技術経営
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プレミアムで見る技術は、それ自体では利益を生みません。どんなに優れた技術でも、事業の形にならなければ会社は儲かりませんし、逆にどんなに商売がうまくても、技術の蓄積がなければいずれ追いつかれます。この章で学ぶ技術経営(MOT)は、その技術と経営をつなぐ考え方です。まずはその出発点である研究開発について、3つの分類から押さえていきましょう。
簡単にいうと
研究開発は3つに分かれる。基礎研究・応用研究・開発研究。「何のためにやるか」がだんだん具体的になっていくと考えると覚えやすいよ!
① 技術経営(MOT)とは
技術経営(MOT:Management Of Technology)とは、はっきりさせた企業戦略と事業戦略の下に技術戦略を置き、その技術戦略に沿って研究開発・マーケティング・生産といった事業活動を進めていくことです。
ここで大事なのは順番です。技術戦略は企業戦略・事業戦略の下に位置づけられています。第1章で学んだ戦略の3階層でいえば、技術戦略は機能戦略にあたります。「いい技術ができたから何かに使おう」ではなく、「この事業でこう勝つと決めたから、この技術を確立する」という向きで考えるわけです。
② 研究開発の3分類
研究開発は大きく、①基礎研究、②応用研究、③開発研究(あるいは開発)に分類されます。
❶ 基礎研究
特別な応用、用途を直接に考慮することなく、仮説や理論を形成するため、もしくは現象や観察可能な事実に関して新しい知識を得るために行われる理論的・実験的な研究です。
「何の役に立つか」をいったん脇に置いて、分かっていないことを分かるようにする段階です。成果が出るまでに時間がかかり、事業に結びつくかどうかも読めません。
❷ 応用研究
基礎研究で見つかった知識を使い、目標を定めたうえで実用化できるかどうかを確かめる研究。すでに実用化されている方法について、別の使い道を探る研究もここに入りますです。
基礎研究で得た知識に「使いみち」を与える段階です。ここで初めて「特定の目標」が定まります。
❸ 開発研究(開発)
基礎研究や応用研究、および実際の経験から得た知識の利用であり、材料、装置、製品、システム、工程などの刷新、または改良を狙いとするもの
| 目的の具体性 | 何をするか | 成果が出るまで | |
|---|---|---|---|
| 基礎研究 | 用途を直接考慮しない | 新しい知識を得る | 長い |
| 応用研究 | 特定の目標を定める | 実用化の可能性を確かめる | 中 |
| 開発研究 | 具体的な製品・工程 | 刷新または改良する | 短い |
※ 基礎研究と応用研究をまとめて「研究」とする場合も多くあります。「研究開発」という言葉は、この「研究」と「開発」を合わせたものです。
④ 外部との連携
※ 研究開発の部分的な外部委託や、共同開発の実施など、多様な外部組織との連携も行われています。
第3章で学んだ産学連携やアウトソーシング、戦略的提携が、まさにここで使われます。とくに基礎研究は時間も費用もかかるため、大学や研究機関に委ねて、自社は応用と開発に集中するという判断は合理的です。
⑤ 取り違えに注意
過去問では、次の記述が誤りとして出題されています。
『中央研究所を見直して担当を開発研究に絞り込み、外部と取引や技術交流のある生産技術部門や営業部門に基礎研究を移管している』
基礎研究と開発研究が逆です。外部と取引や技術交流のある現場に近い部門が担うのは開発研究であり、中央研究所のような組織が担うのが基礎研究です。3つの分類は、単に名前を覚えるだけでなく「どの部門がどれを担うのが自然か」まで結びつけて理解しておきましょう。
具体例
ある化学メーカーの、粘着剤をめぐる3段階を追ってみましょう。
基礎研究 中央研究所で、高分子がどういう条件で分子どうしを絡ませるのかを5年かけて調べていました。この時点では、それを何に使うかは決めていません。論文は出ましたが、売上にはまったくつながっていません。
応用研究 その知見から「くっつくが、はがすと跡が残らない」という特異な粘着挙動が見つかりました。そこで「事務用品への応用」という特定の目標を定め、実用化できるかを2年かけて確かめました。
開発研究 実際の商品にするため、紙質、糊の塗布量、はがしたときの音、量産時の乾燥工程を詰めていきます。ここは生産技術部門と営業部門が深く関わり、外部の製紙メーカーとも共同で進めました。
3段階で関わる部門も、外部との距離も変わっていくことが分かります。中央研究所が営業部門に基礎研究を移管する、という話が不自然に聞こえるのは、この流れが身についているからです。

研究開発の3分類
試験のポイント
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実際に売れる形にしていく段階です。生産技術や工程の改良も、ここに含まれます。
③ 3つの関係
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