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効用関数

消費者行動の分析

この節では消費者の意思決定の基礎となる効用関数について学びます。消費者は財の消費から満足度(効用)を得ており、その好みを数学的に表現したものが効用関数です。また、効用が等しい消費の組合せをつないだ無差別曲線と、財の交換比率を表す限界代替率の概念を理解します。

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効用と選好

簡単にいうと

効用って、消費から得られる「うれしさ」のことだよ!コーヒーが好きな人はコーヒーの効用が高いし、紅茶派なら紅茶の効用が高い。この「好き嫌い」を経済学では「選好」っていうの!

効用(utility)とは、財の消費から得られる満足度を表す概念です。消費者は効用の高い消費パターンをより好みます。

選好(preference)とは消費者の好みのことで、ある消費の組合せが別の組合せよりも好ましいかどうかを示します。例えば「コーヒー1杯の方が紅茶1杯より効用が高い」消費者は「コーヒーを紅茶よりも選好している」と表現します。

選好を数値化したものが効用関数(utility function)です。2財モデルでは、xx 財の消費量を xxyy 財の消費量を yy としたとき、効用水準 uuu=f(x,y)u = f(x, y) と表されます。例えば u=xyu = xy という効用関数では、ビール2杯とヤキトリ3本の組合せの効用は u=2×3=6u = 2 \times 3 = 6 となります。

具体例

効用関数 u=xyu = xy のもとで各消費パターンの効用を計算すると、

消費パターンxx(ビール)yy(ヤキトリ)u=xyu = xy
A224
B236
C326
D616

BとCとDは効用が同じ(u=6u = 6)なので、この消費者にとっては同じ満足度をもたらします。

試験のポイント

  • 要は「消費者の好み(選好)を数式にしたのが効用関数」ということ
  • 効用関数は「消費量の組合せ→効用水準」の対応づけ
  • 2財モデルでは u=f(x,y)u = f(x, y) で表す
  • 選好とは消費者の好み(主観的な順序づけ)であり、効用関数はそれを数値化したものという関係を理解する
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限界効用

簡単にいうと

限界効用って、「もう1個追加で消費したらどれだけ嬉しさが増えるか」のこと!ビールの1杯目はすごく美味しいけど、5杯目になるとそこまで嬉しくないよね?

限界効用(marginal utility: MUMU)とは、他の財の消費量を一定に保ったまま、ある財の消費量を1単位増加させたときに増える効用の大きさです。

xx 財の限界効用: MUx=uxMU_x = \frac{\partial u}{\partial x}

例えば効用関数 u=xyu = xy の場合、MUx=yMU_x = yMUy=xMU_y = x となります。ビールの消費が2杯の時にヤキトリの限界効用は MUy=2MU_y = 2、つまりヤキトリ1本追加で効用が2増えます。

具体例

効用関数 u=xyu = xy でビール3杯・ヤキトリ2本を消費している場合、

MUx=y=2MU_x = y = 2(ビール1杯追加で効用+2)

MUy=x=3MU_y = x = 3(ヤキトリ1本追加で効用+3)

この状態ではヤキトリの方が限界効用が高いので、追加で1単位消費するならヤキトリの方が効用増加が大きいです。

試験のポイント

  • 要は「あと1個消費したときの効用の増分」で、偏微分で求める
  • u=xyu = xy なら MUx=yMU_x = y, MUy=xMU_y = x
  • 「他の財を一定に保つ」という前提が重要
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無差別曲線

簡単にいうと

無差別曲線は「同じ満足度を感じる組合せをつないだ線」のこと!等高線みたいなもので、右上にいくほど効用が高い無差別曲線になるの!

無差別曲線(indifference curve)とは、同じ効用水準を得られる消費量の組合せを結んだ曲線です。等高線や天気図の等圧線と同じ考え方です。

無差別曲線の主な性質:

1. 右下がり: 一方の財を減らしたら、同じ効用を維持するために他方の財を増やす必要がある

2. 右上に位置するほど効用が高い: より多くの財を消費できる組合せほど効用が高い

3. 互いに交わらない: もし交わると、同じ点が異なる効用水準に対応する矛盾が生じる

4. 原点に対して凸: 限界代替率逓減の法則による(後述)

具体例

効用関数 u=xyu = xyu=6u = 6 の無差別曲線は y=6xy = \frac{6}{x} です。この曲線上の点 (2,3)(2, 3), (3,2)(3, 2), (6,1)(6, 1) はすべて効用6を与えます。u=12u = 12 の無差別曲線は y=12xy = \frac{12}{x} で、こちらは u=6u = 6 の右上に位置し、より高い効用水準を表します。

u=xyの効用関数から3本の無差別曲線U1=4, U2=8, U3=16を描き、U2上の2点で接線を引いてMRSが逓減する様子を図示

無差別曲線と限界代替率逓減

試験のポイント

  • 要は「同じ満足度の組合せをつないだ等高線」で、4つの性質を押さえれば得点源
  • 4つの性質(右下がり、右上ほど効用大、交わらない、原点に凸)はそれぞれ理由とともに理解する
  • 「交わらない」理由は背理法で説明できるようにする
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限界代替率と限界代替率逓減

簡単にいうと

限界代替率は「ビール1杯追加するために何本のヤキトリを諦められるか」の交換比率のこと!でもビールばっかり飲んでると、もう1杯のためにヤキトリを手放す気持ちはどんどん小さくなるの。これが「逓減」だよ!

限界代替率(marginal rate of substitution: MRSMRS)とは、ある財を1単位追加的に消費するために、効用水準を維持したまま他の財をどれだけ減らせるかを示す比率です。無差別曲線上の接線の傾きの絶対値に等しくなります。

MRSxy=ΔyΔx=MUxMUyMRS_{xy} = \frac{\Delta y}{\Delta x} = \frac{MU_x}{MU_y}

例えば MUx=3MU_x = 3MUy=1MU_y = 1 なら MRSxy=3MRS_{xy} = 3 で、xx 財1単位追加に対し yy 財3単位を手放しても同じ効用を維持できます。

限界代替率逓減の法則: 通常の無差別曲線では、xx を増やすにつれて MRSMRS は低下します。直感的には、xx をたくさん持っているほど、追加の xx 1単位に対して手放してもよい yy の量は少なくなります。この性質が無差別曲線を原点に対して凸にします。

具体例

効用関数 u=xyu = xyMRSxy=MUxMUy=yxMRS_{xy} = \frac{MU_x}{MU_y} = \frac{y}{x} です。

(1,6)(1, 6) では MRS=6MRS = 6: xx を1単位増やすために yy を6単位手放せる

(3,2)(3, 2) では MRS=0.67MRS = 0.67: xx を1単位増やすために yy を0.67単位だけ手放せる

xx が増えるにつれて MRSMRS が低下しており、限界代替率が逓減しています。

試験のポイント

  • 要は「X財をもう1個得るためにY財を何個手放せるか」の比率で、公式 MRS=MUx/MUyMRS = MU_x / MU_y が最重要
  • 限界代替率逓減 ↔ 無差別曲線が原点に凸、の対応関係を確実に押さえる
  • MRSは無差別曲線の接線の傾きの絶対値であることも頻出

まとめ

概念
定義
ポイント
効用関数
u=f(x,y)u = f(x, y):消費量から効用水準を算出
選好を数値化したもの
限界効用
MUx=uxMU_x = \frac{\partial u}{\partial x}
他の財を一定に保ち1単位追加の効用増分
無差別曲線
同一効用の消費組合せを結んだ曲線
右下がり・交わらない・右上ほど効用大・原点に凸
限界代替率
MRSxy=MUxMUyMRS_{xy} = \frac{MU_x}{MU_y}
無差別曲線の接線の傾きの絶対値

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