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プレミアムで見る超スマート社会は、AI、IoT、ビッグデータなどの先端技術を活用して、人々の生活を向上させ、社会全体の効率性と持続可能性を高めるための次世代社会ビジョンです。超スマート社会を実現するためには、Society 5.0の枠組みとSystem of Systemsのアプローチが不可欠とされます。この節では、狩猟社会から情報社会までの流れの先にある社会像と、それを支える技術的なアプローチを学びます。令和3年度・5年度で出題されており、Society 5.0の5段階とSystem of Systemsの5つの特徴が押さえどころです。
簡単にいうと
超スマート社会を実現するには2つが不可欠!Society5.0の枠組みと、System of Systemsのアプローチ。「ビジョン」と「実現手段」という関係で理解しよう。
① 超スマート社会とは
超スマート社会は、AI、IoT、ビッグデータなどの先端技術を活用して、人々の生活を向上させ、社会全体の効率性と持続可能性を高めるための次世代社会ビジョンです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 活用する技術 | AI、IoT、ビッグデータなどの先端技術 |
| 目指すもの | 人々の生活を向上させ、社会全体の効率性と持続可能性を高める |
| 性格 | 次世代社会ビジョン |
② 実現に不可欠な2つ
超スマート社会を実現するためには、Society 5.0の枠組みとSystem of Systemsのアプローチが不可欠です。
| 要素 | 役割 |
|---|---|
具体例
超スマート社会の構想を、具体的な場面で考える
課題1:地域の医療・介護
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 医師不足 | 地方ほど深刻 |
| 通院の負担 | 高齢者の移動 |
| 介護人材の不足 | 需要に供給が追いつかない |
技術による対応
| 技術 | 対応 |
|---|---|

ビッグデータとSystem of Systems
試験のポイント
簡単にいうと
狩猟→農耕→工業→情報→Society5.0の5段階!そして「第5期科学技術基本計画において日本が目指すべき未来社会の姿として提唱された」——この出自も押さえどころだよ。
① Society 5.0とは
Society 5.0は、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において日本が目指すべき未来社会の姿として提唱されました。
| 段階 | 社会 |
|---|---|
| Society 1.0 | 狩猟社会 |
| Society 2.0 | 農耕社会 |
簡単にいうと
SoSは「独立したシステムが、共通のゴールに向けてネットワークされている」!「管理方針や操作方法がそれぞれ独立して設計されている」——これが満たされないとSoSとはみなされないよ。
① System of Systems(SoS:システムオブシステムズ)とは
System of Systemsとは、異質な個々のシステムが独立して動作可能ではあるが、ある共通したゴールに向けて共にネットワークされている大規模な統合された複数システムを指します。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 個々のシステム | 異質である |
| 独立性 | 独立して動作可能 |
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| 枠組み |
| System of Systems | アプローチ |
「枠組み」と「アプローチ」
| 内容 | |
|---|---|
| Society 5.0 | どういう社会を目指すか(ビジョン) |
| System of Systems | それをどう実現するか(技術的な方法) |
③ 3つの技術の関係
| 技術 | 役割 |
|---|---|
| IoT | データを収集する |
| ビッグデータ | データを蓄積する |
| AI | データを分析・活用する |
第2節で学んだ関係性が、ここで社会全体の文脈で再び登場します。
④ 「持続可能性」という観点
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 人口減少 | 労働力の減少 |
| 高齢化 | 医療・介護の需要増 |
| 環境問題 | エネルギー、資源 |
| 地域の格差 | 過疎化、インフラの維持 |
技術でこれらに対応する——これが超スマート社会の背景にある問題意識です。
⑤ SDGsとの関係
| 概念 | 関係 |
|---|---|
| SDGs(持続可能な開発目標) | 国際的な目標 |
| Society 5.0 | 日本が目指す社会の姿 |
日本政府は、Society 5.0の実現を通じてSDGsの達成に貢献するという位置づけを示しています。
⑥ 企業にとっての意味
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 事業機会 | 社会課題の解決が市場になる |
| 政策の方向 | 補助金、規制緩和の方向性 |
| 人材 | 求められる能力の変化 |
| 競争の条件 | デジタル化への対応 |
社会課題が市場になる
| 課題 | 生まれる市場 |
|---|---|
| 人手不足 | 自動化、省人化 |
| 高齢化 | 介護、見守り、健康管理 |
| 地域の移動手段 | MaaS、デマンド交通 |
| 食料の安定供給 | スマート農業 |
中小企業にとっての意味
| 場面 | 内容 |
|---|---|
| 自社の技術が課題解決に使えないか | 新しい用途の発見 |
| 政策の支援を受けられないか | 補助金、実証事業 |
| 地域の取り組みに参加できないか | 自治体との連携 |
⑦ 経済学・中小企業政策とのつながり
| 科目 | 関連する内容 |
|---|---|
| 経済学 | 技術進歩と経済成長 |
| 中小企業経営・政策 | 中小企業のデジタル化支援、地域課題の解決 |
| 企業経営理論 | 社会的責任、CSV(共通価値の創造) |
CSV(Creating Shared Value)とのつながり
| 概念 | 内容 |
|---|---|
| CSV | 社会課題の解決と企業の利益を両立させる |
| 超スマート社会 | 技術で社会課題を解決する |
「社会課題の解決が事業になる」——両者に共通する発想です。
| 日常的な健康状態の把握 |
| ビッグデータ | 健康データの蓄積 |
| AI | 異常の予兆の検知 |
| 遠隔医療 | 通院なしでの診察 |
| 介護ロボット | 移乗、見守りの支援 |
中小企業の関わり方
| 業種 | 関わり方 |
|---|---|
| 機械製造 | 介護機器の開発 |
| ソフトウェア | 見守りシステム |
| 建設 | バリアフリー改修 |
| 配食 | 見守りサービスとの組み合わせ |
「配食+見守り」の例
| サービス | 内容 |
|---|---|
| 従来 | 食事を届ける |
| 付加 | 安否を確認し、家族に報告する |
| 技術 | タブレットで報告、センサーと連動 |
既存事業に情報の要素を加える——中小企業が取り組みやすい形です。
課題2:農業
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 就農者の高齢化 | 技術の継承 |
| 労働の負担 | 重労働 |
| 収量の不安定さ | 天候への依存 |
技術による対応
| 技術 | 対応 |
|---|---|
| IoT(土壌、気象センサー) | 環境の見える化 |
| AI | 最適な栽培条件の導出 |
| 自動化 | 自動運転トラクタ、ドローン散布 |
| データの共有 | 熟練者の技術を数値化 |
「熟練者の技術を数値化する」
| 従来 | データ化後 | |
|---|---|---|
| 技術の継承 | 見て覚える | 数値で伝えられる |
| 習得期間 | 数年 | 短縮できる |
| 継承の確実性 | 人に依存 | 記録として残る |
製造業でも同じ発想が使える
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| 熟練工の加工条件 | 数値として記録する |
| 段取りの手順 | 動画と数値で残す |
| 良否の判断基準 | 画像とAIで学習させる |
「技術の継承」は中小製造業の最大の課題の1つ——技術的な解決の道があります。
課題3:物流
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| ドライバー不足 | 2024年問題 |
| 再配達 | 効率の悪さ |
| 地方の配送 | 採算が合わない |
技術による対応
| 技術 | 対応 |
|---|---|
| AI(配送計画の最適化) | 効率的な経路 |
| IoT(荷物の追跡) | 状況の見える化 |
| 宅配ボックス、置き配 | 再配達の削減 |
| 共同配送 | 積載率の向上 |
中小企業の関わり方
| 立場 | 対応 |
|---|---|
| 荷主 | 納品時間の見直し、まとめ発注 |
| 物流業者 | 共同配送への参加 |
| 小売 | 受取方法の多様化 |
「共同配送」がシェアリングエコノミーの発想
| 個別配送 | 共同配送 | |
|---|---|---|
| 積載率 | 低い | 高い |
| 配送コスト | 高い | 分担できる |
| 環境負荷 | 大きい | 小さい |
中小企業経営・政策で学ぶ「共同事業」——組合による共同配送は、古くからある取り組みです。技術がそれを効率化します。
超スマート社会を自社の文脈で考える
| 問い | 内容 |
|---|---|
| 自社の事業はどんな社会課題に関わっているか | 事業の意味づけ |
| その課題は技術で解決できるか | 事業機会 |
| 自社の強みは何か | 技術、顧客基盤、地域との関係 |
| 誰と組めばよいか | 連携先 |
「誰と組むか」が重要
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 1社では課題を解決できない | 複合的な課題 |
| 技術と現場の知見の両方が要る | 組み合わせ |
中小企業が持つ強み
| 強み | 内容 |
|---|---|
| 現場の知見 | 何が本当に困っているか |
| 地域との関係 | 実証の場 |
| 意思決定の速さ | 試しやすい |
技術を持つ側が求めているのは「現場」——中小企業が提供できる価値です。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a 超スマート社会は、AI、IoT、ビッグデータなどの先端技術を活用して、人々の生活を向上させ、社会全体の効率性と持続可能性を高めるための次世代社会ビジョンである。
> b 超スマート社会を実現するためには、Society 5.0の枠組みとSystem of Systemsのアプローチが不可欠である。
> c 超スマート社会は、情報技術の効率化のみを目的とした技術的な概念である。
解答 a:○ b:○ c:×
| Society 3.0 | 工業社会 |
| Society 4.0 | 情報社会 |
| Society 5.0 | 新たな社会 |
② 提唱の経緯
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| どこで | 第5期科学技術基本計画において |
| 何として | 日本が目指すべき未来社会の姿として |
「第5期科学技術基本計画」と「Society 5.0」の「5」は偶然の一致ではありません。
③ Society 5.0の定義
Society 5.0は、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立させる人間中心の社会を指しています。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 何を融合させるか | サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間) |
| どの程度 | 高度に |
| 何を両立させるか | 経済発展と社会的課題の解決 |
| どんな社会か | 人間中心の社会 |
④ 3つのキーワード
| キーワード | 内容 |
|---|---|
| サイバー空間とフィジカル空間の高度な融合 | 手段 |
| 経済発展と社会的課題の解決の両立 | 目的 |
| 人間中心の社会 | 性格 |
この3つがそのまま出題されます。
⑤ 情報社会(Society 4.0)との違い
情報社会(Society 4.0)では、人がサイバー空間に存在するクラウドサービス(データベース)にインターネットを経由してアクセスして、情報やデータを入手し、分析を行います。
| Society 4.0(情報社会) | Society 5.0 | |
|---|---|---|
| 人の役割 | 人がアクセスし、入手し、分析する | システムが自動的に行う |
| 空間の関係 | 人が仲介する | 高度に融合している |
「人が仲介するか、しないか」
| 段階 | 流れ |
|---|---|
| Society 4.0 | 現実 → 人 → サイバー空間 → 人 → 現実 |
| Society 5.0 | 現実 ⇔ サイバー空間(自動) |
⑥ Society 5.0で実現する社会
これまでの社会が抱えていた課題と、Society 5.0で実現する社会を対比すると次のようになります。
| これまでの社会の課題 | Society 5.0で実現する社会 |
|---|---|
| 知識・情報の共有、連携が不十分 | IoTで全ての人とモノがつながり、新たな価値がうまれる社会 |
| 地域の課題や高齢者のニーズなどに十分対応できない | イノベーションにより、様々なニーズに対応できる社会 |
| 必要な情報の探索・分析が負担。リテラシー(活用能力)が必要 | AIにより、必要な情報が必要な時に提供される社会 |
| 年齢や障害などによる、労働や行動範囲の制約 | ロボットや自動走行車などの技術で、人の可能性がひろがる社会 |
⑦ 4つの課題と解決の対応
| 課題の性格 | 解決する技術 |
|---|---|
| つながっていない | IoT |
| ニーズに対応できない | イノベーション |
| 情報の活用が難しい | AI |
| 身体的な制約 | ロボット、自動走行車 |
⑧ 「人間中心の社会」という表現
| 対比 | 内容 |
|---|---|
| 技術中心 | 技術の可能性を追求する |
| 人間中心 | 人の幸福を目的とする |
技術は手段であって目的ではない——この位置づけが明示されています。
⑨ 第11章とのつながり
第11章で学んだデジタルガバナンス・コード3.0の背景に、Society 5.0やDXの進展が挙げられていました。
| 用語 | 位置づけ |
|---|---|
| Society 5.0 | 国が目指す社会の姿 |
| DX | 企業がそれに対応する変革 |
| デジタルガバナンス・コード | 企業の行動原則 |
国の構想 → 企業への要請 → 具体的な指針という流れで整理できます。
⑩ 出題のポイント
| 事項 | 内容 |
|---|---|
| 5段階の順序 | 狩猟 → 農耕 → 工業 → 情報 → Society 5.0 |
| 提唱の場 | 第5期科学技術基本計画 |
| 定義の3要素 | サイバー空間とフィジカル空間の高度な融合/経済発展と社会的課題の解決の両立/人間中心の社会 |
具体例
設例 Society 5.0
> 次の記述の正誤を判定せよ。(令和5年度第15問、令和3年度第15問 改題)
> a Society 5.0は、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、新たな社会を指すものである。
> b Society 5.0は、第5期科学技術基本計画において日本が目指すべき未来社会の姿として提唱された。
> c Society 5.0は、サイバー空間とフィジカル空間を分離させたシステムにより、経済発展を最優先する社会を指している。
解答 a:○ b:○ c:×
cの誤りの3点
| 誤り | 正しくは |
|---|---|
| 分離させた | 高度に融合させた |
| 経済発展を最優先 | 経済発展と社会的課題の解決を両立 |
| (人間中心が抜けている) | 人間中心の社会 |
「融合」「両立」「人間中心」——この3語が判別の鍵です。
5段階の社会を、生産の形で見る
| 段階 | 主な生産 | 特徴 |
|---|---|---|
| Society 1.0(狩猟) | 狩猟・採集 | 自然に依存 |
| Society 2.0(農耕) | 農業 | 定住、土地 |
| Society 3.0(工業) | 工業 | 機械、大量生産 |
| Society 4.0(情報) | 情報 | コンピュータ、ネットワーク |
| Society 5.0 |
各段階で経営の課題も変わる
| 段階 | 競争の源泉 |
|---|---|
| 工業社会 | 設備、規模の経済 |
| 情報社会 | 情報の活用 |
| Society 5.0 | データと現実の結びつけ |
「サイバーとフィジカルの融合」を具体例で
例1:製造業
| Society 4.0 | Society 5.0 |
|---|---|
| 設備の稼働データを人が集計して分析する | センサーが自動収集し、AIが分析し、設備に指示を返す |
| 分析結果を見て人が判断する | 一部は自動的に調整される |
例2:小売
| Society 4.0 | Society 5.0 |
|---|---|
| POSデータを分析して発注を決める | 需要予測から自動発注 |
| 人が在庫を数える | センサーが把握する |
例3:農業
| Society 4.0 | Society 5.0 |
|---|---|
| 気象情報を見て人が灌水を判断する | 土壌センサーと気象予測から自動灌水 |
共通する変化
| Society 4.0 | Society 5.0 | |
|---|---|---|
| データの収集 | 人が入力する | センサーが自動収集 |
| 分析 | 人が行う | AIが行う |
| 現実への反映 | 人が実行する | 自動的に制御される |
人の役割はどう変わるか
| 役割 | 内容 |
|---|---|
| なくなる | データの収集、単純な判断、定型作業 |
| 残る | 目的の設定、例外への対応、価値の判断 |
| 新たに生まれる | 仕組みの設計、データの意味づけ、倫理的な判断 |
「人間中心」の意味
| 問い | 内容 |
|---|---|
| 技術で何ができるか | 技術中心の問い |
| 人は何を望んでいるか | 人間中心の問い |
中小企業での実践
| 場面 | 人間中心の問い |
|---|---|
| 自動化を検討する | 働く人にとってどうか |
| システムを入れる | 使う人にとってどうか |
| 効率化する | 顧客にとってどうか |
「効率化したが顧客満足が下がった」例
| 施策 | 結果 |
|---|---|
| 電話をすべて自動応答に | 高齢の顧客が離れた |
| 店員を減らして無人化 | 相談できなくなった |
効率と満足のバランス
| 判断 | 内容 |
|---|---|
| どこを自動化するか | 人の価値が出る部分は残す |
| どこに人を配置するか | 相談、提案、例外対応 |
「人でなければできないこと」に人を配置する——これが人間中心の設計です。
中小企業にとっての「Society 5.0」
| 誤解 | 実際 |
|---|---|
| 大企業や国の話 | 地域課題の解決は中小企業の領域 |
| 最先端技術が必要 | 既存技術の組み合わせでできることが多い |
地域課題が事業機会になる
| 課題 | 事業機会 |
|---|---|
| 買い物弱者 | 移動販売、配達、オンライン注文の代行 |
| 移動手段 | デマンド交通、相乗り |
| 見守り | 配食、訪問と組み合わせ |
| 空き家 | 管理サービス、活用 |
「技術+現場」の組み合わせ
| 提供者 | 提供するもの |
|---|---|
| 技術企業 | システム、センサー |
| 地域の中小企業 | 現場、顧客との関係、運営 |
この組み合わせが成功の条件——どちらか一方では成立しません。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a 情報社会(Society 4.0)では、人がサイバー空間に存在するクラウドサービスにインターネットを経由してアクセスして、情報やデータを入手し、分析を行う。
> b Society 5.0は、人間中心の社会を指している。
> c Society 5.0は、第4期科学技術基本計画において提唱された。
解答 a:○ b:○ c:×

Society 5.0
試験のポイント
| 共通性 | ある共通したゴールに向けて共にネットワークされている |
| 規模 | 大規模な統合された複数システム |
② 各システムの独立性
システムオブシステムズを構成する各システムは、管理方針や操作方法がそれぞれ独立して設計されています。
| 独立して設計されているもの |
|---|
| 管理方針 |
| 操作方法 |
③ 構成要素として機能しているときも独立
また、これら各システムは、システムオブシステムズの目的達成のためにシステムオブシステムズの構成要素として機能している時でも、そのシステム単体の本来の目的達成のために用意されたリソースを用いて、システム単体の本来の方法で管理されます。
| 状況 | 管理の方法 |
|---|---|
| SoSの構成要素として機能している時でも | システム単体の本来の方法で管理される |
④ SoSとみなされない場合
構成する各システムの管理方針や操作方法がそれぞれ独立して設計されていない場合、システムオブシステムズとはみなされません。
| 条件 | 判定 |
|---|---|
| 管理方針や操作方法が独立して設計されている | SoS |
| 独立して設計されていない | SoSとはみなされない |
「独立性」が定義の核心
⑤ SoSの効果
システムオブシステムズ型のシステムを用いることで、各システム単独では達成できない成果を得ることができます。
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 各システム単独では達成できない成果 | 組み合わせによる新たな価値 |
⑥ 具体例
たとえば、デジタルカメラとパーソナルコンピュータとプリンタを統合したものが、システムオブシステムズの例として挙げられます。
これら3つの要素はそれぞれ個別のシステムとして設計されており目的を別にしています。
一方、これらを統合しシステムを実現すると新たなサービスを提供することができます。
| 個別のシステム | 本来の目的 |
|---|---|
| デジタルカメラ | 撮影する |
| パーソナルコンピュータ | 情報を処理する |
| プリンタ | 印刷する |
| 統合すると | 新たなサービス |
|---|---|
| 3つを組み合わせる | 撮影 → 編集 → 印刷という一連のサービス |
⑦ 設計時の判断
システムを設計する際には、単体のシステムとして構成するのか、システムオブシステムズとして構成するのかは、解決したい問題や課題に適した方を採用します。
| 構成 | 内容 |
|---|---|
| 単体のシステム | 1つのシステムとして設計する |
| システムオブシステムズ | 独立したシステムを組み合わせる |
どちらが優れているかではなく、課題に適した方を選ぶ
⑧ SoSの5つの特徴
System of Systemsの特徴は次のとおりです。
| 特徴 |
|---|
| 個々の構成システムが運用の独立性をもつ |
| 個々の構成システムが管理の独立性をもつ |
| 個々の情報システムが地理的に分布している |
| 創発的な振る舞いをしてしまう可能性がある |
| 進化的で適応的な発展をする |
⑨ 5つの特徴の意味
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 運用の独立性 | 単独でも動作できる |
| 管理の独立性 | それぞれ別に管理されている |
| 地理的な分布 | 場所が離れている |
| 創発的な振る舞い | システムを組み合わせたことで構成するシステムにはない振る舞いを示す |
| 進化的で適応的な発展 | 段階的開発プロセスが採られることがある |
⑩ 創発特性
システムを組み合わせたことで構成するシステムにはない振る舞い(創発特性)を示すこと、段階的開発プロセスが採られることがあります。
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 創発特性 | 組み合わせたことで、構成するシステムにはない振る舞いを示すこと |
「〜してしまう可能性がある」という表現
| 意味 | 内容 |
|---|---|
| 良い方向にも悪い方向にも | 予期しない振る舞いが生じうる |
予測できないことが、SoSの難しさでもある
⑪ 5つの特徴の出所
これらは、一般社団法人情報処理学会による「System of Systems」の説明に基づいています。
⑫ 出題のポイント
| 事項 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 異質な個々のシステムが独立して動作可能だが、共通したゴールに向けてネットワークされている |
| 独立性 | 管理方針や操作方法がそれぞれ独立して設計されている |
| 独立していなければ | SoSとはみなされない |
| 5つの特徴 | 運用の独立性/管理の独立性/地理的分布/創発的な振る舞い/進化的で適応的な発展 |
具体例
設例 System of Systems
> 次の記述の正誤を判定せよ。(令和3年度第15問 改題)
> a System of Systemsとは、異質な個々のシステムが独立して動作可能ではあるが、ある共通したゴールに向けて共にネットワークされている大規模な統合された複数システムを指す。
> b 構成する各システムの管理方針や操作方法がそれぞれ独立して設計されていない場合、システムオブシステムズとはみなされない。
> c システムオブシステムズを構成する各システムは、構成要素として機能している時には、システムオブシステムズ全体の方法で一元的に管理される。
解答 a:○ b:○ c:×
cの誤りが本質を突いている
| 実際 | 選択肢 | |
|---|---|---|
| 管理 | システム単体の本来の方法 | 全体の方法で一元的に |
「一元的に管理する」ならSoSではない——独立性が失われるからです。
SoSと通常の統合システムの違い
| 統合システム | System of Systems | |
|---|---|---|
| 設計 | 全体を1つとして設計 | 個別に設計されたものを組み合わせる |
| 管理 | 一元的 | それぞれ独立 |
| 単独での動作 | できない | できる |
| 変更 | 全体に影響 | 個別に変更できる |
身近な例で理解する
例1:デジタルカメラ+パソコン+プリンタ
| 要素 | 単独での目的 | 組み合わせると |
|---|---|---|
| カメラ | 撮影する | 写真を撮る |
| パソコン | 情報を処理する | 編集する |
| プリンタ | 印刷する | 出力する |
組み合わせによる新たな価値
| 新たなサービス | 内容 |
|---|---|
| 撮影 → 編集 → 印刷 | 一連の流れとして使える |
それぞれ単独でも使える
| 要素 | 単独利用 |
|---|---|
| カメラ | 撮影して画面で見る |
| パソコン | 文書作成 |
| プリンタ | 他の機器から印刷 |
これがSoSの条件
例2:中小企業のシステム群
| システム | 単独での目的 |
|---|---|
| 販売管理 | 受注から請求まで |
| 生産管理 | 生産計画と実績 |
| 会計 | 仕訳と決算 |
| 勤怠管理 | 出退勤の記録 |
これらを連携させると
| 実現すること |
|---|
| 受注から生産計画が立つ |
| 売上が自動的に会計に反映される |
| 作業時間から原価が計算される |
ERPとの違い
| ERP | SoS的な連携 | |
|---|---|---|
| 設計 | 統合された1つのシステム | 個別システムを連携 |
| 管理 | 一元的 | それぞれ独立 |
| 導入 | 全面的 | 段階的 |
| 変更 | 全体に影響 | 個別に変更可能 |
どちらを選ぶか
| 状況 | 適する形 |
|---|---|
| 一から作る | ERP |
| 既存システムを活かす | SoS的な連携 |
| 業務を標準化したい | ERP |
| 部門ごとの独自性を残したい | SoS的な連携 |
中小企業では「連携」が現実的なことが多い
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 既存システムへの投資がある | 捨てられない |
| 一度に全部入れ替える余力がない | 段階的に |
| 業務の独自性がある | 標準に合わせられない部分 |
「進化的で適応的な発展」という特徴
| 内容 | 意味 |
|---|---|
| 段階的開発プロセス | 一度に完成させない |
| 必要に応じて追加していく | 適応的 |
中小企業のシステム化に適した考え方
| 進め方 | 内容 |
|---|---|
| ① | 最も効果の大きい部分から入れる |
| ② | 動かしながら次を検討する |
| ③ | 連携が必要になったら連携させる |
| ④ | 段階的に広げる |
「創発的な振る舞い」の注意
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| システムAとBを連携させた | 予期しない動作が起きる |
| どちらにも問題はない | 組み合わせで生じる |
実際に起きる例
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 販売システムが在庫を減らす | 正常 |
| 生産システムも在庫を減らす | 正常 |
| 両方が動くと在庫が二重に減る | 連携の設計ミス |
「それぞれは正しいが、組み合わせると誤る」
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 連携部分を重点的にテストする | 結合テスト |
| どちらが主かを決める | 責任の明確化 |
| 突合の仕組みを持つ | 食い違いを検知する |
第9章で学んだ結合テスト——モジュール間のインタフェースを検証する——が、システム間でも必要になります。
「地理的に分布している」という特徴
| 場面 | 内容 |
|---|---|
| 本社と工場のシステム | 場所が離れている |
| クラウドと社内システム | 同上 |
| 取引先のシステムとの連携 | 同上 |
地理的分布がもたらす課題
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 通信の遅延 | リアルタイム性 |
| 通信の断絶 | つながらない時間への対応 |
| 時差 | 国際的な連携の場合 |
第12章で学んだエッジコンピューティング——低遅延——が、この課題への1つの答えになります。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a System of Systemsの特徴として、個々の構成システムが運用の独立性と管理の独立性をもつことが挙げられる。
> b System of Systemsでは、システムを組み合わせたことで構成するシステムにはない振る舞い(創発特性)を示すことがある。
> c システムを設計する際には、必ずシステムオブシステムズとして構成することが求められる。
解答 a:○ b:○ c:×

System of Systems(SoS)(1/2)

System of Systems(SoS)(2/2)
試験のポイント
プレミアムプラン
¥9,800〜/ 買い切り・自動更新なし(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。
| データ・知識 |
| サイバーとフィジカルの融合 |