令和3年度 第22問 設問2 解説
問題文
企業価値評価に関する以下の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 企業価値評価の代表的な方法には、将来のフリー・キャッシュフローを A で割り引いた現在価値(事業価値)をベースに企業価値を算出する方法である B 法や、会計利益を割り引いた現在価値をベースとして算出する収益還元 法がある。 これらとは異なるアプローチとして、類似の企業の評価尺度を利用して評価対象 企業を相対的に評価する方法がある。利用される評価尺度は C と総称さ れ、例としては株価と1 株当たり純利益の相対的な比率を示す D や、株価 と1 株当たり純資産の相対的な比率を示す E がある。 文中の空欄C~Eに入る語句および略語の組み合わせとして、最も適切なもの はどれか。
解説
正解はエです。類似企業の評価尺度を用いて相対的に企業価値を算出する手法はマルチプル法(類似会社比較法)と呼ばれ、代表的な指標として株価と1株当たり純利益の比率を示すPER(Price Earnings Ratio)と、株価と1株当たり純資産の比率を示すPBR(Price Book-value Ratio)が用いられます。したがってCはマルチプル、DはPER、EはPBRとなり、エが正解です。 アとイは、Cをファンダメンタルとしている点が誤りです。ファンダメンタルとは企業の業績や財務体質などの基礎的条件を指す言葉であり、相対評価に用いる指標群の総称ではありません。ウはCをマルチプルとしている点は正しいものの、DとEにEPS(1株当たり純利益)、BPS(1株当たり純資産)という「金額」そのものを当ててしまっており、これらは比率ではないため誤りです。 覚え方としては、EPSやBPSは「1株当たりの値」そのもの、PERやPBRは「株価との比率」であると整理し、相対評価(マルチプル)には必ず比率指標が使われる、と押さえておくと迷いません。
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