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予算制約|経済学・経済政策【中小企業診断士テキスト】 | 中小企業診断士になる子ちゃん
消費者行動の分析
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プレミアムで見る 前節では、消費量を増やせば増やすほど効用が上がることを確認しました。しかし現実の買い物には財布の中身という限界があります。この節では、その限界をグラフの上で1本の直線として表す方法を学びます。予算制約線は、傾きが2財の価格比、縦軸切片と横軸切片が「所得を全部そちらに使ったときに買える量」という、読み取るべき情報がはっきりした直線です。そして価格や所得が動いたときに、この直線がどう傾き、どう平行移動するのか。ここを押さえておけば、次節以降の分析はすべてこの直線の動きを追うだけになります。
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予算制約と予算集合 簡単にいうと
いくらほしくても、お金がなければ買えない。当たり前のことを式にするよ。「本と服にいくら使えるか」という身近な例から入るから、構えなくて大丈夫!式を y について解くと、見慣れた直線が出てくるよ。
① 消費行動は所得に制約される
単調性が成り立つ場合、各財の消費量を増やせば効用は上昇します。それならいくらでも買えばよさそうなものですが、消費者の消費行動は 所得の額によって制約 を受けています。この節では、その制約がどう定式化されるかを学びます。
予算制約線 は、購入可能な財の組合せを図示するための手段として使われます。
② 具体例で考える
A さんが、本と服という2つの財の購入を考えているとしましょう。
2つの財に支出できる所得: 50,000円 本1冊の価格: 2,000円 服1着の価格: 5,000円
本の数を x x x 、服の数を y y y とすると、支出額と所得の関係は次のように表せます。
2,000 × x + 5,000 × y ≤ 50,000 2{,}000 \times x + 5{,}000 \times y \leq 50{,}000 2 , 000 × x + 5 , 000 × y ≤ 50 , 000
具体例
別の数値例で、予算制約線を自分で引けるようにしておきましょう。
設定 ある学生が、1か月のこづかい12,000円をランチ(1食800円)と書籍(1冊1,200円)に使うとします。ランチの回数を x x x 、書籍の冊数を y y y とします。
ステップ1: 予算制約の式を立てる
800 x + 1,200 y ≤ 12,000 800x + 1{,}200y \leq 12{,}000 800 x + 1 , 200 y ≤ 12 , 000
試験のポイント
・ 予算制約は P x x + P y y ≤ m P_x x + P_y y \leq m P x x + P y y ≤ m ・ 等号にして y y y 2
一般形の予算制約線 簡単にいうと
具体的な数字がつかめたら、今度は文字式にしてみよう。 y = − ( P x / P y ) x + m / P y y = -(P_x/P_y)x + m/P_y y = − ( P x / P y ) x + m / P y
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予算制約線のシフト 簡単にいうと
価格や所得が変わると、予算制約線はどう動く?ここが試験で一番問われるところ!価格が変わると「片方の切片だけ動いて傾きが変わる」、所得が変わると「傾きはそのままで平行移動」。この2パターンを区別しよう!
① なぜシフトするのか
予算制約は X 財と Y 財の価格 P x P_x P x 、 P y P_y P y
まとめ 予算制約
P x x + P y y ≤ m P_x x + P_y y \leq m P x x + P y y ≤ m 独学で診断士合格を目指すなら
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予算制約のもとで購入可能な2財の消費量の組合せの集合を 予算集合 といいます。
不等号を等号で置き直し、 y y y について解くと次のようになります。
5,000 y = 50,000 − 2,000 x 5{,}000y = 50{,}000 - 2{,}000x 5 , 000 y = 50 , 000 − 2 , 000 x
y = − 2,000 5,000 x + 50,000 5,000 = − 2 5 x + 10 y = -\dfrac{2{,}000}{5{,}000}x + \dfrac{50{,}000}{5{,}000} = -\dfrac{2}{5}x + 10 y = − 5 , 000 2 , 000 x + 5 , 000 50 , 000 = − 5 2 x + 10
これは、すべての所得を余すところなく使い切った場合に購入できる2財の消費量の組合せを表しています。これを 予算制約線 (予算線)といいます。
グラフに描くと、右下がりの直線が予算線であり、その左下の三角形の部分(原点と予算線に囲まれた領域)が予算集合になります。
この直線からは、次の3つを読み取っておきたいところです。
位置 値 意味 縦軸切片 10 所得を全部服に使ったときに買える服の数( 50,000 ÷ 5,000 50{,}000 \div 5{,}000 50 , 000 ÷ 5 , 000 ) 横軸切片 25 所得を全部本に使ったときに買える本の数( 50,000 ÷ 2,000 50{,}000 \div 2{,}000 50 , 000 ÷ 2 , 000 ) 傾き − 2 5 -\dfrac{2}{5} − 5 2 本を1冊増やすと服を 2 5 \frac{2}{5} 5 2 着あきらめる必要がある
傾きの意味をもう少し言葉にしておきましょう。本を1冊余分に買うには2,000円が必要です。その2,000円は服を買う予算から回すほかありません。服は1着5,000円ですから、 2,000 ÷ 5,000 = 0.4 2{,}000 \div 5{,}000 = 0.4 2 , 000 ÷ 5 , 000 = 0.4 着ぶんの服をあきらめることになります。これが傾きの絶対値 2 5 \frac{2}{5} 5 2 の正体です。
つまり 予算線の傾きの絶対値は、2財の価格比 にほかなりません。
⑤ 予算集合の中の点と線上の点
予算集合には、予算線上の点だけでなく、その内側の点も含まれます。
予算線 上 の点: 所得をちょうど使い切っている 予算線の 内側 の点: 所得が余っている 予算線の 外側 の点: 所得では買えない(実現不可能)
単調性が成り立つ場合、消費者は所得を余らせません。余らせるくらいなら何か買ったほうが効用が上がるからです。したがって、実際に選ばれる点は必ず予算線の上にあります。この事実は次節の効用最大化で使います。
1,200 y = 12,000 − 800 x 1{,}200y = 12{,}000 - 800x 1 , 200 y = 12 , 000 − 800 x
y = − 800 1,200 x + 12,000 1,200 = − 2 3 x + 10 y = -\dfrac{800}{1{,}200}x + \dfrac{12{,}000}{1{,}200} = -\dfrac{2}{3}x + 10 y = − 1 , 200 800 x + 1 , 200 12 , 000 = − 3 2 x + 10
縦軸切片: x = 0 x = 0 x = 0 のとき y = 10 y = 10 y = 10 。こづかいを全部書籍に使えば10冊買えます( 12,000 ÷ 1,200 = 10 12{,}000 \div 1{,}200 = 10 12 , 000 ÷ 1 , 200 = 10 )。 横軸切片: y = 0 y = 0 y = 0 のとき 0 = − 2 3 x + 10 0 = -\frac{2}{3}x + 10 0 = − 3 2 x + 10 より x = 15 x = 15 x = 15 。全部ランチに使えば15回です( 12,000 ÷ 800 = 15 12{,}000 \div 800 = 15 12 , 000 ÷ 800 = 15 )。 傾きの絶対値は 2 3 \frac{2}{3} 3 2 です。ランチを1回増やすには800円必要で、それは書籍 800 ÷ 1,200 = 2 3 800 \div 1{,}200 = \frac{2}{3} 800 ÷ 1 , 200 = 3 2 冊ぶんにあたります。価格比 800 1,200 = 2 3 \frac{800}{1{,}200} = \frac{2}{3} 1 , 200 800 = 3 2 と一致しました。
組合せ 支出額 判定 ランチ6回・書籍5冊 800 × 6 + 1,200 × 5 = 10,800 800 \times 6 + 1{,}200 \times 5 = 10{,}800 800 × 6 + 1 , 200 × 5 = 10 , 800 予算集合の内側(1,200円余る) ランチ6回・書籍6冊 800 × 6 + 1,200 × 6 = 12,000 800 \times 6 + 1{,}200 \times 6 = 12{,}000 800 × 6 + 1 , 200 × 6 = 12 , 000 予算線上(ちょうど使い切り) ランチ9回・書籍5冊 800 × 9 + 1,200 × 5 = 13,200 800 \times 9 + 1{,}200 \times 5 = 13{,}200 800 × 9 + 1 , 200 × 5 = 13 , 200 予算集合の外(買えない)
予算線の式 y = − 2 3 x + 10 y = -\frac{2}{3}x + 10 y = − 3 2 x + 10 に x = 6 x = 6 x = 6 を代入すると y = 6 y = 6 y = 6 となり、2つ目の組合せが線上にあることが確認できます。
ステップ6: 余らせるのは損
1つ目の組合せでは1,200円が余っています。この1,200円で書籍をもう1冊買えば、単調性が成り立つ以上、効用は必ず上がります。したがって消費者はこの点を選びません。実際に選ばれるのは予算線上の点だけである、ということが数値でも確かめられます。
について解くと予算制約線が得られます
・ 縦軸切片は所得を全部 Y 財に使ったときの数量、横軸切片は全部 X 財に使ったときの数量
・ 傾きの絶対値は2財の価格比です
・ 予算集合は予算線と両軸に囲まれた三角形の領域で、単調性が成り立つなら選ばれるのは線上の点だけです という形。試験ではこの形で出てくることが多いよ。傾き・縦軸切片・横軸切片の3点セットをスラスラ言えるようにしよう!
① 一般形で書く
X 財と Y 財の価格をそれぞれ P x P_x P x 、 P y P_y P y 、所得を m m m とします。このときの予算制約は次のように表せます。
P x x + P y y ≤ m ⋯ ① P_x x + P_y y \leq m \qquad \cdots \text{①} P x x + P y y ≤ m ⋯ ①
①式を y y y について解き、等号で書き直すと予算制約線を求めることができます。
P y y = m − P x x P_y y = m - P_x x P y y = m − P x x
y = − P x P y x + m P y ⋯ ② y = -\dfrac{P_x}{P_y} x + \dfrac{m}{P_y} \qquad \cdots \text{②} y = − P y P x x + P y m ⋯ ②
② 3つの要素を読み取る
②式から、予算制約線は次のような直線であることがわかります。
要素 値 意味 傾き − P x P y -\dfrac{P_x}{P_y} − P y P x
横軸切片は、②式で y = 0 y = 0 y = 0 とおくと求められます。
0 = − P x P y x + m P y ⇒ P x P y x = m P y ⇒ x = m P x 0 = -\dfrac{P_x}{P_y} x + \dfrac{m}{P_y} \quad \Rightarrow \quad \dfrac{P_x}{P_y} x = \dfrac{m}{P_y} \quad \Rightarrow \quad x = \dfrac{m}{P_x} 0 = − P y P x x + P y m ⇒ P y P x x = P y m ⇒ x = P x m
意味 グラフでの読み取り 限界代替率 M R S MRS M R S 消費者にとっての X 財の価値(Y 財で測ったもの) 無差別曲線への接線の傾きの絶対値 価格比 P x / P y P_x / P_y P x / P y
⑤ 予算集合を式で書く
予算集合は、予算制約線の左下にある三角形の領域です。式で書けば
{ ( x , y ) ∣ P x x + P y y ≤ m , x ≥ 0 , y ≥ 0 } \{(x, y) \mid P_x x + P_y y \leq m, \ x \geq 0, \ y \geq 0\} {( x , y ) ∣ P x x + P y y ≤ m , x ≥ 0 , y ≥ 0 }
具体例
一般形の式から、具体的な数値を読み取る練習をしてみましょう。
問題 X 財の価格が300円、Y 財の価格が600円、所得が18,000円であるとき、予算制約線の式を求め、傾きと2つの切片を答えよ。
ステップ1: 予算制約を書く
300 x + 600 y ≤ 18,000 300x + 600y \leq 18{,}000 300 x + 600 y ≤ 18 , 000
ステップ2: 予算制約線を求める
600 y = 18,000 − 300 x 600y = 18{,}000 - 300x 600 y = 18 , 000 − 300 x
y = − 300 600 x + 18,000 600 = − 1 2 x + 30 y = -\dfrac{300}{600}x + \dfrac{18{,}000}{600} = -\dfrac{1}{2}x + 30 y = − 600 300 x + 600 18 , 000 = − 2 1 x + 30
ステップ3: 3つの要素を答える
要素 値 確認 傾き − 1 2 -\dfrac{1}{2} − 2 1 − P x / P y = − 300 / 600 -P_x / P_y = -300/600 − P x / P y = − 300/600
ステップ4: 意味を言葉で確認する
所得を全部 Y 財に使えば30単位買える 所得を全部 X 財に使えば60単位買える X 財を1単位増やすには、Y 財を0.5単位あきらめる必要がある
ステップ5: 逆に、グラフから式を復元する
今度は逆向きの練習です。予算制約線が縦軸切片20、横軸切片50の直線として描かれており、所得が10,000円だとわかっているとします。2財の価格はいくらでしょうか。
縦軸切片 = m P y = 20 = \dfrac{m}{P_y} = 20 = P y m = 20 予算制約線とそのシフト
試験のポイント
・ 予算制約線は y = − P x P y x + m P y y = -\frac{P_x}{P_y} x + \frac{m}{P_y} y = − P y P x x + P y m ・ 傾きの絶対値は価格比 P x / P y P_x / P_y P x / P y 、縦軸切片は m / P y m / P_y m / P y 、横軸切片は m / P x m / P_x m / P x ・ 「その軸の財の価格で所得を割る」と覚えると切片を取り違えません ・ 価格比は市場における交換レートであり、次節で限界代替率と一致することを学びます と所得
に依存しています。したがって、財の価格や所得が変化すると予算制約線もシフトします。
y = − P x P y x + m P y y = -\dfrac{P_x}{P_y} x + \dfrac{m}{P_y} y = − P y P x x + P y m
この式のどの部分に P x P_x P x 、 P y P_y P y 、 m m m が現れているかを見れば、何が動くかがわかります。
P x P_x P x は傾きにだけ現れる → 傾きと横軸切片が動く P y P_y P y は傾きと縦軸切片の両方に現れる → 傾きと縦軸切片が動く m m m は縦軸切片にだけ現れる(傾きには現れない)→ 傾きは変わらず平行移動 変化 傾き 横軸切片 縦軸切片 P x P_x P x の上昇 急になる 小さくなる 変わらない P x P_x P x の下落 緩やかになる 大きくなる 変わらない
理由を確認しましょう。X 財の価格が上昇すると、所得全部を使って購入できる X 財の量 m P x \frac{m}{P_x} P x m は減るので、横軸切片は小さくなります。一方、Y 財の価格は変わらないので、所得全部を使って購入できる Y 財の量 m P y \frac{m}{P_y} P y m も変わらず、縦軸切片は変わりません。
つまり、縦軸切片を支点として、予算線が内側に倒れ込むような動きになります。
③ Y 財の価格 P y P_y P y の変化
変化 傾き 縦軸切片 横軸切片 P y P_y P y の上昇 緩やかになる 小さくなる 変わらない P y P_y P y の下落 急になる 大きくなる 変わらない
Y 財の価格が上昇すると、所得全部を使って購入できる Y 財の量は減るので、縦軸切片は小さくなります。一方、X 財の価格は変わらないので横軸切片は変わりません。
こちらは横軸切片を支点として、予算線が下に倒れ込む動きになります。
傾きが「緩やかになる」という点に注意してください。 P y P_y P y が上がると P x P y \frac{P_x}{P_y} P y P x は小さくなるので、傾きの絶対値は小さく、つまり緩やかになります。 P x P_x P x が上がったときと逆向きの動きです。
④ 所得 m m m の変化
変化 傾き 横軸切片 縦軸切片 m m m の増加 不変 大きくなる 大きくなる m m m の減少 不変 小さくなる 小さくなる
所得(予算)が増えると X 財も Y 財もともに購入できる量が増加し、予算線は 右上に平行シフト します。所得が減ると両財とも購入できる量が減少し、予算線は 左下に平行シフト します。
傾きが変わらないのは、傾きが価格比だけで決まっており、所得を含んでいないからです。
⑤ 両財の価格が同じ率で変化する場合
やや応用的ですが、試験で狙われるパターンです。 P x P_x P x と P y P_y P y が同じ率で変化すると何が起きるでしょうか。
たとえば両方が2倍になったとしましょう。
傾き: − 2 P x 2 P y = − P x P y -\dfrac{2P_x}{2P_y} = -\dfrac{P_x}{P_y} − 2 P y 2 P x = − P y P x
つまり、傾きはそのままで両切片が小さくなる、すなわち 左下への平行シフト です。これは所得が半分になったときとまったく同じ動きになります。
物価が2倍になることと、所得が半分になることは、消費者にとって同じ意味をもつ、ということです。第6章で学ぶ実質所得の考え方につながる性質なので、ここで押さえておくと後が楽になります。
具体例
問題 家計においては、効用を最大化するために、予算制約を考えることが重要となる。この家計は、X 財と Y 財の2財を消費しているものとする。図には2本の予算線が描かれており、予算線 AB は縦軸切片 A・横軸切片 B、予算線 CD は縦軸切片 C・横軸切片 D で、C は A より上、D は B より右にある。また AB と CD は平行である。次の記述のうち最も適切なものはどれか。
(令和2年度 第13問)
ア 予算線 AB は、この家計の所得と Y 財の価格を一定として X 財の価格が下落すると、AD へと移動する。 イ 予算線 AB は、この家計の所得を一定として X 財と Y 財の価格が同じ率で上昇すると、CD へと平行移動する。 ウ 予算線 CD は、この家計の所得が増加すると、AB に平行移動する。 エ 予算線 CD は、この家計の所得と X 財の価格を一定として Y 財の価格が上昇すると、CB へと移動する。
ステップ1: 図の関係を整理する
AB と CD は平行 → 傾きが等しい → 価格比が同じ CD のほうが右上にある → 所得が多い状態
AD は「縦軸切片が A のまま、横軸切片が D に伸びた」線、CB は「縦軸切片が C のまま、横軸切片が B に縮んだ」線です。
ステップ2: 選択肢を1つずつ判定する
ア は正しい X 財の価格が下落すると、横軸切片 m P x \frac{m}{P_x} P x m は大きくなり、縦軸切片 m P y \frac{m}{P_y} P y m は変わりません。つまり縦軸切片 A を支点に、横軸切片が B から D へ伸びます。まさに AD への移動です。
イ は誤り X 財と Y 財の価格が同じ率で 上昇 すると、傾きは変わらず両切片が小さくなるので、予算線は 左下 に平行移動します。CD は AB より右上にあるので、AB から CD への移動は価格が同じ率で 下落 した場合です。
ウ は誤り CD は AB より右上にあります。所得が 増加 すればさらに右上へ動くので、AB には戻りません。CD が AB に平行移動するのは所得が 減少 したときです。
エ は誤り 予算線 CB は、縦軸切片が C のまま横軸切片が D から B へ縮んだ形です。横軸切片 m P x \frac{m}{P_x} P x m が小さくなるのは X 財 の価格が上昇したときです。Y 財の価格が上昇するのであれば、動くのは縦軸切片のほうです。
答え ア
ステップ3: 数値で確かめる
所得10,000円、 P x = 200 P_x = 200 P x = 200 、 P y = 500 P_y = 500 P y = 500 とすると、予算線 AB は縦軸切片20、横軸切片50です。
X 財の価格が125円に下落: 横軸切片は 10,000 ÷ 125 = 80 10{,}000 \div 125 = 80 10 , 000 ÷ 125 = 80 、縦軸切片は20のまま → AD 型 両財の価格が半分( P x = 100 P_x = 100 P x = 100 、 P y = 250 P_y = 250 P y = 250
ステップ4: 判定の手順を固定化する
この種の問題は、次の順で見れば確実に処理できます。
1. 傾きが変わっているか → 変わっていなければ所得の変化、または両財の価格が同率で変化
2. 傾きが変わっているなら、どちらの切片が動いたか → 動いた切片に対応する財の価格が変化
3. 切片が大きくなったか小さくなったか → 大きくなったなら価格は下落、小さくなったなら上昇
予算制約線のシフト3パターン
試験のポイント
・ P x P_x P x の変化は横軸切片と傾きを動かし、縦軸切片は動かさない ・ P y P_y P y の変化は縦軸切片と傾きを動かし、横軸切片は動かさない ・ 所得の変化は傾きを変えずに平行移動させる ・ 両財の価格が同率で変化する場合は、所得が逆向きに変化したのと同じ平行移動になります ・ 「どの切片が動いたか」から原因を逆算する手順を身につけておきましょう 予算制約線
y = − P x P y x + m P y y = -\frac{P_x}{P_y}x + \frac{m}{P_y} y = − P y P x x + P y m 所得を使い切る組合せ
予算集合
予算線と両軸に囲まれた三角形
購入可能な組合せの集合
傾きの絶対値
P x P y \frac{P_x}{P_y} P y P x (価格比) 市場での交換レート
両財が同率で上昇
左下に平行シフト
所得が減ったのと同じ
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縦軸切片(y 軸切片) m P y \dfrac{m}{P_y} P y m 所得全部を使って購入できる Y 財の量
横軸切片(x 軸切片) m P x \dfrac{m}{P_x} P x m 所得全部を使って購入できる X 財の量
切片の分母がどちらの価格になるかは混乱しやすいところです。次のように意味から考えると間違えません。
縦軸は Y 財の量。所得を全部 Y 財につぎ込むのだから、所得 ÷ Y 財の価格 = m P y \frac{m}{P_y} P y m 横軸は X 財の量。所得を全部 X 財につぎ込むのだから、所得 ÷ X 財の価格 = m P x \frac{m}{P_x} P x m 「その軸の財の価格で所得を割る」と覚えておけば十分です。
傾きの絶対値 P x P y \frac{P_x}{P_y} P y P x は、 両財の価格比 です。
この数値が意味しているのは、市場において X 財1単位が Y 財何単位と交換できるか、ということです。たとえば P x = 200 P_x = 200 P x = 200 、 P y = 500 P_y = 500 P y = 500 なら P x P y = 0.4 \frac{P_x}{P_y} = 0.4 P y P x = 0.4 で、X 財1単位は Y 財0.4単位と交換できる、という関係になります。
前節で学んだ限界代替率が「消費者にとっての Y 財で測った X 財の価値」だったことを思い出してください。価格比のほうは「市場における Y 財で測った X 財の価値」です。この2つが一致するところが最適な消費の組合せになる、というのが次節の結論です。いまのうちに対比を意識しておくと、話が早くなります。
となります。消費量はマイナスにならないので、 x ≥ 0 x \geq 0 x ≥ 0 と y ≥ 0 y \geq 0 y ≥ 0 という条件も付きます。だから領域が三角形になるわけです。
縦軸切片 30 m / P y = 18,000 / 600 m / P_y = 18{,}000 / 600 m / P y = 18 , 000/600
横軸切片 60 m / P x = 18,000 / 300 m / P_x = 18{,}000 / 300 m / P x = 18 , 000/300
より
P y = 10,000 20 = 500 P_y = \dfrac{10{,}000}{20} = 500 P y = 20 10 , 000 = 500 円
横軸切片 = m P x = 50 = \dfrac{m}{P_x} = 50 = P x m = 50 より P x = 10,000 50 = 200 P_x = \dfrac{10{,}000}{50} = 200 P x = 50 10 , 000 = 200 円 検算として傾きを求めると − P x P y = − 200 500 = − 0.4 -\frac{P_x}{P_y} = -\frac{200}{500} = -0.4 − P y P x = − 500 200 = − 0.4 です。グラフからも − 20 50 = − 0.4 -\frac{20}{50} = -0.4 − 50 20 = − 0.4 と読み取れるので、一致しています。
グラフから価格を読み取らせる問題は頻出です。「切片 = 所得 ÷ その軸の財の価格」という関係を、両方向に使えるようにしておきましょう。
→
変わらない
縦軸切片: m 2 P y \dfrac{m}{2P_y} 2 P y m → 半分になる 横軸切片: m 2 P x \dfrac{m}{2P_x} 2 P x m → 半分になる ): 横軸切片100、縦軸切片40 → 傾きは
− 100 250 = − 0.4 -\frac{100}{250} = -0.4 − 250 100 = − 0.4 で不変 → CD 型(平行に右上へ)
所得が5,000円に減少: 横軸切片25、縦軸切片10 → 傾き不変で左下へ平行移動