消費者購買行動と組織購買行動
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プレミアムで見るデジタル社会においては、消費者が製品やサービスを選択するときの情報はデジタル技術によってインターネット上で提供されています。
前の節で見た購買意思決定プロセスは変わりません。変わったのは、各段階で企業が消費者と接する場所です。
その接点を段階ごとに描いたものがカスタマー・ジャーニーとタッチポイントです。
あわせて、消費者側のデジタルリテラシーという考え方も押さえます。同じ接点を用意しても、受け手の力量によって効き方が変わるからです。
簡単にいうと
お客さんが製品を知ってから人に薦めるまでの「旅路」だよ。その道中で企業と出会う場所がタッチポイントなんだ!
① カスタマー・ジャーニー
カスタマー・ジャーニーとは、消費者が製品やサービスを知り、情報を集め、購入・使用し、その体験をシェアするまでの購買意思決定プロセスの各段階にタッチポイントを位置づけたものです。
② タッチポイント
タッチポイントとは、そのプロセスにおいて、企業が提供する様々な情報やコンテンツと個々の消費者の接点のことです。
③ 4つの段階
カスタマー・ジャーニーは、次の4段階で描かれることが多くあります。
④ 購買意思決定プロセスとの違い
前の節の5段階と似ていますが、最後に推奨が入っている点が違います。
従来の5段階は「購買後の行動」で終わっていました。カスタマー・ジャーニーでは、買った人が次の客を連れてくるところまでをひと続きの旅路として描きます。
第10章で見たマーケティング4.0、すなわち消費者どうしの横のつながりを踏まえた見方です。
具体例
オンラインで自転車を売るM社が、カスタマー・ジャーニーを描いた例を見てみます。
製品を知らない層に対して
この層には、まだ購入の接点を用意しても意味がありません。存在すら知られていないからです。
製品を知っている層に対して
購入経験が一度ある層に対して
リピーターに対して

消費者の反応モデルとカスタマー・ジャーニー
試験のポイント
簡単にいうと
同じ接点を用意しても、使いこなせるかは人によるんだ。オンラインの場の性質も、あわせて押さえておこう!
① デジタルリテラシーとは
デジタルリテラシーとは、情報端末とインターネットの利用に関する概念であり、デジタルデバイスを通じてインターネット上のさまざまなサービスや情報を使いこなす能力を指します。
② 2つの段階
第1段階として、次の3つがあります。
第2段階として、プログラミング能力があります。
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⑤ 顧客の層によって旅路が違う
もうひとつの要点は、すべての顧客が同じ地点から出発するわけではないことです。
顧客は、次のような層に分けられます。
製品を知らない層には、まず認知の段階でサンプル配布やリスティング広告といった接点が要ります。
しかしリピーターには、認知の接点は不要です。必要なのは、くり返し購入してもらう仕掛けや、人に薦めてもらう仕掛けです。
層と段階のマス目で接点を設計する。これがカスタマー・ジャーニーを描く目的です。
⑥ 前の節とつながる
この層の分け方は、前の節で見たブランド・カテゴライゼーションと重なります。
「製品を知らない層」は非知名集合、「製品を知っている層」は知名集合。
どこで落ちているかによって打つ手が違う、という考え方は共通しています。
マス目を見ると分かること
この表を作ってみると、M社は「製品を知らない層の行動と推奨」の欄が空いています。
しかし、それは問題ではありません。知らない人がいきなり購入したり推奨したりはしないからです。
空いていて良い欄と、埋めるべき欄を見分ける。そのためにジャーニーを描くわけです。
3つのうち、ネット懐疑志向が入っている点に注目してください。
デジタルリテラシーは、使いこなす力だけではありません。ネット上の情報を鵜呑みにせず、疑う力も含まれます。
操作が上手でも、流れてくる情報をそのまま信じてしまうならリテラシーが高いとはいえない、という考え方です。
④ なぜマーケティングで扱うのか
消費者のデジタルリテラシーの高低は、カスタマージャーニーのタッチポイントにおける企業の施策の有効性にも関わってきます。
同じ接点を用意しても、受け手の力量によって効き方が変わるからです。
アプリでの案内を用意しても、操作に不慣れな層には届きません。一方、懐疑志向の強い層には、広告よりも第三者のレビューのほうが効きます。
⑤ オンライン・コミュニティの性質
デジタル時代の口コミを扱ううえで、押さえておきたい性質が3つあります。
ⅰ 大半は見ているだけ
一般的に大規模なオンライン・コミュニティでは、自ら発言や投稿をせずに他の参加者の様子を見ているだけの参加者が約90%いるとされています。
そして、企業側からすべての参加者が活発に発言するように誘導するべきでもありません。
見ているだけの参加者が悪影響を及ぼす、という見方は誤りとして扱われます。読むだけの人も、コミュニティの一員です。
ⅱ 結びつきの軸が違う
ネット上のオンライン・コミュニティは、参加者が共通の関心によって結びつくものが多く、リアルな交流によるオフライン・コミュニティは、地理、職業などの社会的要因を軸に参加者が結びつくことが多いとされます。
オンラインが地理や職業で結びつく、という説明は逆になるので注意してください。
ⅲ 口コミは長所の確認にも使われる
ネガティブな口コミほど広まりやすいことは正しいのですが、だからといって消費者が欠点の確認だけに口コミを使う、というわけではありません。
欠点と長所の双方とも、確認する際に口コミを利用する傾向が強くなっています。
⑥ なぜ広告より口コミが受け入れられるのか
まだまったく知らない製品やサービスについて知らせるためには、広告より口コミのほうが受け入れられやすい傾向があります。
理由は単純です。口コミには買わせようという意図がなく、客観的な情報と感じるからです。
企業が語れば宣伝に聞こえ、他の消費者が語れば情報に聞こえる。この差が、デジタル時代の口コミの力の源です。
具体例
アウトドア用品のN社が運営する利用者コミュニティの実態を見てみます。
参加者の内訳
登録者は1万2千人。しかし、月に1回以上投稿する人は約1,100人。残る1万人以上は読んでいるだけです。
N社の担当者は当初、「投稿しない人を増やすのは無駄ではないか」と考えました。
しかし調べてみると、投稿しない人の購買額のほうが、登録していない顧客より3割高いことが分かりました。
読むだけでも、購買の参考にしているのです。すべての参加者に発言を促す必要はないというのは、こういうことです。
結びつきの軸
このコミュニティの参加者は、北海道から沖縄まで散らばっています。職業もばらばらです。
共通しているのは「ソロキャンプが好き」という一点だけ。共通の関心で結びついているわけです。
一方、N社が支援している地域のキャンプ愛好会は、同じ市内に住む人が集まっています。こちらは地理という社会的要因が軸です。
口コミの使われ方
投稿を分析すると、「このテントは結露しやすい」という欠点の指摘だけでなく、「この寝袋は真冬でも暖かい」という長所の報告も同じくらい参照されていました。
欠点の確認だけに使われているのではないという点が確かめられます。
デジタルリテラシーの差
N社はアプリでの限定クーポン配布を始めましたが、50代以上の会員の利用率は12%にとどまりました。
そこで、同じ内容をはがきでも送ったところ、この層の利用率は38%に上がりました。
接点の良し悪しは、受け手の力量によって変わる。同じ施策が、層によって効いたり効かなかったりするわけです。
試験のポイント
プレミアムプラン
¥9,800〜/ 買い切り・自動更新なし(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。