組織構造論
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プレミアムで見る唯一最善の組織のかたちは存在するのか。設計原理を学んできた私たちにとって、これは重い問いです。コンティンジェンシー理論の答えは「ない」。どんな組織がよいかは、置かれた状況によって変わるというものです。この節では、3つの代表的な実証研究を順に見ていきます。誰が何に着目して、何を結論づけたのか。人名と内容の対応が毎年のように問われるところなので、研究の中身まで踏み込んで覚えていきましょう。
簡単にいうと
「唯一最善の組織はない、状況による」という考え方。それまでの組織論が「正しい組織のかたち」を探していたのに対する、大きな方向転換だったんだ!
① それまでの組織論が前提にしていたこと
第5節で学んだ組織構造の設計原理を思い出してください。専門化の原則、権限責任一致の原則、統制範囲の原則、命令統一性の原則、例外の原則。いずれも「こうすべきである」という形で示されていました。
こうした組織原則は、長らくどんな企業にも当てはまる普遍的なものとして扱われてきました。正しい組織のかたちがどこかにあり、それを見つけて適用すればよい、という考え方です。
② コンティンジェンシー理論の主張
組織原則の妥当性はいかなる場合においても普遍的に認められるものではなく、状況によって変わってきます。
組織構造のコンティンジェンシー理論とは、このように状況によって組織構造の編成根拠を選択していくことの必要性を説くものです。
コンティンジェンシー(contingency)とは「条件」「状況」といった意味です。条件適合理論と訳されることもあります。
③ どこが画期的だったのか
この理論の意義は、「正しい組織」を探す問いから、「この状況にはどの組織が合うか」を探す問いへ、問いの立て方そのものを変えた点にあります。
| 従来の組織論 | コンティンジェンシー理論 | |
|---|---|---|
| 問い |
具体例
同じ「組織をどう作るべきか」という相談に対して、コンサルタントの答えが時代とともにどう変わったかを見てみましょう。
従来の組織論に立つ助言 「統制範囲は7人程度が適正です。命令系統は一本化してください。権限と責任は一致させてください。これが正しい組織のあり方です」
相談者がどんな業種であっても、同じ答えが返ってきます。唯一最善の組織が存在するという前提だからです。
コンティンジェンシー理論に立つ助言 「まず、御社が置かれている環境からうかがいます」
・市場や技術の変化は速いですか、それとも安定していますか
・作っているのは、同じものを大量にですか、一品ずつですか
・部門ごとに求められることは、どれくらい違いますか
そのうえで、
「環境が安定していて、同じものを大量に作っているなら、階層を明確にして手順を固めるほうがうまくいきます。一方、変化が速く一品ずつ作っているなら、階層を浅くして横のやり取りを増やすべきです」
という具合に、状況によって違う答えを出します。
どちらが役に立つか 第5節で学んだ設計原理が間違っているわけではありません。それらは安定的な環境で大量生産を行う企業にはよく当てはまります。
問題は、それをどんな企業にも当てはまる普遍的なものとして扱ってしまうことです。受注生産の町工場に「統制範囲は7人が適正です」と言っても、役に立たないどころか害になりかねません。
組織原則の妥当性は状況によって変わる

コンティンジェンシー理論の3つの研究
試験のポイント
簡単にいうと
機械的システムは官僚制のピラミッド型、有機的システムは柔らかい横型。安定した環境なら前者、変化が激しい環境なら後者。この対応はコンティンジェンシー理論の共通語だよ!
① 2つのシステム
バーンズ&ストーカーは、組織構造を2つに分けました。ひとつが機械的システムで、いわゆるピラミッド型の官僚制組織です。もうひとつが有機的システムで、横方向の協働関係が育った柔軟な構造を指します。そして、前者は安定した環境に、後者は不安定な環境に向くとしました。
| 機械的システム | 有機的システム | |
|---|---|---|
| 姿 | ピラミッド型の官僚制組織 |
簡単にいうと
生産技術で適した組織が決まる、という研究。大量生産だけが機械的組織で、個別生産と装置生産は有機的組織。装置生産を機械的と覚えてしまう人が多いから要注意!
① ウッドワードが見いだしたもの
ウッドワードは、実証研究によって生産技術と組織構造との間の関連性を見いだしました。
ウッドワードは、生産技術(システム)を大量生産・個別生産・装置生産の3つに分けました。そして、大量生産には機械的組織が、個別生産と装置生産には有機的組織が合うことを示します。結論は技術が組織を規定するというものでした。
② 3つの生産技術と適合する組織
| 生産技術 | 適合する組織 |
|---|---|
| 大量生産 |
簡単にいうと
不確実性が高い環境で業績のよい企業ほど、部門がよく分化している。でも分化すると対立が生まれるから、同時に高度な統合機能も持っている。「分化と統合の両方が高い」が結論だよ!
① 何を明らかにした研究か
ローレンス&ローシュは、企業の直面する環境の不確実性の違いによって、部門の分化や統合の程度が異なることを実証的に明らかにしました。
② 結論
結論は次のとおりです。不確実性の高い環境では、業績のよい企業ほど部門の分化が進んでいます。そして分化すればコンフリクト(葛藤)が生まれるので、それを解くための高度な統合機能も同時に備えている、というのです。
長い一文なので、3段階に分けて読みましょう。
1. 不確実性が高い環境下で、業績の高い企業ほど部門の分化の程度が高い
2. 分化するとコンフリクト(葛藤)が生まれる
3. だから同時に高度な部門の統合機能をもっている
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| どんな組織が正しいか |
| この状況にはどの組織が合うか |
| 前提 | 唯一最善の組織が存在する | 唯一最善の組織は存在しない |
| 組織原則 | 普遍的に当てはまる | 状況によって妥当性が変わる |
④ 本章のなかでの位置づけ
実は、この考え方はすでに何度か登場しています。
・第9節の組織のライフサイクルモデル……段階によって適した組織のかたちが違う
・第8節の組織構造の一般形態……4つの形態にそれぞれ向き不向きがある
・第11節の組織構造の動態化……硬直したら柔らかくする必要が出てくる
外部環境との関係という軸でこれを整理したのが、この節です。
⑤ 他の章とのつながり
第1章で学んだミンツバーグのコンフィギュレーションを思い出してください。「ポジショニングとケイパビリティのどちらを重んじるべきかは状況による」というものでした。
経営戦略論でも組織論でも、唯一の正解を求める段階から、状況に応じた使い分けを説く段階へという同じ流れがあったことになります。
⑥ ここから見ていく3つの研究
組織と外部環境とのかかわりに関連して、代表的な組織構造のコンティンジェンシー理論として、次の3つを順に見ていきます。
| 研究者 | 着目した対象 |
|---|---|
| バーンズ&ストーカー | 環境(安定的か不安定か) |
| ウッドワード | 生産技術 |
| ローレンス&ローシュ | 部門の分化と統合 |
3者が着目した対象が違うという点を先に押さえておくと、人名と内容を混同しにくくなります。
| 適する環境 | 安定的環境条件 | 不安定な環境条件 |
② それぞれの特徴を補って理解する
2つのシステムの中身を具体的にイメージしておくと、選択肢を読んだときの判断がつきやすくなります。
| 機械的システム | 有機的システム | |
|---|---|---|
| 職務の決まり方 | 細かく規定され、固定されている | 状況に応じて変わる |
| 指示の流れ | 上から下への指揮命令が中心 | 助言や相談が横方向にも流れる |
| 知識の所在 | 上位階層に集中している | 必要な場所に分散している |
| 忠誠の対象 | 上司と組織 | 仕事そのものと専門性 |
| コミュニケーション | 縦方向が中心 | 縦横ななめに広がる |
③ なぜ環境で向き不向きが変わるのか
安定的環境では、やるべきことが変わりません。だから手順を固め、上が決めて下が実行する形が効率的です。毎回ゼロから考える必要がないのですから、考える人と実行する人を分けるほうが合理的です。
不安定な環境では、状況が次々に変わります。上が状況を把握して指示を出すころには、もう状況が変わっています。だから現場が判断できる形、つまり知識と権限が分散した柔軟な構造が要るのです。
第4節で学んだ制約された合理性を思い出してください。上位者の情報処理能力には限界があります。変化が速いほど、その限界が早く訪れるわけです。
④ 本章の他の節とのつながり
この2つのシステムは、本章の他の節と一対一で対応しています。
| バーンズ&ストーカー | 本章での対応 |
|---|---|
| 機械的システム | 第10節の官僚制組織そのもの |
| 有機的システム | 第11節の組織構造の動態化が目指す姿 |
つまり、第10節と第11節で学んだ内容は、コンティンジェンシー理論の観点からいえば、環境に合わせた使い分けの話だったことになります。
官僚制が悪いのではなく、安定的環境では官僚制が適しており、環境が不安定になったときに合わなくなる、ということです。
⑤ 機械的/有機的は共通語
この機械的/有機的という区分は、次に見るウッドワードの研究でもそのまま使われています。コンティンジェンシー理論の共通語だと考えてください。
具体例
同じ業界の2社が、環境の違いによって正反対の組織を選んでいる例です。どちらも印刷業です。
A社:機械的システム(安定的環境)
取り扱うのは、銀行や保険会社の帳票印刷です。
・様式は法令で決まっており、年単位でしか変わらない
・顧客も発注量も毎年ほぼ同じ
・求められるのは、間違いのなさと納期の厳守
組織のかたち
・作業手順は工程ごとに文書化され、逸脱は認めない
・オペレーター → 班長 → 工程長 → 工場長という明確な階層
・判断に迷ったら上に上げる
・品質検査は独立した部門が担当
安定的環境条件に適している姿です。変化がないのですから、手順を固めて磨き上げるほうが効率的です。この会社の不良率は業界平均の5分の1です。
B社:有機的システム(不安定な環境)
取り扱うのは、企業の販促物やイベント用の印刷です。
・依頼内容は毎回違う
・「明日までに」という急な依頼が日常的
・新しい素材や加工の相談が月に何件も来る
組織のかたち
・職務の範囲を細かく決めていない
・営業、デザイナー、印刷オペレーター、加工担当が同じフロアで日常的に相談する
・現場判断で受注の可否を決められる
・「誰の指示か」より「どうすればできるか」で動く
不安定な環境条件に適している姿です。
もし入れ替えたら
A社の手法をB社に持ち込むと、急な依頼のたびに稟議が必要になり、「うちの手順ではできません」と断ることになります。顧客は離れていくでしょう。
逆にB社の手法をA社に持ち込むと、現場判断で手順を変える人が出て、帳票の様式ミスという致命的な事故が起きかねません。
どちらが優れた組織かではなく、どちらの環境に置かれているか。これがバーンズ&ストーカーの示したことです。
試験のポイント
| 個別生産 | 有機的組織 |
| 装置生産 | 有機的組織 |
ここが最も間違えやすいところです。
3つのうち大量生産だけが機械的組織で、残る2つは有機的組織です。「大量生産と装置生産が機械的」と覚えてしまう誤りが非常に多いので、意識して区別してください。
③ 装置生産とは何か
装置生産とは、化学プラント、石油精製工場、酒造所、発電所などのように全工程が自動化された連続工程生産のことです。
具体例が4つ挙げられているので、そのまま覚えておきましょう。
・化学プラント
・石油精製工場
・酒造所
・発電所
④ なぜ装置生産が有機的組織なのか
巨大な装置が並ぶ工場は、いかにも「機械的」に見えます。それでも有機的組織が適合するのはなぜか。理由を理解しておくと、取り違えを防げます。
装置生産では、通常運転時に人がやることがほとんどありません。全工程が自動化されているからです。計器を見ながら、装置が正常に動いていることを確認するだけです。
人の出番は、異常が起きたときです。温度が想定より上がった、圧力が落ちた、というときに、原因を突き止めて手を打たなければなりません。
この仕事は、定型作業の繰り返しではありません。前例のない事態に、その場で判断する仕事です。しかも、運転・保全・技術といった異なる専門の人がその場で知恵を出し合う必要があります。
だから水平的に協働関係が発展した柔軟な組織構造、つまり有機的組織が合うわけです。
⑤ 3つの生産技術の性格
| 大量生産 | 個別生産 | 装置生産 | |
|---|---|---|---|
| 作るもの | 同じものを繰り返し | 一品ごとに違う | 連続的に流れ続ける |
| 人の主な仕事 | 決められた作業の反復 | 都度の設計と調整 | 異常時の判断 |
| 作業の定型性 | 高い | 低い | 低い(異常対応は非定型) |
| 適合する組織 | 機械的組織 | 有機的組織 | 有機的組織 |
作業の定型性が高いかどうかで見ると、大量生産だけが高く、残り2つは低いことが分かります。この軸で覚えると、取り違えにくくなります。
⑥ 技術が組織を規定する
技術が組織を規定するという結論も、そのまま覚えてください。
第1章で学んだチャンドラーの「組織は戦略に従う」と並べると、何が組織を決めるのかという問いへの、別々の答えだと分かります。
| 論者 | 何が組織を決めるか |
|---|---|
| チャンドラー | 戦略(組織は戦略に従う) |
| ウッドワード | 技術(技術が組織を規定する) |
| バーンズ&ストーカー | 環境(安定的か不安定か) |
3者がそれぞれ違う要因を挙げている、という整理をしておくと、選択肢で人名を入れ替えられても対応できます。
具体例
同じ企業グループの3工場を比べると、ウッドワードの結論がそのまま現れます。
A工場:飲料の缶詰め(大量生産 → 機械的組織)
・1ラインで1日30万本
・作業は完全に標準化され、手順書どおりに動く
・班長 → 係長 → 課長 → 工場長という明確な階層
・判断は上に上げ、指示は下に下りる
作るものが決まっていて変化がないのですから、手順を固めて効率よく回すほうが合理的です。
B工場:特注の産業機械(個別生産 → 有機的組織)
・受注は年間40台。1台ずつ仕様が違う
・設計者、生産技術者、組立技能者が同じ部屋で議論しながら進める
・階層は浅く、職種をまたいだ相談が日常的
・「誰の指示か」より「何が最善か」で決まる
毎回違うものを作るのですから、手順を固めることができません。
C工場:化学プラント(装置生産 → 有機的組織)
ここが誤解されやすいところです。
見た目 巨大な反応塔と配管が並び、中央制御室には計器が壁一面。いかにも機械的な職場に見えます。
実際の仕事 通常運転時、当直の4人がやっているのは計器の確認だけです。全工程が自動化された連続工程生産なので、人が手を動かす作業はほとんどありません。
異常が起きたとき ある日、反応塔の温度が想定より3度高く推移しました。原因は不明です。
・当直リーダーが、その場で保全担当を呼んだ
・保全担当が配管の一部に付着物の可能性を指摘
・当直リーダーは階層を飛び越えて、本社の技術者に直接電話した
・3人で原因を絞り込み、その日のうちに運転条件を調整した
ここで「まず工程長に報告し、承認を得てから」という機械的な手順を踏んでいたら、対応が遅れて事故になりかねません。
水平的に協働関係が発展した柔軟な組織構造が必要なのは、こういう場面があるからです。
装置生産=機械的組織、と覚えてしまうと取り違えます。見た目ではなく、人が何をしているかで判断してください。
試験のポイント
③ 分化とは何か
分化とは、部門ごとに考え方ややり方が違っていくことです。
環境の不確実性が高いと、各部門が向き合う相手や問題がそれぞれ異なってきます。
| 部門 | 向き合う環境 | 生まれる考え方の違い |
|---|---|---|
| 研究開発 | 技術の動向、学会 | 時間の視野が長い。不確実さを受け入れる |
| 製造 | 設備、工程、コスト | 時間の視野が短い。確実さを重んじる |
| 営業 | 顧客、競合 | 顧客の要望に合わせたい。変化に敏感 |
環境が複雑になるほど、各部門はそれぞれの環境に合わせて専門化していきます。これが分化です。
④ なぜ業績の高い企業ほど分化しているのか
ここが理解のしどころです。
不確実性が高い環境では、各部門がそれぞれの環境にきちんと向き合う必要があります。研究開発が技術動向を深く追い、営業が顧客の変化を細かく読む。そうしなければ、環境の変化についていけません。
つまり、分化が進んでいること自体が、環境への適応がうまくいっている証拠なのです。
⑤ しかし分化はコンフリクトを生む
部門ごとに考え方が違えば、当然ぶつかります。
・研究開発「最高の性能を目指すべきだ。もう1年待ってほしい」
・製造「その仕様では歩留まりが出ない。作れない」
・営業「顧客はもう待てない。今の性能でいいから出そう」
どの言い分も、それぞれの環境から見れば正しいのです。だからこそ解決が難しくなります。
⑥ だから統合機能が要る
分化から生まれるコンフリクトを解消するために、同時に高度な部門の統合機能をもっているというのが結論です。
統合機能の具体的な形は、第14節で学ぶものがそのまま当てはまります。
・部門横断の会議
・リエゾン担当者(公式の統合担当者)
・タスクフォース
・マトリックス組織
⑦ 最も問われるのは「両方が高い」という点
選択肢では、次のような形で誤りが作られます。
・「分化の程度が高いほど統合は不要になる」→ 誤り
・「業績の高い企業ほど分化の程度が低い」→ 誤り
・「統合を重んじるため分化を抑えている」→ 誤り
正しくは、分化と統合の両方が高いのです。
第1節で学んだ「組織のキーワードは分業と統合・調整」を思い出してください。分業(分化)だけでも、統合だけでもいけない。両方が必要だという命題が、ここで実証研究として裏づけられているわけです。
⑧ 第14節への橋渡し
この研究の結論は、次節の出発点になります。
環境の不確実性が高まる
↓
処理すべき情報量が増加する
↓
組織内で分化が進む
↓
部門間の調整が次第に困難になる
↓
情報量を減らすか、情報処理能力を増す方策が必要になる
第13節と第14節は、ひと続きの話だと理解しておきましょう。
具体例
医療機器メーカー2社を比べてみましょう。どちらも同じ不確実性の高い環境に置かれています。
X社(業績が低迷)
分化が進んでいない 研究開発・製造・営業がいずれも「本社の方針に従う」という姿勢で、部門ごとの専門性が育っていませんでした。
・研究開発は学会にほとんど出ておらず、技術動向をつかんでいない
・営業は既存の取引先を回るだけで、市場の変化を拾えていない
・各部門の考え方が似通っており、対立も起きない
一見、仲がよく統制の取れた組織です。しかし、環境の変化に気づく部門がどこにもありません。競合が出した新方式の製品に、2年遅れて気づきました。
Y社(業績が高い)
分化が進んでいる
・研究開発部は、大学との共同研究を10件抱え、評価の物差しは「3年後に使える技術かどうか」
・製造部は、歩留まりと工程能力指数で管理され、評価の物差しは「今月の不良率」
・営業部は、病院の現場に張り付いて医師の声を集め、評価の物差しは「今期の受注」
それぞれが自分の環境に深く向き合っている状態です。
当然コンフリクトが起きる 新製品の仕様会議は、毎回もめます。研究開発は新方式を推し、製造は量産性を懸念し、営業は「医師は使い慣れた操作画面を変えたがらない」と主張します。
高度な統合機能をもっている Y社はこの対立を、次の仕組みで処理しています。
・製品統括マネージャーという専任職を置いた(リエゾン担当者)
この人は3部門のどこにも属さず、全体の最適を判断する権限を持つ
・新製品ごとに3部門から人を出すタスクフォースを編成
・月1回、3部門長が参加する仕様決定会議を制度化
・対立が解けないときの裁定手順を明文化
結果 Y社の新製品投入までの期間は、X社の6割です。対立が多いにもかかわらず、速いのです。
対立が起きないことが良い組織なのではない。分化によって環境に適応し、その結果生まれる対立を処理する仕組みを持っていることが、業績の高い企業の姿だということです。
試験のポイント
プレミアムプラン
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