貨幣市場とIS-LM分析
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プレミアムで見るここまで貨幣供給と貨幣需要について別々に学習してきましたが、この節では両者を統合し、貨幣市場の均衡を考えます。
生産物市場(財市場)における投資は利子率の影響を受けるということを学習しましたが、その利子率は、貨幣市場の均衡によって決定されます。つまり、貨幣需要=貨幣供給となるところで均衡貨幣量と利子率が決定されます。
なお、LM曲線という名称は、貨幣需要(Liquidity Demand)と貨幣供給(Money Supply)が等しいことに由来しています。第7章のIS曲線が Investment と Saving の頭文字だったのと同じ発想です。
ここでも押さえるのは4点セット、形状・上側/下側の領域・傾き・シフトです。IS曲線とまったく同じ枠で整理できるので、第7章の型を思い出しながら読み進めてください。
簡単にいうと
国民所得が増える→取引需要が増える→利子率が上がる。この組合せを拾って線にすると、右上がりのLM曲線になるよ!
LM曲線は、**貨幣市場が均衡する(貨幣需要と貨幣供給が一致する)
国民所得 と利子率 の組合せを描いた曲線**です。
① 導出の手順
第7章でIS曲線を導いたときと同じく、2枚のグラフを並べて考えます。
具体例
LM曲線を数値で描いてみましょう。
設定

貨幣市場の均衡からLM曲線を導く
試験のポイント
簡単にいうと
LM曲線の上は貨幣が余っていて、下は足りない状態。IS曲線と同じで「上が超過供給」と覚えれば大丈夫!
① LM曲線の定義と形状(まとめ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 貨幣市場が均衡する(貨幣需要と貨幣供給が一致する)国民所得 と利子率 |
簡単にいうと
貨幣需要の利子率弾力性が大きいほど、LM曲線は緩やかになるの。IS曲線と同じで「反応が大きいほど緩やか」だよ!
LM曲線の傾きを決めるのは、貨幣需要の利子率弾力性です。
① 基本の対応
| 貨幣需要の利子率弾力性 | LM曲線 |
|---|---|
| 大きい | 緩やかになる |
| 小さい | 急になる |
簡単にいうと
お金を増やすか、物価が下がれば右へ。実質貨幣供給量が増えれば右シフト、と覚えよう!
① 基本の対応
| 変化 | LM曲線 |
|---|---|
| 名目貨幣供給量 の増加、物価水準 |
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縦軸がどちらも利子率なので、横にそろえて置きます。
ステップ1: 最初の国民所得 での均衡を求める
国民所得が のとき、貨幣需要曲線は の位置にあります。
垂直な貨幣供給曲線 との交点が点Aで、そのときの利子率が です。
右のグラフに という点A'を打ちます。
ステップ2: 国民所得を増やしてみる()
国民所得が増えると、取引需要が増えるので貨幣需要曲線が右にシフトします。
貨幣供給曲線は垂直のまま動かないので、新しい交点は点Bとなり、
利子率は に上がります()。
右のグラフに という点B'を打ちます。
ステップ3: 点を結ぶ
と を結ぶと、右上がりの直線が現れます。
これがLM曲線です。
② なぜ右上がりなのか
導出の流れをひとつながりにすると、
国民所得が増えると利子率も上がるのですから、
縦軸に利子率、横軸に国民所得をとれば、右上がりになります。
IS曲線が右下がりだったのと対照的です。
だからこそ、2本を重ねると1点で交わり、均衡が1つに決まります。
③ LM曲線上の点はすべて均衡点
IS曲線のときと同じく、LM曲線の導出は貨幣市場の均衡点をプロットしたものです。
したがって、LM曲線上の点はどこをとっても貨幣市場が均衡している点です。
逆に、LM曲線から外れた点では貨幣需要と貨幣供給が一致していません。
④ IS曲線との対比
| IS曲線 | LM曲線 | |
|---|---|---|
| どの市場 | 生産物市場 | 貨幣市場 |
| 名前の由来 | Investment と Saving | Liquidity Demand と Money Supply |
| 形状 | 右下がり | 右上がり |
| 導出の流れ | 総需要 | 取引需要 |
| 何を固定しているか | 、 、 など | 、 |
導出の流れの向きが逆になっていることに注目してください。
IS曲線は「利子率から出発して国民所得へ」、
LM曲線は「国民所得から出発して利子率へ」です。
均衡条件
国民所得ごとの均衡利子率
| 国民所得 | 均衡利子率 |
|---|---|
| 500 | 2.5% |
| 600 | 5.0% |
| 700 | 7.5% |
| 800 | 10.0% |
国民所得が100増えるごとに、利子率が2.5%ずつ上がっています。
これを縦軸に利子率、横軸に国民所得をとってプロットすれば、右上がりの直線です。
LM曲線の式
の係数がプラスなので、たしかに右上がりです。
なぜ利子率が上がるのか(もう一度)
国民所得が500から600に増えたとします。
貨幣需要は だけ増えます(取引需要の増加)。
しかし貨幣供給は200のまま変わりません。
50だけ貨幣が足りない状態になります。
不足を解消するには、貨幣需要のほうが減らなければなりません。
貨幣需要のうち、取引需要は所得で決まっているので減りません。
残るのは投機的需要です。
投機的需要は利子率の減少関数なので、利子率が上がれば投機的需要が減ります。
利子率が2.5%上がると、投機的需要が50減って、ちょうど需要と供給が一致します。
この説明を言葉で言えるようにしておく
取引需要 貨幣需要 貨幣の超過需要
債券を売る 債券価格 利子率
投機的需要 均衡へ
途中に債券市場を経由する説明もできます。
貨幣が足りないので、人々は債券を売って現金を得ようとします。
債券が売られれば債券価格が下がり、債券価格が下がれば利子率が上がります。
どちらの説明でも結論は同じです。自分が言いやすいほうを覚えてください。
IS曲線と重ねてみる
第7章で導いたIS曲線が 、
この節のLM曲線が だとします。
LM曲線を の式に直すと、
IS曲線と連立させます。
生産物市場と貨幣市場の両方を均衡させる国民所得は800、利子率は10%です。
これが次節のIS-LM分析です。
連立方程式を解くだけなので、身構える必要はありません。
| 形状 | 右上がり |
② 曲線から外れた点の意味
LM曲線は貨幣需要と貨幣供給が一致する点の集合です。
したがって、LM曲線上の点はどこをとっても貨幣の需要と供給が一致しているといえます。
| 領域 | 貨幣市場の状態 |
|---|---|
| LM曲線の上側の領域 | 超過供給 |
| LM曲線の下側の領域 | 超過需要 |
IS曲線のときと同じ向きです。
「上が超過供給、下が超過需要」と、2本まとめて覚えてしまいましょう。
③ なぜ上側が超過供給なのか
縦に見る説明
LM曲線上の点Aから、同じ国民所得のまま利子率だけ上がった点を考えます。
この点はLM曲線の上側にあります。
利子率が上昇すると、貨幣の魅力が弱まるため貨幣の投機的需要が減少します。
一方、貨幣供給は変わりません。
その結果、貨幣需要 < 貨幣供給となり、貨幣市場は超過供給です。
横に見る説明
LM曲線上の点Aから、同じ利子率のまま国民所得だけ減った点も、LM曲線の上側にあります。
(LM曲線が右上がりなので、左へ動けば曲線より上に出ます。)
国民所得が減ると取引需要が減るので、貨幣需要が減ります。
供給は変わらないので、やはり超過供給です。
どちらの見方でも同じ結論です。
④ 下側が超過需要になる理由
上側の逆です。
⑤ 調整の向き
貨幣市場が不均衡なら、次のように調整されます。
| 状態 | 起きること | 利子率 |
|---|---|---|
| 超過供給(上側) | 余った貨幣で債券を買う → 債券価格が上がる | 下がる |
| 超過需要(下側) | 貨幣が欲しいので債券を売る → 債券価格が下がる | 上がる |
どちらの場合も、利子率がLM曲線に向かって上下に動くことになります。
IS曲線では国民所得が左右に動いて調整されたのに対し、
LM曲線では利子率が上下に動いて調整される、という違いがあります。
(生産物市場の調整は生産量を変えるので時間がかかりますが、
貨幣市場の調整は債券の売買なので瞬時に起こる、という理解もできます。)
⑥ IS-LM図の4つの領域
IS曲線とLM曲線を重ねると、平面が4つの領域に分かれます。
| 領域 | 生産物市場 | 貨幣市場 |
|---|---|---|
| IS曲線の上・LM曲線の上 | 超過供給 | 超過供給 |
| IS曲線の上・LM曲線の下 | 超過供給 | 超過需要 |
| IS曲線の下・LM曲線の上 | 超過需要 | 超過供給 |
| IS曲線の下・LM曲線の下 | 超過需要 | 超過需要 |
令和7年第10問のように、
「図中の点Aでは生産物市場と貨幣市場はそれぞれどのような状態か」
と問われたら、この表で答えます。
覚えることは1つだけ、どちらの曲線も「上が超過供給」です。
具体例
前のテーマのLM曲線 で、上側・下側の点を検証しましょう。
(貨幣需要 、実質貨幣供給量 )
LM曲線上の点
のとき、
点 はLM曲線上にあります。確かめると、
貨幣供給200と一致しています。均衡です。
ケース1: LM曲線の上側の点
国民所得は同じ600で、利子率だけ8%に上がっています。
貨幣の超過供給が60あります。LM曲線の上側は超過供給です。
ケース2: LM曲線の下側の点
利子率が2%に下がっています。
貨幣の超過需要が60あります。LM曲線の下側は超過需要です。
横から見ても同じ
同じ利子率 で、国民所得が小さい点 を考えます。
LM曲線上の点 より左なので、上側の領域にあります。
やはり超過供給です。
調整が起こる様子
ケース1(超過供給)では、貨幣が60余っています。
人々は余った貨幣で債券を買います。
債券が買われれば債券価格が上がり、利子率が下がります。
利子率が8%から5%まで下がると、投機的需要が60増えて、需給が一致します。
LM曲線上の点に戻りました。
ケース2(超過需要)では逆に、貨幣が60足りません。
人々は債券を売って現金を手に入れようとします。
債券が売られれば債券価格が下がり、利子率が上がります。
利子率が2%から5%まで上がると、投機的需要が60減って、需給が一致します。
設例(令和7年第10問に近い形)
問: 下図のIS曲線とLM曲線において、点Pは
IS曲線より上、LM曲線より下に位置している。
このとき、生産物市場と貨幣市場の状態として最も適切なものはどれか。
解答: ウ
したがって「生産物市場は超過供給、貨幣市場は超過需要」です。
解き方の手順
1. その点がIS曲線の上か下かを見る(上なら超過供給、下なら超過需要)
2. その点がLM曲線の上か下かを見る(上なら超過供給、下なら超過需要)
3. 組み合わせる
どちらの曲線も「上が超過供給」。この1点だけ覚えておけば、4つの領域すべてに答えられます。

LM曲線と領域

LM曲線の上側・下側の領域
試験のポイント
どちらも「反応が大きいほど緩やか」です。
② なぜそうなるのか
国民所得が増えて、貨幣の取引需要が増えたとします。
貨幣が不足するので、利子率が上がって投機的需要を減らし、均衡を取り戻します。
ここで、
弾力性が大きい場合: 利子率がわずかに上がるだけで投機的需要が大きく減ります。
だから、国民所得が増えても利子率はあまり上がりません。
→ 横に大きく、縦に小さく動く → 緩やか
弾力性が小さい場合: 利子率が大きく上がらないと投機的需要が減りません。
だから、国民所得が少し増えただけでも利子率が大きく上がります。
→ 横に小さく、縦に大きく動く → 急
③ 極端なケース
| 状態 | 弾力性 | LM曲線 | 名前 |
|---|---|---|---|
| 貨幣需要が利子率にまったく反応しない | ゼロ | 垂直 | 古典派のケース |
| 貨幣需要が利子率に無限に反応する | 無限大 | 水平 | 流動性のわな |
流動性のわなのとき、貨幣需要曲線が水平になることを前節で学びました。
その状態では、LM曲線も水平になります。
利子率が最低水準に張り付いて動かないのですから、
国民所得がいくら変わっても利子率が変わらない、つまり水平の線になるわけです。
一方、古典派のケースでは、貨幣需要が利子率にまったく反応しません。
貨幣は取引のためだけに持たれる、という考え方です。
このときLM曲線は垂直になります。
④ なぜ傾きが問われるのか
LM曲線の傾きは、次節のIS-LM分析で政策の効き方を決めます。
| LM曲線 | 財政政策 | 金融政策 |
|---|---|---|
| 急(垂直に近い) | 効きにくい | よく効く |
| 緩やか(水平に近い) | よく効く | 効きにくい |
IS曲線のときと逆の対応になっているので注意してください。
| 曲線 | 急なとき | 緩やかなとき |
|---|---|---|
| IS曲線 | 財政政策がよく効く | 金融政策がよく効く |
| LM曲線 | 金融政策がよく効く | 財政政策がよく効く |
覚え方は「自分の市場の曲線が急なら、自分の政策が効く」です。
⑤ 極端なケースでの政策効果
| ケース | LM曲線 | 財政政策 | 金融政策 |
|---|---|---|---|
| 流動性のわな | 水平 | 完全に有効(クラウディング・アウトなし) | 無効 |
| 古典派のケース | 垂直 | 無効(完全なクラウディング・アウト) | 完全に有効 |
流動性のわなのときに財政政策が有効になる理由は、前節で説明したとおりです。
古典派のケースでは逆に、政府支出を増やしても利子率が大きく上がり、
その分だけ民間投資が減るので、国民所得はまったく増えません
(完全なクラウディング・アウト)。
このあたりは次節のIS-LM分析でグラフとともに確認します。
いまは「傾きが何で決まるか」と「極端な2ケースの名前」を押さえておけば十分です。
具体例
LM曲線の傾きの違いを、数値で比べましょう。
共通の設定: 貨幣需要の取引需要部分を 、実質貨幣供給量を200とします。
ケースA: 貨幣需要 (弾力性が大きい)
傾きは 0.00025。
ケースB: 貨幣需要 (弾力性が小さい)
傾きは 0.001。ケースAの4倍で、より急です。
国民所得が100増えたときの利子率の上昇
| ケース | 弾力性 | 傾き | のときの |
|---|---|---|---|
| A | 大きい | 0.00025 | +2.5% |
| B | 小さい | 0.001 |
弾力性が小さいケースBでは、同じ所得の増加に対して利子率が4倍も上がります。
だからグラフが急になるわけです。
流動性のわなのケース
(利子率にどこまでも反応する)
このときLM曲線は水平になります。
どれだけ国民所得が増えても、利子率は最低水準のまま動きません。
古典派のケース
| 弾力性 | IS曲線 | LM曲線 |
|---|---|---|
| 投資の利子率弾力性が大 | 緩やか | ― |
| 貨幣需要の利子率弾力性が大 | ― | 緩やか |
どちらも「反応が大きいほど緩やか」で共通です。
違うのは、どちらの弾力性がどちらの曲線を動かすかだけです。
市場の対応で覚えれば取り違えません。
試験のポイント
| 右シフト |
| 名目貨幣供給量 の減少、物価水準 の上昇 | 左シフト |
まとめると、
実質貨幣供給量 が増えれば右シフト、減れば左シフト
前節で学んだ「貨幣供給曲線のシフト」が、そのままLM曲線のシフトになります。
② なぜそうなるのか
貨幣供給が増えると、貨幣供給曲線が右にシフトします。
同じ国民所得(同じ貨幣需要曲線)のもとで、均衡利子率が下がります。
LM曲線は「国民所得と均衡利子率の組合せ」を描いた線ですから、
同じ国民所得に対する利子率が低くなるということは、
線全体が下に(=右に)ずれるということです。
(右上がりの線が下にずれることと右にずれることは同じです。
「金融緩和でLM曲線が右下方にシフト」という言い方もします。)
③ と で向きが逆になる
という分数を思い浮かべてください。
同じ「増加」でも、 と では逆の結果になります。
ここが引っかけの定番です。
④ 金融政策との対応
| 政策 | LM曲線 | |
|---|---|---|
| 金融緩和(買いオペ、準備率引下げ) | 増加 | 右シフト |
| 金融引締め(売りオペ、準備率引上げ) | 減少 | 左シフト |
第7章のIS曲線で「景気を良くする政策なら右シフト」と覚えたのと同じです。
金融緩和は景気を良くする政策なので右。
⑤ IS曲線とLM曲線のシフト要因をまとめる
| 曲線 | 右シフトさせるもの | 左シフトさせるもの |
|---|---|---|
| IS曲線 | 政府支出の増加、減税、独立投資の増加、輸出の増加 | 政府支出の減少、増税、輸入の増加 |
| LM曲線 | 貨幣供給量の増加、物価水準の低下 | 貨幣供給量の減少、物価水準の上昇 |
IS曲線は財政政策、LM曲線は金融政策で動く、という対応が基本です。
そしてLM曲線だけが物価水準の影響を受けます。
この性質が、第9章でAD曲線を導くときの出発点になります。
⑥ 4点セットのまとめ(IS曲線との対比)
| 項目 | IS曲線 | LM曲線 |
|---|---|---|
| 定義 | 生産物市場が均衡する と の組合せ | 貨幣市場が均衡する と の組合せ |
| 形状 | 右下がり | 右上がり |
| 上側の領域 | 超過供給 | 超過供給 |
| 下側の領域 | 超過需要 | 超過需要 |
| 傾きを決めるもの | 限界消費性向、投資の利子率弾力性 | 貨幣需要の利子率弾力性 |
| 傾き(弾力性が大) | 緩やか | 緩やか |
| 右シフト | 拡張的財政政策 | 貨幣供給の増加、物価の低下 |
| 左シフト | 緊縮的財政政策 | 貨幣供給の減少、物価の上昇 |
この表が、第8章前半のすべてです。
次節ではこの2本を1枚の図に重ね、政策の効果を比べていきます。
具体例
LM曲線のシフトを数値で確かめましょう。
もとのLM曲線
貨幣需要 、 、 のとき、
ケース1: 買いオペで を200から240に増やした
傾きは0.00025のまま、切片が から に下がりました。
のときの利子率を比べると、
| での | |
|---|---|
| 変更前 | 5.0% |
| 変更後 | 3.0% |
同じ国民所得に対して利子率が2%下がりました。
線全体が下(=右)にずれた、ということです。
別の見方をすると、 のときの国民所得は、
| での | |
|---|---|
| 変更前 | 600 |
| 変更後 | 680 |
同じ利子率に対して国民所得が80増えました。右に80シフトしたわけです。
ケース2: 物価が に上がった( のまま)

LM曲線のシフト
試験のポイント
プレミアムプラン
¥9,800〜/ 買い切り・自動更新なし(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。
利子率がいくらであっても国民所得は400、つまりLM曲線は の垂直線です。
政策効果への影響
IS曲線が だとして、貨幣供給を増やしてみましょう。
を200から240に増やします。
ケースA(緩やか)
IS曲線と連立:
、
もとの均衡()から約44増加。
ケースB(急)
、つまり
もとの均衡(、)とIS曲線を連立:
→ 、
供給増加後: → 、
約67増加。
大事なのは方向性です。
LM曲線が急なほど、貨幣供給を増やしたときの国民所得の増加が大きくなる
(金融政策がよく効く)という関係が成り立ちます。
試験での問われ方
古典派のケースです。
IS曲線とLM曲線の傾きをまとめて覚える
切片が から に上がりました。
のときの利子率は、
5%から7%に上がりました。線が上(=左)にずれています。
名目貨幣供給量は変えていないのに、物価が上がったせいでLM曲線が左にシフトした。
これが「 と で向きが逆」ということの中身です。
ケース3: も も25%増えた
、 なら、
実質貨幣供給量は200のまま、LM曲線は動きません。
名目でお金を増やしても、物価が同じだけ上がれば実体経済は何も変わらない。
この考え方は第10章の貨幣数量説で「貨幣の中立性」として登場します。
傾きは変わらない
ケース1でもケース2でも、 の係数は0.00025のままでした。
や の変化はシフトを起こすだけで、傾きは変えません。
傾きを変えるのは、貨幣需要の利子率弾力性(式でいえば の係数2,000)です。
IS曲線のときと同じ構造です。
選択肢問題での問われ方
実質貨幣供給量が減るので左シフトです。
シフトではなく傾きが緩やかになります。
迷ったときの確認方法
を計算して、増えたか減ったかを見るだけです。
増えた → 右シフト
減った → 左シフト
これ以上シンプルな判断基準はありません。