チャネル・物流戦略
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プレミアムで見るここから4Pの3つめ、チャネル(Place)に入ります。
チャネルのもつ機能を十分に引き出し、マーケティング目標を達成できるようなチャネルを設計するには、標的市場、購買者の購買行動、既存のチャネルの特徴、他のマーケティングミックス要素などを考慮しながら、チャネルの長さと幅についての検討を進めなければなりません。
この節で押さえるのは4つ。
チャネルの長さと幅(とくに3つのチャネル政策)、フランチャイズチェーンとボランタリーチェーン、デジタル時代のチャネル設計、そして消費者間取引です。
3つのチャネル政策は、メリットとデメリットまで対で問われます。名前と例だけで止めないでください。
簡単にいうと
何段階を経て届くかが「長さ」、どれだけ広く網羅するかが「幅」。この2つは別の軸だよ!
① チャネルの長さ
チャネルの長さ、すなわちチャネルの段階数は、介在する卸売業、小売業の数によって決まります。
介在する企業の数が多い状況を、チャネルが長いと表現します。
典型的な段階構造は次の3つです。
② チャネルの幅
チャネルの幅とは、チャネルがその市場の流通をどの程度網羅しているか、という観点で把握するものです。
企業は取り扱っている製品の特性に応じてチャネルの幅を設定することになり、具体的には次のように分類されています。
③ 開放的チャネル政策
メーカーができるだけ幅広くチャネルを網羅することにより、広く最終消費者に製品を供給していこうとする際に採用される政策です。
したがって、販売先の限定をせずに、取引を希望する販売店には信用の許す限り製品を販売します。
この政策は、日用品や食料品などの最寄品
具体例
3つの政策を、身近な製品で見比べてみます。
開放的チャネル政策 ― 清涼飲料
コンビニ、スーパー、自動販売機、ドラッグストア、駅の売店、飲食店。取引を希望する店には、信用が許す限り売ります。
結果、全国どこでも手に入ります(広い市場カバレッジ)。
しかし、どの店も他社の飲料も並べています。「うちの商品を目立つ場所に置いてほしい」と頼んでも、強くは言えません(販売店の協力度が小さい)。
取引先が数万店にのぼるので、得意先管理も複雑になります。
選択的チャネル政策 ― 化粧品
このメーカーは、自社の研修を受けた美容部員を置ける店だけに卸しています。全国で1,200店。
店数は絞られますが、販売努力を集中でき、得意先管理も効率的です。
ただし、選んだ店が必ず熱心とは限りません。他社の化粧品も扱っている店では、協力が十分でない場合があります。
専属的チャネル政策 ― 自動車
地域ごとに1社のディーラーだけに専売権を与えます。
そのディーラーは他社の車を扱いません。だからブランドイメージを保て、整備や保証などのアフターサービスも充実させられます。

チャネルの段階構造
試験のポイント
簡単にいうと
どちらも独立した店が集まる形だけど、本部があるかどうかで性格が全然違うんだ!
① 2つのチェーン形態
チャネルメンバーがそれぞれ独立した別々の経営主体でチェーンを構成するチャネルの形に、フランチャイズチェーンとボランタリーチェーンがあります。
② フランチャイズチェーンの特徴
次の4つです。
簡単にいうと
店で見てネットで買うのがショールーミング、ネットで見て店で買うのがウェブルーミング。向きが逆だよ!
① オムニチャネル
今日のデジタル社会においては、商品を手に入れるための選択肢が複数存在します。
オムニチャネルとは、実店舗やEC(電子商取引)サイト、スマートフォン向けアプリ、ソーシャルメディアといった、昨今存在しているさまざまな顧客との接点を統合し、時間や空間の制約なく、質の高い顧客体験を提供することを目指すというコンセプトです。
オンラインとオフラインのさまざまなチャネルが協調するようにすることで、機会損失を抑制することができます。
オムニチャネル化を推進することにより、ショールーミングやウェブルーミングが一層行われやすくなります。
② ショールーミング
消費者が実店舗では商品の価格や機能などを確認するだけで購入せず、ネット通販などのオンラインショッピングで、価格を比較したうえでより安い品を購入するという購買行動です。
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④ 選択的チャネル政策
チャネルの幅をある程度限定し、その限定した範囲の流通業者に対して製品を販売していくという政策です。
この政策は、化粧品や家電製品などの流通において見られます。
⑤ 専属的(排他的)チャネル政策
メーカーがチャネルの幅を極端に限定し、その限られた流通業者に対して一定地域の専売権を付与していく政策です。
この政策は、自動車のディーラーやガソリンスタンドなどにおいて見られます。
⑥ メリットとデメリット
開放的チャネル政策
選択的チャネル政策
専属的チャネル政策
⑦ トレードオフの構造
3つは、市場カバレッジ(どれだけ広く行き渡るか)とチャネルコントロール力(どれだけ管理できるか)が逆の関係になっています。
誰にでも売れば広く行き渡りますが、販売店は他社品も扱うので協力してくれません。
絞れば手厚く管理できますが、置いてある店が少ないので目に触れません。
⑧ 出題されている取り違え
次の言い方は誤りです。
「選択的チャネル政策は、市場カバレッジは広いが、チャネルコントロール力が低い」
これは開放的チャネル政策についての内容です。
⑨ チャネルの開閉基準
チャネルの開閉基準とは、流通業者が特定のメーカーとの取引に依存するかどうかの尺度です。
特定メーカーへの依存度が高いチャネルを閉じたチャネル、多くのメーカーの製品を扱うチャネルを開いたチャネルと捉えます。
幅が「メーカーから見て何店に売るか」であるのに対し、開閉基準は「流通業者の側がどれだけ依存しているか」を見ます。視点が逆である点に注意してください。
一方で、店は各県に数店しかありません。街で目に触れる機会が少なく、知らない人には知られないままです。
チャネルの開閉基準で見ると
自動車ディーラーは、そのメーカーの車しか扱いません。特定メーカーへの依存度が極めて高い=閉じたチャネルです。
コンビニは、あらゆるメーカーの飲料を並べます。どこにも依存していない=開いたチャネルです。
本部から加盟店へは、経営権、商標使用権、研修システムなど。
加盟店から本部へは、加盟料、ロイヤリティーなど。
ノウハウと名前が下りて、お金が上がる。この双方向の流れがフランチャイズの骨格です。
④ フランチャイザーのメリット・デメリット
⑤ フランチャイジーのメリット・デメリット
⑥ ボランタリーチェーン
ボランタリーチェーンとは、多数の同業者がそれぞれの独立性は保ったまま連携し、仕入れ、在庫管理、販売促進といった活動を共同で行うことです。
これによって規模の経済性を発揮し、大規模な小売業に対する競争力を確保することなどを目的としています。
なお、ボランタリーチェーンには、卸売業者主宰のものと小売業者主宰のものがあります。
⑦ 2つの決定的な違い
フランチャイズチェーンには本部(フランチャイザー)がいます。本部が主導し、加盟店は指導を受け、対価を払います。上下の関係です。
ボランタリーチェーンは、同業者が横に連携する形です。それぞれが独立性を保ったまま、共同で仕入れなどを行います。横の関係です。
⑧ 出題されている取り違え
次の言い方は誤りです。
「フランチャイズチェーンとは、小規模の独立の加盟店が、所有上の独立性を有したまま、共同仕入れなどの運営上の共同作業を行うものである」
これはボランタリーチェーンについての内容です。
「共同仕入れ」「独立性を有したまま」という言葉が出てきたらボランタリーチェーン、「本部」「ロイヤリティー」が出てきたらフランチャイズチェーン、と見分けてください。
具体例
2つのチェーンを、実際の形で見比べてみます。
フランチャイズチェーン ― コンビニ
オーナーのAさんは、脱サラして加盟しました。小売の経験はまったくありません。
本部から受け取ったもの
未経験でも即座に事業を始められたわけです。
本部へ支払うもの
Aさんが不満に思っていること
地元の祭りに合わせて独自の商品を並べたいと思っても、本部の推奨外の仕入れには制約があります。
事業活動に対する制約が多く、独自の工夫ができない——これが加盟店側のデメリットです。
本部側の事情
本部は、直営店で2万店を作ろうとすれば土地も人も自前で用意せねばなりません。
加盟店方式なら、少ない経営資源で多店舗展開できます。
ただし、Aさんの店は接客が丁寧でも、別の加盟店は雑かもしれません。品質の均一性が保てないのが本部側の悩みです。
ボランタリーチェーン ― 地域の酒販店の連合
同じ市内の酒販店14軒が集まりました。
本部はいません。14軒は対等な立場のまま、独立した経営を続けています。
共同で行っていること
狙いは、規模の経済性を発揮して、大型量販店に対抗することです。
独自性は残っている
A店は地酒に力を入れ、B店はワインに特化しています。共同するのは仕入れなど一部だけで、品揃えも価格も各店が決めます。
ロイヤリティーも、経営指導もありません。ここがフランチャイズとの違いです。

フランチャイズ・システムの概要
試験のポイント
③ ウェブルーミング
ネット通販などのオンラインショップで商品の価格や機能などを確認し、品定めを行ったうえで、実店舗で購入するという購買行動です。
④ 向きが逆
2つは確認する場所と買う場所が入れ替わっているだけです。
「ショールーム」は展示場のことなので、実店舗が展示場になるのがショールーミング。
「ウェブ」で見るのが先なので、ウェブが展示場になるのがウェブルーミングです。
名前に先に見るほうの場所が入っている、と覚えると取り違えません。
⑤ オムニチャネルとの関係
この2つは、店にとっては悩ましい行動です。
ショールーミングをされると、店は接客の手間だけかけて売上を他社に取られます。
しかしオムニチャネル化していれば話が変わります。
店で見た客が自社のECサイトで買えば、どちらで買われても売上は自社に入ります。これが機会損失の抑制ということです。
だからオムニチャネルを進めると、2つの行動は一層行われやすくなるわけです。止めるのではなく、どちらでも受け止められるようにする、という考え方です。
⑥ 消費者間取引(C2C)
デジタル社会では、消費者と消費者の間で行われるC2C取引が活発になっています。
消費者間取引では一般的に、次の3つが重要になります。
⑦ なぜこの3つなのか
企業が相手なら、その企業の信用が担保になります。
しかし消費者同士では、相手が信用できるかどうかが分かりません。
3つとも、信用の欠如を埋めるための仕組みです。
⑧ シェアリングエコノミー
シェアリングエコノミーとは、必要な製品やサービスを購入し、自分が利用していないときに他人に貸し出したり、共用して使用したりするシェアやシェアリングという行動の結果生み出される新しい経済の形をいいます。
⑨ レンタルとの違い
シェアやシェアリングと似た概念にレンタルがありますが、一般的に、
といいます。
誰が持っているかで呼び分ける、というのが要点です。
レンタカー会社が車を持って貸すのはレンタル。個人が自分の車を使わない時間に貸すのはシェアリングです。
具体例
家電の購入を例に、デジタル時代のチャネルを見てみます。
ショールーミングが起きる場面
Bさんは家電量販店で、掃除機を30分かけて見比べました。店員に吸引力の違いを詳しく説明してもらい、実際に持ち上げて重さも確かめました。
そして、その場でスマートフォンを取り出し、ネット通販で同じ型番が4,000円安いことを確認。帰宅してからネットで注文しました。
店で見て、ネットで買った——ショールーミングです。
店は接客の手間だけかけて、売上はゼロでした。
ウェブルーミングが起きる場面
Cさんは逆でした。
まずネットで20機種を比較し、レビューを読み、2機種まで絞り込みました。
そのうえで店に行き、実物を触って決め、その場で購入しました。すぐ持ち帰れることと、初期不良のときに持ち込めることが理由です。
ネットで見て、店で買った——ウェブルーミングです。
オムニチャネル化した店の場合
この量販店は、店とECサイトの在庫と会員情報を統合しました。
すると、Bさんのような客が店で見た後、その場でアプリから自社ECに注文できるようになります。ネット価格と同じ値段で、自宅配送。
どちらで買われても売上は自社に入る。これが機会損失の抑制です。
ショールーミングを止めようとするのではなく、受け止められる形にしたわけです。
消費者間取引の例
Bさんは、買い替えで不要になった古い掃除機をフリマアプリに出しました。
買い手も個人です。互いに面識はありません。
3つがあるから、見知らぬ者同士でも取引できるわけです。
シェアリングとレンタルの違い
Bさんは月に1回しか車に乗りません。
使わない平日に、アプリを通じて他人に貸すことにしました。車を所有しているのはBさん(消費者)なので、これはシェアリングです。
一方、駅前のレンタカー店は、会社が車を所有して貸しています。こちらはレンタルです。
試験のポイント
プレミアムプラン
¥9,800〜/ 買い切り・自動更新なし(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。