生産統制
第2章 生産の管理
生産統制は、生産計画どおりに生産が進んでいるかを監視し、問題があれば是正する活動です。計画(Plan)→実施(Do)→統制(See)のPDSサイクルの「S」にあたります。ここでは進捗管理、現品管理、余力管理の3つの統制活動を学びます。
生産統制の3つの機能
簡単にいうと
簡単にいうと、生産統制とは「計画どおりに進んでいるか」をチェックして修正する活動です。「進捗管理(日程チェック)」「現品管理(モノの管理)」「余力管理(能力チェック)」の3つに分かれます。
生産統制とは、生産計画に基づく生産活動の進行状況を把握し、計画と実績のズレを検知して是正措置をとる活動です。
生産統制は以下の3つの機能に分かれます。
進捗管理(日程管理):仕事の進行状況を把握し、日程計画に対する遅れ・進みを検知して対策を講じる活動です。差立て(ディスパッチング)と進捗状況の把握が主な業務です。進捗管理の代表的なツールにガントチャートがあります。
現品管理:材料・仕掛品・製品の数量と所在を正確に把握し、管理する活動です。帳簿上の在庫と実際の在庫が一致するよう管理します。
余力管理:各工程や各作業者の現在の能力と負荷の差(余力)を把握し、過負荷の場合は応援や外注、余力がある場合は他工程への応援などの対策をとる活動です。
余力がプラス(能力>負荷)なら余裕あり、マイナス(能力<負荷)なら過負荷です。
具体例
金属加工工場では、ガントチャートで各製品の進捗を管理し(進捗管理)、棚卸しで仕掛品の数量と所在を確認し(現品管理)、各機械の稼働率から余力を把握して過負荷の機械には外注を手配しています(余力管理)。この3つが連動することで、計画どおりの生産が実現します。
試験のポイント
- ・生産統制の3機能(進捗管理・現品管理・余力管理)をセットで覚えましょう
- ・余力=能力−負荷の計算式は基本です
- ・ガントチャートは進捗管理のツールとして覚えましょう
- ・進捗管理では「差立て(ディスパッチング)」が重要な用語です
追番管理・カムアップシステムと手順計画
簡単にいうと
生産の進み具合を管理する方法にもいろいろあるよ。製品に通し番号を振って追いかける「追番管理」や、決まった期日ごとに確認する「カムアップシステム」、そして作業の順番を決める「手順計画」を見ていこう。
追番管理
追番管理とは、生産する製品や部品に対して累計の通し番号(追番) を付与し、この番号を基準にして各工程の進捗状況を管理する方式です。
各工程で「現在何番まで完了しているか」を把握することで、工程間の進度のずれや遅延を素早く検知できます。特に連続的な量産品の管理に適しています。
カムアップシステム
カムアップシステムは、あらかじめ定められた一定期日ごとに、製品の完成状況や納品状況を確認・管理する仕組みです。
「カムアップ(come up)」は「期日が来る」という意味で、管理のタイミングが周期的に到来するように設計されています。定期的なチェックポイントを設けることで、異常の早期発見と是正を図ります。
手順計画
手順計画(JIS Z 8141-3303)とは、設計情報をもとに製品を製造するために必要な作業の内容・工程の順序・各工程の作業条件を決定する活動です。
具体的には以下を決めます。
- 加工方法の選定(どの機械・工具を使うか)
- 工程順序の決定(どの順番で加工するか)
- 作業条件の設定(切削速度、送り量などの加工条件)
試験のポイント
- ・追番管理は累計番号による進捗管理で、工程間の進度差を把握する手法
- ・カムアップシステムは定期的なチェックによる管理方式
- ・手順計画はJIS定義として出題されやすい — 作業内容・工程順序・作業条件の3つを決定する活動
流動数分析
簡単にいうと
工場の中で仕掛品がどれだけ溜まっているか、どれだけ停滞しているかを「見える化」するのが流動数分析だよ。グラフで受入と払出の累積を比べるだけで、問題が一目瞭然になるんだ。
流動数分析は、ある工程における受入(入口)の累積数量と払出(出口)の累積数量を時系列でグラフにプロットし、両者を比較する分析手法です。
グラフの読み方
- 縦軸: 累積数量
- 横軸: 時間
- 受入曲線: 前工程から受け入れた数量の累積線
- 払出曲線: 後工程へ払い出した数量の累積線
グラフから読み取れる情報
| 読み取り項目 | グラフ上の意味 |
|---|---|
| 仕掛品在庫量 | ある時点における受入曲線と払出曲線の縦方向の差(数量の差) |
| 停滞時間(滞留時間) | ある数量に着目したとき、受入曲線と払出曲線の横方向の差(時間の差) |
受入曲線と払出曲線の間隔が広がっているほど、仕掛品が多く滞留していることを意味します。
活用場面
- 連続生産の進度管理に特に有効
- 仕掛品の増減傾向を時系列で把握できる
- 不良品の発生状況の分析にも応用可能(良品の払出数量と投入数量の差から不良の発生を推定)
- 営業部門では売上金額と回収金額の累積比較にも活用できる
流動数分析 ─ 仕掛品と停滞の可視化
試験のポイント
- ・縦の差 = 仕掛品在庫量、横の差 = 停滞時間という読み取り方が最重要
- ・流動数分析は連続生産の進度管理に有効な手法として出題される
- ・グラフを示して仕掛品量や停滞時間を読み取らせる問題に注意
まとめ
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