記憶装置の階層と高速化技術
ハードウェア
記憶装置は速いほど高価で少容量!ピラミッド構造を理解しよう!
記憶装置の階層と高速化技術
簡単にいうと
記憶装置は速いほど高価で少容量!ピラミッド構造を理解しよう!
① 記憶装置の階層構造
コンピュータの記憶装置は、速度・容量・コストのバランスによりピラミッド型の階層構造を形成しています。上位ほど高速・高コスト・小容量、下位ほど低速・低コスト・大容量です。
| 階層 | 装置 | 速度 | 容量 |
|---|---|---|---|
| 第1層(最上位) | レジスタ | 最も高速(CPUと同速) | 数十〜数百バイト |
| 第2層 | キャッシュメモリ(SRAM) | 非常に高速 | 数MB〜数十MB |
| 第3層 | 主記憶装置(DRAM) | 高速 | 数GB〜数十GB |
| 第4層 | ディスクキャッシュ | 中速 | 数百MB |
| 第5層(最下位) | 補助記憶装置(SSD/HDD) | 低速 | 数百GB〜数TB |
レジスタはCPU内部にある最小・最速のメモリで、演算の途中結果や現在実行中の命令を保持します。ディスクキャッシュは主記憶装置の一部を使って補助記憶装置のデータを先読みしておく仕組みです。
② キャッシュメモリとヒット率
CPUと主記憶装置の間には大きな速度差があります。この速度差を埋めるために、両者の間に設置される高速メモリがキャッシュメモリです。
CPUがデータを要求したとき、キャッシュメモリにデータが存在することをキャッシュヒット、存在しないことをキャッシュミスと呼びます。キャッシュヒットの割合がヒット率()です。
平均読み出し時間は次の式で計算できます。
ここで、はキャッシュメモリのアクセス時間、は主記憶装置のアクセス時間、はヒット率です。
③ 補助記憶装置の比較
| 項目 | SSD | HDD |
|---|---|---|
| 記録方式 | フラッシュメモリ(半導体) | 磁気ディスク(物理回転) |
| 読み書き速度 | 高速 | 低速(シーク時間が必要) |
| 耐衝撃性 | 高い(駆動部なし) | 低い(ディスク回転のため) |
| 消費電力 | 小さい | 大きい |
| 容量あたり単価 | 高い | 安い |
| 寿命 | 書き換え回数に上限あり | 経年劣化・物理故障 |
また、記憶装置をコンピュータに接続する方式にも違いがあります。
| 方式 | 接続形態 | 特徴 |
|---|---|---|
| DAS | サーバに直接接続 | Direct Attached Storage。構成がシンプルで導入が容易 |
| NAS | LANを経由して接続 | Network Attached Storage。複数ユーザーでファイル共有が可能 |
| SAN | 専用の高速ネットワークで接続 | Storage Area Network。大規模環境向き。高速・高信頼 |
④ 仮想記憶(仮想メモリ)
主記憶装置の容量が不足した場合、補助記憶装置の一部を仮想的に主記憶の延長として利用する仕組みが仮想記憶です。
- スワッピング: プログラム全体を主記憶と補助記憶の間で入れ替える操作
- ページイン: 必要なデータを補助記憶から主記憶に読み込む操作
- ページアウト: 使用頻度の低いデータを主記憶から補助記憶に退避する操作
- スラッシング: ページイン・ページアウトが頻繁に発生しすぎて、CPUがほとんど本来の処理を行えなくなる状態。性能が極端に低下します
スラッシングはメモリ不足の典型的な症状で、「パソコンが急に重くなった」という現象の原因の一つです。
⑤ その他の高速化技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| ガベージコレクション | 使用されなくなったメモリ領域を自動的に解放し、再利用可能にする機構 |
| デュアルチャンネル | 2枚のメモリモジュールを同時に使い、データ転送帯域を2倍にする技術 |
| メモリインタリーブ | メモリを複数のバンク(区画)に分割し、交互にアクセスすることで見かけ上のアクセス速度を向上させる技術 |
| ECC(Error Correcting Code) | メモリ上のビットエラーを検出・訂正する仕組み。サーバ向けメモリに搭載される |
具体例
キャッシュメモリのヒット率計算を、ステップを追って解いてみましょう。
問題: キャッシュメモリのアクセス時間が20ナノ秒(ns)、主記憶装置のアクセス時間が70ナノ秒(ns)、ヒット率が90%のとき、平均読み出し時間はいくらになるか。
ステップ1: 公式を確認します。
ステップ2: 値を代入します。
ns、 ns、
ステップ3: 計算します。
ns
答え: 平均読み出し時間は25ナノ秒です。
ヒット率が高いほど(キャッシュに多くのデータが見つかるほど)、平均読み出し時間はキャッシュメモリのアクセス時間に近づきます。もしヒット率が100%なら nsとなり、キャッシュのみの速度になります。

記憶装置の階層ピラミッド

キャッシュメモリの仕組み

DAS・NAS・SANの構成比較
試験のポイント
- ・要は「キャッシュのヒット率計算が頻出
- ・DAS=直接接続、NAS=LAN接続、SAN=専用ネットワーク」
- ・ヒット率の公式は必ず覚える
- ・スラッシング=ページング頻発で性能低下の現象も頻出ワード
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