企業戦略(成長戦略)
下の動画はこの節の解説ではありません。 解説動画の雰囲気を知っていただくための見本として、「PPM」の動画を再生します。
この節の解説動画はプレミアム限定です。プレミアムなら全科目・全節が見放題!
プレミアムで見るドメインには2つのレベルがあります。会社全体としての生存領域を示す企業ドメインと、個々の事業ごとの展開領域を示す事業ドメインです。この2つは決める内容も、決める人も違います。混同しやすく、実際に過去問でも入れ替えた形で出題されているので、ここではっきり区別しておきましょう。
簡単にいうと
企業ドメインは「どの事業をやるか(組み合わせ)」、事業ドメインは「誰に何をどう提供するか」。この違いが試験で狙われるよ!
① 2つのレベル
複数事業を展開する企業においては、ドメインの設定は次の2つのレベルで行われます。
・企業ドメイン……企業全体としての事業領域
・事業ドメイン……事業ごとの展開領域
② 企業ドメイン
企業ドメインを規定するということは、展開していく事業の範囲、あるいは組み合わせ(事業ポートフォリオ)を規定するということであり、企業としてのアイデンティティ(同一性、基本的な性格)を規定していくことでもあります。
ここでいうポートフォリオとは、主に金融や投資の分野において、複数の異なる資産に分散して投資することや、その資産の組み合わせといった意味で用いられることが多い言葉です。経営では、企業が抱える事業の顔ぶれとその組み合わせを指します。
③ 事業ドメイン
事業ドメインを規定するということは、特定の事業の範囲を規定するということであり、具体的にはどのような消費者をターゲットにし、どのようなニーズを満たしていくのかといったことを規定するということです。
④ 混同しやすいポイント
過去問では、次の記述が誤りとして出題されています。
『事業ドメインの決定は、特定市場での競争戦略に影響を受け、将来の事業領域の範囲をどう定義するかについて、企業が自らの相互作用の対象として選択した事業ポートフォリオの決定である』
| 企業ドメイン | 事業ドメイン | |
|---|---|---|
| 規定するもの | 事業の範囲・組み合わせ(事業ポートフォリオ) | 特定の事業の範囲 |
| 具体的な中身 | 企業としてのアイデンティティ | どんな消費者に、どんなニーズを満たすか |
| 対応する戦略階層 | 企業戦略 | 事業戦略 |
| 決める人 | トップマネジメント | 事業部長(ミドルマネジメント) |
⑤ エーベルの3次元枠組
事業ドメインを考える際に有用なツールとして、エーベル(Abell, D. F.)の3次元枠組があります。
これによると、エーベルは、ドメインを考える際には、次の3つの次元をもとに設定していくことを提唱しています。
| 次元 | 問い |
|---|---|
| 顧客(customer) | どんな顧客に対して |
| 機能(function) | どんな機能を |
| 技術(technology) | どのような技術によって提供していくのか |
「誰に・何を・どうやって」の3点セットです。物理的定義と機能的定義の議論が「モノかコトか」という1軸だったのに対し、エーベルの枠組は3つの軸で立体的にとらえる点が特徴です。
この3つのうちどれを広げるか、どれを絞るかを組み合わせることで、事業ドメインの位置を細かく設計できます。たとえば「技術は変えずに顧客を広げる」のは第6節で学ぶ新市場開拓戦略に、「顧客は変えずに機能を増やす」のは新製品開発戦略に対応します。
具体例
総合飲料メーカーF社の2つのレベルのドメインを見てみます。
企業ドメイン 「飲むという行為を通じて、人々の一日の場面を支える」
この規定に基づき、F社が抱える事業の組み合わせ(事業ポートフォリオ)は、清涼飲料、缶コーヒー、茶系飲料、機能性飲料、酒類の5つと決まっています。「食品全般」には広げず、飲料に絞る。これが企業としてのアイデンティティです。
事業ドメイン(機能性飲料事業) エーベルの3次元で表すと次のようになります。
・顧客……30〜50代の、デスクワーク中心で運動不足を自覚している会社員
・機能……昼食後の眠気を抑え、午後の集中を保つこと
・技術……自社の発酵技術で抽出したアミノ酸の配合
「誰に・何を・どうやって」がはっきりしているので、商品開発も広告も、この3点から外れないように設計できます。
ここで、もし機能性飲料事業が「顧客を10代の学生にも広げよう」と考えたとしても、それは事業ドメインの変更にとどまります。一方、「スポーツジムの運営にも乗り出そう」となれば、それは飲料という枠を超えるので企業ドメインの変更です。判断するレベルが違うわけです。

ドメインと経営計画
試験のポイント
動画・テキスト・過去問・AI添削まですべて網羅!
予備校代の1/10以下で、独学の不安をまるごと解決できます
プレミアムプラン
¥9,800〜/ 買い切り・自動更新なし(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。