イノベーションを推進するための取り組み
技術経営
イノベーションを組織内で推進するには、オープンイノベーションや死の谷・ダーウィンの海の克服など、さまざまな取り組みが必要です。
イノベーションを推進するための取り組み
簡単にいうと
イノベーションを起こすための仕組みや考え方にも、いろいろな種類があります。チェスブロウさんが提唱したオープン・イノベーションや、新興国発のリバース・イノベーション、知ってますか?
イノベーションを推進するための主な取り組みとして、以下があります。
【オープン・イノベーション】
ヘンリー・チェスブロウ(Henry Chesbrough)が提唱した概念です。チェスブロウは、従来の自社完結型の研究開発(クローズド・イノベーション)に限界があると指摘し、社内外の知識やアイデアを組み合わせて価値を創造する新しいモデルを提示しました。具体的には、知識の流入と流出を自社の戦略目的に沿って活用し、社内のイノベーションを加速させると同時に、自社技術の外部活用によって市場を広げることを意味します。既存の取引先だけでなく、異業種やスタートアップなど新たなパートナーとの協業によってイノベーションを生み出す点が特徴です。
【リバース・イノベーション】
新興国で誕生した技術革新や、新興国市場のニーズに合わせて開発された製品・サービスを、先進国へ逆流させて世界的に展開する手法を指します。通常のイノベーションは先進国から新興国へ流れますが、リバース・イノベーションではその方向が逆転します。なお、類似した用語に「リバース・エンジニアリング」がありますが、これは競合企業の製品を分解・分析してその技術やノウハウを解明する手法であり、リバース・イノベーションとはまったく異なる概念です。
【バウンダリー・スパンニング】
組織と外部環境の要素を結びつけて調整する活動で、いわば外部環境との橋渡し役です。主として情報の交流に関わり、以下の2つの機能を担います。
①情報探索機能:外部環境の変化に関する情報を察知し、それを組織内部に取り込む機能
②情報発信機能:組織にとって有利に作用する情報を、外部環境に向けて発信・送り出す機能
こうした外部環境との関連領域における優れた連携を持つことが、イノベーション推進に大きく貢献します。
具体例
P&Gの「コネクト&デベロップ」戦略は、オープン・イノベーションの代表例です。社外のアイデアや技術を積極的に取り込んで製品開発に活かしています。
試験のポイント
- ・オープン・イノベーションの提唱者はヘンリー・チェスブロウであることを押さえましょう
- ・バウンダリー・スパンニングの2機能(①外部情報の探索・取り込み、②組織情報の外部発信)は頻出です
- ・リバース・イノベーション(新興国→先進国)とリバース・エンジニアリング(競合製品の分解・解析)の混同に要注意です
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