ファイナンスⅠ(企業財務論)
下の動画はこの節の解説ではありません。 解説動画の雰囲気を知っていただくための見本として、「正味現在価値法と内部収益率法の対比」の動画を再生します。
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プレミアムで見るファイナンスが向かう先は、長い目で見た企業価値の最大化です。
この一文だけを取り出すと、「会社は株主のものだから株主を最優先にする」という冷えた主張に響くかもしれません。ところが話はそこで終わりません。企業価値を大きくすることは、働く人や取引先の利益とも噛み合うという筋道が用意されています。
この節では、企業価値という言葉の中身をはっきりさせたうえで、それを追いかけることがなぜ筋の通った目的なのかを確かめます。
簡単にいうと
企業価値は「株主の取り分+債権者の取り分」。会社ぜんぶの値打ち、ということだね!
ファイナンスが掲げる目的は、長い目で見た企業価値の最大化です。
ここでいう企業価値は、株主の持ち分の時価と、債権者の持ち分の時価を足し合わせたものを指します。会社は株主と債権者から預かった資金を元手にしており、その元手の値打ちをどうすれば高められるかを考えながら、日々の判断を積み重ねています。
気をつけたいのは、測るものさしが「時価」だという点です。貸借対照表に並んでいる帳簿上の金額ではありません。株式のほうは株価に発行済株式総数を掛けた金額、つまり市場が日ごとにつけている評価を使います。

ファイナンスの目的
試験のポイント
簡単にいうと
従業員や取引先は契約で取り分が先に決まっている。残りが投資家の取り分、という順番なんだ!
この目的には、次のような異論が向けられることがあります。会社に関わっているのは資金の出し手だけではない。仕入先も、働く人も、地元も関わっている。投資家の取り分を増やすのは、その人たちから取り上げているからではないか、という見方です。
しかし、利益が渡る順番を並べてみると、話が違って見えてきます。
| 順番 | 受け取る人 | 決まり方 |
|---|---|---|
| 1 | 取引業者(仕入代金) | 契約により確定 |
| 2 |
簡単にいうと
負債の価値はあまり動かないから、企業価値を動かすのは結局のところ株価なんだ!
企業価値は、株主から見た値打ちである自己資本の市場価値と、債権者から見た値打ちである負債の市場価値を足したものです。
※上場している会社なら、株価も発行済株式総数も有価証券報告書に載っているので、すぐ計算できます。
自己資本の市場価値は株式時価総額、つまり株価に発行済株式総数を掛けた金額です。株式数を据え置きで見れば、株価が動いた分だけこの金額も動きます
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| 契約により確定 |
| 3 | 地域社会・国(税金) | 法令により確定 |
| 4 | 債権者(利息) | 契約により確定 |
| 5 | 株主(配当・株価) | 残ったものが取り分(残余) |
投資家以外の人たちは、受け取る金額が契約や法令であらかじめ決まっています。その支払いをすべて済ませたあとに残ったものが、投資家の取り分になります。投資家のうち債権者も、利息の額が契約で固まっている側です。結局、いちばん最後に残ったものを受け取るのが株主という構図になります。
こう並べ直せば、企業価値を大きくしようとする動きが、他の人たちから取り上げる行為ではないことが見えてきます。先に並んでいる人たちには、契約どおりの金額がすでに渡っているからです。むしろ、その支払いを続けられる会社であることが前提になります。
言い換えれば、株主の取り分を厚くしたければ、その前に全員へきちんと払える会社でなければならないということです。

利益が分配される順番
試験のポイント
いっぽう負債の市場価値のほうは、利息も、満期に返す金額も、契約で先に決まっています。返せなくなるような事態さえ起きなければ、ほとんど動かない数字として扱えます。
ファイナンスが掲げるのは株主と債権者の値打ちの合計を最大にすることですが、いま見たとおり、その合計のうち動くのは株式のほうだけです。負債側の振れを脇に置いてよいなら、企業価値の増減は自己資本の増減とほぼ同じことになります。つまり、企業価値を大きくすることは、株価を高めることとほぼ重なります。
市場価値とは時価のことです。帳簿に載っている金額(簿価)とは、離れることがあります。
土地で考えると分かりやすいでしょう。貸借対照表に載る土地は買ったときの金額のままです。ところが土地の相場は世の中の動きに合わせて上下します。800万円で手に入れた土地が、いま1,100万円で取引されているなら、簿価は800万円、時価は1,100万円ということになります。時価とは、その時点で市場がつけている評価だと考えてください。

企業価値の最大化は株価の最大化
試験のポイント
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