事業戦略(競争戦略)
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プレミアムで見る第1章で、経営戦略が企業戦略・事業戦略・機能戦略の3階層に分かれることを見ました。この章で扱うのは、まん中の事業戦略です。事業戦略は競争戦略とも呼ばれ、「特定の事業分野で、どうやってライバルに勝つか」を考える戦略です。ここから先に出てくるポーターの理論も、競争地位別戦略も、すべてこの問いに答えるための道具だと思って読み進めてください。
簡単にいうと
事業戦略=競争戦略。「この事業で、どうやって勝つか」を決めるのが仕事だよ。会社全体の話じゃなくて、ひとつの事業の話だというのがポイント!
① 事業戦略の位置づけ
事業戦略(競争戦略)とは、特定の事業における戦略であり、その事業分野において競争優位を築くことを中心のテーマとするものです。
第1章で学んだ3階層のなかでの位置を、もう一度確認しておきましょう。
| 階層 | 問い | この科目での扱い |
|---|---|---|
| 企業戦略(成長戦略) | どの事業を、どんな組み合わせでやるか | 第3章 |
| 事業戦略(競争戦略) | その事業で、どうやって勝つか | 第2章(この章) |
| 機能戦略 | 各部門の生産性をどう高めるか | 各論のなかで随時 |
企業戦略が「どのリングに上がるか」を決めるのに対し、事業戦略は「上がったリングで、どう戦うか」を決めます。
具体例
総合電機メーカーM社を例に、企業戦略と事業戦略の違いを見てみます。
企業戦略の判断(経営会議)
「テレビ事業は世界的な価格下落で採算が合わない。撤退する。空いた経営資源は、産業用ロボット事業に振り向ける」
事業戦略の判断(産業用ロボット事業部)
「ロボット市場では大手4社が汎用機で競っている。当社は食品工場向けの洗浄に強い機種に絞り、衛生基準への対応という点で差別化する」
前者は「どの事業をやるか」、後者は「その事業でどう勝つか」。判断している人も、判断の中身もまったく違います。この章で扱うのは、後者のほうです。

経営戦略の3つのレベル
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② 事業戦略の主なテーマ
具体的なテーマの例としては、次のようなものが挙げられます。
・事業ドメイン……その事業の活動範囲を定める
・ポーターの競争戦略論……業界構造を分析し、有利な位置を取る
・競争地位別戦略……市場シェアの順位に応じた戦い方を選ぶ
・速度の経済性、先発優位性と後発優位性……時間を武器にする
このうち事業ドメインについては、企業ドメインとまとめて理解したほうが分かりやすいため、次章の「企業戦略」のドメインの節で取り扱います。
③ なぜ「競争」戦略なのか
事業戦略がもうひとつの呼び名として競争戦略を持っているのは、この階層の問題が必ず相手のいる問題だからです。
同じ製品を同じ値段で売っていても、ライバルが自社より安く作れるなら自社は負けますし、ライバルより顧客に選ばれる理由があるなら勝てます。つまり事業戦略の良し悪しは、絶対的な水準ではなく競合との比較でしか決まりません。
この章を通じて繰り返し出てくる「相対的に見る」という視点を、最初に押さえておいてください。
④ 事業戦略を考える順番
この章の各節は、実はひと続きの流れになっています。
1. 業界の構造を知る(5フォースモデル、5つの業界構造のタイプ)
2. 競争そのものを避ける手を打つ(参入障壁を築く=競争回避の戦略)
3. 避けられない競争で優位に立つ(3つの基本戦略=競争優位の戦略)
4. その優位を活動の連なりで支える(バリューチェーン)
5. 自社の立ち位置に応じて戦い方を選ぶ(競争地位別戦略)
節ごとにばらばらに覚えるのではなく、この順番のどこにいるのかを意識すると頭に残りやすくなります。
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