令和5年度 第29問 設問2 解説
問題文
以下は、酒販店の店主と中小企業診断士(以下「診断士」という。)との間で行われ た売場づくりに関する会話である。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。 店 主:「売場を改善して客単価を上げたいのですが、今の売場をどのように変え るのが良いでしょうか。」 診断士:「それでは、まず、売場における商品配置について考えてみましょう。イ ンストア・マーチャンダイジングの考え方によると、計画購買されやすい 商品を A に配置することで、来店した顧客の買上点数増加につな がりやすくなります。また、 B を促すように商品配置をすること が、買上点数を増やすためには効果的です。」 店 主:「 B は、おつまみなどをお酒と一緒に買ってもらうようなことで すね。」 診断士:「お客様が商品を選ぶ際に、もう1品買ってもらうためには、商品のグ ルーピングも重要です。特にバラエティ・シーキングされやすい商品カテ ゴリーは、同じ売場にまとめて陳列することで複数の商品を同時に買って もらえる機会が増えると考えられます。」 店 主:「それでは、さっそく売場を変えてみたいと思います。」 会話の中の下線部に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを 下記の解答群から選べ。 a バラエティ・シーキングされやすい商品カテゴリーは、当該カテゴリーの品 揃え商品数を増やすと総合的な品揃えとなる。 b バラエティ・シーキングされやすい商品カテゴリーに含まれる商品は、相互 に代替性がない。 c バラエティ・シーキングされやすい商品カテゴリーは、品揃えしている商品 カテゴリー間の相対的な比較で決まる。
解説
正解はオ(a誤、b誤、c正)である。バラエティ・シーキングとは、同一ニーズを満たす代替性の高い商品群の中で、消費者が飽きを避けるためにあえて異なる商品を選ぶ購買行動を指す。したがってbの「相互に代替性がない」は誤りで、むしろ代替性が高いからこそ多様性を求める行動が生じる。またaについて、当該カテゴリー内の品揃え数を増やすことは同一カテゴリー内の深さを増やすに過ぎず、異なるカテゴリーをまたぐ「総合的な品揃え」の充実には直結しないため誤りである。cは、あるカテゴリーがバラエティ・シーキングされやすいかどうかは絶対的な基準ではなく、他の商品カテゴリーとの相対比較(消費サイクルの短さや飽きやすさの程度など)によって決まるため正しい。したがって正誤の組み合わせはa誤・b誤・c正となり、選択肢オが正解となる。他のア〜エはいずれかの正誤判定を誤っている。判断のコツとしては、「バラエティ・シーキング=代替性が高い商品間での選択の多様化」という定義を軸に、代替性の有無と相対性・絶対性の観点から各記述を検証すると迷いにくい。
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