雇用と物価水準
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プレミアムで見る第9章の締めくくりとして、失業の分類および失業に関する諸説を学びます。
ここまでに自発的失業と非自発的失業という区別を見てきましたが、失業にはほかにも摩擦的失業・構造的失業・循環的失業という分類があります。そして、完全雇用が実現していても残る失業の割合を自然失業率といいます。
後半ではフィリップス曲線を扱います。「インフレと失業はトレードオフの関係にある」という関係が短期には成り立つものの、長期には成り立たない、というのが自然失業率仮説です。ケインズ経済学とマネタリズムの見方の違いがここでも現れます。
令和2年第8問、令和元年第9問、令和3年第11問など、用語の定義がそのまま問われることが多い節です。丁寧に押さえていきましょう。
簡単にいうと
転職の合間、産業構造の変化、景気の波。失業にも種類があるの。完全雇用でもゼロにならない失業率が「自然失業率」だよ!
経済学では、失業を次のように分類して考えます。
① 摩擦的失業
一般に、労働者が転職する際には、一定期間失業状態となります。
このように転職に伴い不可避的に生じる失業を摩擦的失業といいます。
「摩擦」という言葉のとおり、
仕事を辞めてから次の仕事に就くまでの時間差から生まれる失業です。
労働市場が正常に機能していても避けられません。
むしろ、より良い仕事を探すための時間として、経済にとって必要な面もあります。
② 構造的失業
経済においてはつねに、発展段階にある産業と、衰退しつつある産業が存在しますが、
衰退産業に属している労働者は、発展産業で必要とされる技能をもちあわせていない場合があります。
このような場合、産業間の労働移動がスムーズに行われず、
持続的な失業が存在する可能性が大きくなります。
このような社会的構造や経済的構造など外生的な要因にもとづく失業を
構造的失業といいます。
たとえば、石炭産業が衰退してIT産業が伸びても、
炭鉱で働いていた人がすぐにプログラマーになれるわけではありません。
具体例
失業の分類を、具体例で仕分けてみましょう。
例1: Aさんは、より良い条件を求めて会社を辞め、次の職を探している
→ 摩擦的失業(転職に伴い不可避的に生じる)
**例2: Bさんは、衰退した業界で30年働いてきた。会社が倒産し、
新しい成長産業では求められる技能が違うため、なかなか職が見つからない**
→ 構造的失業(産業間の労働移動がスムーズに行われない)
例3: Cさんは、不況で会社の業績が悪化し、雇用調整により解雇された
→ 循環的失業(景気循環に応じて発生する、需要不足失業)
例4: Dさんは、時給1,200円の求人はあるが、その条件では働きたくないので働いていない
→ 自発的失業
例5: Eさんは、今の賃金水準で働きたいと希望しているが、採用してもらえない
→ 非自発的失業
完全雇用状態で残るのはどれか
完全雇用とは「現行の賃金で働きたい人が全員働ける状態」です。

15歳以上人口の区分
試験のポイント
簡単にいうと
物価上昇を受け入れれば失業は減らせる? 短期はそうでも、長期は違うの。この対立が、ケインズ派とマネタリストの分かれ目だよ!
① フィリップス曲線
フィリップス曲線は、もともと名目賃金上昇率と失業率の関係を示した曲線でした。
これを物価上昇率と失業率の関係に置き換えたものを物価版フィリップス曲線とよびます。
試験でフィリップス曲線といえば、通常こちらを指します。
| 軸 | 内容 |
|---|---|
| 縦軸 | 物価上昇率 |
簡単にいうと
失業が減れば国民所得は増える。当たり前に聞こえるけど、この経験則にはちゃんと名前がついているの!
① 定義
オークンの法則は、国民所得と失業率の負の相関関係を示す経験則です。
失業者が減少し、生産活動に貢献する労働者が増加すると国民所得は増加します。
逆に失業者が増加し、生産活動に従事しない労働者が増加すると国民所得が減少します。
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③ 循環的失業
景気循環に応じて発生する失業のことであり、需要不足失業ともよばれます。
労働力需要は好況期に増え、不況期に減少します。
このため、不況期に雇用調整を受けて失業した場合などが循環的失業にあたります。
好況期により良い仕事を求めて離職する場合は、転職にともなう摩擦的失業です。
第7章から学んできた「需要が足りないと失業が生まれる」という話は、
この循環的失業にあたります。
④ 自発的失業と非自発的失業
第2節で学んだ分類です。
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 自発的失業 | 労働者が、現行の賃金では働かないことを選択するために生じる失業 |
| 非自発的失業 | 現行の賃金で働くことを希望しているにもかかわらず、就業できない労働者の失業 |
⑤ 自然失業率
完全雇用とは、現行の賃金で働きたいと思っている人がすべて働ける状態のことであり、
**完全雇用が実現されている状況であっても
「摩擦的失業」「構造的失業」「自発的失業」は発生します**。
この場合の失業率を自然失業率といいます。
つまり、完全雇用=失業率ゼロではないということです。
転職中の人はいますし、技能が合わずに職を探している人もいます。
「その賃金では働きたくない」という人もいます。
これらは完全雇用の状態でも存在するので、失業率はゼロにはなりません。
自然失業率には非自発的失業は含まれません。
完全雇用が実現しているということは、
働きたい人が全員働けているということだからです。
⑥ 15歳以上人口の区分
総務省労働力調査では、15歳以上人口について次のように区分しています。
15歳以上人口
├─ 労働力人口
│ ├─ 就業者
│ │ ├─ 従業者
│ │ └─ 休業者
│ └─ 完全失業者
└─ 非労働力人口
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 労働力人口 | 15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせたもの |
| 就業者 | 従業者と休業者を合わせたもの |
| 従業者 | 調査期間中に収入を伴う仕事を1時間以上した者 |
| 休業者 | 調査期間中に仕事を持ちながら少しも仕事をしなかった一定の者 |
| 非労働力人口 | 15歳以上人口のうち、労働力人口以外の者 |
完全失業者は、次の3つの条件を満たす者をいいます。
1. 調査期間中に仕事がなく、少しも仕事をしなかった者(就業者ではない)
2. 調査期間中に仕事を探す活動等をしていた者
3. 仕事があればすぐに就くことができる者
⑦ 完全失業率
分母が労働力人口(15歳以上人口ではない)である点が重要です。
また、求職活動をしていない人は完全失業者に含まれません。
働きたいと思っていても、あきらめて求職をやめてしまえば、
統計上は非労働力人口に分類されます。
不況が長引くと失業率が下がることがあるのは、
職探しをあきらめた人が統計から外れるからです(求職意欲喪失効果)。
| 失業の種類 | 完全雇用でも残るか |
|---|
| 摩擦的失業 | 残る |
| 構造的失業 | 残る |
| 自発的失業 | 残る |
| 循環的失業 | 残らない(需要不足がないため) |
| 非自発的失業 | 残らない(働きたい人は全員働けるため) |
残る3つ(摩擦的・構造的・自発的)の合計が自然失業率です。
完全失業率を計算してみる
設定
| 項目 | 人数 |
|---|---|
| 15歳以上人口 | 11,000万人 |
| 就業者 | 6,700万人 |
| 完全失業者 | 180万人 |
| 非労働力人口 | 4,120万人 |
労働力人口
完全失業率
よくある誤り
分母を15歳以上人口(11,000万人)にしてしまうと、
となり、正しい値と大きくずれます。
分母は労働力人口です。
設例(令和2年第8問)
問: 失業に関する記述として、最も適切なものはどれか。
解答: エ
ア ×: 完全失業率は、労働力人口に占める完全失業者の割合ですが、
労働力人口は15歳以上人口のうち、
就業者(調査期間の1週間に少しでも仕事をした者)と
完全失業者(仕事に就いておらず、仕事があればすぐ就くことのできる者で、求職活動をした者)
を合わせたものです。「20歳以上」が誤りです。
イ ×: 賃金が伸縮的である場合とは、古典派が想定するケースです。
構造的失業は技能のミスマッチという外生的な要因から生じるので、
賃金が伸縮的であっても発生します。
ウ ×: 循環的失業は総需要の不足によって生じます。
だから需要不足失業ともよばれます。「総供給の不足」ではありません。
エ ○: 摩擦的失業は転職に伴い不可避的に生じるものなので、
労働市場が正常に機能していても発生します。
だからこそ自然失業率に含まれるのです。
この設例の教えるところ
4つの選択肢が、それぞれ別の論点を突いています。
分類そのものを覚えるだけでなく、
それぞれが何によって生じ、どうすれば減るのかまで押さえておくと、
選択肢の細かな違いにも対応できます。
| 横軸 | 失業率 |
形は右下がりです。
物価上昇率が高いほど失業率が低い、
つまりインフレと失業はトレードオフの関係にあるということを表しています。
そして、物価上昇率がゼロとなる失業率が自然失業率 です。
② ケインズ経済学の解釈
**ケインズ経済学では、フィリップス曲線を、
物価上昇というコストを負担するのならば、失業率を低下させることが可能であることを
示しているもの**と解釈します。
つまり、物価上昇を受け入れる限り、有効需要管理政策によって失業率を操作することが可能
であると解釈します。
「多少の物価上昇は我慢して、政策で失業を減らそう」という考え方です。
③ マネタリズム
マネタリズムとは、**フリードマンを中心とする、
貨幣的要因が実物経済に与える影響を重視する学派(マネタリスト)の考え方**を指します。
基本的に古典派と似た考え方をし、
政府は裁量的な介入はすべきではないとの立場をとります。
フィリップス曲線については、貨幣錯覚という概念を基に、
長期的には失業率を(自然失業率以下に)低下させることはできないとしました。
④ 古典派とマネタリストの違い
古典派は、拡張的な有効需要管理政策は、短期的にも長期的にも、
物価水準、名目賃金を同率で上昇させる(つまり、実質賃金は一定)だけで、
雇用水準、国民所得には影響を与えない、と考えます。
以上の古典派に対して、マネタリストは、
労働者は名目賃金の上昇には敏感だが、物価水準の上昇にはあまり敏感でないととらえます。
この「気づかなさ」が貨幣錯覚です。
⑤ 短期に起きること
(貨幣錯覚により実質賃金 は一定であることに気づかない)
労働者は「給料が上がった」と喜んで働く量を増やしますが、
実際には物価も同じだけ上がっているので、実質賃金は変わっていません。
⑥ 長期に起きること
労働者は、そのうち物価の上昇を認識し、
名目賃金の上昇は物価の上昇によるものであり、実質賃金は上昇していないことを認識します。
1. この認識により、労働供給量は以前と同じ水準に戻る
2. その結果、失業率ももとのレベル(自然失業率)に戻る(自発的失業の増加)
3. 総需要管理政策による物価の上昇はそのまま維持される
4. 1〜3のプロセスにより、物価は上昇したまま失業率が上昇する
図でいえば、点A(自然失業率・物価上昇率ゼロ)から
点B(失業率が下がり物価上昇率2%)へ移り、
そこから点C(失業率が自然失業率に戻り、物価上昇率は2%のまま)へ移ることになります。
⑦ 自然失業率仮説
さらに有効需要管理政策により物価が上昇すると、
貨幣錯覚により一時的に失業率は低下しますが、また自然失業率に戻るということが繰り返されます。
**長期には、失業率が自然失業率で一定となる
(つまり、長期のフィリップス曲線は自然失業率で垂直になる)ことを
自然失業率仮説**といいます。
| 短期フィリップス曲線 | 長期フィリップス曲線 | |
|---|---|---|
| 形 | 右下がり | 垂直(自然失業率の水準で) |
| トレードオフ | 成立する | 成立しない |
| 政策の効果 | 一時的に失業率を下げられる | 物価が上がるだけ |
政策をくり返すたびに、短期フィリップス曲線が上にシフトしていき、
物価上昇率だけがどんどん高くなる、という結論になります。
これがスタグフレーション(不況とインフレの同時発生)の説明にもなっており、
1970年代以降にマネタリズムの影響力が強まる背景になりました。
具体例
自然失業率仮説の動きを、図の点をたどりながら確認しましょう。
設定: 自然失業率 、当初の物価上昇率は0%(点A)
ステップ1: 政府が拡張的な有効需要管理政策を実施
物価上昇率が0%から2%に上がります。
労働者は「名目賃金が2%上がった」と受け取り、働く量を増やします。
物価も2%上がっていることには、すぐには気づきません(貨幣錯覚)。
労働供給が増えるので、自発的失業が減り、失業率が下がります。
点Aから点Bへ: 失業率 、物価上昇率
短期フィリップス曲線に沿って、左上に移動しました。
ステップ2: 労働者が物価の上昇に気づく
しばらくすると、労働者は物価も2%上がっていることに気づきます。
「名目賃金は2%上がったが、物価も2%上がっている。
実質賃金は変わっていなかった。だったら前と同じだけ働けばいい。」
労働供給が減り、自発的失業が増え、失業率がもとに戻ります。
点Bから点Cへ: 失業率 、物価上昇率は 2%のまま
結果
| 失業率 | 物価上昇率 | |
|---|---|---|
| 点A(当初) | 4% | 0% |
| 点B(短期) | 2.5% | 2% |
| 点C(長期) | 4% | 2% |
失業率はもとに戻り、物価上昇率だけが高くなりました。
ステップ3: 政府がさらに政策を実施
「まだ失業が多いから、もっと需要を増やそう」と政策を続けると、
同じことがくり返されます。
物価上昇率が2%から4%に上がり、
一時的に失業率が下がりますが、また4%に戻ります。
| 失業率 | 物価上昇率 | |
|---|---|---|
| 点C | 4% | 2% |
| (短期) | 2.5% | 4% |
| (長期) | 4% | 4% |
**短期フィリップス曲線が上にシフトしていき、
物価上昇率だけがどんどん高くなる**わけです。
長期フィリップス曲線
長期の点(A、C、そのまた次)を結ぶと、
失業率4%のところで垂直な線になります。
これが長期フィリップス曲線であり、
長期にはインフレと失業のトレードオフが成立しないことを示しています。
設例(令和元年第9問 改題)
問: 自然失業率仮説に関する記述として、下記の文章の正誤判定をせよ。
a インフレと失業の間には、短期的にも長期的にも、トレード・オフの関係が成立する。
b 自然失業率とは、非自発的失業率と自発的失業率の合計である。
解答: a ×/b ×
a ×: 短期的にはトレード・オフの関係が成立しますが、
長期的には自然失業率で一定となるため、トレード・オフの関係は成立しません。
「短期的にも長期的にも」という部分が誤りです。
b ×: 自然失業率においては、完全雇用状態のため、労働需要と労働供給が一致しており、
| ケインズ経済学 | マネタリズム | |
|---|---|---|
| 中心人物 | ケインズ | フリードマン |
| フィリップス曲線の解釈 | 物価上昇を受け入れれば失業率を操作できる | 長期には自然失業率以下にできない |
| 鍵となる概念 | 有効需要管理政策 | 貨幣錯覚 |
| 政府の介入 | 必要 | すべきでない |
| 長期フィリップス曲線 | (議論しない) | 自然失業率で垂直 |
「短期は右下がり、長期は垂直」
この一言を覚えておけば、ほとんどの選択肢に対応できます。

フィリップス曲線(原型と物価版)

短期と長期のフィリップス曲線

短期・長期フィリップス曲線
試験のポイント
グラフに描けば、縦軸に国民所得、横軸に失業率をとって右下がりになります。
② 「経験則」であることの意味
オークンの法則は、理論から導かれたものではなく、
実際のデータを観察して見つかった関係です。
アメリカの経済学者アーサー・オークンが、
アメリカのデータを分析して見つけたことから、この名前がついています。
理論的な必然ではなく「だいたいこういう関係がある」という話なので、
厳密な数式や比率を覚える必要はありません。
試験で問われるのは、「国民所得と失業率には負の相関がある」という向きだけです。
③ 本章の内容とのつながり
この法則は、第9章で学んできたことと素直につながっています。
| 学んだこと | オークンの法則との関係 |
|---|---|
| 雇用量が増えれば総供給が増加する | 失業が減れば国民所得が増える |
| 非自発的失業があると | 失業が多いと国民所得が少ない |
| AS曲線の右上がり部分 | 失業と国民所得が同時に動く領域 |
とくに、第2節で確認した「雇用量の増加 → 総供給の増加」という関係が、
そのままオークンの法則になっていると理解できます。
④ 政策上の意味
オークンの法則は、政策の目標を立てるときに使われます。
「失業率を1%下げたい」という目標があったとして、
そのためには国民所得(GDP)をどれだけ増やす必要があるのか。
オークンの法則を使えば、おおよその見当がつきます。
逆に、「GDPが何%成長したから、失業率はこれくらい下がるはずだ」
という予測にも使えます。
⑤ 注意したい点
ただし、この関係は必ずしも安定しているわけではありません。
経済成長しても失業がなかなか減らない「雇用なき回復」という現象が
問題になることがあるのは、こうした事情によります。
「経験則」であるという言葉には、
いつでも同じ比率で成り立つとは限らないという含みがあります。
⑥ 第9章のまとめ
第9章で学んだ内容を、最後に整理しておきましょう。
| 節 | 内容 | 要点 |
|---|---|---|
| AD曲線 | 生産物市場+貨幣市場 | 右下がり。 |
| 労働市場 | 古典派とケインズの対立 | 名目賃金率が伸縮的か下方硬直的か |
| AS曲線 | 労働市場から導かれる | 古典派は垂直、ケインズは屈折 |
| AD-AS分析 | 3市場の同時均衡 | 古典派は政策無効、ケインズは右上がり部分で有効 |
| インフレの種類 | ディマンドプル/コストプッシュ | 国民所得の向きで見分ける |
| 失業 | 分類と自然失業率 | 完全雇用でも摩擦的・構造的・自発的失業は残る |
| フィリップス曲線 | 自然失業率仮説 | 短期は右下がり、長期は垂直 |
第10章では、消費・投資・金融政策について、
ケインズ以外の理論も含めて改めて整理していきます。
具体例
オークンの法則を、数値のイメージで確かめてみましょう。
設定: ある国で、次のようなデータが観察されたとします。
| 年 | 失業率 | 実質GDP成長率 |
|---|---|---|
| 1年目 | 5.0% | 1.0% |
| 2年目 | 4.5% | 2.5% |
| 3年目 | 4.0% | 3.5% |
| 4年目 | 5.5% | −1.0% |
| 5年目 | 6.0% | −2.5% |
読み取れること
失業率が下がった年(2〜3年目)はGDPが伸び、
失業率が上がった年(4〜5年目)はGDPが落ちています。
失業率と国民所得は逆方向に動く、つまり負の相関です。
これがオークンの法則です。
おおよその比率
このデータでは、失業率が0.5%下がるごとにGDP成長率が1%程度高くなっています。
アメリカで観察された比率は「失業率が1%下がるとGDPが約2〜3%増える」
というものでしたが、これは国や時代によって変わります。
試験では比率を覚える必要はありません。
「負の相関がある」という向きだけ押さえてください。
この関係が崩れる場面
場面1: 技術革新で生産性が上がった
工場の自動化が進み、同じ人数で1.5倍作れるようになったとします。
GDPは伸びますが、雇用は増えません。失業率も下がりません。
GDPが伸びたのに失業が減らない、という状況です。
場面2: 求職をあきらめる人が増えた
| 何と失業率の関係か | 形 | |
|---|---|---|
| フィリップス曲線 | 物価上昇率と失業率 | 右下がり(短期) |
| オークンの法則 | 国民所得と失業率 | 負の相関 |
「フィリップスは物価、オークンは所得」と覚えておけば取り違えません。
試験のポイント
プレミアムプラン
¥9,800〜/ 買い切り・自動更新なし(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。
自然失業率に含まれるのは、摩擦的失業・構造的失業・自発的失業です。
非自発的失業は含まれません。
押さえておきたい対比
この人たちは非労働力人口に分類されるので、完全失業者から外れます。
労働力人口も減ります。
分子も分母も減るので、失業率が見かけ上下がることがあります。
経済は良くなっていないのに失業率が下がる、という奇妙なことが起こります。
場面3: 労働時間で調整された
不況でも解雇せず、残業を減らしたり一時的に休業させたりして対応する。
このとき、生産(GDP)は減りますが、失業率は上がりません。
日本の企業でよく見られる対応で、
「失業率が低いのに景気は悪い」という状況が生まれます。
試験での問われ方
それはフィリップス曲線です。
減少します。
フィリップス曲線と混同しない
2つとも失業率が絡むので、混同しやすいところです。