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経営法務令和5年度第21問

令和5年度 第21問 解説

問題文

相殺に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、別段の意思表示はな いものとする。

ア差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え前から有していた差押債務者に対 する債権を自働債権とする相殺をもって差押債権者に対抗することができない。
イ相殺の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかの ぼってその効力を生ずる。正解
ウ不法行為から生じた債権を自働債権として相殺することはできない。
エ弁済期が到来していない債権の債務者は、その債権を受働債権として相殺する ことができない。

解説

相殺(民法)。イ正: 相殺の意思表示の効力は双方の債務が相殺適状(互いに相殺に適するよう)になった時点にさかのぼって生じる(民法506条2項)。ア誤: 差押えを受けた債権の第三債務者は差押え前から有していた自働債権による相殺をもって差押債権者に対抗できる(平成29年改正・令和2年4月施行後の民法511条)。ウ誤: 民法509条が禁止しているのは、悪意による不法行為に基づく損害賠償債務と、人の生命・身体の侵害による損害賠償債務を「受働債権」とする相殺であり、不法行為から生じた債権を「自働債権」とする相殺は禁止されていない。エ誤: 弁済期が到来していない債権を受働債権として相殺することは、期限の利益を放棄することで実際上可能(絶対的に相殺できないとは言えない)。よってイが正解。

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