統計解析
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プレミアムで見る検定とは、生データから「知りたいこと」が本当に当てはまるかを検証することです。検定を行うときは、仮説という考え方を用います。具体的には帰無仮説と対立仮説の2つがあり、このとき、知りたいことを対立仮説に設定します。この節では、検定の5つの手順、主な用語、両側検定と片側検定の使い分け、そして第1種の過誤と第2種の過誤を学びます。令和4年度第23問では2つの過誤が問われています。
簡単にいうと
検定の肝は「知りたいことを対立仮説に設定する」!そして帰無仮説を棄却することで、対立仮説を採択するんだ。なぜ回りくどいのかまで分かると、検定の考え方が腑に落ちるよ。
① 検定とは
検定とは、生データから「知りたいこと」が本当に当てはまるかを検証することです。
検定を行うときは、仮説という考え方を用います。具体的には帰無仮説と対立仮説の2つがあります。
このとき、知りたいことを対立仮説に設定します。
| 仮説 | 内容 |
|---|---|
| 対立仮説 | 知りたいこと |
| 帰無仮説 | 対立仮説と反対の内容 |
② 検定の性格
検定は、「ある仮説について、その内容が正しいかどうかを確率的に検証する」という手法です。
| 語 | 意味 |
|---|---|
具体例
検定の手順を、実務の場面で追う
状況:新しい陳列方法の効果を検証したい
手順① 仮説を立てる
| 仮説 | 内容 |
|---|---|
| 対立仮説(知りたいこと) | 新しい陳列方法は売上を増やす |
| 帰無仮説 | 新しい陳列方法による売上の変化はない |
手順② 有意水準を決める
| 設定 | 理由 |
|---|---|
| 5% | 一般的な水準。誤って「効果あり」とする確率が5% |

統計的検定の手順
試験のポイント
簡単にいうと
5つの用語! 帰無仮説・対立仮説・棄却・有意水準(危険率)・p値。「帰無仮説とは無に帰する仮説」——名前の由来も押さえると忘れにくいよ。
① 5つの主な用語
| 用語 |
|---|
| 帰無仮説 |
| 対立仮説 |
| 棄却 |
| 有意水準(危険率) |
| p値 |
② 帰無仮説
簡単にいうと
「違うということだけ」を検定するなら両側検定!「どちらが大きいか」まで検定するなら片側検定。そして有意水準5%なら、両側は各2.5%、片側は5%の棄却域になるよ。
① 2つの検定
検定には、両側検定と片側検定という2つの検定があります。
| 検定 | 使う場面 |
|---|---|
| 両側検定 | 違うということだけを検定する場合 |
| 片側検定 | いずれかの方が大きい、効果が上がったという程度も含めた違いを検定する場合 |
簡単にいうと
第1種の過誤と第2種の過誤!「帰無仮説が正しいのに棄却する」のが第1種、「対立仮説が正しいのに帰無仮説を受容する」のが第2種。令和4年度第23問でそのまま問われたよ。
① 検定の誤りとは
検定は確率に基づいているため、誤った結論を導く可能性があります。
検定を実施する場合、第1種の過誤と第2種の過誤の可能性があります。
2つの過誤のリスクには負の相関関係があり、検定の有意水準と検定力によって決まります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ誤るか | 検定は確率に基づいているため |
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| 絶対ではなく、確率で判断する |
③ 例:占い師の予知能力
ここに、“自称”予知能力のある占い師がいます。その能力が本物かを検証すべく、野球の試合の勝ち負け予想をさせたところ、5試合連続で予想を的中させました。ここで、この占い師の予知能力は本物であるといえるのでしょうか。(なお試合の勝率は常に1/2とします)
この問いに対して、意見が割れることが予想されます。
| 意見 |
|---|
| 「5試合も連続で当てたのだから本物だろう」 |
| 「たかが5試合じゃわからない。6試合目で間違うかも知れない」 |
これを統計学を用いて客観的に判断するのが、仮説検定とよばれる手法です。
④ 手順1:帰無仮説と対立仮説の設定
検定では、最初に知りたいことを対立仮説に立てます。
例を用いるなら「この占い師には予知能力がある。」という内容が対立仮説になります。
次に、知りたいこと(対立仮説)を検証するために、対立仮説と反対の内容を帰無仮説に立てます。
例を用いると、「この占い師には予知能力などない。」という内容が帰無仮説になります。
| 仮説 | 内容 |
|---|---|
| 対立仮説 | この占い師には予知能力がある |
| 帰無仮説 | この占い師には予知能力などない |
そして、この帰無仮説が間違っていると説明できれば、帰無仮説を棄却して知りたい内容である対立仮説を採択します。
⑤ なぜ回りくどいのか
| 問い | 答え |
|---|---|
| 「予知能力がある」を直接証明できないか | できない |
| なぜか | 「ある」ことを示すには無限の検証が必要 |
| 「ない」を否定するほうが易しい | 1つの反例で足りる |
「予知能力などない」という前提で計算できる
| 前提 | 計算 |
|---|---|
| 予知能力がないなら、的中率は1/2 | 確率が計算できる |
| 予知能力があるなら、的中率は不明 | 計算できない |
計算できるほうを前提に置く——これが帰無仮説を立てる理由です。
⑥ 手順2:有意水準(危険率)の設定
帰無仮説を棄却するときの基準を設定します。
この有意水準(単位:%)の値と観測データが得られる確率(p値)を比較し、帰無仮説を棄却するか否かを判断します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何を設定するか | 帰無仮説を棄却するときの基準 |
| 何と比較するか | p値 |
⑦ 手順3:帰無仮説が正しいとした時のp値を算出
検定という手法を使って帰無仮説が正しいかについて検証します。
帰無仮説が正しいという前提に基づいて、観測データが得られる確率(p値(単位:%))を求めます。
例を用いるなら予知能力なしで5連続で勝つチームを当てる確率(p値)は、下のとおりになります。
⑧ 手順4:判定
帰無仮説が正しいという前提に基づいて、算出したp値と有意水準を比較します。
| 比較 | 判断 |
|---|---|
| p値が有意水準より小さい場合 | 帰無仮説を棄却する |
| p値が有意水準より大きい場合 | 帰無仮説は棄却されない |
⑨ 判定の考え方
例を用いると、占い師に予知能力がなかったとしたらこの約3%の確率は「当てずっぽう」に成功したことになります。
あり得ないというほどではないが、非常に低い確率です。
そこで、「これは、とても低い確率だから帰無仮説は間違っているだろう」と考えると、帰無仮説が棄却されて、対立仮説が採択され、占い師の予知能力が認められます。
⑩ 判断を主観にしない
しかし、これは正しい判断であるか疑問です。帰無仮説が間違っているという判断をp値のみで行いましたが、一方で帰無仮説が正しい確率が3.125%あります。
勝手な判断で「正しい確率がたった3%だから間違っている」と決めてはいけません。
統計的検定では、帰無仮説を棄却するか否かの判断基準として有意水準(単位:%)を用います。
よって、p値を計算する前に有意水準を予め決めておく必要があります。
| 注意 | 内容 |
|---|---|
| p値を計算する前に有意水準を決めておく | 後から基準を変えない |
⑪ 有意水準の値
多くの場合、有意水準として5%や1%を用います。
例の場合は、p値は3.125%であるので、有意水準が5%であれば、帰無仮説は間違っていると判断されます。
一方、有意水準が1%であれば、帰無仮説は間違っていると判断できません。
| 有意水準 | p値3.125%との比較 | 判定 |
|---|---|---|
| 5% | 3.125% < 5% | 帰無仮説を棄却する |
| 1% | 3.125% > 1% | 帰無仮説を棄却できない |
同じデータでも、有意水準によって結論が変わる——だから先に決めておく必要があります。
⑫ 手順5:対立仮説の立証
帰無仮説が棄却されれば、知りたいこと(対立仮説)は正しかったということになります。
反対に、帰無仮説が棄却できない場合は、帰無仮説と対立仮説のどちらが正しいかわからないという結果になります。
| 結果 | 意味 |
|---|---|
| 帰無仮説を棄却する場合 | 対立仮説が正しい |
| 帰無仮説を棄却しない場合 | どちらが正しいかは、分からない |
⑬ 「棄却できない=帰無仮説が正しい」ではない
| 誤解 | 実際 |
|---|---|
| 棄却できなければ帰無仮説が正しい | どちらが正しいか分からない |
この違いが重要
| 状況 | 言えること |
|---|---|
| 棄却できた | 「効果がある」と言える |
| 棄却できなかった | 「効果がない」とは言えない |
「効果があるとは言えなかった」と「効果がない」は別——実務でも誤解されやすい点です。
⑭ 5つの手順のまとめ
| 順 | 手順 |
|---|---|
| ① | 帰無仮説と対立仮説の設定(知りたいことを対立仮説に) |
| ② | 有意水準(危険率)の設定(p値を計算する前に決める) |
| ③ | 帰無仮説が正しいとした時のp値を算出 |
| ④ | 判定(p値が有意水準より小さければ棄却) |
| ⑤ | 対立仮説の立証 |
先に決めることが重要
| やってはいけないこと | 内容 |
|---|---|
| p値が3%だったので有意水準を5%にする | 後付けの基準 |
| p値が7%だったので有意水準を10%にする | 同上 |
「結果を見てから基準を決める」と、どんな結果も有意にできてしまう
手順③ データを取る
| 期間 | 内容 |
|---|---|
| 従来の陳列 | 30日間の売上 |
| 新しい陳列 | 30日間の売上 |
手順④ p値を計算する
| 結果 | 内容 |
|---|---|
| 従来の平均 | 日商 52万円 |
| 新方式の平均 | 日商 58万円 |
| p値 | 0.02(2%) |
手順⑤ 判定する
| 比較 | 判定 |
|---|---|
| p値2% < 有意水準5% | 帰無仮説を棄却 |
| 結論 | 新しい陳列方法は売上を増やすといえる |
p値が違ったらどうなるか
| p値 | 有意水準5%での判定 |
|---|---|
| 2% | 棄却する(効果あり) |
| 8% | 棄却しない(効果があるとはいえない) |
「効果があるとはいえない」の正しい解釈
| 誤った解釈 | 正しい解釈 |
|---|---|
| 効果はない | 効果があるとは言い切れない |
| 導入する意味がない | データが足りない可能性もある |
データを増やすと結論が変わることがある
| データ数 | p値 |
|---|---|
| 30日ずつ | 8% |
| 90日ずつ | 2% |
同じ差でも、データが増えるとp値は小さくなる
なぜか
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| データが少ないと偶然の可能性が残る | p値が大きい |
| データが増えると偶然では説明しにくくなる | p値が小さい |
「p値が大きい=効果がない」ではなく「まだ判断できない」
p値の意味を正確に理解する
| 誤解 | 実際 |
|---|---|
| p値は帰無仮説が正しい確率 | 違う |
| p値の正しい意味 | 帰無仮説が正しいとしたときに、観測データ(またはより極端なデータ)が得られる確率 |
占い師の例で確認する
| p値3.125%の意味 | 内容 |
|---|---|
| 正しい | 予知能力がないとしたら、5連続的中する確率は3.125% |
| 誤り | 予知能力がない確率が3.125% |
この区別が理解の要
有意水準5%と1%の使い分け
| 場面 | 適する有意水準 |
|---|---|
| 一般的なビジネスの判断 | 5% |
| 医薬品の効果 | 1%以下 |
| 重大な判断 | 1% |
| 探索的な調査 | 10%を使うこともある |
判断の重大さで決める
| 有意水準5% | 有意水準1% | |
|---|---|---|
| 誤って「効果あり」とする確率 | 5% | 1% |
| 効果を見逃す確率 | 小さい | 大きい |
厳しくすると見逃しが増える——次テーマで学ぶ2つの過誤の関係です。
中小企業での実務的な注意
| 注意 | 内容 |
|---|---|
| 統計的に有意=経営上重要、ではない | 差が小さくても有意になることがある |
| 効果の大きさも見る | 何%売上が増えたか |
| 費用対効果で判断する | 有意でも割に合わないことがある |
「統計的に有意だが、売上の増加は0.5%」
| 判断 | 内容 |
|---|---|
| 統計的には確かに効果がある | 偶然ではない |
| 経営上は意味がない | 費用に見合わない |
「有意性」と「重要性」は別——これが実務で最も重要な注意点です。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a 検定では、最初に知りたいことを対立仮説に立てる。
> b p値が有意水準より小さい場合は、帰無仮説を棄却する。
> c 帰無仮説が棄却できない場合、帰無仮説が正しいことが証明される。
解答 a:○ b:○ c:×
文字どおり、帰無仮説とは無に帰する仮説です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| どちらの仮説か | 知りたい仮説ではないほう |
| 名前の由来 | 無に帰する仮説 |
「無に帰する」とは
| 意味 | 内容 |
|---|---|
| 棄却されることを前提に立てられる | 無くなることが期待される |
③ 対立仮説
検定で知りたい仮説です。
帰無仮説が成り立たない状態を記述します。
帰無仮説が間違っていると判断した場合に、対立仮説を採択します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| どちらの仮説か | 知りたい仮説 |
| 内容 | 帰無仮説が成り立たない状態を記述する |
| 採択されるとき | 帰無仮説が間違っていると判断した場合 |
④ 棄却
仮説を間違っていると判断することです。
| 語 | 意味 |
|---|---|
| 棄却 | 捨てること。間違っていると判断すること |
⑤ 有意水準(危険率)
帰無仮説を棄却するときの判断基準です。
算出したp値が有意水準の値より小さいとき帰無仮説を棄却します。
文字では、α(アルファ)で表し、統計的検定では有意水準を5%や1%に設定することが多いです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何か | 帰無仮説を棄却するときの判断基準 |
| 記号 | α(アルファ) |
| よく使う値 | 5%や1% |
| 別名 | 危険率 |
⑥ 「危険率」という別名の意味
| 意味 | 内容 |
|---|---|
| 危険 | 誤って帰無仮説を棄却してしまう危険 |
| 率 | その確率 |
有意水準5%とは
| 内容 |
|---|
| 帰無仮説が正しいのに棄却してしまう確率が5%ある |
次テーマで学ぶ第1種の過誤の確率と一致します。
⑦ p値
帰無仮説が正しいとしたときに、観測データの実現値、もしくはさらに極端な観測データが得られる確率(単位:%)です。
p値が有意水準の値より小さいとき帰無仮説を棄却します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何の確率か | 帰無仮説が正しいとしたときに、観測データの実現値、もしくはさらに極端な観測データが得られる確率 |
| 判断 | 有意水準の値より小さいとき帰無仮説を棄却する |
⑧ p値の定義の正確な理解
| 誤解 | 実際 |
|---|---|
| 帰無仮説が正しい確率 | 違う |
| 対立仮説が正しい確率 | 違う |
| 正しい理解 | 帰無仮説が正しいとしたときに、そのデータが得られる確率 |
「もしくはさらに極端な観測データ」という部分
| 意味 | 内容 |
|---|---|
| 観測されたデータそのものの確率だけではない | それ以上に極端なデータも含む |
例:コインを10回投げて8回表が出た
| p値に含まれるもの |
|---|
| 8回表が出る確率 |
| 9回表が出る確率 |
| 10回表が出る確率 |
「これ以上に珍しいこと」も含めて確率を計算する
⑨ 5つの用語の関係
| 順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 対立仮説(知りたいこと)を立てる |
| ② | 帰無仮説(その反対)を立てる |
| ③ | 有意水準(判断基準)を決める |
| ④ | p値を計算する |
| ⑤ | p値 < 有意水準なら、帰無仮説を棄却する |
⑩ 判別のキーワード
| 選択肢の語 | 対応する用語 |
|---|---|
| 検定で知りたい仮説ではないほうの仮説 | 帰無仮説 |
| 検定で知りたい仮説 | 対立仮説 |
| 仮説を間違っていると判断すること | 棄却 |
| 帰無仮説を棄却するときの判断基準、α | 有意水準(危険率) |
| 観測データが得られる確率 | p値 |
⑪ 帰無仮説と対立仮説の立て方の例
| 知りたいこと(対立仮説) | 帰無仮説 |
|---|---|
| 新商品は既存商品より売れる | 売上に差はない |
| 研修は効果がある | 研修の前後で差はない |
| 2店舗の客層は違う | 2店舗の客層に違いはない |
| この広告は認知度を上げる | 認知度に変化はない |
帰無仮説は「差がない」「変化がない」という形になることが多い
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 「差がない」なら確率が計算できる | 具体的な値が決まる |
| 「差がある」では確率が計算できない | どれだけ差があるか不明 |
具体例
用語を、実務の場面で使い分ける
状況:研修の効果を検証したい
用語の設定
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 対立仮説 | 研修を受けた社員は受けていない社員より成績が高い |
| 帰無仮説 | 研修を受けた社員と受けていない社員の成績に差はない |
| 有意水準(α) | 5% |
結果
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 研修受講群の平均 | 78点 |
| 非受講群の平均 | 71点 |
| p値 | 0.03(3%) |
判定
| 比較 | 判断 |
|---|---|
| p値3% < 有意水準5% | 帰無仮説を棄却する |
| 結論 | 対立仮説を採択。研修には効果がある |
この結論の正確な意味
| 内容 |
|---|
| 「研修に効果がない」と仮定すると、この程度の差が出る確率は3% |
| 3%は5%より小さいので、「効果がない」という仮定を棄てる |
| したがって「効果がある」と判断する |
「危険率」という言葉の意味を実感する
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 有意水準5%で棄却した | 「効果あり」と結論した |
| しかし | 本当は効果がないのに、偶然この差が出た可能性が3%ある |
この「誤って効果ありとしてしまう危険」が5%まで許容されている
20回検定すれば1回は誤る
| 検定の回数 | 誤って有意とする期待回数(α=5%) |
|---|---|
| 1回 | 0.05回 |
| 20回 | 1回 |
| 100回 | 5回 |
「多重検定の問題」
| 状況 | リスク |
|---|---|
| 1つのデータで20項目を検定する | 1項目は偶然有意になる |
| その1項目だけを報告する | 誤った結論 |
実務での注意
| 注意 | 内容 |
|---|---|
| たくさん試して有意なものだけ拾わない | 偶然を拾っている可能性 |
| 検定する項目は事前に決める | 後から探さない |
| 項目が多いなら基準を厳しくする | 有意水準を下げる |
「データを眺めて有意なものを探す」ことの危険
| 手順 | 評価 |
|---|---|
| 仮説を立ててから検定する | 正しい |
| データを眺めて仮説を作る | 探索としては可。検証には別データが必要 |
探索と検証を分ける
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 探索 | データを見て仮説を作る |
| 検証 | 別のデータで検定する |
p値の正しい説明
顧客や経営者への説明
| 説明 | 評価 |
|---|---|
| 「効果がない確率は3%です」 | 誤り |
| 「効果がないとしたら、この結果が出る確率は3%です」 | 正しいが分かりにくい |
| 「偶然でこの差が出ることは考えにくいです」 | 分かりやすく、大きく外れてもいない |
専門用語を避けて伝える
| 専門用語 | 言い換え |
|---|---|
| 帰無仮説を棄却した | 偶然とは考えにくい |
| 有意水準5% | 20回に1回は間違う可能性がある基準で |
| p値0.03 | 偶然で起きる確率は3%程度 |
診断士として説明する場面
| 場面 | 伝えること |
|---|---|
| 施策の効果を報告する | 効果があると言えるかどうか |
| 調査結果を報告する | 差が偶然か否か |
| データ分析を委託した結果を読む | p値と有意水準の意味 |
「統計的に有意」という言葉の扱い
| 状況 | 伝え方 |
|---|---|
| 有意だった | 「偶然とは考えにくい差があります」 |
| 有意でなかった | 「差があるとは言い切れません」(「差がない」とは言わない) |
この使い分けが、誤解を防ぐ鍵です。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a 帰無仮説とは、検定で知りたい仮説ではないほうの仮説であり、文字どおり無に帰する仮説である。
> b 有意水準(危険率)は、文字ではα(アルファ)で表し、統計的検定では5%や1%に設定することが多い。
> c p値とは、帰無仮説が正しい確率のことである。
解答 a:○ b:○ c:×

検定で用いられる主な用語(1/2)

検定で用いられる主な用語(2/2)
試験のポイント
どちらの検定を用いるかによって帰無仮説の棄却域が異なります。
検定では、帰無仮説の下で発生確率の分布を考え、その分布において有意水準未満の確率で起こる部分を棄却域に設定します。
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 棄却域 | 帰無仮説を棄却することになる範囲 |
③ 有意水準5%の場合の棄却域
有意水準を5%に設定した場合、正規分布を用いた検定の両側検定と片側検定の棄却域は、次のようになります。
| 検定 | 棄却域 |
|---|---|
| 両側検定 | 分布の両端に各2.5%(合計5%) |
| 片側検定 | 分布の片側に5% |
④ なぜ両側は各2.5%なのか
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 有意水準5%を両側に分ける | 5% ÷ 2 = 各2.5% |
| どちらの方向にずれても棄却する | 両端に設定する |
⑤ 片側検定のほうが「有意になりやすい」
| 両側検定 | 片側検定 | |
|---|---|---|
| 片側の棄却域 | 2.5% | 5% |
| 棄却されやすさ | しにくい | しやすい |
この性質があるため、どちらを使うかを恣意的に選んではいけません。
⑥ どちらを採用するか
両側検定と片側検定のどちらを採用するかは、対立仮説(知りたいこと)の設定によって決まります。
| 対立仮説 | 検定 |
|---|---|
| 変数1 ≠ 変数2(違うということだけを検定する場合) | 両側検定 |
| 変数1 < 変数2 または 変数1 > 変数2(効果が上がった、下がったという程度も含めた違いを検定する場合) | 片側検定 |
⑦ 例:ダイエット食品の効果
新たなダイエット食品を開発しました。この食品の効果を検証するために、10人の被験者に食品を摂取してもらい、体重の変化を測定しました。
この場合、摂取前と摂取後の体重の差が着目すべきポイントになります。体重の変化の平均値について帰無仮説と対立仮説を考えます。
⑧ 帰無仮説
| 帰無仮説 |
|---|
| ダイエット食品の効果はない。体重の変化は0である |
⑨ 対立仮説の3つの候補
| 対立仮説 | 内容 | 検定 |
|---|---|---|
| その1 | ダイエット食品には、何らかの効果がある | 両側検定 |
| その2 | ダイエット食品には、体重減少の効果がある | 片側検定 |
| その3 | ダイエット食品には、体重増加の効果がある | 片側検定 |
⑩ 通常はどれを選ぶか
今回の例では、ダイエット食品の効果を確かめたいので、通常は対立仮説(その2)を採用して、片側検定を行います。
もし、ダイエット食品の「何らかの効果(体重減少と増加も含めた効果)を確かめたい」のであれば、対立仮説(その1)を採用します。
また、もし、ダイエット食品のせいで太った可能性があると感じた場合に、「ダイエット食品が逆効果であると証明」するのであれば、対立仮説(その3)を採用します。
⑪ 事前に決めておく
片側検定と両側検定のどちらが適切であるかは、対立仮説の内容(知りたいこと)によって決まります。
また、片側検定と両側検定のどちらを行うかは、検定の前に決めておく必要があります。
| 注意 | 理由 |
|---|---|
| 検定の前に決める | 結果を見てから変えると恣意的になる |
⑫ ダイエット食品の例での表現
| 検定 | 対立仮説(知りたいこと) |
|---|---|
| 両側検定 | 摂取前の体重 ≠ 摂取後の体重 |
| 片側検定 | 摂取前の体重 > 摂取後の体重 |
| 片側検定 | 摂取前の体重 < 摂取後の体重 |
⑬ 判別の考え方
| 問い | 答え |
|---|---|
| 「違うかどうか」だけを知りたい | 両側検定 |
| 「どちらが大きいか」まで知りたい | 片側検定 |
⑭ 実務での選び方
| 場面 | 適する検定 |
|---|---|
| 新方式は従来方式より優れているか | 片側検定 |
| 2つの方式に違いがあるか | 両側検定 |
| 改善効果があったか | 片側検定 |
| 2店舗の客層が違うか | 両側検定 |
「方向性のある仮説」か「方向性のない仮説」か——これが判断の基準です。
具体例
ダイエット食品の例を、データで追う
測定結果
| 被験者 | 摂取前 | 摂取後 | 体重の変化 |
|---|---|---|---|
| 1 | 68.4 | 66.9 | −1.5 |
| 2 | 67.4 | 66.5 | −0.9 |
| 3 | 53.2 | 52.5 | −0.7 |
| 4 | 76.5 | 77.8 | +1.3 |
| 5 | 56.4 | 57.8 | +1.4 |
| 6 | 45.8 | 49.6 | +3.8 |
| 7 | 45.7 | 40.1 | −5.6 |
| 8 | 87.4 | 78.3 | −9.1 |
| 9 | 67.4 | 65.3 | −2.1 |
| 10 | 43.5 | 41.2 | −2.3 |
体重の変化を見ると
| 状況 | 人数 |
|---|---|
| 減少した | 7人 |
| 増加した | 3人 |
平均の変化
| 計算 | 結果 |
|---|---|
| (−1.5−0.9−0.7+1.3+1.4+3.8−5.6−9.1−2.1−2.3) ÷ 10 | −1.57kg |
平均で1.57kg減少している
しかし、これだけでは判断できない
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 増加した人もいる | ばらつきが大きい |
| 偶然の可能性 | 10人では少ない |
そこで検定を行う
手順① 仮説を立てる
| 仮説 | 内容 |
|---|---|
| 帰無仮説 | 体重の変化は0である |
| 対立仮説(その2を採用) | 体重減少の効果がある |
| 検定 | 片側検定 |
手順② 有意水準を決める
| 設定 | 5% |
|---|
手順③ 検定を行う
| 結果 | 内容 |
|---|---|
| p値 | 仮に0.12(12%) |
手順④ 判定
| 比較 | 判断 |
|---|---|
| p値12% > 有意水準5% | 帰無仮説を棄却できない |
| 結論 | 体重減少の効果があるとはいえない |
「効果がない」とは言っていない
| 内容 |
|---|
| データが少なく、ばらつきが大きいため判断できない |
| 被験者を増やせば結論が変わる可能性がある |
ばらつきが大きいことの影響
| データ | ばらつき |
|---|---|
| −9.1kg から +3.8kg | 非常に大きい |
平均が1.57kg減でも、ばらつきが大きいと有意にならない
もしばらつきが小さければ
| データ | 内容 |
|---|---|
| 全員が−1.4〜−1.7kg | 平均は同じ−1.57kg |
| ばらつきが小さい | 有意になりやすい |
「平均の差」と「ばらつき」の両方が効く——これが検定の本質です。
両側検定と片側検定で結果が変わる例
| 検定 | p値 | 有意水準5%での判定 |
|---|---|---|
| 片側検定 | 0.04 | 棄却する(有意) |
| 両側検定 | 0.08 | 棄却しない(有意でない) |
片側検定のp値は両側検定の半分
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 両側は両端の確率を合計する | 2倍になる |
この性質があるため、恣意的な選択は不正になる
| 行為 | 評価 |
|---|---|
| 両側で有意でなかったので片側にする | 不正 |
| 事前に片側と決めていた | 正当 |
「事前に決める」ことが倫理的にも技術的にも必要
実務での選び方
例1:新しい生産方式の導入
| 知りたいこと | 検定 |
|---|---|
| 新方式は従来より不良率が低いか | 片側検定 |
理由
| 内容 |
|---|
| 不良率が上がるなら導入しない |
| 知りたいのは「下がるかどうか」だけ |
例2:2つの仕入先の品質比較
| 知りたいこと | 検定 |
|---|---|
| 2社の品質に差があるか | 両側検定 |
理由
| 内容 |
|---|
| どちらが良いか事前に想定がない |
| 差があるかどうかを知りたい |
例3:広告の効果測定
| 知りたいこと | 検定 |
|---|---|
| 広告は認知度を上げたか | 片側検定 |
理由
| 内容 |
|---|
| 広告で認知度が下がることは想定しない |
| 上がったかどうかを知りたい |
ただし注意
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 逆効果の可能性がある | 両側検定にする |
| 炎上のリスクがある広告 | 同上 |
「想定外の方向を無視してよいか」を考える——片側検定を選ぶときの判断基準です。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a 違うということだけを検定する場合は、両側検定を用いる。
> b 有意水準を5%に設定した場合、両側検定の棄却域は分布の両端に各2.5%となる。
> c 片側検定と両側検定のどちらを行うかは、検定の結果を見てから決めればよい。
解答 a:○ b:○ c:×

両側検定と片側検定(1/2)

両側検定と片側検定(2/2)
試験のポイント
| 負の相関関係 |
| 何で決まるか | 検定の有意水準と検定力 |
② 第1種の過誤
帰無仮説が正しいとき、間違って帰無仮説を棄却する誤りのことです。
第1種の過誤が起こる確率を危険率(有意水準に等しい)といいます。
第1種の過誤を犯す確率は、「α(アルファ)」として表されることが多いです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| どんな誤りか | 帰無仮説が正しいとき、間違って帰無仮説を棄却する |
| 確率の呼び方 | 危険率(有意水準に等しい) |
| 記号 | α(アルファ) |
③ 第2種の過誤
対立仮説が正しいとき、間違って帰無仮説を受容する誤りのことです。
また、対立仮説が正しいとき、正しく帰無仮説を棄却できる確率を検定力(検出力)といいます。
第2種の過誤を犯す確率は、「β(ベータ)」として表されることが多いです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| どんな誤りか | 対立仮説が正しいとき、間違って帰無仮説を受容する |
| 記号 | β(ベータ) |
④ 検定力(検出力)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何の確率か | 対立仮説が正しいとき、正しく帰無仮説を棄却できる確率 |
| 計算 | 1 − β |
⑤ 2×2の表で整理する
| 帰無仮説を棄却 | 帰無仮説を受容 | |
|---|---|---|
| 帰無仮説が正しい | 第1種の過誤(α) | ○(正しい判断) |
| 対立仮説が正しい | ○(検定力) | 第2種の過誤(β) |
この表がそのまま出題されます。
⑥ 2つの過誤の覚え方
| 過誤 | 何が正しいか | 何をしてしまうか |
|---|---|---|
| 第1種 | 帰無仮説 | 棄却してしまう |
| 第2種 | 対立仮説 | 受容してしまう |
「正しいほうを否定する」のが誤り
| 過誤 | 否定してしまうもの |
|---|---|
| 第1種 | 正しい帰無仮説を否定 |
| 第2種 | 正しい対立仮説を否定(帰無仮説を受容することで) |
⑦ 実務的な意味
| 過誤 | 実務での意味 |
|---|---|
| 第1種の過誤 | 効果がないのに「効果あり」と判断する |
| 第2種の過誤 | 効果があるのに「効果なし」と判断する |
⑧ 「あわてものの誤り」と「ぼんやりものの誤り」
| 過誤 | 別名 | 性格 |
|---|---|---|
| 第1種の過誤 | あわてものの誤り | 急いで結論を出してしまう |
| 第2種の過誤 | ぼんやりものの誤り | 見逃してしまう |
この呼び方で覚えると忘れにくくなります。
⑨ 負の相関関係
2つの過誤のリスクには負の相関関係があります。
| αを小さくすると | βは |
|---|---|
| 有意水準を厳しくする | 大きくなる |
| αを大きくすると | βは |
|---|---|
| 有意水準を緩くする | 小さくなる |
両方を同時に小さくすることはできない
⑩ なぜトレードオフになるのか
| 判断を厳しくすると | 判断を緩くすると |
|---|---|
| めったに棄却しない | 棄却しやすい |
| 誤って棄却する誤り(第1種)は減る | 第1種は増える |
| 本当は棄却すべきものも棄却しない(第2種)が増える | 第2種は減る |
⑪ 両方を減らす唯一の方法
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 標本サイズを増やす | 両方の過誤を減らせる |
データが増えると判断の精度が上がる——これが唯一の解決策です。
⑫ 第13章とのつながり
第13章の二値分類問題の評価指標と、構造が同じです。
| 統計的検定 | 二値分類 |
|---|---|
| 第1種の過誤(α) | 偽陽性(FP) |
| 第2種の過誤(β) | 偽陰性(FN) |
| 検定力(1−β) | 再現率 |
同じ構造の話が、別の分野で登場する——両方を対応させて理解すると定着しやすくなります。
⑬ 医療診断との対応
| 過誤 | 医療診断での意味 |
|---|---|
| 第1種の過誤 | 健康なのに病気と判定する |
| 第2種の過誤 | 病気なのに健康と判定する |
どちらの損害が大きいかで、基準を決める——第13章で学んだ考え方と同じです。
具体例
設例 第1種の過誤と第2種の過誤
> 次の記述の正誤を判定せよ。(令和4年度第23問 改題)
> a 第1種の過誤とは、帰無仮説が正しいとき、間違って帰無仮説を棄却する誤りのことである。
> b 第2種の過誤とは、対立仮説が正しいとき、間違って帰無仮説を受容する誤りのことである。
> c 第1種の過誤を犯す確率は「β(ベータ)」、第2種の過誤を犯す確率は「α(アルファ)」として表されることが多い。
解答 a:○ b:○ c:×
記号の対応を確実に
| 過誤 | 記号 |
|---|---|
| 第1種 | α(アルファ) |
| 第2種 | β(ベータ) |
覚え方
| 順序 | 内容 |
|---|---|
| 第1種 → α(1番目のギリシャ文字) | 順番が一致 |
| 第2種 → β(2番目のギリシャ文字) | 同上 |
実務での2つの過誤を、具体例で
例1:新商品の投入判断
| 過誤 | 起きること | 損害 |
|---|---|---|
| 第1種 | 売れないのに「売れる」と判断して投入 | 在庫、開発費用の損失 |
| 第2種 | 売れるのに「売れない」と判断して見送り | 機会損失 |
どちらの損害が大きいか
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 初期投資が大きい | 第1種を避ける(有意水準を厳しく) |
| 市場機会が限定的 | 第2種を避ける(有意水準を緩く) |
例2:品質検査
| 過誤 | 起きること | 損害 |
|---|---|---|
| 第1種 | 良品を不良と判定 | 廃棄、再検査の費用 |
| 第2種 | 不良を良品と判定 | クレーム、回収、信用失墜 |
この場合は第2種の損害が大きい
| 対応 | 内容 |
|---|---|
| 判定基準を緩くする | 不良と判定しやすくする |
| 第2種の過誤(見逃し)を減らす | 第1種は増えるが許容する |
例3:設備投資の判断
| 過誤 | 起きること | 損害 |
|---|---|---|
| 第1種 | 効果がないのに投資する | 投資の損失 |
| 第2種 | 効果があるのに投資しない | 競争力の低下 |
中小企業では第1種を重く見ることが多い
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 資金的な余裕が小さい | 失敗の影響が大きい |
| やり直しがきかない | 一度の失敗が致命的になりうる |
ただし機会損失も考える
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 慎重すぎて何も投資しない | 緩やかに衰退する |
| 競合が先に動く | 取り返せなくなる |
「どちらも損害である」という認識
| 動く | 動かない | |
|---|---|---|
| リスク | 失敗のリスク | 機会損失のリスク |
「動かないこと」もリスク——これが第2種の過誤の実務的な意味です。
トレードオフを数字で見る
状況:品質検査の基準を設定する
基準を厳しくした場合(α小、β大)
| 項目 | 件数 |
|---|---|
| 良品を不良と判定(第1種) | 月5件 |
| 不良を良品と判定(第2種) | 月18件 |
基準を緩くした場合(α大、β小)
| 項目 | 件数 |
|---|---|
| 良品を不良と判定(第1種) | 月40件 |
| 不良を良品と判定(第2種) | 月2件 |
損害を金額で比較する
| 過誤 | 1件あたりの損害 |
|---|---|
| 第1種(良品の廃棄) | 2,000円 |
| 第2種(不良品の流出) | 50,000円 |
厳しい基準の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 第1種 5件 × 2,000円 | 10,000円 |
| 第2種 18件 × 50,000円 | 900,000円 |
| 合計 | 910,000円 |
緩い基準の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 第1種 40件 × 2,000円 | 80,000円 |
| 第2種 2件 × 50,000円 | 100,000円 |
| 合計 | 180,000円 |
緩い基準のほうが損害が小さい
損害の大きさで基準を決める——これが実務的な最適化です。
両方を減らす方法
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 標本サイズ(検査数)を増やす | 判断の精度が上がる |
| 測定の精度を上げる | ばらつきが減る |
| 判定の方法を改善する | より的確な指標を使う |
標本サイズを増やすことの効果
| 検査数 | 第1種 | 第2種 |
|---|---|---|
| 少ない | 多い | 多い |
| 多い | 少ない | 少ない |
ただし費用がかかる
| 判断 | 内容 |
|---|---|
| 検査を増やす費用 | 人件費、時間 |
| 過誤による損害 | 上記の計算 |
| どちらが小さいか | 比較して決める |
「全数検査か抜取検査か」の判断
運営管理で学ぶ品質管理の論点と、直接つながります。
| 検査 | 過誤 |
|---|---|
| 全数検査 | 理論上は第2種の過誤がゼロに近い |
| 抜取検査 | 第2種の過誤が残る |
全数検査でも過誤は残る
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 検査そのものに誤りがある | 人の見落とし、測定の誤差 |
「全数検査すれば完璧」ではない——この認識も実務では重要です。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a 第1種の過誤が起こる確率を危険率といい、有意水準に等しい。
> b 対立仮説が正しいとき、正しく帰無仮説を棄却できる確率を検定力(検出力)という。
> c 第1種の過誤と第2種の過誤のリスクには正の相関関係があり、一方を減らせば他方も減る。
解答 a:○ b:○ c:×

検定の2種類の誤り
試験のポイント
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