多国籍企業の類型
国際経営戦略
今日における国際経営は、単に海外で生産活動を行うといったものから、多くの業界において知的集約活動が国境を越えて展開されるようになっています。ここでは多国籍企業をグローバル統合とローカル適合により分類したモデルについて学習します。
グローバル統合とローカル適合
簡単にいうと
海外展開するとき、「世界中で同じやり方をする」か「現地に合わせる」か——この2つの軸で戦略が分かれます。
グローバル統合とは、複数国にまたがる活動を統一的、集中的に運営し、規模の経済性による効率性や世界的な一貫性を追求する考え方です。本社による意思決定の集中化や、開発・生産機能の一極集中化を図ります。
ローカル適合とは、現地市場の消費者ニーズ、法律、文化、言語などに適合するよう、分散的で柔軟な運営を行う考え方です。現地国向け製品のカスタマイズや現地企業との提携などに積極的に取り組みます。
具体例
ファストフードチェーンが世界共通メニューを提供するのはグローバル統合、各国の食文化に合わせたメニューを出すのはローカル適合の考え方です。

I-Rフレームワーク(統合−適応フレームワーク)
試験のポイント
- ・グローバル統合(効率性・一貫性・集中化)とローカル適合(柔軟性・分散・カスタマイズ)の定義を正確に区別しましょう
I-Rフレームワーク
簡単にいうと
グローバル統合とローカル適合の2軸で企業を4タイプに分けるのがI-Rフレームワークです。バートレットとゴシャールが提唱しました。
I-Rフレームワークとは、グローバル統合(Global Integration)とローカル適合(Local Responsiveness)の2軸により、国際経営企業を分類するモデルです。バートレットとゴシャール(1989)により提唱されました。
①グローバル型:グローバル統合=高、ローカル適合=低。親会社で開発した技術や製品を海外に移転させ、海外子会社は親会社の指示に従い戦略実行に専念します。ローカル適合を図る意思は弱いです。能力と組織力の構成は中央集中型でグローバル規模です。
②トランスナショナル型:グローバル統合=高、ローカル適合=高。海外の地域ごとに役割を持たせ、世界的に経営を統合させます。各地域で開発された技術や製品などは世界中で共有されます。能力と組織力は分散、相互依存、各専門化です。
③インターナショナル型:グローバル統合=低、ローカル適合=低。技術や製品の開発など核心部分は親会社に集中させ、それ以外の部分は海外子会社に委任します。グローバル型よりは海外子会社に運営権限があります。
④マルチナショナル型:グローバル統合=低、ローカル適合=高。海外子会社が自律的な運営を行い、徹底したローカル適合を図ります。海外子会社間の相互関係は弱いです。能力と組織力は分散型で、海外子会社は自立的に運営します。
具体例
トヨタ自動車のように各国市場に合わせた製品を提供しながら世界的な統合を図る企業はトランスナショナル型に近いといえます。
試験のポイント
- ・4つの型(グローバル型・トランスナショナル型・インターナショナル型・マルチナショナル型)をI-Rの2軸上の位置づけとともに覚えましょう
- ・各型の「能力と組織力の構成」「海外事業が果たす役割」「知識の開発と普及」の違いが出題されます
独学で診断士合格を目指すなら
過去問演習・AI添削・テキストPDFまで
すべて揃ったプレミアムプランで合格を掴む!
予備校代の1/10以下で、独学の不安をまるごと解決
- 📝1次試験 過去問演習(全7科目・年度別)無制限プレミアム限定
- 🤖2次試験 AI添削(事例I〜IV・無制限)最適なフィードバックで実力アッププレミアム限定
- 📄科目別テキストPDFダウンロード。印刷して好きな使い方で学習できるプレミアム限定
- 🔖ブックマーク機能で苦手分野・何度も確認したい部分を管理プレミアム限定
- 📊学習記録・成績管理で自分の進捗を可視化プレミアム限定
プレミアムプラン
¥9,800(税込)
自動更新なし / 1年間有効
決済は Stripe(PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。