経営分析
下の動画はこの節の解説ではありません。 解説動画の雰囲気を知っていただくための見本として、「正味現在価値法と内部収益率法の対比」の動画を再生します。
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プレミアムで見るここからは、できあがった財務諸表を読む側に回ります。数字を作る立場から、数字を使う立場へ。同じ表でも、見え方がまるで変わります。
経営分析は、社内へ向けた報告を目的とする管理会計の領域に入ります。ですから制度会計と違って、このやり方でなければならない、という法律の縛りがありません。立場や流派によって計算のしかたや数字のとらえ方が分かれることもありますが、ここでは試験で通用する標準的なものを扱います。
なお、この分野は財務分析、財務比率分析、財務諸表分析とも呼ばれます。本テキストでは診断士試験の試験案内に合わせ、「経営分析」で通します。
この章は1次でも2次でもいちばん出題の多いところです。計算して終わりではなく、良いのか悪いのかまで答えさせられるので、指標が何を言っているのかまで含めて身につけていきましょう。
簡単にいうと
財務諸表は、経営者が決めたことの結果が数字になったもの。だから数字を読めば、経営そのものが見えてくるんだ!
経営分析とは、財務諸表の数字を使って計算し、稼ぐ力や支払う力を見きわめるための技術です。ここまでが狭い意味での経営分析になります。
ただ、財務諸表に並んでいる数字は、もとをたどれば経営者が下してきた判断の積み重ねが形になったものです。であれば、そこから読み取れるのは支払能力だけではありません。これまでの舵の取り方の良し悪しを見きわめ、その会社の強みと弱みをはっきりさせ、次の打ち手につなげる。そこまで含めたものが、広い意味での経営分析だといえます。
この広いほうのとらえ方が、診断士試験ではとりわけ大切です。2次試験では指標を出して終わりにはできません。その数字がなぜそうなったのかを与件文から探し当て、どう直すかまで書くことが求められます。数字は答えではなく、経営を語りはじめるための入口だと思ってください。

経営分析の体系
試験のポイント
簡単にいうと
同じ決算書でも、社内の人が見るか社外の人が見るかで、見たいものが変わるよ!
誰が読むのかによって、経営分析は内部分析と外部分析に分かれます。
社内の経営者や管理者が、いまの姿をつかみ、これからの手を考えるために行うものです。社内の資料を好きなだけ使えるので、部門ごと、商品ごとといった細かい単位まで掘り下げられます。
社外の関係者が行うものです。お金を貸している金融機関、取引先、株を持つ投資家など、立場によって知りたいことが違います。返してもらえるかを見たい人もいれば、投じる値打ちがあるかを見たい人もいる。使えるのは公表された財務諸表だけなので、比率を手がかりにするのが中心になります。

内部分析と外部分析
簡単にいうと
収益性・効率性・安全性・生産性。この4つが経営分析の柱。第3章はこの順に進んでいくよ!
何を確かめたいのかで分けると、次の4本になります。
| 分析の種類 | 何を見るか | 代表的な指標 |
|---|---|---|
| 収益性分析 | どれだけ稼ぐ力があるか | 総資本経常利益率、売上高営業利益率 |
| 効率性分析 | 資本をどれだけ効率よく使っているか |
簡単にいうと
指標は単独で見ても意味が薄い。「何と比べるか」でわかることが変わるよ!
指標はひとつだけ眺めても、あまり多くを語ってくれません。何かと並べてはじめて意味が立ち上がります。並べる相手は、次の3通りです。
同じ会社の、別の年度と並べるやり方です。前期と当期、あるいは数年ぶんを横に置いて、上向いているのか下向いているのかを読みます。
目をつけた同業他社と並べるやり方です。競合の数字と突き合わせ、どこで差がついたのかを探します。
同じ業種の平均値や中央値と並べるやり方です。業界のふつうからどれだけ離れているかを測ります。
なお①を時系列分析、②③をまとめて横断面分析と呼ぶこともあります。
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試験のポイント
| 安全性分析 | 支払能力があるか、倒産しないか | 流動比率、自己資本比率 |
| 生産性分析 | 投入した経営資源が成果を生んでいるか | 労働生産性、労働分配率 |
このほかに、キャッシュフロー計算書を使った見方(本章第6節)もあります。
4本のうち、収益性と効率性は背中合わせです。第2節で扱うように、収益性の出発点である資本利益率は、売上高利益率(収益性)と資本回転率(効率性)の掛け算にほどけます。ばらばらの指標を丸暗記するのではなく、この分解を軸に据えて整理していけば、覚える量は一気に減ります。

経営分析の4つの切り口
試験のポイント
なぜ並べることが欠かせないのか。「この水準なら良い」という線が、業種によってまるで違うからです。棚卸資産回転率ひとつとっても、在庫を持たないサービス業なら跳ね上がりますし、大きな設備を抱える産業なら低く出ます。ひとつの数字だけを見て良し悪しを決めることはできません。

3つの比較の型
試験のポイント
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