財務諸表概論
下の動画はこの節の解説ではありません。 解説動画の雰囲気を知っていただくための見本として、「正味現在価値法と内部収益率法の対比」の動画を再生します。
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プレミアムで見るひとくちに決算書といっても、どの法律にもとづいて作るのかで呼び名も顔ぶれも変わります。会社法では「計算書類」、金融商品取引法では「財務諸表」と呼び、含まれる書類の数も中身も少しずつ違います。
ここは毎年のように出題される論点です。とくに「計算書類にキャッシュフロー計算書は含まれるか」という一点は、令和5年度にもそのまま問われました。答えは含まれないのですが、理由まで説明できるようにしておくと記憶が長持ちします。
この節では、2つの制度がそれぞれ何を求めているのかを並べて確認し、あわせて財務3表がどうつながっているのかという全体像をつかみます。
簡単にいうと
会社法の言葉は「計算書類」。株式会社ならすべての会社が作らないといけないよ!
財務諸表は、作成する主体、つまり企業の種類(形態)によって顔ぶれが変わります。まずは会社法から見ていきましょう。
会社法は、次の4つをまとめて計算書類と呼び、株式会社に作成を義務づけています。
会社法が守ろうとしているのは、おもに債権者と株主の利益です。配当をいくらまで出してよいかという判断も計算書類にもとづいて行われるため、純資産の動きを示す株主資本等変動計算書が欠かせません。
ここで押さえておきたいのは、計算書類にキャッシュフロー計算書は含まれないという点です。会社法は上場していない中小の株式会社まで含めてすべての株式会社に作成を求めるため、作成の負担が重いキャッシュフロー計算書までは義務づけていない、と理解しておくと忘れにくくなります。

財務諸表概論の体系
試験のポイント
簡単にいうと
上場企業は投資家の目にさらされるから、求められる書類が1つ多い。そこで登場するのがキャッシュフロー計算書!
主として上場企業(上場株式会社)では、金融商品取引法(財務諸表等規則)により、次の5つの財務諸表の作成が義務づけられています。
会社法の計算書類と比べると、個別注記表が外れ、キャッシュフロー計算書と附属明細表が加わるという形です。
金融商品取引法が守ろうとしているのは投資家の利益です。投資家は株式を買うかどうかを判断するために、利益だけでなく「本当にお金が回っているのか」を知りたがります。利益が出ているのに資金繰りに詰まって倒産する、いわゆる黒字倒産
簡単にいうと
法律ごとに書類が違うからといって、帳簿を2組つける必要はないよ。土台は同じ1つの会計!
「会社法用の会計」と「金融商品取引法用の会計」を別々に行わなければならないのか、と心配になるかもしれません。答えはいいえです。
会社法における計算書類と、金融商品取引法における財務諸表は、基本的に整合性が保たれています。同じ帳簿から作られ、同じ会計基準にしたがって計算されるため、各法に合わせて2種類の処理を行う必要はありません。違うのは、提出が求められる書類の顔ぶれと、開示の場面だけです。
学習上は、どの法律にもとづく書類にどれが含まれるかを覚えることに集中しましょう。
また、管理会計との違いもここで整理しておきます。管理会計は企業内部で利用されるものなので、利用方法も企業独自のものでかまいません。手法が一律に確定するものではないため、参考とする書籍によって方法や表現が異なります。一方の財務会計は外部報告会計とも呼ばれ、一部には複数の処理方法の中から企業が選択できる幅もありますが、基本的に処理方法は制度として規定されています。

2つの制度は対立していない
簡単にいうと
3つの表はバラバラじゃなくて、決まった場所で手をつないでいるんだ。そのつなぎ目を先に知っておこう!
本節以降で学ぶ4つの書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュフロー計算書)は、それぞれ独立した表ではなく、決まった場所で数字が一致します。つなぎ目は次の3か所です。
損益計算書の当期純利益は、株主資本等変動計算書を経由して、貸借対照表の繰越利益剰余金に加算されます。もうけがそのまま会社の元手に積み上がるわけです。
株主資本等変動計算書の各項目の当期末残高は、貸借対照表の純資産の部の各項目の残高と必ず一致します。
キャッシュフロー計算書の現金及び現金同等物の期末残高は、貸借対照表の現金及び預金の合計額と原則として一致します。
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附属明細表は、有形固定資産の明細や引当金の明細など、本表だけでは見えない内訳を補うための書類です。

会社法と金融商品取引法で求められる書類
試験のポイント
試験のポイント

財務3表の関係
試験のポイント
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