日米比較とファミリービジネス
企業の社会的責任(CSR)とコーポレートガバナンス
日米のコーポレートガバナンスの違いと、ファミリービジネス特有のガバナンス課題を学びます。スリーサークルモデルなどファミリービジネス固有のフレームワークも押さえます。
日米のコーポレートガバナンスの比較
簡単にいうと
アメリカは株主利益優先、日本は従業員重視——コーポレートガバナンスのスタイルは国によってかなり違います。
コーポレートガバナンスはその国の慣習や法律に大きく影響されます。米国型と日本型の大まかな特徴は次のとおりです。
米国型の特徴:株主利益の追求が優先される。取締役会による経営者の監視が強い(大半が社外取締役)。短期的な業績志向に陥りがちである。
日本型の特徴:従業員の利益重視のガバナンスである。社内取締役が大半である。長期的な成長志向が強い。企業グループ・系列間で株式の持ち合いが見られる。メインバンクが経営モニタリング機能を担う傾向がある。
具体例
米国企業の取締役会は大半が社外取締役で構成されるのに対し、日本企業は社内取締役が大半を占めるという違いがあります。
試験のポイント
- ・日本型(従業員重視・社内取締役中心・長期志向・メインバンク制・株式持ち合い)と米国型(株主重視・社外取締役中心・短期業績志向)の対比を整理しましょう
ファミリービジネスのコーポレートガバナンス
簡単にいうと
創業家が中心となって経営するファミリービジネスには、一般企業とは違うガバナンスの特徴や課題があるんです。
ファミリービジネス(創業家や創業者の親族といった創業家が中心となって経営している企業)のコーポレートガバナンスには、固有の特徴があります。
スリー・サークル・モデルとは、ファミリービジネスを理解するためのフレームワークであり、ファミリービジネスを所有(オーナーシップ)、事業(ビジネス)、家族(ファミリー)という3つの要素で構成されていると考えるものです。3つのサークルで区分された7つの領域に属するステークホルダーの立場の違いにより、さまざまなコンフリクトが生じることになります。特に複数のサークルが重なる部分の構成者において課題が生じやすいです。
4Cモデルとは、欧米のファミリービジネスの事例研究に基づき、好業績を長く維持するファミリービジネスには、近代的な経営とは異なる論理があるとし、以下の4つのCの組み合わせから経営が成り立っているとするものです。4つのCのバランスが重要であり、いずれかに経営が偏らないようにすることが重要です。
①継続性(continuity):創業家の掲げたミッションを継続的、情熱的に達成するために、長期的な視点で投資を行う。
②コミュニティ(community):従業員を強い価値共有集団とすること。
③コネクション(connection):顧客、取引先、広く社会一般と良好な関係を築く。
④コマンド(command):株主の言動に左右されにくいため、比較的独立的に行動できる。環境変化に合わせて創業家出身のトップが新しい事業を創造して永続性を保つ。
具体例
日本でもサントリーやトヨタ自動車のように、創業家がガバナンスに大きな影響力を持つ企業が存在します。
試験のポイント
- ・スリー・サークル・モデル(所有・事業・家族の3要素・7つの領域)と4Cモデル(continuity・community・connection・command)を覚えましょう
- ・4Cモデルはバランスが重要で、それぞれにプラスとマイナスの側面があります
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