時効
民法に関する基礎知識
時効とは、ある状態が一定期間続いた場合に、その状態が真実の権利関係と違っていてもそれを認めようという制度です。権利を取得する取得時効と、権利が消滅する消滅時効の2種類があります。
時効の概要
簡単にいうと
簡単にいうと、時効とは『長い間ある状態が続いたら、法律上もそれを正式な状態として認めますよ』という仕組みです。たとえば他人の土地を長年使い続けていると自分のものになることがあり(取得時効)、逆にお金を貸しても長年請求しないと権利が消えてしまいます(消滅時効)。
時効とは、ある状態が一定期間継続した場合に、たとえその状態が真実の権利関係と異なっていてもそれを認めようとする制度です。
時効の完成による権利の取得や消滅に効力を生じさせるには、時効によって直接利益を受ける者(消滅時効では債務者本人、保証人、物上保証人、抵当不動産の第三取得者等)が、時効の利益を受ける意思を表示しなければなりません。これを時効の援用といいます。
- 取得時効:他人の物を一定期間占有し続けることで権利を取得する時効
- 消滅時効:権利を一定期間行使しないことで権利が消滅する時効
具体例
たとえばAさんがBさんにお金を貸したまま長年請求しなかった場合、消滅時効が完成するとBさんは返済義務を免れる可能性があります。ただしBさんが時効の援用(時効の利益を受けるという意思表示)をしなければ、時効の効果は発生しません。
試験のポイント
- ・・R4-18で出題実績あり
- ・・取得時効と消滅時効の区別を押さえましょう
- ・・時効の援用(時効の利益を受ける意思表示)が必要であることは頻出ポイントです
- ・・消滅時効で援用できる者:債務者本人、保証人、物上保証人、抵当不動産の第三取得者等
時効の更新と完成猶予
簡単にいうと
簡単にいうと、時効はカウントダウンのようなもので、一定の事由があるとカウントがリセットされる(更新)か、一時停止される(完成猶予)仕組みがあります。
❶ 時効の更新
法定の更新事由があったとき、それまでに経過した時効期間がリセットされ、改めてゼロから新たな時効期間が進行することです。簡単にいえば、時効が一からやり直しになります。
❷ 時効の完成猶予
時効の完了が近づいているが一定の障害がある場合に、その障害が消滅した後一定期間が経過するまでの間、時効の完成を猶予する(時効が完成しないようにする)ことです。簡単にいえば、その期間は時効のカウントダウンが一時停止される仕組みです。
具体例
たとえばAさんがBさんに貸したお金の消滅時効があと少しで完成しそうなとき、AさんがBさんに対して裁判を起こすと、時効の完成が猶予されます。そして裁判で勝訴判決が確定すると、時効は更新(リセット)され、新たに時効期間が進行し始めます。
試験のポイント
- ・・更新=リセット(ゼロからやり直し)、完成猶予=一時停止という違いを正確に覚えましょう
- ・・旧民法の『中断・停止』が改正民法で『更新・完成猶予』に変わったことも覚えておきましょう
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