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需給ギャップ(GDPギャップ)

生産物市場(財市場)の分析

この節では、完全雇用国民所得と現実の均衡国民所得の乖離を表す需給ギャップ(GDPギャップ)について学びます。デフレギャップとインフレギャップの概念を理解し、総需要管理政策との関連を把握しましょう。

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デフレギャップ

簡単にいうと

実際のGDPが完全雇用GDPに届かないとき、その差がデフレギャップ!需要が足りないから物価が下がっちゃう状態だよ!

① デフレギャップとは

デフレギャップとは、完全雇用国民所得YFY_F(潜在GDP)の水準において、総供給が総需要を上回っている状態、つまり需要が不足している状態を指します。

デフレギャップ=YFYD(YF)\text{デフレギャップ} = Y_F - Y_D(Y_F)

ここで YFY_F は、その経済の労働力がすべて雇用されたときに実現する国民所得の水準(完全雇用国民所得)です。

② デフレギャップの特徴

デフレギャップがある経済では、均衡国民所得 YY^* が完全雇用国民所得 YFY_F を下回っています(Y<YFY^* < Y_F)。完全雇用が達成されておらず、失業が発生している状態です。

需要が供給に追いつかないため、企業は売れ残りを抱え、物価が下落する圧力が生じます。これがデフレ(物価の持続的な下落)につながります。

③ デフレギャップの解消方法

デフレギャップを解消するには、総需要を増加させる政策が必要です。具体的には、政府支出の増加、減税、金融緩和(利子率の引き下げ)などが考えられます。

④ 重要な注意点

デフレギャップは、完全雇用GDP水準YFY_Fにおける「総供給と総需要の差」(垂直距離)で測ります。均衡GDP YY^* と完全雇用GDP YFY_F の水平距離ではないことに注意してください。この測り方の違いは試験でよく問われるポイントです。

具体例

具体的な数値でデフレギャップを計算してみましょう。

条件: 完全雇用国民所得 YF=700Y_F = 700、総需要関数 YD=0.8Y+100Y_D = 0.8Y + 100

完全雇用GDP水準での総需要を求めます。

YD(700)=0.8×700+100=560+100=660Y_D(700) = 0.8 \times 700 + 100 = 560 + 100 = 660

完全雇用GDP水準での総供給は、

YS(700)=700Y_S(700) = 700

したがってデフレギャップは、

デフレギャップ =YFYD(YF)=700660=40= Y_F - Y_D(Y_F) = 700 - 660 = 40

この40という値は、45度線分析のグラフ上では、Y=YF=700Y = Y_F = 700の地点における45度線と総需要曲線の垂直方向の距離として表れます。つまり、完全雇用を達成するためには総需要をあと40だけ上方にシフトさせる必要があることを意味しています。

完全雇用国民所得水準における需給ギャップの図解

デフレギャップとインフレギャップ

試験のポイント

  • 要は「完全雇用GDPにおいて需要が供給に足りない分=デフレギャップ」
  • デフレギャップの測り方が「YFY_FにおけるYSYDY_S - Y_D」であることが最重要(YY^*YFY_Fの差ではない!)
  • 解消には総需要の増加が必要
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インフレギャップ

簡単にいうと

需要が完全雇用GDP以上に膨らんでいる状態がインフレギャップ!需要過多で物価が上がっちゃうから、総需要を減らす政策が必要!

① インフレギャップとは

インフレギャップとは、完全雇用国民所得YFY_Fの水準において、総需要が総供給を上回っている状態、つまり需要が過剰な状態を指します。

インフレギャップ=YD(YF)YF\text{インフレギャップ} = Y_D(Y_F) - Y_F

② インフレギャップの特徴

インフレギャップがある経済では、均衡国民所得 YY^* が完全雇用国民所得 YFY_F を上回っています(Y>YFY^* > Y_F)。労働市場では人手不足が発生し、企業は労働者を確保するために賃金を引き上げます。また、需要が供給を超えているため、物価が上昇し、インフレが進行します。

③ インフレギャップの解消方法

インフレギャップを解消するには、総需要を減少させる政策が必要です。具体的には、政府支出の削減、増税、金融引締め(利子率の引き上げ)などが考えられます。

④ デフレギャップとの対比

デフレギャップとインフレギャップは対照的な概念です。以下の表で整理しましょう。

ギャップ状態政策
デフレギャップY<YFY^* < Y_F(需要不足)政府支出↑、減税、金融緩和
インフレギャップY>YFY^* > Y_F(需要過多)政府支出↓、増税、金融引締め

具体例

具体的な数値でインフレギャップを計算してみましょう。

条件: 完全雇用国民所得 YF=700Y_F = 700、総需要関数 YD=0.8Y+200Y_D = 0.8Y + 200

完全雇用GDP水準での総需要を求めます。

YD(700)=0.8×700+200=560+200=760Y_D(700) = 0.8 \times 700 + 200 = 560 + 200 = 760

インフレギャップ =YD(YF)YF=760700=60= Y_D(Y_F) - Y_F = 760 - 700 = 60

この経済では、完全雇用の水準で需要が供給を60上回っています。

このギャップを解消するにはどうすればよいでしょうか。総需要曲線を60だけ下方にシフトさせればよいので、政府支出を60削減する(ΔG=60\Delta G = -60)ことで対応できます。政府支出の変化は総需要曲線を直接的に同額だけシフトさせるため、ギャップの大きさ分だけGGを変化させれば解消できるのです。

デフレギャップ
インフレギャップ
需給ギャップ
マイナス(実際GDP<潜在GDP)
プラス(実際GDP>潜在GDP)
経済状況
不景気(需要不足)
好景気(需要過多)
雇用
失業が発生
人手不足
物価
下落傾向(デフレ)
上昇傾向(インフレ)
裁量的財政政策
政府支出の拡大・減税
政府支出の縮小・増税

試験のポイント

  • 要は「完全雇用GDPにおいて需要が供給を超える分=インフレギャップ」
  • デフレギャップとの対比(需要不足vs需要過多)と対応する政策の組み合わせが頻出
  • ギャップ解消に必要な政府支出変化額を求める計算問題にも注意

まとめ

概念
条件
対応政策
デフレギャップ
YFY_FYS>YDY_S > Y_D
総需要増加(政府支出↑、減税)
インフレギャップ
YFY_FYD>YSY_D > Y_S
総需要減少(政府支出↓、増税)
完全雇用国民所得
潜在GDPの水準
ギャップ測定の基準
需給ギャップの影響
デフレ: 失業増・物価下落 / インフレ: 人手不足・物価上昇
裁量的財政政策で対応

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