ハードウェア
下の動画はこの節の解説ではありません。 解説動画の雰囲気を知っていただくための見本として、「AI・機械学習」の動画を再生します。
この節の解説動画はプレミアム限定です。プレミアムなら全科目・全節が見放題!
プレミアムで見る記憶装置は、この科目でもっとも用語の多い分野のひとつです。ROM、RAM、DRAM、SRAM、EEPROM、フラッシュメモリ——アルファベットの羅列に見えますが、分類の軸はたった1本、「電源を切ったら内容が消えるかどうか」です。この節では、まず半導体メモリを不揮発性と揮発性に分ける大きな地図を描き、そのうえでROM側(消えない)とRAM側(消える)をそれぞれ枝分かれさせていきます。とくにフラッシュメモリのNAND型とNOR型の違いは、令和5年度の本試験でそのまま問われた論点です。表の向きを取り違えないよう、用途とセットで押さえていきましょう。
簡単にいうと
まずは大きな地図から!半導体メモリは「電源を切っても覚えているか」で2つに分かれるだけなんだ。覚えているのがROM、忘れちゃうのがRAM。ここさえ決まれば、あとは枝葉だよ!
① 半導体メモリとは
記憶装置に用いられる代表的な素子として半導体メモリがあります。半導体メモリとは、半導体を用いた記憶媒体のことで、IC(集積回路)メモリともよばれます。
そもそも半導体とは、電気を通しやすい導体と、電気を通さない絶縁体の、ちょうど中間の電気伝導性をもつ物質のことです。条件によって電気を通したり通さなかったりする性質があるため、「通す/通さない」を「1/0」に対応させることで情報を記憶できます。
② 分類の軸は「電源を切ったらどうなるか」
半導体メモリは、記憶の保持方法により不揮発性メモリと揮発性メモリに分かれます。
| 種類 | 電源を切ると | 主な用途 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 不揮発性メモリ | 記憶情報を保持する | 主に補助記憶装置 | ROM、フラッシュメモリ、SSD |
| 揮発性メモリ |
具体例
設例 フラッシュメモリの性質
> 次の記述の正誤を判定せよ。(令和5年度第1問 改題)
> a フラッシュメモリは揮発性メモリであるので、紫外線を照射することでデータを消去できる。
> b フラッシュメモリは不揮発性メモリであるので、電源を切っても記憶していたデータを保持できる。
解答 a:× b:○
身近な機器で確かめる
手元の機器がどちらのメモリを使っているかを考えると、分類が体に入ります。
| 機器・部品 | 使われているメモリ | 理由 |
|---|---|---|
| USBメモリ、SDカード |

半導体メモリの分類ツリー
試験のポイント
簡単にいうと
ROMの4兄弟は「書き込めるか」「消せるか」の2軸で並んでるだけ!マスクROMが一番かたくなで、EEPROMが一番柔軟。そして試験の本命は、フラッシュメモリのNAND型とNOR型の比較だよ!
① ROMの4種類
ROM(Read Only Memory)は、RAMと違って電源を切ってもデータは消えない不揮発性の素子です。書き込みと消去がどこまでできるかによって、4種類に分かれます。
1 マスクROM
製造時に一度データを書き込むと、後から一切書き込みができないメモリです。工場出荷時に内容が確定するため、大量生産する家電の制御プログラムなどに使われてきました。
2 PROM(Programmable ROM)
特殊な装置を用いて一度だけデータを書き込めるようにしたROMです。製造時にはデータは書き込まれず、ユーザがROMライタという装置を使って記録を行います。一度記録を行うと、通常のROMと同じように書き込まれたデータの変更や削除はできません。
3 EPROM(Erasable Programmable ROM)
簡単にいうと
RAMは電源を切ると忘れちゃうメモリ。その中でも、こまめに思い出させないといけないのがDRAM、そうでないのがSRAMだよ。この「リフレッシュが要るか要らないか」が、値段と速さの分かれ道!
① RAMとは
RAM(Random Access Memory)は、電気的に読み書きが可能なメモリです。データを自由に読み書きできますが、電源を切るとデータを失う揮発性の素子です。
Random Accessという名前は、「どの番地にも同じ時間で直接アクセスできる」という性質からきています。テープのように頭から順に送って目的地を探す(シーケンシャルアクセス)のではなく、いきなり目的の番地を指定できる、という意味です。
② DRAM(Dynamic Random Access Memory)
データの記憶は電荷によって行われます。コンデンサに電気をためておき、電気がたまっている状態を1、たまっていない状態を0とする方式です。
ところが電荷は時間とともに減少するため、一定時間ごとに記憶保持のための再書き込み(リフレッシュ)を行う必要があります。放っておくと勝手に忘れてしまうので、定期的に「いま1だったよね」と書き直してやるわけです。Dynamic(動的)という名前は、この絶え間ない書き直しに由来します。
動画・テキスト・過去問・AI添削まですべて網羅!
予備校代の1/10以下で、独学の不安をまるごと解決できます
| 記憶情報が失われる |
| 主に主記憶装置 |
| RAM(DRAM、SRAM) |
「揮発」はガソリンなどが蒸発して消えることを指す言葉です。揮発する=消えると覚えれば、どちらがどちらか迷いません。
ここで一度立ち止まって考えたいのは、なぜ主記憶装置にわざわざ消えるメモリを使うのかという点です。答えは速度と価格です。揮発性のRAMは読み書きが速く、容量あたりの単価も抑えられます。処理中の一時的な置き場所であれば、電源を切ったときに消えても困りません。逆に長期保存が目的の補助記憶装置では、消えないことが絶対条件になります。目的に応じて性質の違うメモリを使い分けているわけです。
③ 分類の全体像
半導体メモリの分類は、次のような樹形図で整理できます。
フラッシュメモリはEEPROMの一種という位置づけがポイントです。SDカードやUSBメモリ、SSDはフラッシュメモリを使った記憶装置なので、これらはすべてROMの系統、つまり不揮発性ということになります。
④ 名前にだまされないこと
ROMは Read Only Memory、直訳すれば「読み出し専用メモリ」です。もともとは名前のとおり読み出し専用でしたが、現在では「書き換え可能なROM」も多くなっています。EPROMもEEPROMもフラッシュメモリも、書き換えができます。
つまり「ROMだから書き込めない」という理解は、いまや正確ではありません。ROMとRAMを分ける本質は書き込めるかどうかではなく、電源を切ったときに消えるかどうかです。この点を取り違えると、フラッシュメモリの問題でつまずきます。
| 抜いても中身が残らないと使い物にならない |
| SSD | フラッシュメモリ(不揮発性) | 補助記憶装置として長期保存を担う |
| パソコンのメモリモジュール | DRAM(揮発性) | 処理中の一時置き場。速さと容量単価が優先 |
| CPU内のキャッシュメモリ | SRAM(揮発性) | とにかく速いことが最優先 |
| BIOSを書き込んだチップ | フラッシュメモリ(不揮発性) | 電源を入れた瞬間に読み出す必要がある |
最後のBIOSがわかりやすい例です。電源を入れた直後はまだOSも何も動いていません。そのときに「まず何をすべきか」を記した内容が消えていては、コンピュータは永久に起動できません。だから不揮発性でなければならないのです。
データの消去が可能なROMです。一般的には、データの消去に紫外線を用いるUV-EPROMを指します。チップに小さな窓が空いていて、そこに紫外線を当てて中身を消す、という物理的な作業が必要でした。
4 EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)
電気的にデータの消去が可能なROMです。数万〜数十万回の消去/書き換えが可能です。紫外線ランプを持ち出す必要がなく、回路に組み込んだまま書き換えられるため、現在の主流になりました。
② 4種類を1枚の表で
| 空き部分への書き込み | 既存部分の消去 | |
|---|---|---|
| マスクROM | × | × |
| PROM | ○ | × |
| EPROM | ○ | ○:紫外線 |
| EEPROM | ○ | ○:電気的 |
上から下へ行くほど自由度が上がる、という並びになっています。消去の手段が「紫外線」か「電気的」かが、EPROMとEEPROMを見分ける決め手です。
③ フラッシュメモリ
EEPROMの一種にフラッシュメモリ(フラッシュROMともいう)があります。名前は、消去を一瞬で(フラッシュのように)行えることに由来するとされています。
フラッシュメモリは、回路構造によってNAND型フラッシュメモリとNOR型フラッシュメモリに分類されます。
| NAND型フラッシュメモリ | NOR型フラッシュメモリ | |
|---|---|---|
| 揮発性/不揮発性 | 不揮発性 | 不揮発性 |
| 読み出し速度 | 遅い | 速い |
| 書き込み速度 | 速い | 遅い |
| 主な用途 | SDカード、SSD、USBメモリ | ファームウェア、BIOS |
NAND型は書き込みが速く、容量も増やしやすい作りです。そのため「安く、たくさん書き込みたい」用途に回されます。SDカードやSSD、USBメモリがそれです。
一方NOR型は、読み取りが速く、信頼性に優れているため、電子機器の制御プログラム(ファームウェア、BIOS)など、読み出しの速度と信頼性が求められる用途に適しています。
④ 取り違えを防ぐ覚え方
NANDとNORは名前が似ているうえ、読み出しと書き込みで速さの向きが逆なので、混乱しやすい論点です。用途から逆算するのが確実です。
用途さえ思い出せれば、表の中身はその場で再現できます。
具体例
設例 NAND型とNOR型
> 次の記述の正誤を判定せよ。(令和5年度第1問 改題)
> c NAND型フラッシュメモリとNOR型を比べると、読み出し速度はNAND型の方が速い。
> d NAND型フラッシュメモリとNOR型を比べると、書き込み速度はNAND型の方が速い。
> e NOR型フラッシュメモリは、USBメモリやSSDなどの外部記憶装置に用いられている。
解答 c:× d:○ e:×
この設例の作りを読み解く
3つの選択肢はいずれも、正しい記述の主語だけを入れ替えた形になっています。cはNANDとNORを入れ替え、eも同様です。裏を返せば、片方の性質を正確に覚えていれば、もう片方は自動的に決まるということです。
暗記の負担を減らすなら、「NAND型=USBメモリの中身。書くのが速い」の1行だけを確実に覚えてください。そこから、
と、芋づる式に復元できます。表を丸ごと4×2で暗記するより、はるかに崩れにくい覚え方です。

ROMの種類とフラッシュメモリ
試験のポイント
DRAMの規格には、SDRAM(Synchronous DRAM)やDDR SDRAM(Double Data Rate SDRAM)、RDRAM(Rambus DRAM)などがあります。パソコンのメモリモジュールの仕様欄に「DDR4」「DDR5」と書かれているのは、このDDR SDRAMの世代を表しています。
③ SRAM(Static Random Access Memory)
記憶素子としてフリップフロップ回路を用いるため、記憶保持のための動作(リフレッシュ)を必要としません。Static(静的)という名前は、放っておいても状態が変わらないことを表しています。
DRAMに比べ高速ですが、回路が複雑になるため集積度を上げにくいという弱点があります。同じ面積に入る容量が少なく、単価も高くなるため、大容量には向きません。そのかわり速度が要求されるキャッシュメモリに使われます。
④ DRAMとSRAMの比較
| DRAM | SRAM | |
|---|---|---|
| 処理速度 | 遅い | 速い |
| 用途 | 主記憶装置 | キャッシュメモリ |
| リフレッシュ | 必要 | 不要 |
3行だけの表ですが、試験ではこの3行がそのまま問われます。「DRAM=主記憶=リフレッシュ必要」をひとかたまりで覚え、SRAMはその反対、と処理するのが速いでしょう。集積度と価格を加えるなら、DRAMは集積度が高く安価、SRAMは集積度が低く高価、となります。
⑤ VRAM(Video Random Access Memory)
ディスプレイに表示される内容を保持しているメモリです。画面に表示できる最大解像度や最大同時発色数はVRAMの容量に左右されます。
画面に表示する点(画素)1つひとつについて色の情報を持つ必要があるので、解像度が高いほど、また色数が多いほど、必要な容量が増えます。ビデオカード(グラフィックボード)の仕様に「VRAM 8GB」などと書かれているのは、この表示用メモリの容量を指しています。
具体例
設例1 DRAMとSRAMの使い分け
> 次の記述の正誤を判定せよ。
> a DRAMは記憶保持のためのリフレッシュ動作が必要であり、主記憶装置に用いられる。
> b SRAMはフリップフロップ回路を用いるため高速だが、集積度を上げにくく高価である。
> c SRAMは電源を切ってもデータが保持される不揮発性メモリである。
> d VRAMの容量は、画面に表示できる最大解像度や最大同時発色数を左右する。
解答 a:○ b:○ c:× d:○
設例2 VRAMの容量を見積もる
> 1画素あたり24ビット(約1,677万色)で、解像度1,920×1,080の画面を表示するには、最低何バイトのVRAMが必要か。
解答 約6.2MB
画素数は 個。1画素24ビット=3バイトなので、
(バイト)
約6.2MBとなります。同じ解像度でも色数を32ビット(4バイト)に増やせば約8.3MBに、解像度を3,840×2,160(いわゆる4K)に上げれば4倍の約24.9MBになります。
この計算が教えてくれること
「解像度を上げたい」「色数を増やしたい」という要求は、そのままVRAMの容量要求になります。逆にいえば、VRAMが足りなければ、どんなに高性能なディスプレイをつないでも設定できる解像度に上限が生まれます。VRAMの容量が表示能力の天井を決めるという関係が、この計算から見えてきます。

RAMの種類(DRAM・SRAM・VRAM)
試験のポイント
プレミアムプラン
¥9,800〜/ 買い切り・自動更新なし(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。