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プレミアムで見る契約を交わす、注文を出す、代金を払う——商いの一通りがネットの上で済むようになりました。この節では、デジタル時代のビジネスモデル(サブスクリプション、フリーミアム、顧客生涯価値)から始め、キャッシュレス決済の5形式、QRコードとRFIDという2つの自動認識技術、そしてシェアリングエコノミーやMaaSといった新しいサービスの形を学びます。顧客生涯価値(LTV)は令和3年度で計算問題として出題されており、RFタグのメモリ型は令和7年度で問われた新しい論点です。
簡単にいうと
サブスクとフリーミアムの違いは「無料の部分があるかどうか」!そしてLTVは計算式まで出題されるよ。平均継続期間=1÷解約率、という変形が鍵だよ。
① メタバース
インターネット上の3次元の仮想空間を意味します。
従来のweb閲覧と異なり、ユーザ自らがアバター(自分の分身として画面上に登場するキャラクター)を操作して空間内で動き回ることで「体験価値」を得ることができます。
新規および既存顧客双方との接点として、メタバースを広告に活用する企業も登場しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何か | インターネット上の3次元の仮想空間 |
| アバター | 自分の分身として画面上に登場するキャラクター |
| 得られるもの | 体験価値 |
② サブスクリプション
利用するソフトウェアやサービスなどの範囲や利用する期間に応じて課金する方式です。
契約期間中は定められた商品やサービスを自由に利用できるが、期間が過ぎれば利用できなくなるのが一般的です。
具体例
設例 顧客生涯価値
> ある企業のサブスクリプションサービスについて、次のデータが得られた。顧客生涯価値を求めよ。(令和3年度第23問 改題)
> ・平均利益:1顧客あたり月2,000円
> ・月次解約率:4%
解答 50,000円
手順① 平均継続期間を求める

デジタル時代のビジネスモデル
試験のポイント
簡単にいうと
5つの形式! クレジット・デビット/電子マネー/QRコード決済/モバイル決済/オンライン決済。QRコード決済の「店舗提示型(MPM)」「消費者提示型(CPM)」の区別が令和6年度で出題されたよ。
① 電子商取引の広がり
インターネットなどのネットワーク上で契約、発注、決済といった商取引が増えています。
企業間での取引はもとより、近年はWeb上の店舗で商品を販売するオンラインショップや、個人と個人の間で売買をするオークションなども活性化しています。
このような電子商取引を支えるシステムや運用の効率化や自動化を促進する取り組みが注目されています。
② キャッシュレス決済とは
現金(紙幣や硬貨)を使用せずに、電子的な手段やカードなどを使って支払いを行う方法のことを指します。
③ 代表的な5つの形式
簡単にいうと
QRコードの特長は4つ!大容量・小スペース・360度どこからでも・汚れに強い。「切り出しシンボルが3カ所」「誤り訂正機能」がキーワードだよ。
① QRコードが生まれた背景
バーコードが普及し、その利便性が世界的に認識される一方で、次のニーズが出てきました。
| ニーズ |
|---|
| 多くの情報を含んだバーコードを小さなスペースに表示したい |
| 英数字、漢字、かな等の文字種を表現したい |
② 2次元シンボル
これらのニーズに対応するのが2次元シンボルです。
2次元シンボルの種類のなかで代表的な2次元コードがQRコードであり、決済サービスにも利用されています。
簡単にいうと
RFIDは「無線周波による非接触型の自動識別技術」!そしてRFタグのメモリ型は3つ——リードオンリー/ライトワンス・リードメニー/リード・ライト。パッシブタグとアクティブタグの区別も令和7年度で出題されたよ。
① RFID(Radio Frequency IDentification)とは
RFIDとは、無線周波による(非接触型)自動識別技術です。
トランスポンダ(タグ)の識別情報を、無線周波を介してコンピュータに接続されたリーダーで読み取り、自動的に識別するシステムです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 技術 | 無線周波による(非接触型)自動識別技術 |
| 読み取るもの |
簡単にいうと
シェアリングエコノミー・クラウドファンディング・MaaS!いずれも「持たずに使う」「つなげる」という発想がもとになっているよ。中小企業の事業機会として押さえておこう。
① シェアリングエコノミー
個人や企業が保有する活用可能な資産(遊休資産)を、インターネット上のプラットフォームを介して、他の個人や企業が利用できるようにする経済活動を指します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 個人や企業が保有する活用可能な資産(遊休資産) |
| 仲介するもの | インターネット上のプラットフォーム |
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| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課金の基準 | 利用する範囲や利用する期間 |
| 契約期間中 | 定められた商品やサービスを自由に利用できる |
| 期間が過ぎたら | 利用できなくなるのが一般的 |
③ サブスクリプションの広がり
近年では、デジタル財やサービス財だけでなく消費財でも、モノを所有するのではなくサービスを利用するサブスクリプション方式が登場しています。
| 分野 | 例 |
|---|---|
| デジタル財 | ソフトウェア、音楽、動画 |
| サービス財 | クラウドサービス |
| 消費財 | 衣類、家具、自動車、食品 |
「所有から利用へ」
| 従来 | サブスクリプション | |
|---|---|---|
| 考え方 | モノを所有する | サービスを利用する |
④ フリーミアム
ソフトウェアやサービスの基本部分の利用は無料とし、より高度な機能などの付加的部分の利用に課金する方式です。
| 部分 | 課金 |
|---|---|
| 基本部分 | 無料 |
| より高度な機能などの付加的部分 | 課金 |
⑤ サブスクリプションとフリーミアムの違い
| サブスクリプション | フリーミアム | |
|---|---|---|
| 無料の部分 | ない(期間で課金) | ある(基本部分は無料) |
| 課金の基準 | 範囲や期間 | 高度な機能などの付加的部分 |
両立もする
| 形 | 内容 |
|---|---|
| 基本機能は無料、高度な機能は月額課金 | フリーミアム+サブスクリプション |
⑥ 顧客生涯価値(LTV/CLV:Customer Lifetime Value)
顧客が新規に購入してから、顧客ライフサイクルあるいは一定年数を通じて、その企業にもたらす総利益を現時点における正味現在価値で表した指標です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何を表すか | その企業にもたらす総利益 |
| 期間 | 顧客が新規に購入してから、顧客ライフサイクルあるいは一定年数を通じて |
| 評価の方法 | 現時点における正味現在価値 |
⑦ LTVが用いられる背景
この指標が用いられる背景には、新規顧客を獲得するよりも既存顧客にリピート購買させるほうが企業の利益につなげやすいという考え方があります。
| 比較 | 内容 |
|---|---|
| 新規顧客の獲得 | 費用がかかる |
| 既存顧客のリピート購買 | 利益につなげやすい |
⑧ LTVの計算式
顧客生涯価値の計算方法には、複数の定義があります。令和3年第23問で出題された算出式は次のとおりです。
⑨ 平均継続期間の求め方
整理すると
| 解約率 | 平均継続期間 |
|---|---|
| 10% | 10期間 |
| 20% | 5期間 |
| 5% | 20期間 |
| 2% | 50期間 |
⑩ 解約率が下がると効果が大きい
| 解約率 | 平均継続期間 | 変化 |
|---|---|---|
| 10% | 10か月 | — |
| 8% | 12.5か月 | 25%増 |
| 5% | 20か月 | 2倍 |
解約率を半分にすると、継続期間は2倍になる——この非線形な関係が、サブスクリプション事業で解約率が重視される理由です。
⑪ サブスクリプションとLTVの関係
| 事業の形 | 重要な指標 |
|---|---|
| 売り切り | 販売数量、単価 |
| サブスクリプション | 解約率、LTV、顧客獲得費用 |
⑫ 顧客獲得費用(CAC)との比較
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| LTV | 1顧客から得られる総利益 |
| CAC(顧客獲得費用) | 1顧客を獲得するためにかかる費用 |
判断の目安
| 関係 | 判断 |
|---|---|
| LTV > CAC | 事業が成り立つ |
| LTV < CAC | 獲得するほど損をする |
一般には LTV が CAC の3倍以上が目安とされます。
⑬ 企業経営理論とのつながり
| 概念 | 科目 |
|---|---|
| 顧客生涯価値 | 企業経営理論(マーケティング)でも扱う |
| CRM | 同上 |
| 正味現在価値 | 財務・会計 |
3科目にまたがる論点——それぞれの文脈で理解しておくと理解が深まります。
手順② 顧客生涯価値を求める
この数字が意味すること
| 判断 | 内容 |
|---|---|
| 1顧客を獲得すると、生涯で5万円の利益 | — |
| 獲得費用が5万円を超えると赤字 | — |
| 獲得費用の目安は1.7万円以下(LTVの3分の1) | — |
解約率を改善した場合
| 解約率 | 平均継続期間 | LTV |
|---|---|---|
| 4% | 25か月 | 50,000円 |
| 3% | 約33か月 | 66,667円 |
| 2% | 50か月 | 100,000円 |
解約率を4%から2%にすると、LTVは2倍になる
どちらに投資すべきか
| 施策 | 効果 |
|---|---|
| 新規獲得に注力する | 顧客数が増える |
| 解約率を下げる | 1顧客あたりの価値が倍増する |
解約率の改善は、獲得費用がかからない
| 新規獲得 | 解約率改善 | |
|---|---|---|
| 費用 | 広告費、営業費 | サービス改善、サポート |
| 効果の持続 | 一時的 | 継続的 |
解約率を下げる施策
| 施策 | 内容 |
|---|---|
| 利用状況を把握する | 使われていない顧客に働きかける |
| サポートを充実させる | 困りごとを解消する |
| 価値を実感してもらう | 使い方の提案 |
| 解約の理由を聞く | 原因を特定する |
1つ目が最も効果的
| 顧客の状態 | 解約リスク |
|---|---|
| 毎日使っている | 低い |
| 月1回しか使っていない | 高い |
| 3か月使っていない | 非常に高い |
「使われていない」ことが解約の前兆——これを検知して働きかけるのが実務的な対応です。
中小企業でサブスクリプションを始める
例:飲食店の定額サービス
| 内容 | 設計 |
|---|---|
| 月額 | 3,000円 |
| 提供 | 月10回までコーヒー1杯無料 |
| 原価 | 1杯50円 |
利益の計算
| 利用回数 | 原価 | 利益 |
|---|---|---|
| 10回(上限) | 500円 | 2,500円 |
| 5回 | 250円 | 2,750円 |
| 2回 | 100円 | 2,900円 |
上限まで使われても利益が出る設計
サブスクリプションの本当の狙い
| 狙い | 内容 |
|---|---|
| 来店頻度を上げる | 月10回来る理由ができる |
| ついで買いを促す | コーヒーだけでは終わらない |
| 競合に行かなくなる | 囲い込み |
「ついで買い」が本命
| 状況 | 客単価 |
|---|---|
| コーヒーのみ | 0円(サブスクの範囲) |
| コーヒー+軽食 | 600円 |
来店機会を増やすことで、ついで買いの機会が増える
フリーミアムの例
例:ソフトウェア会社
| プラン | 内容 | 料金 |
|---|---|---|
| 無料 | 基本機能、データ3件まで | 0円 |
| 標準 | データ無制限、レポート機能 | 月1,000円 |
| 上位 | 標準+API連携、優先サポート | 月3,000円 |
フリーミアムが機能する条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 追加コストがほぼゼロ | 無料ユーザが増えても費用が増えない |
| 無料でも価値がある | 使ってもらえる |
| 有料に移行する理由がある | 制限が本当に困る |
3つ目の設計が難しい
| 設計 | 結果 |
|---|---|
| 無料で十分使える | 有料に移行しない |
| 無料が使いにくすぎる | そもそも使われない |
「使えるが、成長すると足りなくなる」——この設計が理想です。
メタバースの活用
| 用途 | 例 |
|---|---|
| バーチャル店舗 | 商品を3次元で見せる |
| イベント | 展示会、説明会 |
| 研修 | 危険作業の訓練 |
| 広告 | 仮想空間内の出稿 |
中小企業での現実性
| 大企業 | 中小企業 | |
|---|---|---|
| 自社で空間を作る | 可能 | 費用が大きい |
| 既存のプラットフォームに出店 | 可能 | 可能 |
「体験価値」が鍵
| 商品 | メタバースが向くか |
|---|---|
| 日用品 | 向かない(体験の必要がない) |
| 住宅・不動産 | 向く(空間を体験できる) |
| 大型設備 | 向く(現地に行かずに見られる) |
| 観光 | 向く(事前体験) |
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a サブスクリプションとは、利用するソフトウェアやサービスなどの範囲や利用する期間に応じて課金する方式である。
> b フリーミアムとは、ソフトウェアやサービスの基本部分の利用は無料とし、より高度な機能などの付加的部分の利用に課金する方式である。
> c 顧客生涯価値が用いられる背景には、既存顧客にリピート購買させるよりも新規顧客を獲得するほうが企業の利益につなげやすいという考え方がある。
解答 a:○ b:○ c:×
| クレジットカード・デビットカード |
| 電子マネー |
| QRコード決済 |
| モバイル決済 |
| オンライン決済 |
④ クレジットカード・デビットカード
カード会社を通じて支払いを行います。
| 種類 | 支払いのタイミング |
|---|---|
| クレジットカード | 後払い |
| デビットカード | 即時引き落とし |
⑤ ICチップ付きクレジットカードの仕組み
ICチップ付きクレジットカードには、カード番号・氏名・有効期限などの基本情報の他に、カード所有者が事前に設定したPIN(暗証番号)が保存されています。
決済の際には、その暗証番号を入力し、ICチップに記録されている番号と一致することで取引が完了する仕組みです。
| 保存されている情報 |
|---|
| カード番号・氏名・有効期限などの基本情報 |
| カード所有者が事前に設定したPIN(暗証番号) |
⑥ タッチ決済
クレジットカードによるタッチ決済とは、クレジットカードのICチップに保存された情報を決済端末で読み取る非接触型決済のことです。
クレジットカードに内蔵されたNFC(Near Field Communication)技術を使用して、決済端末にカードをかざすだけで支払いが完了します。
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| NFC(Near Field Communication) | 近距離無線通信の技術 |
⑦ 電子マネー
事前にチャージした金額を使って、専用端末で支払う形式です。
交通系ICカード(SuicaやPASMO)などが該当します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支払いのタイミング | 前払い(事前にチャージ) |
⑧ 3つの支払いタイミング
| タイミング | 形式 |
|---|---|
| 前払い(プリペイド) | 電子マネー |
| 即時払い | デビットカード |
| 後払い(ポストペイ) | クレジットカード |
⑨ QRコード決済
スマートフォンでQRコードを表示したり読み取ったりして支払う形式です。
PayPay、楽天ペイ、メルペイなどが該当します。
⑩ QRコード決済の2種類
QRコード決済には、店舗提示型(MPM:Merchant Presented Mode)と消費者提示型(CPM:Consumer Presented Mode)の2種類があります。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 店舗提示型(MPM) | 店舗側がQRコードを表示する。支払者がそのQRコードをスマートフォンなどでスキャンして、支払いを完了させる |
| 消費者提示型(CPM) | 決済に際し、支払者がQRコードを表示して店舗側の処理端末に読み取らせる方式 |
⑪ 2つの判別
| 誰がQRコードを表示するか | 種類 |
|---|---|
| 店舗 | 店舗提示型(MPM) |
| 消費者(支払者) | 消費者提示型(CPM) |
略語から思い出す
| 略語 | 元の語 |
|---|---|
| MPM | Merchant(商人=店舗)Presented Mode |
| CPM | Consumer(消費者)Presented Mode |
「Presented」=提示する側——名前のとおりです。
⑫ 店舗側の導入負担の違い
| 店舗提示型(MPM) | 消費者提示型(CPM) | |
|---|---|---|
| 必要な設備 | QRコードを印刷した紙など | 読み取り端末 |
| 初期費用 | ほぼゼロ | 端末の費用 |
| 決済の手間 | 金額を客が入力する | 端末で読むだけ |
| レジとの連動 | しにくい | しやすい |
小規模店舗ではMPMが使われる
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 端末が不要 | 初期費用がかからない |
| 紙を置くだけ | すぐ始められる |
⑬ モバイル決済
スマートフォンにクレジットカード情報を登録し、非接触型の支払いを行う形式です。
Apple PayやGoogle Payなどが該当します。
⑭ オンライン決済
インターネットを通じて商品やサービスの代金を支払う形式です。
クレジットカード情報や銀行口座からの引き落としが主に使われます。
PayPalやAmazon Pay、Stripeなどのサービスもオンライン決済に含まれます。
⑮ 3Dセキュア
インターネット上でクレジットカード決済を安全に行うための本人認証サービスに3Dセキュアがあります。
3Dセキュアを用いたクレジットカード決済では、カード番号や有効期限といった基本情報に加えて、クレジットカード発行会社に事前に登録したIDとパスワードを入力します。
| 入力する情報 |
|---|
| カード番号や有効期限といった基本情報 |
| クレジットカード発行会社に事前に登録したIDとパスワード |
第6章で学んだ認証——二要素認証の考え方が、ここで実務に使われています。
具体例
設例 QRコード決済
> 次の記述の正誤を判定せよ。(令和6年度第13問 改題)
> 店舗提示型(MPM)のQRコード決済では、支払者がQRコードを表示して店舗側の処理端末に読み取らせる。
解答 ×
消費者提示型(CPM)の内容です。
正しく整理する
| 種類 | 誰がQRコードを表示するか |
|---|---|
| 店舗提示型(MPM) | 店舗 |
| 消費者提示型(CPM) | 支払者(消費者) |
「Merchant」と「Consumer」の違い
| 語 | 意味 |
|---|---|
| Merchant | 商人、店舗 |
| Consumer | 消費者 |
英語から判別できる——略語の元の語を押さえておけば確実です。
中小の小売店がキャッシュレス決済を導入する
現状の課題
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 現金のみ | 客を逃している |
| レジ締めに時間がかかる | 毎日30分 |
| 釣銭の準備 | 両替の手間と手数料 |
| 盗難のリスク | 現金の保管 |
導入の選択肢
| 方式 | 初期費用 | 決済手数料 | 入金サイクル |
|---|---|---|---|
| QRコード決済(MPM) | ほぼ0円 | 1.6〜3.2% | 月1〜2回 |
| QRコード決済(CPM) | 端末費用 | 同上 | 同上 |
| クレジットカード | 端末費用 | 2.5〜3.7% | 月1〜2回 |
決済手数料の影響
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月商 | 500万円 |
| キャッシュレス比率 | 40%(200万円) |
| 手数料率 | 3% |
| 月間手数料 | 6万円 |
年間72万円の負担
それでも導入する理由
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 客単価が上がる | 現金の制約がなくなる |
| 機会損失が減る | 現金を持たない客を逃さない |
| レジ締めが速くなる | 人件費の削減 |
| 釣銭の準備が減る | 両替手数料の削減 |
| 衛生面 | 現金の受け渡しがない |
客単価が上がる理由
| 現金 | キャッシュレス | |
|---|---|---|
| 支払いの心理的抵抗 | 大きい | 小さい |
| 持ち合わせの制約 | ある | ない |
一般に、キャッシュレスのほうが客単価が高くなる傾向があります。
費用対効果の試算
| 項目 | 年間 |
|---|---|
| 手数料 | −72万円 |
| レジ締め時間の削減(月10時間) | +24万円 |
| 両替手数料の削減 | +6万円 |
| 客単価向上による粗利増(仮に3%) | +54万円 |
| 合計 | +12万円 |
客単価の向上が効く
| 前提 | 結果 |
|---|---|
| 客単価が上がらない | 赤字 |
| 客単価が3%上がる | 黒字 |
「客単価が上がるか」が判断の鍵——業種によって異なります。
業種別の向き不向き
| 業種 | キャッシュレスの効果 |
|---|---|
| 飲食(高単価) | 大きい |
| 小売(雑貨、衣料) | 大きい |
| 飲食(低単価・回転型) | 手数料負担が重い |
| BtoB | 元々振込が多い |
低単価の場合の負担
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 客単価500円 | 手数料3%で15円 |
| 粗利率30%なら粗利150円 | 手数料は粗利の10% |
粗利に対する手数料の比率で見る——これが実務的な判断です。
どの決済方式を入れるか
| 判断 | 内容 |
|---|---|
| 客層が若い | QRコード決済を優先 |
| 客層が高齢 | クレジットカード、電子マネー |
| 観光地・インバウンド | 国際ブランドのカード、海外のQR |
| 交通の要所 | 交通系電子マネー |
「全部入れる」が理想だが費用がかかる
| 対応 | 内容 |
|---|---|
| マルチ決済端末を1台入れる | 主要な方式をカバー |
| まずQRコード(MPM)で試す | 費用ゼロで始める |
「まずMPMで試す」が現実的
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① | QRコードを印刷して置く(費用ゼロ) |
| ② | 利用状況を見る |
| ③ | 需要があれば端末を導入する |
小さく試して判断する——これがリスクの小さい進め方です。
3Dセキュアの重要性
| 状況 | リスク |
|---|---|
| ECサイトで3Dセキュアなし | 不正利用によるチャージバック |
チャージバックとは
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| チャージバック | 不正利用が判明した場合に、売上が取り消されること |
加盟店の負担
| 3Dセキュアなし | 3Dセキュアあり | |
|---|---|---|
| 不正利用時の責任 | 加盟店 | カード会社に移転する場合がある |
商品を発送した上に代金も回収できない——ECサイトを運営する企業にとって重大なリスクです。
2025年3月末以降、EC加盟店には3Dセキュアの導入が原則として求められています。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a デビットカードは即時引き落とし、クレジットカードは後払いが行われる。
> b 電子マネーは、事前にチャージした金額を使って、専用端末で支払う形式である。
> c 3Dセキュアを用いたクレジットカード決済では、カード番号や有効期限といった基本情報のみを入力する。
解答 a:○ b:○ c:×

キャッシュレス決済(1/3)

キャッシュレス決済(2/3)

キャッシュレス決済(3/3)
試験のポイント
| 用語 | 関係 |
|---|---|
| 2次元シンボル | 上位の概念 |
| QRコード | その代表的な2次元コード |
③ バーコードとの違い
| バーコード(1次元) | QRコード(2次元) | |
|---|---|---|
| データの方向 | 横方向のみ | 縦、横両方 |
| 扱える文字種 | 主に数字 | 数字、英字、漢字、カナ、記号バイナリ、制御コード |
| 情報量 | 少ない | 多い |
④ QRコードの4つの特長
| 特長 | 内容 |
|---|---|
| 大容量の情報を小さなコードに表現 | QRコードは、数字、英字、漢字、カナ、記号バイナリ、制御コードなどのデータを扱うことが可能である |
| 小さいスペースに表示が可能 | QRコードは、縦、横両方でデータを表現しているので、バーコードと同じ情報量であれば、10分の1程度の大きさで表示できる |
| 360°どの方向からでも、読み取りが可能 | QRコードは、360°どの方向からでも高速な読み取りが可能である。QRコードの中に3カ所の切り出しシンボルがあり、背景模様の影響を受けない安定した高速読み取りができる |
| 汚れ・破損に強い | QRコードは、「誤り訂正機能」をもっているため、コードの一部に汚れや破損があってもデータの復元が可能である |
⑤ 切り出しシンボル
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 数 | 3カ所 |
| 役割 | 360°どの方向からでも高速な読み取りを可能にする。背景模様の影響を受けない |
QRコードの3つの角にある四角い印——これが切り出しシンボルです。
なぜ3カ所なのか
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 3点あれば向きが決まる | 4つ目は不要 |
| 残り1つの角が空く | 向きの判別ができる |
⑥ 誤り訂正機能
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何ができるか | コードの一部に汚れや破損があってもデータの復元が可能 |
誤り訂正のレベル
QRコードには誤り訂正のレベルが4段階あり、レベルが高いほど復元能力が高くなりますが、同じ情報量でもコードが大きくなります。
| 訂正能力 | コードの大きさ | |
|---|---|---|
| 低いレベル | 小さい | 小さい |
| 高いレベル | 大きい | 大きい |
⑦ 「10分の1程度の大きさ」
| バーコード | QRコード | |
|---|---|---|
| 同じ情報量での大きさ | 10 | 1程度 |
縦横両方を使うから小さくできる
| データの表現 | |
|---|---|
| バーコード | 横方向のみ |
| QRコード | 縦、横両方 |
⑧ QRコードの用途
| 用途 | 内容 |
|---|---|
| 決済 | QRコード決済 |
| Webサイトへの誘導 | URLを埋め込む |
| 製造 | 部品や工程の管理 |
| 物流 | 荷物の追跡 |
| チケット | 入場管理 |
| 名刺 | 連絡先の読み取り |
⑨ 日本発の技術
QRコードは、株式会社デンソーウェーブ(当時は株式会社デンソー)が開発した日本発の技術です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開発 | デンソー(自動車部品メーカー) |
| 当初の用途 | 工場での部品管理 |
製造現場のニーズから生まれた技術——「汚れ・破損に強い」という特長は、工場での使用を前提としたものです。
⑩ 第1章とのつながり
第1章の入力装置で学んだバーコードリーダや2次元コードが、ここで応用として登場します。
| 章 | 扱い |
|---|---|
| 第1章 | 読み取る装置 |
| 第13章 | 技術の特長と用途 |
具体例
QRコードの特長を、実務で考える
特長①:大容量の情報を小さなコードに表現
| 情報の種類 | 扱えるか |
|---|---|
| 数字 | 可 |
| 英字 | 可 |
| 漢字 | 可 |
| カナ | 可 |
| 記号バイナリ | 可 |
| 制御コード | 可 |
漢字が扱える意味
| バーコード | QRコード | |
|---|---|---|
| 商品名を入れる | 困難 | 可能 |
| 住所を入れる | 困難 | 可能 |
特長②:小さいスペースに表示が可能
実務での効果
| 対象 | 効果 |
|---|---|
| 小さな部品 | 貼れるスペースが限られる |
| 薬のパッケージ | 同上 |
| 名刺 | 邪魔にならない |
特長③:360°どの方向からでも読み取り可能
実務での効果
| 場面 | 効果 |
|---|---|
| 流れてくる部品を読む | 向きが揃っていなくてもよい |
| 箱に貼ったラベルを読む | どの向きでも読める |
| 客がスマートフォンで読む | かざすだけ |
バーコードとの違い
| バーコード | QRコード | |
|---|---|---|
| 読み取りの向き | 合わせる必要がある | 不問 |
| 作業の速さ | 向きを合わせる時間が要る | 速い |
特長④:汚れ・破損に強い
実務での効果
| 環境 | 内容 |
|---|---|
| 工場(油、粉塵) | 汚れても読める |
| 屋外(雨、日焼け) | 多少の劣化に耐える |
| 物流(擦れ) | 一部破損しても読める |
「誤り訂正機能」の実際
| 訂正レベル | 復元できる割合の目安 |
|---|---|
| L(低) | 約7% |
| M | 約15% |
| Q | 約25% |
| H(高) | 約30% |
中央にロゴを入れられる理由
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| QRコードの中央にロゴがある | その部分が「破損」とみなされる |
| 誤り訂正機能で復元される | 読み取れる |
高い訂正レベルを使えば、ロゴを入れられる——マーケティング上の工夫として使われています。
中小企業でのQRコード活用
例1:製造業での工程管理
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| 作業指示書にQRコード | 製造番号、品目、数量 |
| 各工程で読み取る | 進捗が自動で記録される |
効果
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 進捗が見える | どこまで進んだか |
| 手書きの記録が不要 | 転記の誤りがなくなる |
| トレーサビリティ | 後から追跡できる |
導入費用
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| スマートフォンのアプリで読む | ほぼゼロ |
| 専用のハンディ端末 | 1台5〜15万円 |
「スマートフォンで読む」から始められる
例2:小売業での商品情報
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| 値札にQRコード | 商品の詳細ページへ |
| 客がスマートフォンで読む | 産地、製法、レシピなどを見られる |
効果
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 店頭で伝えきれない情報を届けられる | スペースの制約がない |
| 接客の負担が減る | 同じ説明を繰り返さない |
| アクセス数が測れる | どの商品が関心を集めているか |
3つ目が見落とされやすい価値
| 分かること | 活用 |
|---|---|
| どの商品のQRが読まれたか | 関心の高さ |
| 読まれたが買われなかった | 情報の内容を見直す |
例3:飲食店でのメニュー
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| 卓上のQRコード | メニューページへ |
| 注文もできる | モバイルオーダー |
効果
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| メニューの印刷が不要 | 更新が容易 |
| 多言語対応 | インバウンド |
| 注文の手間が減る | 人手不足への対応 |
注意点
| 注意 | 内容 |
|---|---|
| スマートフォンを持たない客 | 紙のメニューも用意する |
| 操作に不慣れな客 | 同上 |
「全面的に切り替えない」——併存させるのが実務的です。
QRコードのセキュリティ上の注意
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 偽のQRコードが貼られる | 不正なサイトへ誘導される |
| 決済のQRコードが差し替えられる | 別の口座に送金される |
対策
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 貼付されたQRコードを定期的に確認する | 上から貼られていないか |
| 改ざん防止のシールを使う | 剥がすと痕が残る |
| 客に注意を促す | 遷移先のURLを確認してもらう |
実際に被害が報告されている手口——店頭にQRコードを掲示する場合は、確認の習慣が必要です。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a QRコードは、縦、横両方でデータを表現しているので、バーコードと同じ情報量であれば、10分の1程度の大きさで表示できる。
> b QRコードの中には3カ所の切り出しシンボルがあり、背景模様の影響を受けない安定した高速読み取りができる。
> c QRコードは誤り訂正機能をもたないため、コードの一部に汚れや破損があると読み取れなくなる。
解答 a:○ b:○ c:×

QRコードとRFID
試験のポイント
| トランスポンダ(タグ)の識別情報 |
| 読み取る装置 | コンピュータに接続されたリーダー |
② RFIDの主な特長
| 特長 |
|---|
| 電波を用いて複数のRFタグ上のデータを一括して読み取れる |
| 距離が離れていても読み取れる |
| 箱の中に隠れているタグも読み取れる |
| 表面が汚れていても読み取れる |
③ QRコードとの比較
| 項目 | QRコード | RFID |
|---|---|---|
| 読み取り方式 | 光学的(カメラ、スキャナ) | 電波 |
| 一括読み取り | 1つずつ | 複数を一括 |
| 見通し | 必要 | 不要(箱の中でも可) |
| 距離 | 近距離 | 離れていても可 |
| コスト | 印刷のみで安い | タグの費用がかかる |
「一括読み取り」と「見通し不要」がRFIDの決定的な強み
④ RFタグ(ICタグ)の3つの種類
RFタグ(ICタグ)の種類は「リードオンリー型」「ライトワンス・リードメニー型」「リード・ライト型」があります。
⑤ リードオンリー型
書き込みが不可であるため内容が不変であり、改ざんの恐れがなく識別コードの用途に適しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書き込み可否 | 不可(工場出荷時に固定) |
| セキュリティ | 高い(改ざん不可) |
| 主な用途 | 商品タグ、識別子の固定用途 |
| コスト | 低い |
⑥ ライトワンス・リードメニー型
一度だけ情報を書き込めるため、記録の信頼性が必要なトレーサビリティの用途に適しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書き込み可否 | 一度だけ書き込み可能 |
| セキュリティ | 中程度(一度書いたら変更不可) |
| 主な用途 | 出荷情報・製造ロット管理などの記録 |
| コスト | 中程度 |
⑦ リード・ライト型
何度でも書き換え可能であるため、在庫管理や履歴管理など動的な用途に適しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書き込み可否 | 何度でも書き換え可能 |
| セキュリティ | 低〜中程度(書き換え可能なため対策が必要) |
| 主な用途 | 保守履歴管理、図書館・貸出管理など |
| コスト | 高い |
⑧ 3つの比較
| 項目 | リードオンリー型 | ライトワンス・リードメニー型 | リード・ライト型 |
|---|---|---|---|
| 書き込み可否 | 不可(工場出荷時に固定) | 一度だけ書き込み可能 | 何度でも書き換え可能 |
| セキュリティ | 高い(改ざん不可) | 中程度(一度書いたら変更不可) | 低〜中程度(書き換え可能なため対策が必要) |
| 主な用途 | 商品タグ、識別子の固定用途 | 出荷情報・製造ロット管理などの記録 | 保守履歴管理、図書館・貸出管理など |
| コスト | 低い | 中程度 | 高い |
⑨ 用途と型の対応
| 用途 | 適する型 | 理由 |
|---|---|---|
| 商品の識別 | リードオンリー型 | 変わらない情報。改ざんを防ぐ |
| トレーサビリティ | ライトワンス・リードメニー型 | 一度記録したら変えられない信頼性 |
| 在庫管理 | リード・ライト型 | 状態が変わる |
「書き換えられないこと」が価値になる場面がある——トレーサビリティがその例です。
⑩ パッシブタグとアクティブタグ
RFタグはバッテリーを持つものと持たないものがあります。
⑪ パッシブタグ
内部にバッテリーを持たず、リーダーなど外部の電磁波を動力源として稼働します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| バッテリー | 持たない |
| 動力源 | リーダーなど外部の電磁波 |
| 通信距離 | 短い |
| コスト | 低コスト |
| 形状 | 小型化や薄型化に適している |
近年のアパレル業界の商品に付けられているRFIDタグはこのタイプが多いです。
⑫ アクティブタグ
内部にバッテリーを持ち、自ら発信を行います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| バッテリー | 持つ |
| 発信 | 自ら行う |
| 通信距離 | 長距離の無線通信に適しており、10mの通信も可能 |
| デメリット | 価格が高く、電池の消耗により取り替えコストがかかる |
⑬ 2つの比較
| 項目 | パッシブタグ | アクティブタグ |
|---|---|---|
| バッテリー | 持たない | 持つ |
| 動力源 | 外部の電磁波 | 内蔵バッテリー |
| 通信距離 | 短い | 長い(10mも可能) |
| 価格 | 低い | 高い |
| 形状 | 小型・薄型に適する | 大きくなる |
| 寿命 | 半永久的 | 電池の消耗により取り替えが必要 |
⑭ 判別のキーワード
| 選択肢の語 | 対応 |
|---|---|
| 外部の電磁波を動力源として稼働する | パッシブタグ |
| 内部にバッテリーを持ち自ら発信する | アクティブタグ |
| 10mの通信も可能 | アクティブタグ |
| アパレル業界の商品に多い | パッシブタグ |
具体例
設例 RFタグ
> 次の記述の正誤を判定せよ。(令和7年度第3問 改題)
> a リードオンリー型のRFタグは、書き込みが不可であるため内容が不変であり、改ざんの恐れがなく識別コードの用途に適している。
> b パッシブタグは、内部にバッテリーを持ち、自ら発信を行う。
> c リード・ライト型のRFタグは、何度でも書き換え可能であるため、在庫管理や履歴管理など動的な用途に適している。
解答 a:○ b:× c:○
判別の一点
| 問い | 答え |
|---|---|
| バッテリーを持つか | 持つ → アクティブ/持たない → パッシブ |
小売業でのRFID活用
アパレル店での例
現状(バーコード)
| 作業 | 内容 | 時間 |
|---|---|---|
| 棚卸 | 1点ずつバーコードを読む | 3,000点で8時間 |
| レジ | 1点ずつ読む | 5点で30秒 |
| 検品 | 1点ずつ読む | 100点で15分 |
RFID導入後
| 作業 | 内容 | 時間 |
|---|---|---|
| 棚卸 | リーダーをかざして一括読み取り | 3,000点で30分 |
| レジ | かごごと読み取り | 5点で3秒 |
| 検品 | 箱ごと読み取り | 100点で10秒 |
棚卸が8時間から30分に
効果
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 棚卸の頻度を上げられる | 年2回 → 月1回 |
| 在庫精度が上がる | 欠品と過剰が減る |
| レジが速くなる | 待ち時間の短縮 |
| 検品が速くなる | 入荷作業の効率化 |
「棚卸の頻度を上げられる」ことの価値
| 年2回棚卸 | 月1回棚卸 | |
|---|---|---|
| 在庫差異の発見 | 最大6か月遅れる | 最大1か月 |
| 原因の特定 | 困難 | 可能 |
| 在庫精度 | 低い | 高い |
在庫精度が上がると
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 機会損失が減る | 「あるはずの在庫がない」がなくなる |
| 発注の精度が上がる | 正しい在庫を基に発注できる |
| 廃棄が減る | 過剰在庫の早期発見 |
導入の課題
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| タグの費用 | 1枚10〜20円程度 |
| 取り付けの手間 | 誰がいつ付けるか |
| リーダーの費用 | 1台20〜50万円 |
| システム改修 | 既存システムとの連携 |
タグ費用の影響
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間取扱点数 | 50,000点 |
| タグ単価 | 15円 |
| 年間タグ費用 | 75万円 |
単価の安い商品には向かない
| 商品単価 | タグ費用の比率 |
|---|---|
| 10,000円 | 0.15% |
| 1,000円 | 1.5% |
| 100円 | 15% |
「アパレルで普及している」理由
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 商品単価が比較的高い | タグ費用の比率が小さい |
| SKU(品目)が多い | サイズ、色のバリエーション |
| 棚卸の負担が大きい | 効果が大きい |
| 試着による移動が多い | 在庫が合わなくなりやすい |
「取り付けの手間」への対応
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 仕入先に付けてもらう | ソースタギング |
| 自社で付ける | 入荷時に作業 |
ソースタギングが理想
| 自社で付ける | 仕入先が付ける | |
|---|---|---|
| 手間 | 自社に発生 | 不要 |
| 入荷検品 | 付けてから読む | すぐ読める |
製造業でのRFID活用
| 用途 | 適するタグ |
|---|---|
| 部品の識別 | リードオンリー型 |
| 製造ロットの記録 | ライトワンス・リードメニー型 |
| 治具・金型の管理 | リード・ライト型 |
| 仕掛品の追跡 | リード・ライト型 |
治具・金型の管理
| 課題 | RFIDによる解決 |
|---|---|
| どこにあるか分からない | 所在を記録 |
| メンテナンス時期が分からない | 使用回数を記録 |
| 誰が使っているか分からない | 貸出を記録 |
「探す時間」が大きな無駄
| 状況 | 時間 |
|---|---|
| 金型を探す | 1回30分 |
| 月20回 | 10時間 |
運営管理で学ぶ「運搬・探索のムダ」——RFIDが解決できる典型的な課題です。
アクティブタグを使う場面
| 用途 | 理由 |
|---|---|
| 大型資材の位置管理 | 広い範囲で追跡したい |
| 車両・重機の管理 | 同上 |
| 作業者の安全管理 | 危険区域への立ち入り検知 |
通信距離が10m以上必要な場合はアクティブタグ——費用は高いが、用途によっては必要です。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a RFIDでは、電波を用いて複数のRFタグ上のデータを一括して読み取れる。
> b ライトワンス・リードメニー型は、一度だけ情報を書き込めるため、記録の信頼性が必要なトレーサビリティの用途に適している。
> c アクティブタグは、内部にバッテリーを持たないため、低コストで小型化や薄型化に適している。
解答 a:○ b:○ c:×

RFID(1/3)

RFID(2/3)

RFID(3/3)
試験のポイント
② シェアリングエコノミーの5分類
シェアする対象によって、大きく5つに分類されます。
| シェアの対象 | 内容 |
|---|---|
| 空間 | 民泊、駐車場、会議室、倉庫などのシェア |
| 移動 | カーシェア、シェアサイクル、ライドシェアなどのシェア |
| モノ | フリマ、レンタルサービスなどのシェア |
| スキル | 家事代行、介護、育児、知識、料理などのシェア |
| お金 | クラウドファンディングなど |
③ シェアリングエコノミーが成り立つ条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 遊休資産があること | 使われていない時間・空間・能力 |
| 需要があること | 使いたい人がいる |
| マッチングの仕組み | プラットフォーム |
| 信頼の仕組み | 評価、保険、本人確認 |
4つ目が重要
| 従来の取引 | シェアリングエコノミー | |
|---|---|---|
| 相手 | 事業者(信用が明確) | 見知らぬ個人 |
| 信頼の担保 | 企業の信用 | 相互評価、保険、本人確認 |
「見知らぬ相手と取引できる仕組み」が、この経済を可能にしました。
④ クラウドファンディング
インターネットを通じて不特定多数の人々から少額ずつ資金を集める仕組みです。
| 語 | 由来 |
|---|---|
| クラウド(crowd) | 群衆(cloud=雲ではない) |
| ファンディング(funding) | 資金調達 |
「クラウド」の綴りに注意
| 用語 | 綴り | 意味 |
|---|---|---|
| クラウドコンピューティング | cloud | 雲 |
| クラウドファンディング | crowd | 群衆 |
同じカタカナでも元の語が違う——この違いは押さえておきましょう。
⑤ クラウドファンディングの型
| 型 | 支援者が得るもの |
|---|---|
| 購入型 | 商品やサービス |
| 寄付型 | 見返りなし(社会的意義) |
| 投資型(融資型・株式型) | 金銭的リターン |
⑥ 中小企業にとっての意味
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 資金調達 | 担保や信用がなくても集められる |
| 市場の検証 | 需要があるか事前に分かる |
| 顧客の獲得 | 支援者が最初の顧客になる |
| 宣伝効果 | プロジェクトが広まる |
2つ目が実は最大の価値
| 従来 | クラウドファンディング | |
|---|---|---|
| 順序 | 作ってから売る | 売れてから作る |
| 在庫リスク | ある | 小さい |
「作る前に需要を確かめられる」——これが新商品開発の最大のリスクを下げます。
⑦ MaaS(Mobility as a Service)
複数の交通手段を組み合わせ、検索・予約・決済を1つのサービスとして統合的に提供する仕組みです。
| 統合するもの |
|---|
| 鉄道、バス、タクシー、カーシェア、シェアサイクルなどの交通手段 |
| 検索・予約・決済 |
⑧ MaaSの段階
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 統合なし | 各交通手段を個別に利用する |
| 情報の統合 | 経路検索で複数手段をまとめて表示 |
| 予約・決済の統合 | 1つのアプリで予約・決済まで |
| サービスの統合 | 定額で乗り放題など |
| 政策の統合 | 都市計画と一体化 |
⑨ 「as a Service」という共通の発想
| 用語 | 提供されるもの |
|---|---|
| SaaS(Software as a Service) | ソフトウェア |
| IaaS(Infrastructure as a Service) | インフラ |
| DaaS(Desktop as a Service) | デスクトップ |
| MaaS(Mobility as a Service) | 移動(モビリティ) |
共通する考え方
| 従来 | as a Service | |
|---|---|---|
| 考え方 | 所有する | サービスとして利用する |
サブスクリプションの「所有から利用へ」と同じ発想——この節全体を貫く流れです。
⑩ 中小企業にとっての事業機会
| 分野 | 機会 |
|---|---|
| 空間のシェア | 使っていない倉庫、駐車場、店舗の一部 |
| モノのシェア | 遊休設備の貸出 |
| スキルのシェア | 技能の提供 |
| 地域のMaaS | 地域交通との連携 |
⑪ 事業機会と同時にリスクもある
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 既存事業が代替される | 宿泊、タクシー、レンタル業 |
| プラットフォームに依存する | 手数料、規約の変更 |
| 価格競争 | 個人が参入してくる |
プラットフォームへの依存
| 状況 | リスク |
|---|---|
| 売上の大半が1つのプラットフォーム経由 | 規約や手数料の変更に左右される |
| 顧客情報がプラットフォーム側にある | 直接の関係が築けない |
「プラットフォーム経由だけにしない」——中小企業への助言として重要な点です。
具体例
シェアリングエコノミーの5分類を、中小企業の視点で見る
空間のシェア
| 遊休資産 | 活用 |
|---|---|
| 夜間・休日の駐車場 | 時間貸し駐車場のプラットフォームへ |
| 使っていない倉庫の一部 | 保管スペースの貸出 |
| 営業時間外の店舗 | イベントスペース、間借り営業 |
| 会議室 | 時間貸し |
「営業時間外の店舗」の例
| 時間帯 | 使用 |
|---|---|
| 朝(6:00-10:00) | 他の事業者がモーニング営業 |
| 昼(11:00-22:00) | 自社の営業 |
| 深夜 | 未使用 |
効果
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 家賃負担が軽くなる | 固定費の分散 |
| 新しい客層に認知される | 相乗効果 |
モノのシェア
| 遊休資産 | 活用 |
|---|---|
| 稼働率の低い設備 | 他社への時間貸し |
| 使わなくなった工具 | レンタル |
| 季節商品 | オフシーズンの貸出 |
製造業での例
| 設備 | 稼働率 | 活用 |
|---|---|---|
| 特殊加工機 | 月30% | 同業他社に時間貸し |
| 測定機器 | 月10% | 同上 |
課題
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| ノウハウの流出 | 加工条件が知られる |
| 設備の損耗 | 他社が使うことで劣化 |
| 責任の所在 | 事故が起きたとき |
「同業他社」への貸出は慎重に——組合や異業種のほうが摩擦が少ないことがあります。
スキルのシェア
| スキル | 活用 |
|---|---|
| 経理の知識 | 他社の記帳代行 |
| 技能 | 技術指導 |
| 調理技術 | レシピ開発、メニュー監修 |
人手不足時代の逆転の発想
| 従来 | シェア | |
|---|---|---|
| 人材 | 抱える | 必要なときに借りる/貸す |
| 繁閑差 | 固定費で吸収 | 平準化できる |
クラウドファンディングの実例
状況:地方の食品製造業が新商品を開発したい
従来の進め方
| 順 | 内容 | リスク |
|---|---|---|
| ① | 商品を開発する | 開発費用 |
| ② | 設備を整える | 設備投資 |
| ③ | 在庫を作る | 在庫リスク |
| ④ | 販路を探す | 売れないリスク |
クラウドファンディングを使う場合
| 順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 試作品を作る |
| ② | プロジェクトを公開する |
| ③ | 支援が集まるか確認する |
| ④ | 集まれば本生産、集まらなければ中止 |
効果
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 需要の検証 | 売れるか事前に分かる |
| 資金の先行確保 | 生産前に資金が入る |
| 在庫リスクの回避 | 売れる分だけ作る |
| 顧客リストの獲得 | 支援者が最初の顧客 |
目標金額の設定
| 設定 | 判断 |
|---|---|
| 低めに設定 | 達成しやすいが、意味のある検証にならない |
| 生産が成立する最低量に設定 | 達成すれば事業化できる |
「達成しなければ中止する」ことが前提
| 方式 | 内容 |
|---|---|
| All or Nothing | 目標未達なら全額返金。実施しない |
| All In | 目標未達でも集まった分を受け取る |
市場検証が目的ならAll or Nothing
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 需要がないことが分かる | 無理に進めない |
| 支援者にも誠実 | 中途半端な商品を届けない |
失敗した場合も価値がある
| 結果 | 得られたもの |
|---|---|
| 目標未達 | 需要がないことが分かった |
| 費用 | 試作費用のみ |
| 避けられたもの | 設備投資、在庫の損失 |
「小さく試して判断する」——アジャイル開発の発想が、事業開発にも当てはまります。
MaaSと地域の中小企業
| 事業者 | 関わり方 |
|---|---|
| 地域のタクシー事業者 | 配車アプリへの参加 |
| バス事業者 | 経路検索への情報提供 |
| 観光施設 | 交通と施設利用のセット券 |
| 飲食店・商店 | 交通との連携企画 |
地域交通の課題
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 利用者の減少 | バス路線の維持が困難 |
| 高齢者の移動手段 | 免許返納後の足 |
| 観光客の移動 | 公共交通が分かりにくい |
MaaSによる解決の方向
| 対応 | 内容 |
|---|---|
| 需要に応じた運行 | デマンド交通 |
| 複数手段の統合 | 乗り継ぎを分かりやすく |
| 定額制 | 利用のハードルを下げる |
商店街との連携
| 企画 | 内容 |
|---|---|
| 交通+商店街のセット券 | 来街を促す |
| 買い物金額に応じた交通割引 | 回遊を促す |
中小企業経営・政策で学ぶ「商店街の活性化」——MaaSはその手段の1つになりえます。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a シェアリングエコノミーは、シェアする対象によって空間・移動・モノ・スキル・お金の5つに分類される。
> b クラウドファンディングの「クラウド」は、クラウドコンピューティングと同じく「雲」を意味する。
> c MaaSは、複数の交通手段を組み合わせ、検索・予約・決済を1つのサービスとして統合的に提供する仕組みである。
解答 a:○ b:× c:○

新技術・新サービス(1/2)

新技術・新サービス(2/2)
試験のポイント
プレミアムプラン
¥9,800〜/ 買い切り・自動更新なし(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。
| 端末費用 |
| 2.5〜3.7% |
| 同上 |
| マルチ決済端末 | 3〜5万円 | 各方式に準じる | 同上 |