市場均衡と厚生分析
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プレミアムで見るこれまでの余剰分析では、市場均衡価格や均衡取引量は国内市場で決定されるとし、海外(貿易)については考慮していませんでした。ここでは、国内の市場均衡価格(国内価格)と国際価格の差から貿易が生じる場合の余剰分析について確認していきます。使う道具は第3節で学んだ余剰分析そのままです。変わるのは「国内価格ではなく国際価格で取引される」という一点だけ。そこに水平線を1本引けば、輸入量も輸出量も自由貿易の利益も、すべて面積として読み取れるようになります。最後に関税政策を取り上げ、保護貿易がなぜ社会全体の損失を生むのかを確かめます。
簡単にいうと
まずは貿易をしていない状態から。これを自給自足均衡というよ。そして分析の前提になるのが「小国の仮定」。自分の国がいくら輸出入しても国際価格は動かない、という割り切りだよ。
① 閉鎖経済(自給自足均衡)
ある国(A 国)の X 財の市場を取り上げます。この市場を完全競争市場と仮定し、また、A 国は X 財について貿易を行っていないとすれば、市場均衡は国内の X 財に関する需要曲線と供給曲線の交点で決定されます。
この均衡を自給自足均衡といいます。つまり、これまで見てきたのは自給自足均衡のケースであり、この場合、社会的総余剰は で示されました(A は需要曲線の縦軸切片、B は供給曲線の縦軸切片、E は均衡点)。
以下、 を基準として、貿易等により社会的総余剰がどれくらい変化するかを確認します。
② 自給自足均衡の余剰
| 項目 | 内容 |
|---|---|
具体例
具体的な数値で、自給自足均衡と国際価格の関係を確認しておきましょう。
設定 A 国の X 財市場について、国内需要曲線 、国内供給曲線 とします。
ステップ1: 自給自足均衡を求める

自給自足均衡と小国の仮定
試験のポイント
簡単にいうと
国内価格より国際価格が安いと、安い輸入品が入ってくる!消費者は喜ぶけど、国内生産者は苦しくなる。でも社会全体で見ると、必ず得をしているんだ。ここが大事なところ!
① 輸入が生じる条件と数量
X 財について、世界市場で成立している均衡価格を (国際価格)とし、国内市場において市場均衡が成立している価格(国内価格)を
簡単にいうと
今度は逆!国際価格のほうが高いと、海外に売ったほうが得だから輸出になるよ。生産者は喜ぶけど、国内の消費者は高い値段で買うことになる。でもやっぱり社会全体では得をするんだ。輸入のときと鏡写しだよ!
① 輸出が生じる条件と数量
簡単にいうと
最後は関税!輸入品に税をかけると国内価格が上がって、輸入が減るよ。国内生産者は守られるけど、社会全体では死荷重が発生する。しかも死荷重が2つの三角形になるのがこの図の特徴だよ!
① 輸入関税の設定
国内への輸入に対して課税する輸入関税を考えます。
A 国が X 財の輸入国であり、政府が X 財の輸入に対し1単位あたり の輸入従量税を課したとします。このとき、国際価格は
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| 生産者余剰 |
| 社会的総余剰 |
ここで は国内価格(自給自足均衡での市場均衡価格)です。この節では国際価格 と区別するため、国内価格を と表記します。
③ 小国の仮定
開放経済における余剰分析では、小国の仮定のもと考察していくことがあります。
小国の仮定とは当該国を小国であると仮定するものであり、世界中に多数の国々が存在する中、当該国はその中の一国に過ぎず、当該国におけるその財の輸出入量がその財の国際価格に影響を与えることはない、というものです。
たとえば、当該国が当該財の輸入量を増加させたところで国際価格が上昇するようなことは起こらない、と考えます。
④ 小国の仮定が意味すること
小国の仮定を置くと、この国は国際価格 を与えられたものとして受け入れることになります。第1章で学んだプライステイカーの発想を、国の単位に当てはめたものだと考えてください。
グラフの上では、国際価格 の高さに水平線を引くことになります。この水平線が、世界からの供給曲線(あるいは世界への需要曲線)にあたります。いくらでもこの価格で買えるし、いくらでもこの価格で売れる、という状態です。
この水平線を引くことが、開放経済の余剰分析における作業のすべてだといっても言い過ぎではありません。
⑤ 輸入と輸出のどちらが生じるか
国際価格 と自給自足均衡での国内価格 との大小関係によって、輸入が生じるか輸出が生じるかが決定されます。
| 関係 | 何が起きるか |
|---|---|
| 国内価格 > 国際価格 | 輸入が生じる |
| 国際価格 > 国内価格 | 輸出が生じる |
考え方は単純です。
第5節で学んだ比較優位の理論は「なぜその財が安くつくれるのか」を説明するものでした。この節では、その結果として生じる貿易が、国内の余剰をどう変えるのかを面積で測ります。
⑥ 図の読み方の注意点
この節で描かれる需要曲線および供給曲線は、それぞれ国内需要者、国内供給者のものです。輸入が生じる場合の輸出国による供給量や、輸出が生じる場合の輸入国における需要量は、需要曲線・供給曲線に加味されていません。
つまり「自国の需要曲線・供給曲線」に「国際価格の水平線」を重ねる、という構図です。海外の需給は、水平線という形で抽象化されています。
国内価格 、均衡取引量60です。
ステップ2: 自給自足均衡の余剰を求める
ステップ3: 国際価格が20の場合を考える
なので、輸入が生じます。
国際価格20のもとで
安く買えるので国内の需要は増え、安い価格では国内生産者はあまりつくらなくなります。その差が輸入されます。
ステップ4: 国際価格が40の場合を考える
なので、輸出が生じます。
国際価格40のもとで
高く売れるので国内生産者はたくさんつくり、国内消費者は高くて買い控えます。その差が輸出されます。
ステップ5: 小国の仮定を確認する
いま A 国は30単位を輸入(または輸出)しています。小国の仮定のもとでは、この30単位がどれだけ増えても国際価格20(または40)は動きません。
もし A 国が大国であれば、輸入を増やせば世界の需要が増えて国際価格が上昇するはずです。しかし小国の仮定を置くことで、国際価格を定数として扱えるようになり、分析が単純になります。
ステップ6: 作業の型をまとめる
開放経済の余剰分析は、次の手順で進めます。
1. 国内の需要曲線と供給曲線から自給自足均衡を求める
2. 国際価格 の高さに水平線を引く
3. における国内需要量と国内供給量を読む
4. 差が輸入量(需要量 > 供給量)または輸出量(供給量 > 需要量)
5. 消費者余剰・生産者余剰を面積で求め、自給自足均衡と比べる
どのパターンの問題でも、この5ステップで処理できます。
このとき、 であれば、国内価格が になるまで、X 財が輸入されることになります(消費者がより安価な輸入品を選択することにより、国内の取引価格は国際価格まで下落する)。
この場合、国内企業による供給は、(国際価格 = 国内価格)に対応する生産量 だけ行われ、 に対応する需要量 との差分()が海外から輸入されます。
| 項目 | 図での読み取り方 |
|---|---|
| 国内企業による供給量 | 国際価格の水平線と供給曲線の交点 → |
| 国内需要量 | 国際価格の水平線と需要曲線の交点 → |
| 輸入量 |
② 余剰の変化
国際価格 における供給曲線上の点を F、需要曲線上の点を G とします。自給自足均衡点を E、国内価格を とします。
| 貿易前 | 貿易後 | 変化分 | |
|---|---|---|---|
| 消費者余剰 | 四角形 | ||
| 生産者余剰 | |||
| 社会的総余剰 | 四角形 |
消費者余剰および生産者余剰の求め方は、これまでと同様です。
③ 何が起きているのかを言葉で
消費者は得をする 海外業者に国内市場が開放されて、消費者はその財を安く購入できるようになり、需要量を増加させ余剰が増加します。
生産者は損をする 一方、国内生産者は価格が下落するため、供給量を減らすことで、余剰が減少します。
社会全体では得をする 消費者の増加分が生産者の減少分を上回るため、社会的総余剰は だけ増加します。
④ なぜ社会全体では必ず得をするのか
が生まれる理由を考えておきましょう。
自給自足のときは、国内の生産者が高い費用をかけて までつくっていました。貿易後は、 を超える分は海外から国際価格 で買えます。国内でつくれば より高い費用がかかる部分を、安く調達できるようになったわけです。
さらに、価格が下がったことで需要量が から へ増えています。この増えた分についても、消費者の評価が を上回っているので、余剰が生まれます。
この2つの効果を合わせたものが です。
⑤ 政治的な難しさ
数値の上では社会全体が得をします。しかし、得をするのは薄く広く分散した消費者であり、損をするのは特定の産業に集中した生産者です。
そのため、輸入自由化に反対する声は生産者側から強く上がり、賛成する声は消費者側からは上がりにくい。自由貿易をめぐる議論が難しいのは、この非対称性があるためです。
診断士としては、輸入品との競争にさらされる中小企業に対して、差別化や高付加価値化の方向を助言する場面が出てきます。理論の結論だけでなく、現場で何が起きるのかもあわせて理解しておきたいところです。
具体例
前のテーマの数値例を使って、輸入が生じる場合の余剰を計算してみましょう。
設定 国内需要曲線 、国内供給曲線 、国際価格 。
自給自足均衡: 、、消費者余剰900、生産者余剰1,350、社会的総余剰2,250。
ステップ1: 貿易後の数量を求める
ステップ2: 貿易後の消費者余剰を求める
需要曲線より下、価格20より上、数量80より左の三角形です。
900から1,600へ、700増加しました。
ステップ3: 貿易後の生産者余剰を求める
供給曲線より上、価格20より下、数量50より左の領域です。供給曲線は で横軸と交わります。
1,350から800へ、550減少しました。
ステップ4: 社会的総余剰を求める
2,250から2,400へ、150増加しました。
ステップ5: 自由貿易の利益を三角形で確かめる
増加分は三角形 にあたります。
計算結果と一致しました。
ステップ6: 誰が得をして誰が損をしたか
| 変化 | |
|---|---|
| 消費者 | |
| 生産者 | |
| 社会全体 |
消費者の得のほうが生産者の損より大きいので、社会全体では得をしています。
ただし、生産者が失った550のうち550は消費者に移転しただけであり、新たに生まれた価値は150だけです。「貿易で社会全体が得をする」と言うとき、その中身の大部分は生産者から消費者への移転である、という点は押さえておきましょう。
ステップ7: 国際価格をさらに下げた場合
国際価格が10まで下がったらどうなるでしょうか。

自由貿易の余剰分析(輸入ケース)
試験のポイント
すなわち、国内企業による生産量は 、 に対応する国内需要量は であるから、その差分()が海外へ輸出されることとなります。
| 項目 | 図での読み取り方 |
|---|---|
| 国内需要量 | 国際価格の水平線と需要曲線の交点 → |
| 国内企業の供給量 | 国際価格の水平線と供給曲線の交点 → |
| 輸出量 |
② 余剰の変化
国際価格 における需要曲線上の点を F、供給曲線上の点を G とします。
| 貿易前 | 貿易後 | 変化分 | |
|---|---|---|---|
| 消費者余剰 | 四角形 | ||
| 生産者余剰 | |||
| 社会的総余剰 | 四角形 |
③ 何が起きているのかを言葉で
生産者は得をする 国内生産者が海外へ高価格で輸出するようになるため、供給量を増やし、国内市場での価格も上昇して余剰が増加します。
消費者は損をする 一方、消費者は価格の上昇を受け、需要量が減り、余剰が減少します。
社会全体では得をする 生産者の増加分が消費者の減少分を上回るため、社会的総余剰は だけ増加します。
④ 輸入の場合との対応
輸入と輸出は、ちょうど鏡写しの関係にあります。
| 輸入が生じる場合 | 輸出が生じる場合 | |
|---|---|---|
| 条件 | 国内価格 > 国際価格 | 国際価格 > 国内価格 |
| 国内価格の動き | 下落 | 上昇 |
| 消費者余剰 | 増加 | 減少 |
| 生産者余剰 | 減少 | 増加 |
| 社会的総余剰 | 増加 | 増加 |
どちらの場合でも社会的総余剰は増加する、という点が共通しています。
⑤ 自由貿易の利益
以上より、自由貿易が行われる場合には、閉鎖経済の場合と比べて、社会的総余剰は増加し、その増加分である三角形の大きさを自由貿易の利益といいます。
輸入が生じる場合には、消費者余剰は閉鎖経済のときよりも増大します。また、生産者余剰は閉鎖経済のときよりも減少しますが、両者を合わせた社会的総余剰は閉鎖経済における社会的総余剰を上回ります。
同様に、輸出が生じる場合には、消費者余剰は閉鎖経済よりも減少する一方、生産者余剰は閉鎖経済よりも拡大します。また、両者を合計した社会的総余剰も、閉鎖経済における社会的総余剰を上回ります。
⑥ この節の結論
第3節で「完全競争市場では社会的総余剰が最大になり、政府の介入は死荷重を生む」と学びました。この節の結論は、その国際版です。
市場を広げれば広げるほど、取引の機会が増えて余剰が増える。逆に取引を妨げれば余剰が減る。同じ理屈が、国内市場でも国際市場でも成り立っている、ということです。
⑦ 「必ず得をする」の意味
ここでも注意しておきたいのは、社会的総余剰が増えるということと、全員が得をするということは違う、という点です。
輸入なら生産者が、輸出なら消費者が、それぞれ損をします。理論が保証しているのは「社会全体では増える」ということであり、「損をする人がいない」ということではありません。
第4節で学んだパレート効率性の言葉でいえば、自由貿易は総余剰を増やすのでパイを大きくしますが、増えた分をどう配るかは別の問題だ、ということになります。
具体例
同じ市場で、輸出が生じる場合を計算してみましょう。
設定 国内需要曲線 、国内供給曲線 、国際価格 。
自給自足均衡: 、、消費者余剰900、生産者余剰1,350、社会的総余剰2,250。
ステップ1: 貿易後の数量を求める
ステップ2: 貿易後の消費者余剰を求める
900から400へ、500減少しました。
ステップ3: 貿易後の生産者余剰を求める
1,350から2,000へ、650増加しました。
ステップ4: 社会的総余剰を求める
2,250から2,400へ、150増加しました。
ステップ5: 自由貿易の利益を三角形で確かめる
計算結果と一致しました。
ステップ6: 輸入の場合と並べて確認する
| 自給自足 | 輸入() | 輸出() | |
|---|---|---|---|
| 消費者余剰 |
どちらの向きの貿易でも、社会的総余剰は150増えています。今回は国内価格からの乖離幅が同じ10だったため、利益も同額になりました。
消費者と生産者のどちらが得をするかは正反対ですが、社会全体では必ず得をする。この構図が、輸入と輸出で鏡写しになっていることが確認できます。
ステップ7: 国際価格が国内価格と一致する場合
ならどうなるでしょうか。
自給自足均衡とまったく同じ状態です。自由貿易の利益もゼロになります。
貿易の利益は、国内価格と国際価格の差から生まれる。その差が比較優位の差を反映している、というのが第5節とこの節をつなぐ線です。

輸出が生じる場合の余剰分析
試験のポイント
この場合、国内企業による供給は、 に対応する生産量 であり、 に対応する需要量 との差分()が海外から輸入されます。
② 数量の変化
| 項目 | 関税前 | 関税後 |
|---|---|---|
| 国内価格 | (上昇) | |
| 国内供給量 | (増加) | |
| 国内需要量 | (減少) | |
| 輸入量 |
価格が上がったので、国内生産者は生産を増やし、国内消費者は買い控えます。その結果、輸入量は減ります。これが関税による国内産業の保護です。
③ 余剰の変化
関税前の国際価格 における供給曲線上の点を F、需要曲線上の点を G とします。関税後の価格 における供給曲線上の点を H、需要曲線上の点を I とし、 の高さで 、 に対応する点をそれぞれ J、K とします。また、 の縦軸上の点を C とします。
| 課税前 | 課税後 | |
|---|---|---|
| 消費者余剰 | ||
| 生産者余剰 | ||
| 政府余剰(関税収入) | なし | 四角形 |
| 社会的総余剰 | 四角形 | 図形 |
④ 死荷重は2つの三角形になる
この結果、関税政策を実施しない自由貿易均衡と比較して、 と の死荷重が発生します。
国内の課税(第3節)では死荷重が1つの三角形でしたが、関税では2つの三角形になります。ここがこの図の特徴です。
⑤ 2つの三角形の意味
なぜ2つに分かれるのかを考えておきましょう。
(左側の三角形)= 生産の非効率
関税によって国内生産が から へ増えました。この増えた分は、国際価格
(右側の三角形)= 消費の減少
関税によって国内需要が から へ減りました。この減った分は、消費者の評価が国際価格
つまり、つくらなくてよいものをつくった損失と、消費されるべきものが消費されなかった損失の2つです。
⑥ 関税の負担は誰が負うのか
関税は海外業者が支払うため、国内の消費者や生産者が直接支払うことはありません。
しかし、国内の販売価格が に上昇するため、実質的には国内の消費者が負担していることになります。第3節で学んだ「税の転嫁」が、ここでも起きているわけです。
小国の仮定のもとでは、国際価格 は変わりません。したがって関税の負担は全額が国内の消費者に回ります。海外の生産者は を受け取り続けるからです。
「関税は外国に払わせる税だ」という言い方を耳にすることがありますが、少なくとも小国の仮定のもとでは、負担するのは自国の消費者です。
⑦ 関税収入の行方
関税前後で消費者余剰がどれだけ減ったかを追うと、その一部は
に移転しています。移転せずに消えてしまった部分が、2つの三角形にあたる死荷重です。
| 消費者余剰の減少分の行方 | 内容 |
|---|---|
| 生産者へ移転 | 国内生産者の余剰増加 |
| 政府へ移転 | 関税収入 |
| 消滅 | 死荷重(2つの三角形) |
⑧ 保護貿易をめぐる議論
理論上、関税は社会的総余剰を減らします。それでも各国が関税を課すのはなぜでしょうか。
いずれも余剰分析の枠外にある論点です。経済学が示すのは「効率性の観点からは損失が生じる」という一点であり、それを受け入れるかどうかは政策判断になります。
中小企業政策でも、輸入品との競争にさらされる産業への支援策が用意されています。理論の結論と現実の政策のあいだにある距離を、意識しておくとよいでしょう。
具体例
輸入が生じている市場に関税を課した場合を、数値で計算してみましょう。
設定 国内需要曲線 、国内供給曲線 、国際価格 。ここに1単位あたり6の輸入関税を課します。
ステップ1: 関税前の状態を確認する
前のテーマで計算したとおり
ステップ2: 関税後の国内価格を求める
ステップ3: 関税後の数量を求める
輸入量が30から12へ、18減少しました。国内生産は50から56へ増え、国内消費は80から68へ減っています。
ステップ4: 関税後の消費者余剰を求める
1,600から1,156へ、444減少しました。
ステップ5: 関税後の生産者余剰を求める
800から1,118へ、318増加しました。
ステップ6: 関税収入を求める
ステップ7: 関税後の社会的総余剰を求める
2,400から2,346へ、54減少しました。
ステップ8: 死荷重を2つの三角形で確かめる
左の三角形(生産の非効率)
右の三角形(消費の減少)
合計:
計算結果と一致しました。
ステップ9: 消費者の損失の行方を追う
消費者は444を失いました。その内訳は次のとおりです。
| 行き先 | 金額 |
|---|---|
| 生産者へ移転 | 318 |
| 政府へ移転(関税収入) | 72 |
| 消滅(死荷重) | 54 |
| 合計 | 444 |
失われた444のうち、390は社会の中に残っていますが、54はどこにも行かずに消えました。これが関税の社会的な費用です。
ステップ10: 誰が得をしたかをまとめる
| 変化 | |
|---|---|
| 消費者 | |
| 生産者 | |
| 政府 | |
| 社会全体 |
国内生産者は318の利益を得ており、関税が産業保護として機能していることがわかります。しかしそのために消費者は444を負担し、社会全体では54の損失が生じました。
「1の利益を守るために1.4の負担をかけている」という構図です。保護貿易の是非を論じるときの、経済学からの基本的な指摘がこれにあたります。

関税の余剰分析と死荷重
試験のポイント
プレミアムプラン
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自由貿易の利益は
国際価格と国内価格の差が大きいほど、貿易の利益も大きくなります。逆に言えば、比較優位の差が大きい相手と貿易するほど利益が大きい、ということです。
| 900 |
| 1,600() |
| 400() |
| 生産者余剰 | 1,350 | 800() | 2,000() |
| 社会的総余剰 | 2,250 | 2,400() | 2,400() |