相続
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プレミアムで見る相続人が複数いると、財産はいったん全員の共有になります。そこから誰が何を取るかを決める手続きが遺産分割です。話がまとまるまで預貯金を下ろせないと暮らしが回らないので、先に一部だけ払い戻せる仕組みも用意されています。近ごろ相続登記の義務化という大きな改正が入ったところなので、そこも押さえてください。
簡単にいうと
ざっくりいうと、まとまるまでは全員の共有です。まとまると、亡くなった時点にさかのぼって効き目が生じます。
遺産分割とは、被相続人の財産を、誰が何を取るかという形まで落とし込む手続きです(民法第906条〜914条)。
原則は法定相続分どおりですが、相続人全員の協議(またはまとまらなければ家庭裁判所の決定)によって、法定相続分とは違う分け方にすることもできます。
ただし、遺産分割にかけられるのは積極財産(資産など)だけです。消極財産(負債など)は原則として遺産分割の対象になりません(判例)。借金は各相続人に法定相続分の割合でそのまま降りてきます。相続人どうしの取り決めで債権者を振り回すわけにはいかないからです。
相続人が複数いて遺言もないときは、話がまとまるまで財産は共同相続人の共有になります。そしてまとまった瞬間に、その効き目は相続が始まった時、つまり被相続人が亡くなった時までさかのぼります。預貯金債権も不動産も貴金属も株式も、それまではいったん共有の状態に置かれます。
なお、手つかずのまま長く放置されるのを防ぐため、相続開始から10年が過ぎたあとの遺産分割は、具体的相続分ではなく法定相続分(遺言で指定があればその割合)によることになりました(民法第904条の3)。
共有について
複数の人が1つの物や権利をともに支配している状態を共同所有といい、共有はその一形態です(所有権以外の財産権を共有する場合は準共有と呼びます)。
各共有者は、原則としてほかの共有者の同意がなくても、自分の持分に応じて共有物を使えますし、自分の持分を譲ることもできます。ただし共有物そのものをどうするかは、行為の重さによって必要な同意が変わります。
具体例
きょうだい3人で相続した空き家を売るには、3人そろっての同意が要ります。貸しに出すだけなら持分の過半数で決められ、雨漏りの修理はひとりで手配できます。放っておけば全員が損をする保存行為に、わざわざ全員の合意を求める必要はない、という考え方です。

遺産分割
試験のポイント
簡単にいうと
ざっくりいうと、分割前でも一定額までは預貯金を下ろせます。そして相続した不動産の登記は、いまは義務です。
分割前でも払い戻せる仕組み(民法第909条の2)
相続された預貯金債権については、暮らしの費用や葬儀の費用、相続した債務の支払いに充てられるよう、遺産分割を待たずに払い戻せる道が用意されています。
遺産分割ができない、あるいはまとまらないときに家庭裁判所へ分割を求める規定はありますが(民法第907条2項)、それとは別に、預貯金債権のうち一定額までは家庭裁判所を通さず、ひとりで払戻しを受けられます。
いくらまで下ろせるか
相続が始まった時点の預貯金債権の額(口座ごと)× 3分の1 × その相続人の法定相続分
つまり、口座に残っていた額のうち自分の法定相続分の3分の1
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取り返しのつかないことほど重い同意が要る、という並びになっています。
相続登記が義務になった(不動産登記法第76条の2第1項)
相続しても登記を入れないまま放置され、持ち主の分からない土地や建物が増えたことで、防災やまちづくりの公共事業が進まないという問題が起きています。そこで不動産登記法が改められ、令和6年4月1日から、相続登記と、相続人が遺贈を受けた場合の登記の申請が義務になりました。
不動産を取得した相続人は、自分のために相続が始まったことを知り、かつその所有権を取得したと知った日から3年以内に、法務局へ申請しなければなりません。遺産分割協議によって取得した場合は、協議が成立した日から3年以内です。正当な理由もなく怠ると、10万円以下の過料が科されます(不動産登記法第164条1項)。
あわせて、どの不動産に登記が要るかを把握しやすくするため、ある被相続人が登記簿上の所有者として記録されている不動産を一覧にして証明する仕組み(所有不動産記録証明制度)が令和8年2月2日に始まります(不動産登記法第119条の2)。
具体例
口座に600万円が残っていて自分の法定相続分が2分の1なら、600万円×3分の1×2分の1で100万円までひとりで下ろせます。計算上150万円を超える場合でも、1つの金融機関から下ろせるのは150万円までです。複数の銀行に分かれていれば、それぞれで上限が立ちます。

仮払い制度と相続登記の義務化
試験のポイント
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