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国際貿易

市場均衡と厚生分析

この節では国際貿易の基礎理論を学びます。リカードの比較生産費説による比較優位の考え方と、ヘクシャー=オリーンの定理による生産要素賦存量に基づく貿易理論を理解します。

1

比較生産費説(リカードの貿易理論)

簡単にいうと

全部下手でも得意な方に特化すれば貿易で両国とも得する!それが比較優位の考え方だよ!

リカードの比較生産費説(比較優位の理論)とは、各国が相対的に得意な(機会費用が低い)財の生産に特化し貿易することで、両国とも利益を得られるという理論。

絶対優位: 1単位生産するために必要な労働量が少ない国がその財について絶対優位をもつ。

比較優位: 2財の生産の相対的な効率性を比較し、より効率的に生産できる財について比較優位をもつ。一方の財がもう一方の財よりどれだけ優れているかの「程度」を両国間で比較する。

具体例

必要労働量(人)の表:

農産物工業製品
イギリス2人4人
インド3人9人

イギリスは両財とも絶対優位。

比較優位の判定: イギリスの工業/農業=4/2=2倍、インドの工業/農業=9/3=3倍。インドの方が工業製品が相対的に苦手→イギリスは工業製品に比較優位、インドは農産物に比較優位。

各国が比較優位の財に特化し貿易→両国の総生産量が増加。

試験のポイント

  • 要は「全部負けてても相対的に得意な方に特化すれば両者とも得する」のが比較優位のエッセンス
  • 絶対優位と比較優位の区別が最重要
  • 比較優位の判定は「必要労働量の比率」で比較する
  • 計算問題: 特化前後の総生産量を比較して貿易の利益を確認する問題が頻出
2

ヘクシャー=オリーンの定理

簡単にいうと

国ごとに豊富な資源は違う!その豊富な資源を使う製品を輸出するのが自然だよね、という理論!

ヘクシャー=オリーンの定理(第一定理): 各国は自国に豊富に存在する生産要素を集約的に用いる財に比較優位をもち、それを輸出する。

例: 資本豊富国→資本集約財を輸出、労働豊富国→労働集約財を輸出。

要素価格均等化命題(第二定理): 自由貿易により各国の生産要素価格比(賃金率/利子率)は均等化する。

具体例

資本が豊富なアメリカは資本集約的な工業製品を輸出。労働が豊富な中国は労働集約的な繊維製品を輸出。

貿易により、アメリカの賃金率と中国の賃金率の差が縮小していく(要素価格均等化)。

試験のポイント

  • 要は「豊富な資源を使う財を輸出する」のがH-O定理で、「貿易で要素価格が均等化する」のが第二定理
  • リカードの比較生産費説との違い(リカード=労働のみ、H-O=複数生産要素)
  • レオンチェフの逆説(アメリカが労働集約財を輸出していた)も関連知識として重要

まとめ

理論
主張
キーポイント
絶対優位
必要労働量が少ない国が優位
2国間の直接比較
比較優位(リカード)
相対的に得意な財に特化
機会費用で比較・両国とも利益
H-O定理(第一)
豊富な生産要素の財を輸出
資本/労働の賦存量が決定
要素価格均等化(第二)
貿易で要素価格比が均等化
賃金率/利子率の収束

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