組織行動論
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プレミアムで見るどんなリーダーが有効なのか。この問いへの答えは、100年のあいだに3回、大きく変わりました。最初は「優れたリーダーは生まれつき優れた資質を持つ」と考えました。次に「資質ではなく行動のパターンだ」と考え直しました。そして最後に「有効なスタイルは状況によって変わる」という結論にたどり着きます。この節は人名と理論名の組み合わせが大量に出てくるところですが、資質 → 行動 → 状況という流れに沿って並べると、格段に覚えやすくなります。
簡単にいうと
最初は「優れたリーダーの人柄を調べよう」とした(資質特性論)。でもうまくいかず、「行動を見よう」に変わった(行動類型論)。この転換が出発点だよ!
① 3つの段階
リーダーシップ論の研究は大まかには、資質特性論、行動類型論、状況適合論という変遷をたどってきています。
| 段階 | 何を見たか | 問い |
|---|---|---|
| ❶ 資質特性論 | リーダーのパーソナリティ | 優れたリーダーはどんな人柄か |
| ❷ 行動類型論 | リーダーの行動パターン | 優れたリーダーはどう行動するか |
| ❸ 状況適合論 | リーダーの置かれている状況 | どんな状況でどのスタイルが効くか |
内面 → 外面 → 状況という順に、見る対象が広がっていったことになります。
具体例
リーダーシップ研究の転換を、採用試験のたとえで考えてみましょう。
資質特性論の発想で人を選ぶなら
「優れたリーダーの共通点」を探すことになります。
・歴史上の名経営者20人を調べる
・共通する性格特性を抜き出す
・その特性を持つ人を管理職に登用する
ところが調べてみると 20人のなかには、社交的で人を引きつける人もいれば、寡黙で人前に出ない人もいました。細部にこだわる人もいれば、大局しか見ない人もいます。
パーソナリティを要素に分解することが難しく、統一的な結論を導くことができなかったというのは、こういうことです。
しかも、仮に「決断力」が共通点だと分かったとしても、決断力をどう測ればよいのかが分かりません。
行動類型論の発想で人を選ぶなら
「優れたリーダーは何をしているか」を見ることになります。
・部下の役割をはっきり決めているか
・進捗を確認しているか
・部下の意見を聞いているか
・困っている人に声をかけているか
これらは観察でき、記録でき、比較できます。
そして決定的なのは、

リーダーシップ論の変遷(4つのアプローチ)
試験のポイント
簡単にいうと
レビンは民主型が最も優れているとした。オハイオは「構造造り」と「配慮」、ミシガンは「生産志向」と「従業員志向」。呼び名が違うだけで、見ている軸は同じだよ!
① レビンのリーダーシップ類型論(アイオワ研究)
レビンは、集団の動きについての科学的実験を行い、リーダーシップが集団の成果に影響することを明らかにしました。
また、集団における規範の形成や意思決定が、個人行動の変容とその定着に大きく作用することも明らかにしています。
② 3つのリーダーシップのタイプ
レビンはリーダーシップのタイプを次の3つに分け、成果との関係を調査しました。
| タイプ | 中身 | |
|---|---|---|
簡単にいうと
PM理論はP(目標達成)とM(集団維持)の2軸。両方高いPM型がよい。マネジリアルグリッドは9×9のマス目で、9・9型が理想。どちらも「両方高いのが一番」だよ!
① PM理論
P(performance)は目標達成機能、M(maintenance)は集団維持機能であり、Pが構造造り、Mが配慮におおむね対応します。
| 記号 | 英語 | 名称 | 対応するもの |
|---|---|---|---|
| P | performance |
簡単にいうと
状況適合論の最初の理論。3つの状況要因で「好ましさ」を測る。両極(好ましい・好ましくない)ではタスク志向、まん中(普通)では人間関係志向が効くよ!
① 状況適合論への転換
行動類型論においては、ベストなリーダーシップのスタイルが明らかにされましたが、現実には、そのようなリーダーシップが有効でないケースも存在しました。
そこで、リーダーの行動の分析だけでなく、リーダーの置かれている状況にも目を向ける必要があることが認識されはじめ、状況適合論が展開されました。
この理論の特徴は、状況によって、有効なリーダーシップのスタイルが異なるとする点にあります。
第7章で学んだコンティンジェンシー理論と同じ発想です。組織構造について「唯一最善の組織はない」としたのと同じように、リーダーシップについても「唯一最善のスタイルはない」としたわけです。
② 2つのリーダーシップスタイル
まず、フィードラーは、リーダーシップには、人間関係志向のリーダーシップスタイルと、タスク志向のリーダーシップスタイルがあるとしました。
簡単にいうと
ハウスの理論。リーダーは部下が報酬に到達する道筋(パス)を示す。4つの行動を、仕事環境と部下の特徴に応じて使い分ける。指示型が効くのはタスクが曖昧なときだよ!
① パス・ゴール理論とは
パス・ゴール理論(ハウスの目標−経路理論)が描く望ましいリーダーは、部下がゴールにたどり着けるよう道を整える人です。具体的には、部下が感じる報酬を大きくし、そこへ至る道筋をはっきりさせ、途中の障害を取り除き、道すがら個人的な満足を得られる機会を増やしますです。
リーダーの役割を、ゴールへの道(パス)を整えることと見る理論です。
定義のなかには、リーダーがやるべきことが4つ含まれています。
・部下の認知する報酬を大きくさせる
・報酬に至る経路を明確にする
・障害を少なくする
・その途上で個人的満足の機会を増加させる
簡単にいうと
部下の成熟度に応じてスタイルを変える理論。教示的 → 説得的 → 参加的 → 委任的と、成熟するほど手を離していくのがポイント!
① SL理論とは
SL理論(Situational Leadership:状況対応型リーダーシップ)は、ハーシーとブランチャードによって提唱された状況適合論のひとつです。
この理論の特徴は、状況要因を部下の成熟度という一点に絞ったところにあります。
部下が成熟するにつれて、有効なリーダーシップのスタイルが変わっていくというのが基本の主張です。
② 2つの軸
SL理論も、これまでの理論と同じ2軸を使います。
| 軸 |
|---|
簡単にいうと
最後は「やっぱり資質が大事」に戻ってくる。だから新資質特性論と呼ばれるよ。カリスマ的はハウス、変革型はバーンズ。人名も押さえよう!
① カリスマ的リーダーシップ論
ハウスらのカリスマ的リーダーシップ論には、はっきりした特徴があります。リーダーシップの源を、フォロワーに並外れて深い影響を及ぼせるリーダー個人の資質に求めている点ですです。
たとえば、自らの行動や姿勢に自信があふれ、確信をもってフォロワーが達成すべき目標を示し、それに至る道筋を提示するリーダーです。
ハウスは、前のテーマのパス・ゴール理論の提唱者でもあります。同じ人物が両方に関わっている点に注意してください。
② 変革型リーダーシップ論
一方、バーンズらの変革型リーダーシップ論は、不透明な状況下でのリーダーの組織文化や戦略に対する変革力に注目したものです。
フォロワーとの相互依存的な関係を重視することで、積極的にフォロワーの信念やニーズ、価値をリーダーが望む方向に入れ換えようとするのが特徴的です。
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リーダーシップ研究の最も早い時期のものです。実際に優れた功績を残したリーダーを手がかりに、そのパーソナリティとリーダーシップのあいだにある関係を明らかにしようとしましたです。
「優れたリーダーには、共通する人柄があるはずだ」という発想です。
③ なぜ行き詰まったか
しかし、パーソナリティを要素に分解することが難しく、科学的に証明される統一的な結論を導くことができませんでした。
理由は2つあります。
・パーソナリティを要素に分解することが難しい
・その結果、統一的な結論が導けなかった
「決断力がある」「人望がある」といった資質を挙げても、それを測ることができず、また優れたリーダーのなかにも正反対の性格の人がいました。
④ 行動類型論
見る対象を、内面から外面へ移した立場です。パーソナリティではなく行動のパターンからリーダーシップを類型に分け、そこから本質に迫ろうとしましたです。
行動類型論の特徴は、組織の効率と構成員の満足度の両方を高めるようなリーダーシップの類型を究明することにあります。
⑤ なぜ行動に切り替えたのか
内面は測れないが、行動は観察できるという点が決定的でした。
しかも、行動なら学習できます。資質は生まれつきのものですが、行動パターンなら訓練によって身につけられます。実務上の意味が大きく変わったわけです。
⑥ 2つの軸が繰り返し現れる
行動類型論の特徴として、組織の効率と構成員の満足度の両方とある点に注目してください。
このあと見ていく研究では、呼び名は違っても同じ2つの軸が繰り返し現れます。
| 研究 | 仕事の側面 | 人の側面 |
|---|---|---|
| オハイオ研究 | 構造造り | 配慮 |
| ミシガン研究 | 生産志向型 | 従業員志向型 |
| PM理論 | P(目標達成機能) | M(集団維持機能) |
| マネジリアルグリッド | 生産への関心 | 人への関心 |
名前が違うだけで、ほぼ同じことを見ているのです。この対応を先に頭に入れておくと、個々の研究を覚える負担が大きく減ります。
実務が変わった 資質特性論の時代、管理職の育成は「素質のある人を見つけること」でした。
行動類型論以降、それは「有効な行動を身につけさせること」に変わります。現代の管理職研修が成り立っているのは、この転換のおかげです。
| 民主型リーダーシップ |
| リーダーは援助し、集団で討議し決定する |
| ② | 独裁型リーダーシップ | リーダーがすべてを独裁的に決定する |
| ③ | 放任型リーダーシップ | すべてを個々人で自由決定する |
③ 結論
結論としては、民主型リーダーシップが、集団の凝集性、メンバーの積極性や満足度、集団の作業成果のいずれにおいても最も優れているとしています。
いずれにおいてもという点が大事です。満足度だけでなく、作業成果でも民主型が最も優れていた、という結論になっています。
④ オハイオ研究
オハイオ州立大学で行われた研究であり、リーダーシップ行動の大部分を実質的に説明する要素は、「構造造り」と「配慮」という2つであるとしました。
| 中身 | |
|---|---|
| 構造造り | 目標達成を目指すなかで、自分(リーダー)と部下の役割を定義し構築すること |
| 配慮 | 部下の感情への気配りやアイデアの尊重など、職務上の関係をもつこと |
⑤ オハイオ研究の結論と限界
結論としては、「構造造り」と「配慮」の両方に対して高い関心を示すリーダーのもとでは、部下の業績と満足度が高まる可能性が高いとしています。
※ ただし例外も多く、状況要因をこの理論に組み込む必要性があることがわかりました。
この「例外も多い」という発見が、のちの状況適合論につながっていきます。行動類型論の限界が、ここで見えたわけです。
⑥ ミシガン研究
ミシガン大学で行われた研究であり、リッカートがまとめあげました。
リッカートは、「独善的専制型」「温情的専制型」「相談型」「参加型」の4つの組織類型を示しています。
また、最終的にリーダーシップ行動の側面として、「生産志向型」と「従業員志向型」という2つにたどり着きました。
| 中身 | |
|---|---|
| 生産志向型 | 仕事の技術的あるいはタスク上の側面を重視する |
| 従業員志向型 | 部下のニーズへの関心、個性の違いの受容など、人間関係を重視する |
⑦ ミシガン研究の結論
結論としては、「参加型」の組織が理想形であり、このタイプの組織におけるリーダーシップの特性から、従業員志向型のリーダーが好ましいとしています。
オハイオ研究が「両方に高い関心」としたのに対し、ミシガン研究は「従業員志向型が好ましい」としている点が違います。
⑧ 過去問で問われた形
次の記述が誤りとして出題されています。
『リッカートによる参加型リーダーシップでは、リーダーは部下の意思決定に積極的に参加し、影響力を行使することが重要であるとした』
リッカートの理論では、リーダーは従業員志向型のスタイルが望ましいとしており、部下の意思決定への影響力の行使(独善的)が重要だというわけではありません。
「参加型」という言葉に引きずられて、「リーダーが部下の意思決定に参加する」と読み替えてしまう誤りです。
正しくは、部下が意思決定に参加するという意味の参加型です。方向が逆になっている点に注意してください。
⑨ リッカートは第5節にも出てきた
第5節で学んだ連結ピン・モデルも、リッカートによるものでした。
連結ピン・モデルのねらいが「集団のメンバーの参画による意思決定が促進される」ことだったのを思い出してください。ミシガン研究の「参加型が理想形」という結論と、同じ方向を向いています。
具体例
同じ工場の3つの班で、班長のやり方がまったく違った例です。レビンの3類型がそのまま現れました。
A班(独裁型) 班長がすべてを決めます。作業の順番も担当も、班員は当日の朝に知らされます。意見を言う場はありません。
・生産量……班長が見ているときは高いが、離席すると落ちる
・班員の満足度……低い。「言われたことをやるだけ」
・凝集性……低い。班員どうしの会話がほとんどない
B班(放任型) 班長は何も決めません。「各自の判断でやってください」
・生産量……低い。誰が何をするかが決まらず、手待ちが発生する
・班員の満足度……低い。「誰も決めてくれない」という不満
・凝集性……低い。責任の押しつけ合いが起きる
C班(民主型) 班長は朝礼で「今日の目標はこれです。やり方はみんなで決めましょう」と投げかけます。決まらないときは班長が助言しますが、決定は班で行います。
・生産量……最も高い。班長が不在でも落ちない
・班員の満足度……高い
・凝集性……高い。班員どうしで助け合いが起きる
民主型リーダーシップが、集団の凝集性、メンバーの積極性や満足度、集団の作業成果のいずれにおいても最も優れているという結論そのものです。
オハイオ研究の2軸で見ると
・A班の班長……構造造りは高い(役割を明確に定義している)が、配慮が低い(部下の感情に気を配っていない)
・B班の班長……構造造りも配慮も低い
・C班の班長……両方が高い
両方に対して高い関心を示すリーダーのもとでは、部下の業績と満足度が高まる可能性が高いという結論と一致します。
ただし例外もあった 同じ工場でも、緊急の設備故障で復旧作業をしている場面では、A班の班長のやり方のほうが速く片づきました。
例外も多く、状況要因を組み込む必要性があるというのは、こういう場面のことです。ここから状況適合論が始まります。
試験のポイント
| オハイオ研究の構造造り |
| M | maintenance | 集団維持機能 | オハイオ研究の配慮 |
PとMが何の略かは、そのまま問われることがあります。
② PM理論の結論
結論としては、PとMがともに高いリーダーシップスタイルが職務満足やチームワークなどに対して有効であるとしています。
PとMの高低の組み合わせで、4つの類型ができます。
| 類型 | 状態 |
|---|---|
| PM型 | Pが高くMも高い。最も有効 |
| Pm型 | Pが高くMが低い |
| pM型 | Pが低くMが高い |
| pm型 | どちらも低い |
大文字が高い、小文字が低いことを表します。
③ マネジリアルグリッド
ブレーク&ムートンによって図式化されたマネジリアルグリッドとよばれるマトリックス図であり、「人への関心」と「生産への関心」の2つのスタイルに基づいています。
縦軸に人への関心、横軸に生産への関心をとり、それぞれ1から9までの9段階で評価します。
④ 5つの代表的な型
| 型 | 名称 | 人への関心 | 生産への関心 |
|---|---|---|---|
| 1・1型 | 無関心型 | 低い(1) | 低い(1) |
| 1・9型 | 人間中心型 | 高い(9) | 低い(1) |
| 9・1型 | 仕事中心型 | 低い(1) | 高い(9) |
| 5・5型 | 常識型 | 中間(5) | 中間(5) |
| 9・9型 | チームマネジメント型 | 高い(9) | 高い(9) |
⑤ 数字の読み方に注意
1・9型が人間中心型、9・1型が仕事中心型です。
どちらの数字が先に来るのかを取り違えやすいので、名称とセットで覚えてください。
・1・9型 → 人間中心型(生産への関心1、人への関心9)
・9・1型 → 仕事中心型(生産への関心9、人への関心1)
名称から中身を逆算できるようにしておけば、数字の順番を忘れても答えられます。
⑥ マネジリアルグリッドの結論
結論としては、9・9型のチームマネジメント型が理想的なリーダーシップスタイルであるとしています。
⑦ 4つの研究の軸はほぼ同じ
※ この2軸は、ほぼ他の研究と重なります。「生産への関心」はオハイオ研究の構造造り、ミシガン研究の生産志向型、PM理論のPに。「人への関心」は配慮、従業員志向型、Mに対応します。
この対応表は、この節でいちばん役に立つ整理です。
| 研究 | 仕事の側面 | 人の側面 |
|---|---|---|
| オハイオ研究 | 構造造り | 配慮 |
| ミシガン研究 | 生産志向型 | 従業員志向型 |
| PM理論 | P(目標達成機能) | M(集団維持機能) |
| マネジリアルグリッド | 生産への関心 | 人への関心 |
4つとも、結論もほぼ同じです。オハイオ研究は「両方に高い関心」、PM理論は「PM型」、マネジリアルグリッドは「9・9型」。いずれも両方が高いのがよいとしています。
ミシガン研究だけが「従業員志向型が好ましい」と人の側面に寄った結論を出している点が違いますが、これも「参加型の組織が理想形」という前提に立ったものです。
⑧ ここが行動類型論の到達点
「両方が高いのがよい」というのが、行動類型論の結論でした。
しかしオハイオ研究で見たとおり、例外も多く、状況要因を組み込む必要性があることが分かってきます。そこから次の段階、状況適合論へ進むことになります。
具体例
ある営業所の所長4人を、マネジリアルグリッドに置いてみましょう。
F所長(9・1型 仕事中心型) 「数字がすべてだ」が口癖です。
・毎朝、個人別の進捗を掲示板に貼り出す
・未達者には個別に理由を説明させる
・部下の私生活や体調には関心がない
生産への関心9、人への関心1。短期の数字は出ますが、退職者が続いています。
G所長(1・9型 人間中心型) 「まずは人間関係だ」が信条です。
・毎月の懇親会を欠かさない
・部下の相談には何時間でも付き合う
・目標未達でも「次があるから」と励ますだけ
人への関心9、生産への関心1。職場の雰囲気はよいのですが、3期連続で目標未達です。
H所長(1・1型 無関心型) 異動まであと1年という立場で、数字にも部下にも深く関わろうとしません。どちらも1。営業所は自然消滅的に縮小していきました。
I所長(9・9型 チームマネジメント型)
生産への関心(9)
・週次で数字を確認し、遅れの原因を一緒に分析する
・目標は下げないが、達成の道筋を具体的に詰める
人への関心(9)
・月1回、1対1で話す時間を必ず取る
・部下が抱えている顧客の難しさを理解している
・体調や家庭の事情を把握し、無理な配置をしない
結果 目標達成率は4営業所で最も高く、離職者はゼロでした。
9・9型のチームマネジメント型が理想的という結論の、そのままの実例です。
PM理論で言い換えると I所長はP(目標達成機能)もM(集団維持機能)も高いPM型です。F所長はPm型、G所長はpM型、H所長はpm型になります。
呼び名が違うだけで、同じことを見ていることが分かります。

マネジリアルグリッド
試験のポイント
そして、どちらのスタイルが効果的であるかは状況によって異なり、その状況として認識すべき要素として、次の3つを想定しました。
| 状況要因 | 中身 | |
|---|---|---|
| ① | リーダーと成員との関係 | リーダーが集団のメンバーに支持され、受け入れられていること |
| ② | タスクの構造 | 仕事の目標、手順、成果が明確で、ルーチン化あるいは構造化されていること |
| ③ | 地位勢力 | メンバーを方向づけ、評価し、賞罰を与える公式の権限が与えられていること |
3つの名称と中身は、そのまま出題されます。
過去問では、次の記述が正しいものとして出題されています。
『F. E. フィードラーの研究によると、リーダーシップの有効性に影響を及ぼす状況の決定要因とは、①リーダーとメンバーの人間関係、②課業の構造化の度合い、③リーダーの職位に基づくパワーの3要因である』
④ フィードラーの結論
ここがこの理論の要です。
この3要素の組み合わせから、リーダーにとっての状況が好ましい/普通/好ましくないのどこに当たるかが決まります。フィードラーの結論はこうでした。両極、つまり好ましい状況と好ましくない状況ではタスク志向が高い業績を生む。そしてまん中の普通の状況では人間関係志向が効く。
| 状況 | 有効なスタイル |
|---|---|
| 好ましい状況(両極の一方) | タスク志向 |
| 普通の状況(まん中) | 人間関係志向 |
| 好ましくない状況(両極の一方) | タスク志向 |
両極でタスク志向、まん中で人間関係志向。
この形が独特です。「好ましい状況ほどタスク志向」といった単調な関係ではない点に注意してください。
図では、タスク志向型がU字を逆さにしたような形(両端が高い)、人間関係志向型が山型(まん中が高い)の曲線で描かれます。
⑤ なぜこうなるのか
理屈を押さえておくと、忘れにくくなります。
・好ましい状況……すでに信頼され、仕事も明確で、権限もある。わざわざ人間関係に気を配らなくても動くので、仕事を進めることに集中したほうが効率的
・好ましくない状況……信頼もなく、仕事も曖昧で、権限もない。人間関係を作ろうとしても時間がかかるので、まず仕事の枠組みを作ることが先
・普通の状況……どちらとも言えない状態。ここでは人間関係を整えることが決め手になる
⑥ LPC尺度
また、フィードラーは、人のパーソナリティや欲求構造を変えることは容易ではないため、特定の人物は人間関係志向とタスク志向のいずれかが向いていると想定します。
そして、その人物が人間関係志向とタスク志向のいずれのスタイルをとるかは、LPC尺度によって異なるとしました。
LPC尺度とは、「最も一緒に仕事をしたくない同僚(LPC)」について評価させ、スコアとしたものです。
| LPC | どんな人か | とるスタイル |
|---|---|---|
| 高LPC | どのような同僚でも寛大に評価する | 人間関係志向 |
| 低LPC | 厳しく評価する | タスク志向 |
⑦ スタイルは変えられないという前提
フィードラー理論の特徴は、リーダーのスタイルは簡単には変えられないと想定している点です。
人のパーソナリティや欲求構造を変えることは容易ではないからです。
そうすると、実務上の結論は独特なものになります。リーダーに状況へ合わせさせるのではなく、スタイルに合った状況にリーダーを配置する、あるいは状況のほうを変えるという発想になります。
具体例
同じ課長が、2つの職場でまったく違う成果を出した例です。
J課長のスタイル LPC尺度の結果は低LPC。「最も一緒に仕事をしたくない同僚」を厳しく評価するタイプで、タスク志向のリーダーシップをとります。
・仕事の手順と期限をはっきり決める
・進捗を数字で確認する
・雑談はほとんどしない
1つ目の職場(好ましくない状況)
経営統合で新設された部署に着任しました。
・リーダーと成員との関係……初対面。信頼関係はゼロ。悪い
・タスクの構造……何をどうするか誰も分かっていない。低い
・地位勢力……人事評価の権限がまだ与えられていない。弱い
3つとも悪い、最も好ましくない状況です。
ここでJ課長は成果を出しました。まず業務の棚卸しをし、手順を文書化し、担当を割り当て、期限を切りました。
人間関係を作ろうとしていたら、半年はかかっていたはずです。混乱した状況では、まず枠組みを作ることが効きました。
2つ目の職場(普通の状況)
3年後、既存の営業課に異動しました。
・リーダーと成員との関係……前任者の評判はよく、J課長も一応受け入れられた。よい
・タスクの構造……顧客ごとに事情が違い、標準化しにくい。低い
・地位勢力……評価権限はある。強い
よい・低い・強いという組み合わせで、普通の状況にあたります。
ここでJ課長は苦戦しました。手順を決めようとしても、顧客ごとに事情が違って当てはまりません。部下は「現場を見ていない」と感じ、数字の確認だけが増えていきました。
普通の状況では、人間関係志向のリーダーシップが高い業績をもたらすという結論のとおりの結果です。
会社が取った対応 興味深いのは、この会社がJ課長に「もっと部下の話を聞け」と指導しなかったことです。
人のパーソナリティや欲求構造を変えることは容易ではないという前提に立ち、代わりに次のことをしました。
・J課長を、標準化しやすい法人ルート営業の課に再配置した
・元の営業課には、高LPCの課長を配置した
リーダーを状況に合わせるのではなく、状況にリーダーを合わせるという、フィードラー理論らしい対処です。
試験のポイント
この発想は、第3節で学んだ期待理論に基づいています。
・報酬を大きくさせる → 誘意性を高める
・経路を明確にして障害を少なくする → 期待を高める
ローラーの期待理論でいえば、「努力すれば業績が向上する」という期待を高めるのがリーダーの仕事だ、ということになります。
③ 4つのリーダーシップ行動
そして、望ましいリーダーシップ行動は、「仕事環境の特徴」と「部下の特徴」という2種類の状況変数に応じて、以下の4つに分類されます。
❶ 指示型(部下の活動の計画、組織化、統制、調整)
タスクが高度に構築されているときよりも、曖昧であったり、相当なコンフリクトが存在したりするなど部下のストレスが多いときに、部下のより大きな満足につながります。
ただし、高い能力や豊富な経験をもつ部下や自らの状況をコントロールできると考えている部下にはくどくなる可能性が高くなります。
ここは過去問で問われています。次の記述が誤りとされています。
『構造化されたタスクに携わる従業員に対しては、指示型リーダーシップによる職務遂行が有効である』
指示型が適しているのはタスクが曖昧、ストレスが多いといった場合です。構造化されている(すでに手順が決まっている)なら、改めて指示する必要がありません。
❷ 支援型(部下の欲求に関心をもち、友好的で快適な環境づくりをする)
部下が明確化されたタスクを遂行していて、その仕事が明確かつ官僚的であるほど高業績と高い満足をもたらします。
指示型とちょうど逆です。タスクが明確なときには支援型が効きます。
❸ 参加型(部下と情報を共有したり、意思決定に彼らのアイデアを反映させたりする)
自らの状況をコントロールできると考えている部下にとって満足度が高くなります。
❹ 達成志向型(部下の最大の努力を期待して挑戦的な目標を設定し、絶えず成果の向上を求める)
タスクが曖昧な状況でも努力すれば高業績につながるという部下の期待を増加させます。
④ 理論の要点
要するに、足りないものを補うときにだけリーダーの行動は効くということです。部下の側か仕事環境の側に欠けているものがあり、それをリーダーが埋めるなら、業績も満足も上がります。
逆に、やることがすでにはっきりしていて、部下にも十分な能力と経験がある。それなのに長々と説明し、細かく指示を出す。この場合は部下の満足度が下がります。
「欠けているものを補完する」というのが、この理論の一言でのまとめです。
足りているものを重ねて与えても、邪魔になるだけだということです。
⑤ 2種類の状況変数
| 状況変数 | 含まれる要素 |
|---|---|
| 部下の特徴 | ローカス・オブ・コントロール(行動決定源が自らにあるという意識)、経験、認知された能力 |
| 仕事環境の特徴 | タスク構造(ルーチン的か否か)、公式の権限体系(官僚度合い)、ワーク・グループ(集団としての成熟度) |
ローカス・オブ・コントロールという用語は、括弧書きの説明ごと覚えてください。「行動決定源が自らにあるという意識」、つまり自分で自分の状況をコントロールできると思っているかどうかです。
この意識が高い部下には、参加型が向きます。逆に指示型はくどくなるわけです。
具体例
新規事業部で、同じ課長が4人の部下に違う接し方をしている例です。
K さん(新卒2年目、担当はまだ固まっていない)
・仕事環境……新規事業なので、何をどうやるか決まっていない(タスクが曖昧)
・部下の特徴……経験が浅く、自分でコントロールできる感覚が薄い
→ 指示型を採用。「今週はこの3社に、この資料を持って訪問してください。報告はこの様式で」と細かく決めます。
タスクが曖昧で部下のストレスが多いときに、より大きな満足につながるという、そのままの状況です。K さんは「何をすればいいか分かって助かる」と言っています。
L さん(10年目、既存業務のベテラン)
・仕事環境……担当は定型業務で、手順が確立している(タスクが明確)
・部下の特徴……十分な能力と経験がある
→ 支援型を採用。仕事のやり方には口を出さず、「困ったことはないか」「体調はどうか」と声をかけるにとどめます。
ここでもし指示型を使ったら 「今週はこの手順でやってください」と言われれば、L さんは「10年やっている仕事だ」と感じます。
タスクがすでに明白で、部下が十分な能力と経験をもっているのに、長々と説明したり指示したりすると、部下の満足度が低くなるというのは、この状況のことです。
M さん(7年目、自分の判断で動きたいタイプ)
・部下の特徴……ローカス・オブ・コントロールが高い。「自分の努力で結果は変えられる」と考えている
→ 参加型を採用。「来期の方針を決めたいので、意見を聞かせてほしい」と意思決定の場に入れます。
M さんは自分の案が採用されたことで、実行の段階でも強く関わるようになりました。
N さん(5年目、能力は高いが目標が低め)
・部下の特徴……能力はあるが、「このくらいでいいか」で止まる
・仕事環境……新しい市場で、やってみないと分からない(タスクが曖昧)
→ 達成志向型を採用。「今期は前年の1.5倍を目指そう。できると思っている」と挑戦的な目標を示し、成果の向上を求め続けます。
タスクが曖昧な状況でも、努力すれば高業績につながるという部下の期待を増加させるという働きです。
共通しているのは 課長は4人に同じ接し方をしていません。部下あるいは仕事環境に欠けているものを補完しているのです。
試験のポイント
| 指示的行動(タスク志向) | 何を、いつ、どうやるかを具体的に指示する度合い |
| 協労的行動(人間関係志向) | 部下の話を聞き、支援し、励ます度合い |
③ 4つのスタイル
部下の成熟度が低い段階から順に、次のように変わっていきます。
| 成熟度 | スタイル | 指示的行動 | 協労的行動 |
|---|---|---|---|
| 低い | ❶ 教示的 | 高い | 低い |
| やや低い | ❷ 説得的 | 高い | 高い |
| やや高い | ❸ 参加的 | 低い | 高い |
| 高い | ❹ 委任的 | 低い | 低い |
④ 変化のしかた
4つの流れを言葉にすると、次のようになります。
・教示的……何も分からないので、細かく教える。まだ関係も浅い
・説得的……やり方は教えつつ、なぜそうするのかを説明し、納得させる
・参加的……やり方は任せ、相談に乗り、一緒に決める
・委任的……任せる。口も手も出さない
指示的行動が「高→高→低→低」、協労的行動が「低→高→高→低」という動き方になります。
協労的行動がまん中の2段階で高く、両端で低いという点が特徴的です。
・最初は、教えることが先で、関係づくりはその後
・最後は、関係ができているので、あえて関わらなくてよい
⑤ 最終的には手を離す
この理論の要は、成熟した部下には委任するという結論にあります。
指示的行動も協労的行動も、最終段階では両方とも低くなるのです。
これは、これまでの理論と違う点です。PM理論もマネジリアルグリッドも「両方高いのが理想」としていましたが、SL理論は部下が成熟すれば両方低くてよいとします。
「よいリーダーとは、最後には必要なくなるリーダーだ」という考え方に近いものがあります。
⑥ 他の理論とのつながり
第7章で学んだエンパワーメントや、第2節で学んだ目標管理制度(MBO)は、いずれも成熟した部下に対する委任的なかかわり方です。
また、パス・ゴール理論の「部下が十分な能力と経験をもっているのに、タスクについて長々と説明したり指示したりすると満足度が低くなる」という指摘とも、同じ方向を向いています。
⑦ 実務での意味
SL理論が実務で使いやすいのは、同じ部下に対して、時間とともに接し方を変えるべきだという示唆を与えてくれるからです。
入社時に有効だった細かい指示を3年後も続けていれば、部下の成長を妨げます。逆に、何も分からない新人にいきなり委任すれば、本人も周囲も困ります。
具体例
ある設計事務所で、所長が1人の社員に対する接し方を5年かけて変えていった例です。
1年目(成熟度が低い → 教示的)
・図面の描き方を1本ずつ指定する
・「この線の太さは0.3、この文字は3ミリ」と具体的に指示
・提出のたびに赤を入れて返す
指示的行動が高く、協労的行動は低い状態です。雑談もほとんどせず、仕事の話だけをしていました。
この段階で「君に任せるよ」と言っていたら、本人は途方に暮れたはずです。
2〜3年目(やや低い → 説得的)
・指示は続けるが、「なぜこの納まりにするのか」を説明する
・本人の疑問に答え、考え方を伝える
・現場に同行し、図面と実物の違いを一緒に確認する
指示的行動も協労的行動も高い段階です。
本人は「言われたとおりに描く」から「理由が分かって描く」に変わりました。
4年目(やや高い → 参加的)
・基本的な設計は任せる
・週1回、方針について一緒に議論する
・判断に迷う場面では、本人の考えを聞いてから意見を言う
指示的行動が下がり、協労的行動は高いままの段階です。
5年目以降(高い → 委任的)
・案件をまるごと任せる
・進め方も顧客との折衝も本人が決める
・所長は結果の報告を受けるだけ
指示的行動も協労的行動も低い状態です。
ここが重要 所長が冷たくなったわけではありません。必要がなくなったのです。
もし1年目のやり方を続けていたら 5年目の社員に線の太さを指定していれば、「信用されていない」と感じたはずです。パス・ゴール理論でいうくどくなる可能性が高い状態です。
実際、この事務所には「いつまでも細かく指示する」別の先輩がいて、その下についた社員は2年で辞めています。
同じ部下でも、成熟度が変われば有効なスタイルが変わる。SL理論が教えてくれるのは、このことです。
試験のポイント
③ 2つの違い
| カリスマ的リーダーシップ論 | 変革型リーダーシップ論 | |
|---|---|---|
| 提唱者 | ハウスら | バーンズら |
| 注目するもの | リーダーの個人的な資質 | 組織文化や戦略に対する変革力 |
| どんな状況で | フォロワーへの影響を及ぼす場面 | 不透明な状況下 |
| フォロワーとの関係 | 深く尋常ではない影響を及ぼす | 相互依存的な関係を重視する |
| 何をするか | 目標と道筋を確信をもって示す | 信念やニーズ、価値を望む方向に入れ換える |
④ 新資質特性論
いずれもリーダーの個人的資質に注目したものであり、新資質特性論ともいうべきものです。
ここがこの節の締めくくりとして重要です。
リーダーシップ論は、
資質特性論 → 行動類型論 → 状況適合論 → 新資質特性論
という流れをたどり、ふたたび資質に戻ってきたことになります。
⑤ なぜ資質に戻ったのか
最初の資質特性論は、パーソナリティを要素に分解できず、統一的な結論が導けなかったために行き詰まりました。
では、なぜまた資質が注目されたのか。
・行動類型論と状況適合論は、日常的な管理をよく説明できた
・しかし、大きな変革を成し遂げるリーダーは説明できなかった
・そうしたリーダーには、やはり個人的な資質としか言いようのない何かがある
つまり、最初の資質特性論に戻ったのではなく、説明しきれなかった領域を埋めるために資質が再び取り上げられたということです。
⑥ コッターの区別とのつながり
第8節で学んだコッターの区別を思い出してください。
・リーダーシップ……変革を推し進める機能
・マネジメント……効率的・確実的に組織を運営する機能
変革型リーダーシップ論が注目しているのは、まさにコッターのいうリーダーシップのほうです。
そして次節以降で学ぶ組織文化(第10節)と戦略的組織変革(第12節)は、変革型リーダーシップが働く場面そのものを扱っています。
⑦ 節全体のまとめ
この節で見てきた流れを、最後にもう一度整理します。
| 段階 | 主な理論 | 結論 |
|---|---|---|
| 資質特性論 | - | 統一的な結論が導けなかった |
| 行動類型論 | レビン、オハイオ、ミシガン、PM理論、マネジリアルグリッド | 仕事と人の両方に高い関心をもつのがよい |
| 状況適合論 | フィードラー、パス・ゴール理論、SL理論 | 有効なスタイルは状況によって異なる |
| 新資質特性論 | カリスマ的、変革型 | 変革を担うリーダーには個人的資質がある |
人名と理論名を単独で覚えるより、この4段階のどこに属するかを押さえたほうが確実です。
具体例
経営危機に陥った電機メーカーを立て直した経営者の例で、2つの理論の違いを見てみましょう。
カリスマ的リーダーシップとして現れた面
就任会見で、この経営者はこう言いました。「3年で黒字にします。できます。私が保証します」
・自らの行動や姿勢に自信があふれている
・確信をもってフォロワーが達成すべき目標を示している
・その後の社内説明会でも、具体的な道筋を淀みなく語りました(それに至る道筋を提示する)
社員の反応は、当初は半信半疑でした。しかし、この人が語ると「できるかもしれない」と思わせる何かがありました。
フォロワーに対して深く尋常ではない影響を及ぼすことのできるリーダーの個人的な資質とは、このことです。
変革型リーダーシップとして現れた面
この経営者がやったのは、掛け声だけではありませんでした。
不透明な状況下 主力事業が3つとも赤字で、どれを残すべきかは誰にも分かりませんでした。
組織文化に対する変革力 この会社には「失敗は許されない」という文化がありました。そこで経営者は、
・失敗した事業の責任者を降格せず、むしろ登用した
・社内報で自身の過去の失敗を語った
・「挑戦して失敗した人を責めない」と繰り返し表明した
フォロワーの信念やニーズ、価値をリーダーが望む方向に入れ換えようとしたわけです。
相互依存的な関係を重視した 一方的に押しつけたのではありません。全国の事業所を2年で80回訪問し、社員の話を聞き続けました。
「変革型」が単なる強引さと違うのは、フォロワーとの相互依存的な関係を重視する点にあります。
5年後 会社は黒字化し、「失敗を責めない」という言葉は社内に定着していました。
行動類型論や状況適合論では説明しきれない この経営者のやったことは、「構造造りと配慮のバランス」でも「部下の成熟度に応じたスタイル」でもありません。
組織の価値観そのものを入れ換えたのです。
こうした働きを説明するために、リーダーの個人的資質に再び注目したのが新資質特性論だということになります。
試験のポイント
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