ファイナンスⅡ(証券投資論)
下の動画はこの節の解説ではありません。 解説動画の雰囲気を知っていただくための見本として、「正味現在価値法と内部収益率法の対比」の動画を再生します。
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プレミアムで見るここからは、証券をいくつか組み合わせて持つ場合(ポートフォリオ)のリターンとリスクを見ていきます。話を追いやすくするため、2つの証券に絞ります。
この節でいちばん受け取ってほしいのは、リターンは加重平均で出せるのに、リスクは加重平均では出せないという食い違いです。この食い違いこそが、分散して持つことに意味がある理由そのものです。
数字を追いながら、その不思議を目で確かめていきましょう。
簡単にいうと
リターンは素直に加重平均でOK。組入比率を掛けて足すだけだよ!
前の節のA証券に、もうひとつB証券を組み合わせます。為替の動きに対するB証券の振る舞いは次のとおりです。
| 為替相場 | 確率 | 収益率 |
|---|---|---|
| 円高 | 0.4 | 3% |
| 不変 | 0.4 | 7% |
| 円安 | 0.2 | 10% |
A証券のときと同じ手順で、B証券の期待収益率と標準偏差を出します。
| 為替相場 | 確率 | 収益率 |
|---|

ポートフォリオのリターンとリスク
試験のポイント
簡単にいうと
ここが分散投資の不思議。組み合わせると、リスクが加重平均より小さくなるんだ!
では標準偏差はどうでしょうか。同じ手順で出してみます。
| 為替相場 | 確率 | 収益率 | 期待収益率 | 偏差 | 偏差² | 偏差²×確率 | 分散 | 標準偏差 |
|---|
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| 偏差 |
|---|
| 偏差² |
|---|
| 偏差²×確率 |
|---|
| 分散 |
|---|
| 標準偏差 |
|---|
| 円高 | 0.4 | 3% | −3% | 9 | 3.6 | |||
| 不変 | 0.4 | 7% | 6% | 1% | 1 | 0.4 | 7.2 | ≒2.68% |
| 円安 | 0.2 | 10% | 4% | 16 | 3.2 |
A証券は円高で伸び、B証券は円高で沈む。逆向きに振れる組み合わせになっている点を覚えておいてください。
手元の資金のうち60%をA証券、40%をB証券に振り向けたとします。このときの期待収益率は、2通りのやり方で出せます。
やり方1:場面ごとに出してから平均する
| 為替相場 | 確率 | ポートフォリオの収益率 |
|---|---|---|
| 円高 | 0.4 | 20% × 0.6 + 3% × 0.4 = 13.2% |
| 不変 | 0.4 | 10% × 0.6 + 7% × 0.4 = 8.8% |
| 円安 | 0.2 | 5% × 0.6 + 10% × 0.4 = 7% |
やり方2:それぞれの期待収益率を重みづけして足す
A証券の13%とB証券の6%を、持ち分の比で混ぜるだけです。
どちらを通っても10.2%。試験では圧倒的にやり方2が速いので、こちらを使ってください。
| 円高 | 0.4 | 13.2% | 3% | 9 | 3.6 | |||
| 不変 | 0.4 | 8.8% | 10.2% | −1.4% | 1.96 | 0.784 | 6.432 | ≒2.54% |
| 円安 | 0.2 | 7% | −3.2% | 10.24 | 2.048 |
いっぽう、リターンと同じ要領で2つの標準偏差を重みづけして足すと、
となります。ところが実際に計算した標準偏差は約2.54%。まるで一致しません。
組み合わせたことで、足し合わせた値より小さくなってしまったのです。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 標準偏差の加重平均 | 4.672% |
| 実際のポートフォリオの標準偏差 | 2.54% |
| 差(リスク低減効果) | 2.132ポイント |
この差が、分散して持つことの効き目です。片方が沈むときにもう片方が浮くので、全体としての揺れがならされる。なぜそうなるのかを数字で説明するのが、次の節で扱う共分散と相関係数です。
具体例
混ぜる割合を変えるとどう動くか
ここまでA60%・B40%で話を進めてきましたが、この割合は自由に動かせます。「A100%・B0%」から「A0%・B100%」まで10%刻みで振ってみて、それぞれの期待収益率と標準偏差を出し、さらに標準偏差がいちばん小さくなる点も探してみると、次の表になります。
| 保有割合(%) | 期待収益率(%) | 標準偏差(%) |
|---|---|---|
| A100、B0 | 13.0 | 6.00 |
| A90、B10 | 12.3 | 5.13 |
| A80、B20 | 11.6 | 4.27 |
| A70、B30 | 10.9 | 3.40 |
| A60、B40 | 10.2 | 2.54 |
| A50、B50 | 9.5 | 1.67 |
| A40、B60 | 8.8 | 0.82 |
| A31、B69 | 8.17 | 0.21(最低) |
| A30、B70 | 8.1 | 0.22 |
| A20、B80 | 7.4 | 0.96 |
| A10、B90 | 6.7 | 1.82 |
| A0、B100 | 6.0 | 2.68 |
2つの列の動き方を見比べてください。期待収益率は上から下へまっすぐ下がり続けるのに、標準偏差はいったん底まで落ちてから、また上がりはじめます。底はA31%・B69%のところで0.21%。そこを過ぎると反転します。
この一覧が、次の節で描く効率的フロンティアのもとになります。

リスクは加重平均にならない
試験のポイント
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