りにすると同心円になっているケーブルです。
外側にある銅線の網で外部からの電気的なノイズなどの影響を防いでいます。物理的な強度が高い反面、少し硬めで取り扱いが容易ではありません。
なぜ同軸というのか
中心の銅線と、外側の網が同じ軸を共有していることから、同軸(coaxial)とよばれます。外側の網が、内側の信号線をぐるりと包んで電磁的な盾(シールド)になっています。
④ 光ファイバ
光ファイバは、光の透過率のきわめて高い材料を使用し、屈折率の異なるグラスファイバを同心円状に2層にしたとても細いガラスまたはプラスチックの線です。
その中を通す光を使ってデータを伝送します。従来の銅の電話線よりはるかに高速な通信ができます。
なぜ速く、なぜノイズに強いのか
光ファイバは電気ではなく光を使います。したがって、
という利点があります。次節で学ぶ100BASE-FXの最大伝送距離が412m〜20kmと、ツイストペアの100mに比べて桁違いに長いのは、この性質によります。
⑤ 3つを比べる
| より対線(ツイストペア) | 同軸ケーブル | 光ファイバ | |
|---|---|---|---|
| 伝えるもの | 電気信号 | 電気信号 | 光 |
| ノイズ対策 | 2本をより合わせる | 外側の銅線の網(シールド) | 原理的に影響を受けない |
| 価格 | 安い | 中程度 | 高い |
| 取り扱い | 楽 | 硬めで容易ではない | 曲げに弱い |
| 速度 | 標準 | 標準 | はるかに高速 |
| 伝送距離 | 短い(100m程度) | 中程度 | 長い |
⑥ 使い分け
| 場面 | 選ばれる媒体 |
|---|---|
| オフィス内のパソコン接続 | より対線(安くて扱いやすい) |
| 建物間、フロア間の基幹部分 | 光ファイバ(距離と速度) |
| 通信事業者の回線網 | 光ファイバ |
| テレビのアンテナ線など | 同軸ケーブル |
オフィスのLANでは、末端はより対線、基幹は光ファイバという組み合わせが一般的です。すべてを光ファイバにすれば速くなりますが、機器も工事も高くつきます。必要なところに必要な性能を配分するという考え方は、第11章のIT投資管理でも繰り返し出てきます。
⑦ ケーブルの種類が速度の上限を決める
第1章のUSBの話と同じ構造が、ここにもあります。
1Gbps対応の機器をつないでも、ケーブルがそれに対応していなければ速度は出ません。より対線にはカテゴリという等級があり、対応する速度が決まっています。
「機器を新しくしたのに速くならない」という相談の原因が、古いケーブルのままだった——という例は実務でよくあります。経路全体で、いちばん遅いところが全体の上限になるという原則を、ここでも思い出してください。
具体例
ノイズが原因の通信トラブル
工場の事務所で、特定の時間帯だけネットワークが不安定になる、という相談があったとします。
調べる手順
| 確認すること | 何が分かるか |
|---|---|
| 不安定になる時間帯 | 特定の機械が動く時間と一致するか |
| ケーブルの経路 | 動力線や大型機械の近くを通っていないか |
| ケーブルの種類 | シールドのないより対線を使っていないか |
| ケーブルの長さ | 規格上の上限(100m)を超えていないか |
よくある原因
工場では、モータやインバータといった強い電磁ノイズを出す機器が稼働しています。LANケーブルがその近くを通っていると、ノイズが信号に乗って通信エラーが増えます。
対策
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 経路を変える | 動力線から離す |
| シールド付きケーブルに替える | 外側に金属の網を持つタイプ |
| 光ファイバに替える | 電磁ノイズの影響を原理的に受けない |
工場の基幹部分に光ファイバが使われる理由が、ここにあります。速度のためだけでなく、ノイズの多い環境でも安定して通信できることが決め手になるわけです。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a より対線は、2本の銅線をより合わせることでノイズの影響を受けにくくしている。
> b 同軸ケーブルは、外側にある銅線の網で外部からの電気的なノイズの影響を防いでいる。
> c 光ファイバは、銅線を流れる電気信号を用いるため、従来の電話線と同程度の速度である。
解答 a:○ b:○ c:×
媒体の特徴を1行でまとめる
| 媒体 | 1行で |
|---|---|
| より対線 | より合わせてノイズを打ち消す。安くて扱いやすい |
| 同軸ケーブル | 網で包んでノイズを遮る。強いが硬い |
| 光ファイバ | 光で伝える。速くて遠くまで届く |

LANの接続媒体
試験のポイント
プレミアムプラン
¥9,800〜/ 買い切り・自動更新なし(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。