経営とIT
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プレミアムで見るコンピュータシステムが世の中に登場し、企業や個人において利用されていくにつれ、情報システムはさまざまな変化を遂げてきました。情報システムが企業経営に活用され始めた1960年代から今日まで、情報システムの利用形態は4つの変遷を経ています。この節では、その流れを「集中と分散の往復」という視点で整理します。この視点を持っておくと、後の章で学ぶクラウドやエッジの意味が、単なる新しい用語ではなく、歴史の中の位置として理解できるようになります。
簡単にいうと
集中 → 分散 → 集中 → 分散。実は行ったり来たりしているんだよ!この往復に気づくと、それぞれの時代が何を解決しようとしたかが見えてくるよ。
① 4つの変遷
情報システムが企業経営に活用され始めた1960年代から今日まで、情報システムの利用形態は4つの変遷を経ました。
| 時期 | 形態 | 中心となるもの |
|---|---|---|
| 1960年代〜70年代 | 集中コンピューティング | 汎用機(メインフレーム) |
| 1980年代〜1990年代 | 分散コンピューティング | クライアント/サーバー型 |
| 2000年代後半〜 | 集中コンピューティング | クラウドコンピューティング |
| 2010年代半ば〜 |
具体例
中小企業の情報システムも、同じ流れをたどってきた
| 時期 | 中小企業の実態 |
|---|---|
| 1980年代 | オフコン(オフィスコンピュータ)を導入 |
| 1990年代 | パソコンとサーバを社内に設置 |
| 2000年代 | 業務パッケージを社内サーバで運用 |
| 2010年代〜 | クラウドサービスに移行 |
オフコンの時代
| 特徴 |
|---|

情報システムの変遷
試験のポイント
簡単にいうと
クラウドの定義は米国国立標準技術研究所(NIST)のもの!長いけれど、キーワードを拾えば大丈夫。そして対になる言葉が「オンプレミス」だよ。
① クラウドコンピューティングの定義
クラウドコンピューティングとは、米国国立標準技術研究所によると、次のように定義されます。
「共用の構成可能なコンピューティングリソース(ネットワーク、サーバー、ストレージ、アプリケーション、サービス)の集積に、どこからでも、簡便に、必要に応じて、ネットワーク経由でアクセスすることを可能とするモデルであり、最小限の利用手続きまたはサービスプロバイダとのやりとりで速やかに割当てられ提供されるものである。」
また、単に「クラウド」とよばれることもあります。
② 定義を分解する
| 部分 | 内容 |
|---|---|
簡単にいうと
クラウドが普及したからこそ出てきた課題を解決するのがエッジ!回線コスト・回線への負荷・ダウンのリスク・サイバー攻撃・リアルタイム処理——この5つが背景だよ。
① 登場の背景
クラウドコンピューティングの普及が進み用途が拡大するにつれ、次の問題が生じました。
| 問題 |
|---|
| 回線コスト |
| 回線への負荷 |
| クラウドがダウンするリスク |
| サイバー攻撃のリスク |
また、リアルタイムな情報処理が要求される場面も出てきました。
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| エッジコンピューティング |
② 1960年代から70年代:汎用機の時代
1960年代から70年代は、汎用機(メインフレーム)が中心となり情報を処理していました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形態 | 集中コンピューティング |
| データ保管・処理 | すべて集中 |
③ 1980年代から1990年代:クライアント/サーバーの時代
1980年代から1990年代はパソコンの普及を受け、クライアント/サーバー型の情報処理が主流となっていきました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形態 | 分散コンピューティング |
| 大規模なデータ保管・処理 | 集中 |
| 小規模なデータ保管・処理 | 分散 |
④ 2000年代後半から:クラウドの時代
2000年代後半からは、世界的にクラウドコンピューティングの普及が始まりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形態 | 集中コンピューティング |
| 大規模なデータ保管・処理 | 集中 |
| 小規模なデータ保管・処理 | 分散 |
⑤ 2010年代半ば以降:エッジの時代
必要な一部の情報処理を端末に近いネットワークの周辺部(エッジ)で行うエッジコンピューティングが注目され、各社で取組が行われています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形態 | 分散コンピューティング |
| 大規模なデータ保管・処理 | 集中 |
| 小規模なデータ保管・処理 | 分散 |
| 低遅延が求められる処理 | 分散 |
⑥ 集中と分散の往復
| 時期 | 集中/分散 |
|---|---|
| 1960年代〜 | 集中 |
| 1980年代〜 | 分散 |
| 2000年代〜 | 集中 |
| 2010年代半ば〜 | 分散 |
なぜ往復するのか
| 方向 | 動機 |
|---|---|
| 集中へ | 管理しやすい、資源を効率的に使える |
| 分散へ | 手元で速く処理できる、集中の負荷を避けられる |
どちらにも利点があるため、技術環境の変化に応じて振り子のように動く——これが4つの変遷の構造です。
⑦ 各時代が解決しようとした課題
| 時期 | 前の時代の課題 | 解決の方向 |
|---|---|---|
| 1980年代〜 | 汎用機は高価で、端末は融通が利かない | パソコンに処理を分散 |
| 2000年代〜 | 各社が自前でサーバを持つのは非効率 | クラウドに集中 |
| 2010年代半ば〜 | 回線の負荷、遅延、クラウド障害のリスク | エッジに分散 |
⑧ 端末の変化も見る
| 時期 | 端末 |
|---|---|
| 1960年代〜 | 専用端末 |
| 1980年代〜 | パソコン |
| 2000年代〜 | パソコン、タブレット、スマートフォン |
| 2010年代半ば〜 | 加えて、車両、産業機器、各種のIoT機器 |
端末が増え、多様になったことが、エッジコンピューティングが必要になった背景にあります。
⑨ 第7章とのつながり
第7章のシステム構成技術で学んだ集中処理と分散処理、クライアントサーバシステムが、ここでは歴史の流れとして整理されています。
| 第7章で学んだこと | ここでの位置づけ |
|---|---|
| 集中処理 | 1960年代〜、2000年代〜 |
| 分散処理 | 1980年代〜、2010年代半ば〜 |
| クライアントサーバシステム | 1980年代〜の主流 |
| 1台で全部 | 販売管理も会計も1台で |
| 専用端末 | 決まった画面しか使えない |
| メーカー依存 | 保守もメーカー任せ |
今でも残っている企業がある
| 状況 | 起きていること |
|---|---|
| 20年前のオフコンが現役 | 動いているから使い続けている |
| 保守が終了している | 壊れたら復旧できない |
| 中身が分からない | 作った人がいない |
第9章で学んだリバースエンジニアリングが必要になる場面です。
クラウドへの移行が進んだ理由
| 従来(オンプレミス) | クラウド |
|---|---|
| サーバを買う(初期投資) | 月額で借りる |
| 故障に備えて予備が要る | 事業者が担保する |
| 保守要員が要る | 事業者が運用する |
| 場所が要る | 不要 |
中小企業にとっての意味が大きい
| 従来の壁 | クラウドで解消されること |
|---|---|
| 初期投資が大きい | 月額なら始めやすい |
| IT担当者がいない | 運用は事業者が行う |
| サーバ室がない | 不要 |
「IT担当者がいなくてもシステムが持てる」——これがクラウド普及の最大の要因です。
それでも残る課題
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 回線が止まると使えない | インターネットが前提 |
| 事業者に依存する | サービス終了のリスク |
| データが外部にある | セキュリティの懸念 |
1つ目が実務的に重い
| 状況 | 影響 |
|---|---|
| 回線障害 | 業務がすべて止まる |
| クラウド事業者の障害 | 自社では何もできない |
対策
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 回線を二重化する | モバイル回線を予備に |
| 手作業の手順を決めておく | 止まったときに業務を続ける |
| 重要なデータは手元にも持つ | 完全に依存しない |
エッジコンピューティングが注目される背景
| 場面 | なぜエッジが要るか |
|---|---|
| 自動運転 | クラウドとの往復では間に合わない |
| 工場の異常検知 | 即座に止める必要がある |
| 防犯カメラの映像解析 | すべてを送ると回線が持たない |
3つ目の例で考える
| 方式 | データ量 |
|---|---|
| 全映像をクラウドへ送る | 膨大 |
| エッジで解析し、異常時だけ送る | わずか |
「手元で処理してから送る」ことで、回線の負荷と遅延を減らせる——これがエッジの発想です。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a 1960年代から70年代は、汎用機(メインフレーム)が中心となり情報を処理していた。
> b 1980年代から1990年代はパソコンの普及を受け、クライアント/サーバー型の情報処理が主流となっていった。
> c 2000年代後半からは、必要な一部の情報処理を端末に近いネットワークの周辺部で行うエッジコンピューティングの普及が始まった。
解答 a:○ b:○ c:×
| 共用の構成可能なコンピューティングリソースの集積に |
| どこから | どこからでも |
| どのように | 簡便に、必要に応じて、ネットワーク経由でアクセスする |
| 提供のされ方 | 最小限の利用手続きまたはサービスプロバイダとのやりとりで速やかに割当てられ提供される |
③ コンピューティングリソースの中身
| リソース |
|---|
| ネットワーク |
| サーバー |
| ストレージ |
| アプリケーション |
| サービス |
④ 定義のキーワード
| キーワード | 意味するもの |
|---|---|
| 共用の | 複数の利用者で分け合う |
| 構成可能な | 必要に応じて組み替えられる |
| どこからでも | 場所を問わない |
| 必要に応じて | 使いたいときに使いたいだけ |
| 速やかに割当てられ | 申し込んですぐ使える |
⑤ オンプレミス
情報システムとしてクラウドコンピューティングの利用が広がる中で、従来の企業内に構築する汎用機やクライアント/サーバー型の情報システムは、「オンプレミス」とよばれています。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| オンプレミス | 従来の、企業内に構築する情報システム |
premises は「構内、敷地」——「自社の敷地の中にある」という意味です。
⑥ クラウドとオンプレミスの比較
| 項目 | オンプレミス | クラウド |
|---|---|---|
| 設置場所 | 自社内 | 事業者のデータセンター |
| 初期費用 | 大きい(機器の購入) | 小さい |
| 月々の費用 | 保守費用 | 利用料 |
| 導入期間 | 長い(調達と構築) | 短い |
| 拡張 | 機器の追加が必要 | 申し込みで増やせる |
| カスタマイズ | 自由度が高い | 制約がある |
| 運用 | 自社で行う | 事業者が行う |
⑦ 「オンプレミス」という言葉が生まれた理由
| 時期 | 呼び方 |
|---|---|
| クラウド以前 | 単に「システム」(区別する必要がなかった) |
| クラウド以後 | 「オンプレミス」(クラウドと区別するため) |
新しい方式が出てきたので、従来の方式に名前が付いた——という順序です。
⑧ 選択は二者択一ではない
| 形態 | 内容 |
|---|---|
| オンプレミス | すべて自社内 |
| クラウド | すべてクラウド |
| ハイブリッド | 両方を組み合わせる |
組み合わせの例
| データ | 置き場所 |
|---|---|
| 機密性の高いデータ | オンプレミス |
| 一般的な業務システム | クラウド |
⑨ クラウドの詳細は第12章で
クラウドのサービス形態(SaaS・PaaS・IaaS)や実装モデル(パブリック・プライベート・コミュニティ・ハイブリッド)については、第12章で詳しく学びます。
ここでは、情報システムの歴史の中での位置づけとして押さえておきましょう。
具体例
クラウドの定義を、身近な例で理解する
「共用の」
| オンプレミス | クラウド |
|---|---|
| 自社専用のサーバ | 複数の利用者でハードウェアを分け合う |
マンションと一戸建てにたとえる
| 一戸建て(オンプレミス) | マンション(クラウド) | |
|---|---|---|
| 建物 | 自分で建てる | 借りる |
| 維持 | 自分で | 管理会社が |
| 広さを変える | 増築が必要 | 引っ越せばよい |
| 自由度 | 高い | 制約がある |
「必要に応じて」
| 場面 | クラウドでできること |
|---|---|
| 年末の繁忙期だけ処理が増える | その期間だけ増やす |
| 落ち着いたら戻す | 費用も戻る |
オンプレミスだとこうはいかない
| 状況 | 必要なこと |
|---|---|
| ピーク時に合わせて機器を買う | 普段は余る |
| 余った分も費用がかかる | 減価償却、保守費用 |
「ピークに合わせて買う」ことの無駄
| 時期 | 必要な能力 | 保有する能力 |
|---|---|---|
| 通常期 | 30% | 100% |
| 繁忙期 | 100% | 100% |
年間を通じて7割が遊んでいる——これがオンプレミスの構造的な非効率です。
「速やかに割当てられ」
| オンプレミス | クラウド | |
|---|---|---|
| サーバ1台を用意する | 発注から納品、設置、設定で数週間 | 数分 |
この速さが意味すること
| 場面 | 効果 |
|---|---|
| 新しい事業を試したい | すぐ始められる |
| うまくいかなければ | すぐやめられる |
「試して、だめならやめる」ができる——アジャイル開発の発想が現実的になった背景に、この速さがあります。
中小企業のクラウド移行の判断
| 検討項目 | 確認すること |
|---|---|
| 費用 | 5年間の総額で比較する |
| 機能 | 自社の業務に合うか |
| セキュリティ | どこの国のデータセンターか |
| 回線 | 十分な速度があるか |
| 移行 | 既存データを移せるか |
「5年間の総額で比較する」理由
| オンプレミス | クラウド | |
|---|---|---|
| 初期 | 500万円 | 0円 |
| 年額 | 50万円(保守) | 120万円(利用料) |
| 5年総額 | 750万円 | 600万円 |
初期費用だけ見ると逆の判断になる——第3節で学ぶTCOの考え方が、ここで必要になります。
移行できないケース
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 独自の業務に合わせて作り込んでいる | クラウドのパッケージでは対応できない |
| 他システムとの連携が複雑 | 移行の費用が大きい |
| 回線が不安定な立地 | 業務が止まるリスク |
「作り込みすぎた」ことが移行の壁になる
| 作り込みが少ない | 作り込みが多い | |
|---|---|---|
| クラウドへの移行 | 容易 | 困難 |
| 業務の標準化 | 進んでいる | 進んでいない |
第9章で学んだBPR——業務をパッケージに合わせるという判断が、後の選択肢を広げることになります。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a クラウドコンピューティングは、共用の構成可能なコンピューティングリソースの集積に、どこからでも、簡便に、必要に応じて、ネットワーク経由でアクセスすることを可能とするモデルである。
> b 従来の企業内に構築する汎用機やクライアント/サーバー型の情報システムは、「オンプレミス」とよばれる。
> c クラウドコンピューティングの普及は、1980年代から始まった。
解答 a:○ b:○ c:×

クラウドコンピューティングとオンプレミス(1/2)

クラウドコンピューティングとオンプレミス(2/2)
試験のポイント
② エッジコンピューティングとは
そこで、2010年代半ば以降、必要な一部の情報処理を端末に近いネットワークの周辺部(エッジ)で行うエッジコンピューティングが注目され、各社で取組が行われています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| どこで処理するか | 端末に近いネットワークの周辺部(エッジ) |
| 何を処理するか | 必要な一部の情報処理 |
| 時期 | 2010年代半ば以降 |
edge は「端、周辺」——中心(クラウド)ではなく、端(利用者の近く)という位置を表しています。
③ 処理の分担
| 処理 | どこで |
|---|---|
| 大規模なデータ保管・処理 | 集中(クラウド) |
| 小規模なデータ保管・処理 | 分散 |
| 低遅延が求められる処理 | 分散(エッジ) |
④ 4つの問題がどう解決されるか
| 問題 | エッジによる解決 |
|---|---|
| 回線コスト | 送るデータが減る |
| 回線への負荷 | 同上 |
| クラウドがダウンするリスク | エッジだけで動く部分がある |
| リアルタイムな情報処理 | 往復しないので速い |
⑤ 遅延(レイテンシ)の問題
| 方式 | 処理の流れ |
|---|---|
| クラウドのみ | 端末 → クラウド → 処理 → 端末(往復の時間がかかる) |
| エッジ | 端末 → エッジ → 処理 → 端末(近いので速い) |
距離が短いほど、往復の時間は短くなる——これが低遅延の理由です。
⑥ 具体的な適用場面
| 場面 | なぜエッジが必要か |
|---|---|
| 自動運転 | 一瞬の判断が求められる |
| 工場の設備制御 | 異常を即座に止める |
| 監視カメラの映像解析 | 全映像を送ると回線が持たない |
| 店舗の来客分析 | 同上 |
⑦ IoTとの関係
第13章で学ぶIoT(Internet of Things)の普及が、エッジコンピューティングを必要にしました。
| 変化 | 内容 |
|---|---|
| つながる機器が増えた | センサー、カメラ、機械、車両 |
| データ量が爆発的に増えた | すべてをクラウドに送れない |
⑧ 「一部の情報処理」という点
エッジはクラウドを置き換えるものではありません。
| 処理 | 場所 |
|---|---|
| 即座の判断が要るもの | エッジ |
| 蓄積して分析するもの | クラウド |
役割を分担する
| エッジ | クラウド |
|---|---|
| その場で判断する | 全体を見て学習する |
| 異常を検知して止める | 異常の傾向を分析する |
⑨ 集中と分散の最新の形
| 時期 | 形 |
|---|---|
| 2000年代〜 | すべてクラウドへ(集中) |
| 2010年代半ば〜 | クラウドとエッジの役割分担(分散) |
完全な分散ではなく、集中と分散の組み合わせ——これが現在の形です。
⑩ 第12章とのつながり
エッジコンピューティングは、第12章「IT資産管理」でも独立した節として扱われます。
ここでは、情報システムの変遷という歴史の流れの中での位置づけを押さえておきましょう。
具体例
エッジコンピューティングを、身近な例で
例1:コンビニの防犯カメラ
| 方式 | 内容 | データ量 |
|---|---|---|
| 全映像をクラウドへ | 24時間分の映像を送り続ける | 膨大 |
| エッジで解析 | 不審な動きを検知したときだけ送る | わずか |
回線費用の違い
| 方式 | 月額回線費用の目安 |
|---|---|
| 全映像を送る | 高い |
| 異常時のみ送る | 安い |
店舗数が増えるほど差が広がる
| 店舗数 | 差 |
|---|---|
| 1店舗 | 小さい |
| 100店舗 | 大きい |
例2:工場の設備監視
| 方式 | 異常検知から停止まで |
|---|---|
| クラウドで判断 | 往復の時間がかかる |
| エッジで判断 | 即座 |
製造業での意味
| 状況 | 影響 |
|---|---|
| 異常を見逃す | 不良品が大量に発生 |
| 停止が遅れる | 設備が損傷する |
「数秒の差」が損害の大きさを決める——これが製造業でエッジが重視される理由です。
例3:小売店の来客分析
| やりたいこと | 方式 |
|---|---|
| 来店者数を数える | エッジで数えて、数だけ送る |
| 年代・性別を推定する | 同上 |
| 映像そのものは送らない | プライバシーの保護にもなる |
プライバシーの観点
| 方式 | 個人情報 |
|---|---|
| 映像を送る | 外部に個人が識別できる情報が出る |
| エッジで集計して数だけ送る | 個人情報は外に出ない |
エッジは、プライバシー保護の手段にもなる——見落とされやすい利点です。
中小企業でエッジは関係あるか
| 規模 | 関わり方 |
|---|---|
| 大企業 | 自社で設計・構築する |
| 中小企業 | 製品として導入する |
すでに製品に組み込まれている
| 製品 | エッジ処理の例 |
|---|---|
| AI搭載の防犯カメラ | カメラ本体で解析 |
| スマートレジ | 本体で商品を認識 |
| 設備の状態監視装置 | 装置側で異常を判断 |
「エッジコンピューティング」と名乗っていなくても、その仕組みが使われている——これが実態です。
導入を検討するときの視点
| 視点 | 確認すること |
|---|---|
| 回線の状況 | 通信量が多くなりすぎないか |
| 即時性 | その場で判断する必要があるか |
| プライバシー | 外に出したくないデータはあるか |
| 回線断への耐性 | ネットが切れても動くか |
4つ目が中小企業では重要
| 立地 | 状況 |
|---|---|
| 郊外の工場 | 回線が不安定なことがある |
| 地下の店舗 | モバイル回線が入りにくい |
「ネットが切れても最低限は動く」——この設計が、事業継続の観点から求められます。
第7章の障害対策とのつながり
| 考え方 | 内容 |
|---|---|
| 単一障害点をなくす | クラウドだけに依存しない |
| 縮退運転 | エッジだけで最低限動かす |
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a エッジコンピューティングとは、必要な一部の情報処理を端末に近いネットワークの周辺部で行うものである。
> b エッジコンピューティングが注目された背景には、回線コストや回線への負荷、クラウドがダウンするリスクやサイバー攻撃のリスクがある。
> c エッジコンピューティングは、クラウドコンピューティングをすべて置き換えるものである。
解答 a:○ b:○ c:×

エッジコンピューティング(1/2)

エッジコンピューティング(2/2)
試験のポイント
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