相続
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プレミアムで見る後継者に自社株を集めるほど、ほかの相続人の遺留分を侵しやすくなります。そこを放っておくと、相続のたびに株が散らばって経営が立ち行かなくなる。そこで経営承継円滑化法は、民法の遺留分の決まりに特例を置きました。診断士として助言に立つ場面が想定される分野なので、要件と2つの合意の違いをしっかり持ち帰ってください。
簡単にいうと
ざっくりいうと、全員の書面合意に加えて、経済産業大臣の確認と家庭裁判所の許可の両方が要ります。
先代の経営者(旧代表者)から後継者へ株式などを生前に贈っていくと、ほかの相続人が実際に受け取る財産が遺留分に届かなくなることがあります。そうなると後継者は遺留分侵害額請求を受け、株を手放すはめになり、事業の引き継ぎそのものが揺らぎます。
そこで経営承継円滑化法(中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律)は、非上場の中小企業(特例中小会社)の後継者が一定の条件を満たせば、遺留分について民法の特例を受けられることにしました。
そろえるべき条件
1. 特例中小会社が3年以上続けて事業を行っていること
2. 遺留分権利者全員との合意があること(書面であることが必要です)
3. 特例中小会社にあたることなどについての経済産業大臣の確認
4. その合意が本心から出たものであることなどについての家庭裁判所の許可
大臣の確認と家庭裁判所の許可は、両方そろえる必要があります。どちらか一方で足りるわけではありません。
いつまでに手続きするか
確認と許可には、それぞれ締め切りがあります。
具体例
後継者がもともと総議決権の60%を握っているとします。贈られた株が遺留分請求で多少散らばっても過半数は保てるので、この特例を使う必要がないと見られ、合意は有効になりません。守らなくても倒れない人までは守らない、という線引きです。

遺留分の特例を受けるための要件
試験のポイント
簡単にいうと
ざっくりいうと、株を計算から丸ごと外すのが除外合意、値段を合意した時点で止めるのが固定合意です。両方を同時に使うこともできます。
除外合意(株式を遺留分の計算から外す)
後継者が先代から贈与などで受け取った株式について、遺留分を算定する財産の価額に入れないという合意です。これによって後継者はほかの相続人から侵害額請求を受けずに済み、相続のたびに株が散らばるのを未然に防げます。
固定合意(株式の評価額を止める)
後継者が先代から贈与などで受け取った株式について、遺留分を算定する財産に入れる価額を合意した時の価額に固定する合意です(合意時の時価であることについて弁護士などの証明が必要です)。
これにより、後継者が頑張って企業価値を上げた分は遺留分請求の対象から外れます。業績を伸ばすほど自分の首を絞める、という事態を避けて経営に専念できるようにする狙いです。
除外合意と固定合意は、あわせて使えます。
付随合意(株式以外の財産についての合意)
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議決権についての条件
除外合意や固定合意の対象にする株式を脇に置いても、後継者の議決権が総株主の50%を超えているなら話は変わります。対象の株が遺留分請求で多少散らばったところで、過半数は崩れません。それなら特例を使わなくても会社の意思決定は回るはずだ、というわけです。
そこで経営承継円滑化法は、合意をした日の時点で、後継者がもつ株式のうち合意の対象としたものを除いた分の議決権が、総株主の議決権の100分の50以下であることを、合意が有効であるための条件にしています。
付随合意の対象にできる財産の種類にも額にも制限はありません。
個人事業を引き継ぐ場合
個人事業の承継では、贈与などを受けた事業用資産の全部が除外合意の対象になります(固定合意は使えません)。ここでいう事業用資産は、土地または土地の上に存する権利、建物、減価償却資産にあたるもの、の3つにかぎられます。
具体例
自社株3,000万円を後継者に生前贈与したあと、株価が1億2,000万円まで上がったとします。除外合意なら株式は遺留分の計算から丸ごと外れ、固定合意なら贈与した時の3,000万円で計算されます。どちらも、後継者が自分の働きで押し上げた分を手元に残すための仕組みです。

遺留分の特例(経営承継円滑化法)

除外合意と固定合意の例
試験のポイント
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