倒産等に関する知識
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プレミアムで見る会社を立て直すための法的手続きが2つあります。誰でも使える民事再生と、株式会社だけの会社更生です。違いはいくつもありますが、軸は「誰が経営を続けるか」と「担保権者や株主まで縛れるか」の2点です。ここがつかめると、どちらを選ぶべきかという診断士らしい判断もできるようになります。
簡単にいうと
ざっくりいうと、いまの経営者がそのまま舵を取りながら立て直す手続きです。個人でも法人でも使えます。
民事再生は、倒産に至る前に手を打って、事業や経済生活を立て直すための手続きです。使えるのは個人でも法人でもかまいません。
開始の原因(第21条1項)
次のどちらかです。
1. 債務者に破産手続開始の原因となる事実が生じるおそれがあるとき
2. 事業を続けることに著しい支障をきたさずには、期限の来た債務を払えないとき
誰が申し立てるか(第21条1項・2項)
原則は債務者です。ただし上の1の場合、つまり破産の原因が生じそうなときは、債権者からも申し立てられます。
再生計画案が通る要件(第172条の3)
議決権者(債権者集会に出席した、または書面などで投票した債権者)の過半数という頭数の要件と、議決権者の議決権総額(債権総額)の2分の1以上という金額の要件、その両方を満たす必要があります。
債権者集会に出席または書面投票した債権者が100人、その債権の合計が100億円だったとします。51人以上が賛成し、かつ賛成した人の債権の合計が50億円以上であれば可決です。賛成が50人以下であっても、賛成した債権の合計が50億円に届かなくても、否決になります。
手続きの流れ
再生手続開始の申立て(必要なら保全処分)→ 再生手続開始の決定 → 債権の届出・調査・確定 → 再生計画案の提出 → 債権者集会(認可の決定)→ 再生計画の遂行 → 再生手続の終結、という順に進みます。
具体例
債権者が100人、債権の合計が100億円の会社が再生計画案を出したとします。60人が賛成しても、その60人がもつ債権の合計が40億円しかなければ否決です。頭数と金額の両方を越えなければ通らない、というところが要点です。

民事再生
試験のポイント
簡単にいうと
ざっくりいうと、株式会社だけが使える強力な再建手続きです。担保権者や株主まで縛れる代わりに、責任のある経営者は退場することになります。
会社更生は、事業を続けることに著しい支障をきたさずには期限の来た債務を払えない株式会社や、破産手続開始の原因となる事実が生じそうな株式会社について、債権者や株主などの利害を調整しながら、事業を保って立て直す手続きです。
代表取締役などからの申立てを受けて開始の決定がされると、更生管財人の管理のもとで進みます。更生管財人が更生計画案を作り、それが関係人集会で可決され、裁判所に認可されれば遂行に移ります。
開始の原因(第17条1項)
1. 破産手続開始の原因となる事実が生じるおそれがある場合
2. 期限の来た債務を払うと、事業を続けることに著しい支障をきたすおそれがある場合
条文の言い回しは少し違いますが、民事再生法と同じ内容だと考えてかまいません。
簡単にいうと
ざっくりいうと、経営者が続けて自力で立て直したいなら民事再生、担保権者や株主まで巻き込んで根本からやり直すなら会社更生です。
会社更生が使えるのは株式会社だけです。いっぽう民事再生は法人でも個人でも使えます。ですから株式会社であれば、どちらを選ぶかという判断が生じます。
会社更生は担保権者も株主も縛り、租税債権にまで効きます。ですから少額の債権者や担保権者、株主が多く、放っておくとまとまらない場面では会社更生が有利です。ただし経営に責任のある経営者は退くことになります。
これに対し民事再生は、債務者自身、つまり経営者が再建にあたるのが原則です。経営者に立て直す意欲と力があるなら、そのまま舵を取れる民事再生のほうが向いています。ただし少額の債権者や担保権者への縛りが弱いという弱点があります。
強い力と引き換えに経営を手放すか、経営を保つ代わりに縛りの弱さを引き受けるか。この二択だと考えると選びやすくなります。
具体例
オーナー社長が自分の手で立て直したいのであれば民事再生、銀行の担保権が邪魔で身動きが取れないのであれば会社更生、という選び方になります。診断士として助言に立つときは、経営者の意欲と、担保権者や株主の数を見比べて判断することになります。
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担保をもつ債権者はどうなるか
破産と同じく、民事再生でも担保権者は別除権者になります(第53条)。そして破産と同じく、担保権消滅制度も置かれています(第148条)。
誰が申し立てるか(第17条1項・2項)
その株式会社自身のほか、上の1の場合、つまり破産の原因が生じそうなときは、次の者も申し立てられます。
1. その株式会社の資本金の額の10分の1以上にあたる債権をもつ債権者
2. その株式会社の総株主の議決権の10分の1以上をもつ株主
更生計画案が通る要件(第196条5項)
民事再生では債権者集会で決議しますが、会社更生では債権者に加えて担保権者と株主も入った関係人集会で決議します。つまり会社更生は、債権者だけでなく担保権者や株主まで縛る強力な手続きです。組ごとに結果が分かれた場合は、最終的に裁判所が判断します(第200条)。
試験では、債権者の組について民事再生との違いが問われます。民事再生は出席などをした議決権者の過半数の同意かつ議決権総額の2分の1以上でした。これに対し会社更生は、出席した頭数を問わず、議決権総額の2分の1を超える同意が要件です。
債権の合計が100億円だったとして、賛成した債権者の債権の合計がちょうど50億円の場合を考えます。頭数の過半数も満たしていれば民事再生の再生計画案は可決されますが、更生計画案は2分の1を超えていないので否決です。「以上」と「超」の一字で結論が分かれます。
手続きの流れ
更生手続開始の申立て(必要なら保全処分)→ 更生手続開始の決定 → 債権などの届出・調査・確定 → 更生計画案の提出 → 関係人集会(認可の決定)→ 更生計画の遂行 → 更生手続の終結、という順です。
担保をもつ債権者はどうなるか
破産や民事再生と違い、会社更生では抵当権者などの担保権者を更生担保権者と呼び、更生計画に縛られ、計画に沿って弁済を受けます(第2条11項、47条1項)。手続きの外で勝手に競売にかけることはできません。とはいえ担保権を消しておくことにも意味があるので、会社更生にも担保権消滅制度が置かれています(第104条)。
具体例
大企業が会社更生を選ぶと、銀行の抵当権まで更生計画に従わせられるので、再建の絵が描きやすくなります。そのかわり経営に責任のある社長は退き、裁判所が選んだ更生管財人が経営を引き継ぎます。強い力を使うには、それだけのものを差し出すことになる、というわけです。

会社更生
試験のポイント

再建型の手続(民事再生と会社更生)

民事再生と会社更生の違い
試験のポイント
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