物権
下の動画はこの節の解説ではありません。 解説動画の雰囲気を知っていただくための見本として、「知的財産権の基礎知識」の動画を再生します。
この節の解説動画はプレミアム限定です。プレミアムなら全科目・全節が見放題!
プレミアムで見る物権は「物を直接、しかも独り占めで支配できる権利」です。人に向かって何かを求める債権とは性格が正反対で、だからこそ債権より強く、新しい種類を勝手につくることも許されません。この節では、物権の性質、いつ移るのか(意思主義)、そして他人にどう主張するのか(対抗要件)を押さえます。
簡単にいうと
ざっくりいうと、他人の手を借りずに物を使えて、しかも自分だけが使える、という強い権利です。
物権とは、ある物を直接的に、そして排他的に支配できる権利です。この2つの言葉が物権の性格をそのまま言い表しています。
直接的とは、権利の中身を実現するのに他人の行為を挟まなくてよい、ということです。債権のように「相手が動いてくれなければ何も起きない」ということがありません。
排他的とは、1つの物の上に同じ中身の物権は2つ並ばない、ということです。これを一物一権主義といいます。ある土地にAの所有権が認められれば、それと両立しないBの所有権は認められません。
物権の対象
物権の対象は「物」で、ここでいう物とは有体物、つまり固体・液体・気体を指します。
物の分け方
物権法定主義(民法第175条)
物権は直接的かつ排他的に支配できる強い権利なので、誰の目にも分かるように登記や占有という形で外に示す必要があります。ところが当事者が好き勝手に新しい物権をつくれるとすると、そのすべてを外に示すことができなくなります。
そこで、民法その他の法律が認めたもの以外の物権を当事者が勝手に設定することはできない、という建前がとられています。これを物権法定主義といいます。
具体例
土地の持ち主は、誰の許しも得ずにその土地を使えます。これが直接的ということです。そして同じ土地に持ち主が2人並び立つことはありません。これが排他的ということです。この2つが、債権との一番大きな隔たりになります。

物権の意味と性質
試験のポイント
簡単にいうと
ざっくりいうと、所有権は約束した瞬間に移ります。ただしそれを他人に主張するには、登記か引渡しが要ります。
物権変動とは
物権が生まれたり、変わったり、消えたりすることをまとめて物権変動といいます。売買、贈与、抵当権の設定といった法律行為のほか、時効や相続といった法律上の事実、さらには焼失のような単なる事実からも生まれます。
いつ移るのか(意思主義)
物権の設定や移転は、「当事者の意思表示だけで効力が生じる」と定められています。これを意思主義といいます。登記や引渡しを待たず、合意した瞬間に移る、ということです。
誰に主張できるのか(対抗要件主義)
もっとも、対抗要件をそなえないかぎり、その変動を第三者に主張できません。これを対抗要件主義といいます。対抗要件は、不動産なら登記、
簡単にいうと
ざっくりいうと、物権は債権より強い、というのがひとつ。そして邪魔されたらどけろと言える、というのがもうひとつです。
物権の効力は優先的効力と物権的請求権の2本立てです。
優先的効力
自分の権利と両立しない権利を主張してくる相手に対して、自分のほうが上だと主張できる効力です。相手が主張しているのが物権か債権かで、決まり方が変わります。
相手も物権を主張している場合
所有権には対抗要件の仕組みがそなわっているので、原則として先に対抗要件をそなえたほうが勝ちます。早い者勝ちではなく、先に登記した者勝ちだ、というところが要点です。
相手が債権を主張している場合
賃借権などの債権が相手のときは、たとえその債権のほうが先に成り立っていても、原則として物権が勝ちます。借りている人より持っている人のほうが強い、ということです。
抵当権などの担保物権をもつ者が、担保をもたない一般の債権者に先んじて回収できるのも、この効力の現れです。
動画・テキスト・過去問・AI添削まですべて網羅!
予備校代の1/10以下で、独学の不安をまるごと解決できます
移ること自体と、それを他人に言えることは別、という二段構えになっています。
物権が消えるとき
対象の物が失われること、消滅時効、物権の放棄、公用徴収(公共事業のために強制的に取り上げられること)、混同(同じ物について所有権と、それ以外の物権が同じ人に集まること)などがあります。
具体例
不動産を買えばその時点で所有権は自分に移ります。しかし登記をしないままでいると、売主が同じ不動産を別の人にも売り、その人が先に登記を入れてしまった場合、もう自分の所有権を主張できません。移っているのに言えない、という状態が起こりうるわけです。

物権変動と対抗要件
試験のポイント
物権的請求権
自分の物権を邪魔する相手に、やめるよう求められる権利です。3つあります。
1. 物権的返還請求権…他人が自分の物を占有しているときに、返せと求める権利
2. 物権的妨害排除請求権…占有以外のやり方で邪魔されているときに、どけろと求める権利
3. 物権的妨害予防請求権…このままでは邪魔されそうだというときに、防げと求める権利
具体例
自分の土地に他人が勝手に車を停めていれば返還請求、隣から木が倒れかかっていれば妨害排除請求、崖が崩れそうで危ないというだけの段階なら妨害予防請求です。すでに起きているのか、これから起きそうなのかで使い分けます。

物権の効力
試験のポイント
プレミアムプラン
¥9,800〜/ 買い切り・自動更新なし(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。