IT資産管理
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プレミアムで見るITアウトソーシングとは、システム開発作業や保守・運用作業など、コンピュータやインターネット技術に関連した業務を外部企業に委託することです。出したお金に見合うかを問われるようになってから、外の専門家の手を借りる動きが強まりました。自社は得意なところに人と金を寄せる、という考え方です。この節では、代表的な事業者と形態を学びます。とくにハウジングサービスとホスティングサービスは、令和4年度第22問で内容を入れ替えた出題がされました。「誰がサーバを持つのか」で区別しましょう。
簡単にいうと
ITアウトソーシングとBPOの違いは「何を委託するか」!IT関連の業務ならITアウトソーシング、総務・人事・経理などの定常業務ならBPOだよ。
① ITアウトソーシング(ITO:Information Technology Outsourcing)とは
ITアウトソーシングとは、システム開発作業や保守・運用作業など、コンピュータやインターネット技術に関連した業務を外部企業に委託することです。
| 委託する業務の例 |
|---|
| システム開発作業 |
| 保守・運用作業 |
② 活発になった背景
IT投資への費用対効果が重視されるようになった昨今、外部専門家のノウハウを活用し、自社のコアコンピタンスへ経営資源を集中する動きが活発になっています。
| 背景 | 内容 |
|---|---|
| 費用対効果の重視 | 自社で抱えるより外部を使うほうが効率的な場合がある |
| 外部専門家のノウハウの活用 | 専門性が高い領域 |
具体例
中小企業がITアウトソーシングを検討する場面
状況:従業員50名の製造業。情報システム担当は1名
抱えている課題
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 担当者が1名 | 休めない。辞められたら止まる |
| 専門性が足りない | セキュリティ、ネットワーク |
| 本来の業務ができない | 問い合わせ対応に追われる |
委託の候補
| 業務 |
|---|

ITアウトソーシングとBPO(1/2)

ITアウトソーシングとBPO(2/2)
試験のポイント
簡単にいうと
3つの事業者! ISP・ASP・iDC。ISPが接続、ASPがアプリケーション、iDCがデータセンター。ASPとSaaSが明確に区分されていないのも押さえておこう。
① 3つの代表的な事業者
ITアウトソーシングの外部委託先となる、代表的なサービス事業者は次のとおりです。
② ISP(Internet Service Provider)
ISPとは、巨大なネットワークであるインターネット環境を管理する事業者です。
私たち個人や企業がインターネットに接続するためには、ISPが提供するインターネット接続サービスを利用しなくてはなりません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何をする |
簡単にいうと
ハウジングとホスティングの違いは「誰がサーバを持つか」!ユーザが持つのがハウジング、事業者が持つのがホスティング。令和4年度で入れ替えて出題されたよ。
① 2つの代表的な形態
代表的なITアウトソーシング形態は次の2つです。
② ハウジングサービス
ハウジングサービスとは、ユーザ保有のサーバをサービス事業者の施設内に設置して保守・運用する形態です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サーバの所有者 | ユーザ |
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| 自社の強みに経営資源を集中する |
③ コアコンピタンスとは
企業経営理論で学ぶ概念です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| コアコンピタンス | 他社に真似できない、自社の中核的な能力 |
④ どこまで外に出すか
| 業務 | 判断 |
|---|---|
| 自社の競争力の源泉 | 自社で持つ |
| 他社と差がつかない業務 | 外に出してよい |
ITの領域でも同じ
| 業務 | 判断の目安 |
|---|---|
| 業務の標準的な運用 | 外に出しやすい |
| 自社独自の強みを実現するシステム | 慎重に判断 |
⑤ BPO(Business Process Outsourcing)
総務、人事、経理、給与計算関係のデータ入出力を中心とした定常業務を外部企業に委託することを、ITアウトソーシングと区別してBPOとよびます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象業務 | 総務、人事、経理、給与計算関係のデータ入出力を中心とした定常業務 |
| 位置づけ | ITアウトソーシングと区別される |
⑥ ITアウトソーシングとBPOの違い
| ITアウトソーシング | BPO | |
|---|---|---|
| 委託するもの | コンピュータやインターネット技術に関連した業務 | 総務、人事、経理、給与計算関係のデータ入出力を中心とした定常業務 |
| 性格 | IT業務そのもの | 業務プロセス |
「IT業務」か「業務プロセス」か——この対比で区別します。
⑦ 具体例で比較する
| 委託内容 | 分類 |
|---|---|
| サーバの運用管理 | ITアウトソーシング |
| システムの保守 | ITアウトソーシング |
| ヘルプデスクの運営 | ITアウトソーシング |
| 給与計算の代行 | BPO |
| 経理伝票の入力代行 | BPO |
| 社会保険の手続き代行 | BPO |
⑧ BPOが中小企業で使われる場面
| 業務 | 委託先 |
|---|---|
| 記帳・経理 | 会計事務所 |
| 給与計算 | 社会保険労務士事務所、専門業者 |
| 社会保険手続き | 社会保険労務士事務所 |
中小企業はすでにBPOを使っている
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 顧問税理士に記帳を任せている | 実質的にBPO |
| 社労士に給与計算を任せている | 同上 |
⑨ アウトソーシングのメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 専門性を活用できる | 自社にない知識と経験 |
| 要員を抱えなくてよい | 固定費の変動費化 |
| 本業に集中できる | コアコンピタンスへの集中 |
| 品質が安定する | 専門業者のノウハウ |
⑩ アウトソーシングのデメリット
| デメリット | 内容 |
|---|---|
| 社内にノウハウが蓄積しない | 依存が深まる |
| 変更に時間がかかる | 都度の依頼が必要 |
| 費用が固定化する | 長期契約 |
| 委託先に依存する | 切り替えが難しい |
1つ目が最も重要
| 自社で行う | 外部に委託する | |
|---|---|---|
| ノウハウ | 蓄積する | しない |
| 判断力 | 育つ | 育たない |
「何を外に出すか」の判断が、将来の自社の能力を決める——この観点が必要です。
⑪ 第11章とのつながり
前章のITリスク管理で学んだリスクの移転——業務をアウトソーシングするなどして、他者との間でリスクを分散する——も、ITアウトソーシングの一側面です。
| 移転できるもの | 移転できないもの |
|---|---|
| 運用の手間 | 最終的な責任 |
| 技術的な対応 | 顧客に対する説明責任 |
委託しても、委託先の選定責任と監督責任は残る——この点は繰り返し押さえておきましょう。
| 理由 |
|---|
| サーバの監視 | する | 24時間は自社では無理 |
| バックアップの確認 | する | 確実性が上がる |
| セキュリティ対策 | する | 専門性が高い |
| ヘルプデスク(問い合わせ対応) | 一部する | 定型的な質問は委託 |
| 業務システムの企画 | しない | 自社の業務を知る必要がある |
| ベンダとの折衝 | しない | 自社の意思決定 |
「企画と折衝は自社に残す」
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 自社の業務を知っているのは自社 | 外部には分からない |
| 意思決定は自社の責任 | 委託できない |
| ノウハウを残す | 判断力を育てる |
第11章で学んだCIOの役割——経営・現場(業務)・ITの3つの視点を持ち、全体最適を鑑みてIT戦略を立案する——これは委託できない部分です。
委託の効果
| 項目 | 委託前 | 委託後 |
|---|---|---|
| 担当者の業務時間の配分 | 問い合わせ対応70%、企画30% | 問い合わせ対応30%、企画70% |
| 休暇の取得 | 困難 | 可能 |
| 夜間・休日の障害 | 担当者が対応 | 委託先が一次対応 |
費用の比較
| 項目 | 自社のみ | 一部委託 |
|---|---|---|
| 担当者の人件費 | 500万円 | 500万円 |
| 委託費用 | 0円 | 180万円 |
| 合計 | 500万円 | 680万円 |
費用は増える
| 見方 | 判断 |
|---|---|
| 費用だけ見る | 委託しないほうがよい |
| リスクと効果を見る | 委託したほうがよい |
費用以外の効果
| 効果 | 金額換算 |
|---|---|
| 企画業務の時間が増える | 改善による効果 |
| 担当者が休める | 定着率の向上 |
| 属人化が減る | 事業継続性 |
| 夜間障害に対応できる | 停止時間の短縮 |
第11章で学んだBSC——非財務的な評価も行う——の考え方が、ここで必要になります。
委託先を選ぶときの確認事項
| 確認 | 内容 |
|---|---|
| 対応時間 | 平日のみか、24時間か |
| 対応の範囲 | 何をしてくれて、何をしてくれないか |
| エスカレーション | 解決しないときどうするか |
| 報告 | 何をどの頻度で報告するか |
| セキュリティ体制 | 委託先自身の管理は大丈夫か |
| 再委託 | さらに別の会社に出していないか |
「再委託」の確認が抜けやすい
| 状況 | リスク |
|---|---|
| 委託先がさらに外部に出している | 管理が及ばない |
| 個人情報が渡っている | 法令上の問題 |
契約書で確認すべき点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 再委託の可否 | 禁止か、承諾制か |
| 秘密保持 | 範囲と期間 |
| 責任の範囲 | 損害が出たときの扱い |
| 契約終了時 | データの返還・消去 |
最後の項目が実務的に重要
| 状況 | 確認すること |
|---|---|
| 委託をやめる | データは返ってくるか |
| 別の業者に切り替える | 移行に協力してもらえるか |
「やめるときのこと」を契約時に決める——後で交渉すると不利になります。
BPOの活用例
状況:経理担当者が1名で、退職予定
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| 採用する | 人材が見つかるか。教育の期間 |
| BPOを使う | 記帳と給与計算を外部に |
| 組み合わせる | 定型業務を外部に、判断業務を社内に |
3つ目が現実的
| 業務 | 担当 |
|---|---|
| 伝票入力 | 外部(BPO) |
| 給与計算 | 外部(BPO) |
| 支払の判断 | 社内 |
| 資金繰りの管理 | 社内 |
| 経営者への報告 | 社内 |
「作業」は外に、「判断」は中に——この切り分けが、アウトソーシングの基本原則です。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a ITアウトソーシングとは、システム開発作業や保守・運用作業など、コンピュータやインターネット技術に関連した業務を外部企業に委託することである。
> b 総務、人事、経理、給与計算関係のデータ入出力を中心とした定常業務を外部企業に委託することを、BPOとよぶ。
> c ITアウトソーシングが活発になった背景には、自社のコアコンピタンスへ経営資源を集中する動きがある。
解答 a:○ b:○ c:○
いずれも正しい記述です。ITアウトソーシングとBPOの対象業務の違いを押さえておきましょう。
| インターネット環境を管理する |
| 提供するもの | インターネット接続サービス |
③ 第5章とのつながり
第5章のインターネットの概要で学んだ接続サービスの提供者が、このISPです。
| 用語 | 関係 |
|---|---|
| ISP | インターネットへの接続を提供する |
④ ASP(Application Service Provider)
ASPとは、汎用的なアプリケーションの機能をネットワーク経由で複数のユーザに提供する事業者です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供するもの | 汎用的なアプリケーションの機能 |
| 提供方法 | ネットワーク経由 |
| 提供先 | 複数のユーザ |
⑤ ASPとSaaSの関係
前節で学んだとおり、一般的に「ASP」と「SaaS」は、明確には区分されていません。
| ASP | SaaS | |
|---|---|---|
| 提供するもの | 汎用的なアプリケーションの機能 | 各種アプリケーション(ソフトウェア) |
| 区分 | 明確には区分されていない | — |
歴史的には
| 時期 | 呼び方 |
|---|---|
| 2000年前後 | ASP |
| 2006年以降 | SaaS |
呼び方が変わっただけという見方もある——だから「明確には区分されていない」とされます。
⑥ iDC(internet Data Center)
iDCとは、高度なセキュリティや災害耐性を備えたデータセンター内に大量のサーバやネットワーク機器などを設置し、その維持・管理を行う事業者です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設備 | 高度なセキュリティや災害耐性を備えたデータセンター |
| 置くもの | 大量のサーバやネットワーク機器など |
| 行うこと | その維持・管理 |
⑦ iDCの利用形態
iDCにユーザ保有のサーバやネットワーク機器を設置してハウジングサービスを利用する場合や、iDCが保有するサーバやネットワーク機器の一部を借りるホスティングサービスを利用する場合などがあります。
| 形態 | 内容 |
|---|---|
| ハウジングサービス | ユーザ保有の機器を設置する |
| ホスティングサービス | iDCが保有する機器の一部を借りる |
この2つは次のテーマで詳しく扱います。
⑧ 3つの事業者の比較
| 事業者 | 提供するもの |
|---|---|
| ISP | インターネット接続サービス |
| ASP | 汎用的なアプリケーションの機能 |
| iDC | データセンターとその維持・管理 |
⑨ 提供する層で整理する
| 層 | 対応する事業者 |
|---|---|
| アプリケーション | ASP |
| 設備(サーバ、データセンター) | iDC |
| 通信(接続) | ISP |
前節のSaaS・PaaS・IaaSと重ねると
| クラウドの分類 | 近い事業者 |
|---|---|
| SaaS | ASP |
| IaaS | iDC(ホスティング) |
⑩ なぜデータセンターに置くのか
自社に置く場合との比較
| 項目 | 自社 | iDC |
|---|---|---|
| 電源 | 停電すると止まる | 非常用発電設備 |
| 空調 | 必要 | 完備 |
| 耐震 | 一般的な建物 | 耐震・免震設計 |
| セキュリティ | 入退室管理が甘い | 高度な入退室管理 |
| 回線 | 1本 | 複数の回線 |
| 監視 | 常時は難しい | 24時間365日 |
「高度なセキュリティや災害耐性」
| 災害 | iDCの対応 |
|---|---|
| 地震 | 耐震・免震構造 |
| 停電 | 無停電電源装置、非常用発電機 |
| 水害 | 立地の選定、上層階への設置 |
| 火災 | ガス消火設備 |
⑪ 事業継続との関係
| 状況 | 自社設置 | iDC |
|---|---|---|
| 本社が被災した | システムも止まる | システムは動き続ける |
本社とシステムを別の場所に置く——第7章で学んだ災害対策の各種サイトの考え方につながります。
具体例
3つの事業者を、中小企業の視点で見る
ISPとの関係
| 場面 | 確認すること |
|---|---|
| 回線を契約する | 速度、費用、固定IPアドレスの有無 |
| 業務で使う | 上り(アップロード)の速度 |
| 障害時 | 復旧までの時間 |
「上りの速度」が見落とされやすい
| 用途 | 必要な方向 |
|---|---|
| Webの閲覧 | 下り(ダウンロード) |
| クラウドへのデータ送信 | 上り(アップロード) |
| オンライン会議 | 両方 |
| バックアップの転送 | 上り |
家庭向けの回線は上りが遅いことがある
| 回線の種類 | 上りの速度 |
|---|---|
| 一般的な家庭向け | 下りより遅いことが多い |
| 法人向け | 上下同じことが多い |
クラウドを使うなら上りが重要——契約時に確認すべき点です。
「固定IPアドレス」が必要な場面
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| 自社サーバを公開する | アドレスが変わると接続できない |
| VPNで拠点間を結ぶ | 同上 |
| 特定のIPからのみ許可する設定 | アクセス制限 |
ASPの利用
中小企業が使っているASP/SaaSの例。
| 用途 | サービス |
|---|---|
| 会計 | クラウド会計 |
| 給与計算 | クラウド給与 |
| 勤怠管理 | クラウド勤怠 |
| 販売管理 | クラウド販売管理 |
| グループウェア | クラウドグループウェア |
「汎用的なアプリケーション」という点
| 汎用 | 自社専用 | |
|---|---|---|
| 費用 | 安い(複数ユーザで分担) | 高い |
| 合致度 | 標準的な業務に合う | 自社に合う |
| 導入期間 | 短い | 長い |
汎用サービスが合わない場面
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 業界特有の商習慣がある | 標準機能では対応できない |
| 特殊な計算が必要 | 同上 |
対応の選択肢
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| 業界特化型のサービスを探す | 建設業向け、飲食店向けなど |
| 業務を標準に合わせる | BPRの発想 |
| 一部を別途対応する | 表計算ソフトで補う |
| 自社で作る | 費用が大きい |
「業界特化型のサービス」が増えている
| 業界 | 特化型サービスの例 |
|---|---|
| 建設 | 工事原価管理、施工管理 |
| 飲食 | 予約、POS、原価管理 |
| 医療 | 電子カルテ、レセプト |
| 運送 | 配車、動態管理 |
汎用と特化型の間で選ぶ
| 基準 | 判断 |
|---|---|
| 業界特有の業務が中心 | 特化型 |
| 一般的な業務が中心 | 汎用 |
iDCの利用
中小企業がiDCを使う場面
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 自社サーバの置き場所がない | サーバ室がない |
| 災害対策をしたい | 本社が被災してもシステムは残る |
| 停電のリスクを避けたい | 非常用電源がある |
「サーバ室がない」ことの問題
| 置き場所 | 問題 |
|---|---|
| 事務所の隅 | 誰でも触れる。埃、温度 |
| 倉庫 | 温度、湿度 |
| 会議室の棚 | 同上 |
サーバの故障原因
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 高温 | 夏場の空調停止 |
| 埃 | 冷却ファンの目詰まり |
| 停電 | 突然の電源断によるデータ破損 |
| 物理的な接触 | 誤って電源を抜く |
「誤って電源を抜く」は実際に起きる
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 掃除中にコードに足を引っかけた | サーバが停止 |
| 別の機器を挿すために抜いた | 同上 |
iDCに置けばこれらのリスクはなくなる
ただし費用はかかる
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| ラックスペースの利用料 | 月額 |
| 電気代 | 従量または定額 |
| 回線費用 | 月額 |
| 作業のための立ち入り | 都度または定額 |
「立ち入りに手間がかかる」
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 機器を触りたい | 事前申請、身分証明、移動時間 |
| 緊急時 | すぐには行けない |
遠隔で操作できる仕組みが必要——この手間を考えると、クラウドのほうが合理的な場合が多くなります。
クラウドへの流れ
| 段階 | 形態 |
|---|---|
| ① 自社設置 | オンプレミス |
| ② iDCに預ける | ハウジング |
| ③ iDCの機器を借りる | ホスティング |
| ④ クラウドを使う | IaaS、SaaS |
下へ行くほど、自社が持つものが減る——前節で学んだ責任分界の話と重なります。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a ISPとは、巨大なネットワークであるインターネット環境を管理する事業者である。
> b ASPとは、汎用的なアプリケーションの機能をネットワーク経由で複数のユーザに提供する事業者である。
> c iDCとは、ユーザ企業の社内にサーバを設置し、その維持・管理を行う事業者である。
解答 a:○ b:○ c:×

代表的なサービス事業者(1/2)

代表的なサービス事業者(2/2)
試験のポイント
| サービス事業者の施設内 |
③ ハウジングサービスの効果
ユーザは、高速回線や耐震設備、電源設備やセキュリティが確保された専用施設を保有せず、サービス事業者の施設を利用することで、IT投資に係る初期費用を圧縮することができます。
| 保有しなくてよいもの |
|---|
| 高速回線 |
| 耐震設備 |
| 電源設備 |
| セキュリティが確保された専用施設 |
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| IT投資に係る初期費用を圧縮できる | 施設を自前で用意しなくてよい |
④ ホスティングサービス
ホスティングサービスとは、サービス事業者がサーバやネットワーク機器を保有し、その一部を提供する形態です。
ユーザは、サービス事業者が提供するサーバやネットワーク機器を間借りする形となります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サーバの所有者 | サービス事業者 |
| ユーザの立場 | 間借りする |
⑤ 2つの形態の違い
| ハウジングサービス | ホスティングサービス | |
|---|---|---|
| サーバの所有者 | ユーザ | サービス事業者 |
| 設置場所 | 事業者の施設 | 事業者の施設 |
| ユーザがすること | 自分のサーバを預ける | 事業者のサーバを借りる |
設置場所はどちらも事業者の施設——違うのは誰がサーバを持っているかです。
⑥ 語源から覚える
| 用語 | 語源 | 意味 |
|---|---|---|
| ハウジング(housing) | house(家) | 場所を提供する。中に入るもの(サーバ)は自分のもの |
| ホスティング(hosting) | host(主人、もてなす) | 中身ごと提供する |
「家を借りる」か「ホテルに泊まる」か
| ハウジング(家を借りる) | ホスティング(ホテルに泊まる) | |
|---|---|---|
| 家具(サーバ) | 自分で持ち込む | 備え付け |
| 場所 | 借りる | 借りる |
⑦ どちらを選ぶか
| 状況 | 適する形態 |
|---|---|
| 既に自社のサーバがある | ハウジング |
| 特殊な機器を使っている | ハウジング |
| 自由に構成を決めたい | ハウジング |
| サーバを持ちたくない | ホスティング |
| 初期費用を抑えたい | ホスティング |
| 機器の管理をしたくない | ホスティング |
⑧ コロケーションとの関係
前節で学んだとおり、コロケーションサービス=ハウジングサービスです。
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| コロケーション | サーバや回線接続装置などを共同の場所に設置すること |
| そのサービス | コロケーションサービス、またはハウジングサービス |
⑨ 5つの形態の連続性
| 形態 | 機器の所有 | 設置場所 | OS・ミドルウェアの管理 |
|---|---|---|---|
| オンプレミス | ユーザ | ユーザ | ユーザ |
| ハウジング | ユーザ | 事業者 | ユーザ |
| ホスティング | 事業者 | 事業者 | ユーザまたは事業者 |
| IaaS | 事業者 | 事業者 | ユーザ |
| SaaS | 事業者 | 事業者 | 事業者 |
自社が持つものが段階的に減っていく
⑩ ホスティングとIaaSの違い
| ホスティング | IaaS | |
|---|---|---|
| 提供されるもの | 物理的なサーバまたはその一部 | 仮想化されたリソース |
| 柔軟性 | 契約単位で固定 | 必要に応じて増減 |
| 課金 | 月額固定が多い | 従量課金が多い |
仮想化技術の有無が大きな違い
| ホスティング | IaaS | |
|---|---|---|
| 仮想化 | 必須ではない | 前提 |
| 増減 | 契約変更が必要 | すぐできる |
⑪ 判別のポイント
令和4年度第22問で、この2つは入れ替えて出題されました。
| 選択肢の語 | 対応 |
|---|---|
| ユーザはサーバなどの必要な機器を用意して設置し、遠隔から利用する | ハウジング |
| 事業者が提供するサーバを借りて遠隔から利用する | ホスティング |
「誰が機器を用意するか」の一点で判別できます。
具体例
設例 ハウジングとホスティング
> 次の記述の正誤を判定せよ。(令和4年度第22問 改題)
> c ホスティングとは、データセンターが提供するサービスの1つで、ユーザはサーバなどの必要な機器を用意して設置し、遠隔から利用する。
> d ハウジングとは、データセンターが提供するサービスの1つで、事業者が提供するサーバを借りて遠隔から利用する。
解答 c:× d:×
きれいに入れ替えられている
| 選択肢 | 書かれている内容 | 本来の形態 |
|---|---|---|
| c(ホスティング) | ユーザが機器を用意して設置 | ハウジング |
| d(ハウジング) | 事業者が提供するサーバを借りる | ホスティング |
判別の一点
| 問い | 答え |
|---|---|
| 誰が機器を用意するか | ユーザ → ハウジング/事業者 → ホスティング |
覚え方をもう一度
| 用語 | イメージ |
|---|---|
| ハウジング(housing) | 家(場所)を借りる。中身は自分のもの |
| ホスティング(hosting) | もてなしてもらう。中身も相手のもの |
中小企業がハウジングを選ぶ場面
状況:既に自社サーバがあるが、置き場所に不安がある
| 現状の問題 | 内容 |
|---|---|
| 事務所の隅に置いている | 夏場の温度、埃 |
| 停電で止まったことがある | UPSはあるが短時間のみ |
| 誰でも触れる | セキュリティ |
ハウジングに移した場合
| 項目 | 効果 |
|---|---|
| 温度管理 | 適切な空調 |
| 停電対策 | 非常用発電設備 |
| セキュリティ | 入退室管理 |
| 回線 | 高速・冗長化 |
費用
| 項目 | 月額の目安 |
|---|---|
| ラックスペース | 数万円〜 |
| 電気代 | 数千円〜 |
| 回線 | 数万円〜 |
残る課題
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 機器の保守は自社 | 故障したら自分で対応 |
| 現地に行く手間 | 申請、移動 |
| 機器の更新 | 5年ごとに買い替え |
ホスティングを選ぶ場面
状況:Webサイトとメールを運用したい
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| 自社にサーバを置く | 機器、管理、セキュリティすべて自社 |
| ホスティングを使う | 事業者のサーバの一部を借りる |
ホスティングの場合
| 項目 | 誰が |
|---|---|
| 機器の調達 | 事業者 |
| 機器の保守 | 事業者 |
| OSの更新 | 契約による |
| コンテンツの管理 | ユーザ |
費用
| 項目 | 月額の目安 |
|---|---|
| 共用ホスティング | 数千円 |
| 専用ホスティング | 数万円〜 |
共用と専用の違い
| 共用 | 専用 | |
|---|---|---|
| 1台のサーバ | 複数の利用者で共有 | 1社で占有 |
| 費用 | 安い | 高い |
| 他の利用者の影響 | 受ける | 受けない |
| 自由度 | 低い | 高い |
「他の利用者の影響を受ける」
| 状況 | 影響 |
|---|---|
| 同じサーバの他サイトにアクセスが集中 | 自社サイトも遅くなる |
小規模なサイトなら共用で十分
| 用途 | 適する形態 |
|---|---|
| 会社案内のサイト | 共用 |
| ECサイト | 専用またはクラウド |
| 業務システム | クラウド(IaaS) |
今から選ぶならクラウドが多い
| ハウジング・ホスティング | クラウド | |
|---|---|---|
| 増減 | 契約変更が必要 | すぐできる |
| 課金 | 月額固定 | 従量 |
| 機器の更新 | 必要(ハウジング) | 不要 |
ただしハウジングが残る場面もある
| 状況 | 理由 |
|---|---|
| 特殊な機器を使っている | クラウドでは動かない |
| ライセンスの制約 | 物理サーバ単位の課金 |
| 法令上の要求 | 機器の所在の特定 |
「特殊な機器」の例
| 機器 | 用途 |
|---|---|
| 専用の演算装置 | 設計計算、画像処理 |
| セキュリティ装置 | 暗号化の専用機器 |
| 計測機器との接続装置 | 製造現場 |
移行を検討するときの手順
| 順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 現在何をどこに置いているか整理する |
| ② | それぞれの移行の難易度を評価する |
| ③ | 影響の小さいものから移す(リフト&シフト) |
| ④ | 移した後に最適化する |
前節で学んだリフト&シフトの考え方が、ここでも適用されます。
確認してみましょう
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a ハウジングサービスとは、ユーザ保有のサーバをサービス事業者の施設内に設置して保守・運用する形態である。
> b ホスティングサービスでは、ユーザはサービス事業者が提供するサーバやネットワーク機器を間借りする形となる。
> c ハウジングサービスを利用すると、ユーザは高速回線や耐震設備、電源設備やセキュリティが確保された専用施設を自社で保有する必要がある。
解答 a:○ b:○ c:×

ITアウトソーシング
試験のポイント
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