組織行動論
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プレミアムで見るリーダーシップとは何か。この問いには、いわば百人百様の考え方があり、さまざまな定義が試みられてきました。この節では、まずバーナードによる定義を押さえ、次に「なぜ人は上司の言うことを聞くのか」という権威の受け入れの問題、そしてリーダーが影響力を及ぼす源である社会的勢力の5類型を学びます。
簡単にいうと
バーナードの定義は「信念を創り出すことによって協働する個人的意思決定を鼓舞するような個人の力」。そして、部下が指示を受け入れるには4つの条件が同時に満たされる必要があるよ!
① リーダーシップとは
リーダーシップとは、対人的な影響関係をとらえるためには不可欠な概念であり、組織のなかの職場集団や人間関係のなかで、最も重視されてきた分析概念です。
しかし、従来から、リーダーシップについては、いわば百人百様の考え方があり、さまざまな定義が試みられてきました。
② バーナードによる定義
リーダーシップとは、バーナードによれば、「信念を創り出すことによって協働する個人的意思決定を鼓舞するような個人の力」です。
つまり、経営目的達成のために人々に影響力を及ぼすことです。
そのためには、企業環境をふまえて状況を判断する能力と、部下の意識を経営目的に向かわせる能力が必要です。
定義の言い回しが硬いので、分解しておきましょう。
・信念を創り出すことによって……納得させることによって
・協働する個人的意思決定を鼓舞する……自分から協力しようと思わせる
・個人の力……制度ではなく、個人に備わった力
命令して従わせるのではなく、自分から協力しようと思わせるという点がバーナードらしいところです。
③ 全体主義と個人主義のバランス
バーナードはまた、組織や管理を支配や抑圧としてとらえる従来の見方を取りませんでした。組織と個人の両方を同時に満たし、ともに伸ばしていく道を探る理論を組み立てています(
具体例
同じ「土曜日に出勤してほしい」という指示が、4条件を満たすかどうかで結果が分かれた例です。
受け入れられなかったケース
B課長は、朝礼でこう言いました。「今週の土曜、全員出社。以上」
・①理解……何のために出るのかが分からない。満たさない
・②組織目的との整合……会社のためになるのか判断できない。満たさない
・③個人的利害との両立……代休も手当も示されていない。満たさない
・④実行可能性……子どもの学校行事と重なっている人がいた。満たさない
結果として、当日出社したのは12人中5人でした。形式上は上司の指示ですが、権威として受容されなかったのです。
受け入れられたケース
翌月、同じような場面でC課長はこう伝えました。
①理解を確保した 「来週の月曜に基幹システムを切り替えます。土曜に最終テストをしないと、月曜の業務が止まります」資料を配り、質問の時間も取りました。
②組織目的との整合を示した 「止まれば全国の出荷が2日遅れ、顧客への影響と損失はこれくらいになります」数字で示しました。

リーダーシップの機能と5つの源泉
試験のポイント
簡単にいうと
リーダーが影響力を及ぼす元になる力が5つ。報酬・強制・正当・専門・同一視。地位から来るものと、個人から来るものに分けると覚えやすいよ!
① 社会的勢力とは
リーダーが目標に向けてメンバーを動かすには、力(パワー)や優位性がなければなりません。この、リーダーシップの源というべきものを社会的勢力といいます。
② 5つの社会的勢力
社会的勢力には、次の5つがあるとされます。
❶ 報酬勢力
他が求めている報酬を与える能力をベースにした勢力です。
報酬には金銭的なもの以外に昇進や昇格、賞賛などが含まれます。
金銭だけではない点に注意してください。第4節で学んだ言語報酬(賞賛)も、ここに含まれます。
簡単にいうと
リーダーシップとパワーは似ているけど違う。リーダーシップは「同じ方向を向いていること」が要るけど、パワーは要らない。組織で力を使うことは、政治を行うことでもあるんだ!
① 力(パワー)とは
力(パワー)とは、AがBの行動に影響を与え、AがそうさせなければしなかったであろうことをBにさせる能力のことです。
力(パワー)を発揮するための源泉と、リーダーシップを発揮するための源泉はほぼ同様であり、この2つは密接に絡み合うことになります。
前のテーマで学んだ社会的勢力の5類型が、そのままパワーの源泉でもあるということです。
② リーダーシップとパワーの違い
ここが試験で問われるところです。
2つを分ける点は、目標が揃っているかどうかにあります。リーダーシップは、リーダーと部下の目標にある程度の重なり(同じ方向を向いていること)を必要とします。パワーのほうは、それを条件にしません。重きを置くのは、相手を追随させるための戦術のほうですです。
簡単にいうと
コッターは「変革を推し進めるのがリーダーシップ、効率的・確実的に運営するのがマネジメント」と分けた。同じ3ステップを踏むけど、中身が違うのがポイント!
① コッターによる区別
コッターは、経営者と管理者に求められる働きを2つに切り分けました。変革を推し進める働きと、効率よく確実に組織を回す働きです。前者をリーダーシップ、後者をマネジメントと名づけています。
| リーダーシップ | マネジメント | |
|---|---|---|
| 機能 | 変革を推し進める機能 |
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つまり、全体主義と個人主義のバランスを取ることが重要だとしています。
第7章で学んだ組織均衡(誘因と貢献のつり合い)も、同じ発想から出ています。組織だけが得をしても、個人だけが得をしても続かない、ということです。
④ 権威が受容される4つの条件
ここが試験で問われる大事な論点です。
従業員は、組織内のコミュニケーション(上意下達を含む)が次の4つを同時に満たす際に、そのコミュニケーションを権威あるものであると感じて受容します。
| 条件 | |
|---|---|
| ① | コミュニケーションの内容を理解することができ、実際に理解すること |
| ② | 意思決定の際に、それが組織目的と矛盾しないと信じられること |
| ③ | 意思決定の際に、それが自らの個人的利害と両立すると信じられること |
| ④ | そのコミュニケーション内容に、精神的にも肉体的にも従いうること |
⑤ 4つを読み解く
この4条件が示しているのは、権威は上から与えられるものではなく、下から受け入れられて初めて成立するという考え方です。権威受容説と呼ばれます。
4つそれぞれの意味を確認しましょう。
・①理解……何を言われているか分からなければ従いようがない
・②組織目的との整合……会社のためにならないと思えば従わない
・③個人的利害との両立……自分が損をすると思えば従わない
・④実行可能性……精神的にも肉体的にもできないことは従えない
「同時に満たす」という点が重要です。どれか1つでも欠ければ、権威は受け入れられません。
③の個人的利害との両立が含まれている点が、とくに特徴的です。「組織のためだから従え」では足りず、本人にとっても損にならないと信じられることが必要だとされています。
これは第7章で学んだ組織均衡の「誘因が貢献以上であると主観的に評価されたときに貢献意欲が生まれる」という命題と、同じことを別の角度から述べたものです。
④実行可能性を確認した 「どうしても都合がつかない人は、いま言ってください。人数が足りれば無理に出なくて結構です」
2名から申し出があり、残る10名で対応することになりました。当日は10名全員が出社しています。
違いはどこにあったか 権限の強さではありません。B課長もC課長も同じ職位です。
4つを同時に満たしたかどうかでした。とくにB課長は③個人的利害との両立を一切示していません。「組織のためだから従え」という形になっていたのです。
権威は上から与えられるのではなく、下から受け入れられて成立する。バーナードの権威受容説が言っているのは、このことです。
❷ 強制勢力
従わなければ罰を受けるのではないかという、影響の受け手がもつ予想から生じる勢力です。
主な罰としては、叱責や減給、解雇、左遷などがあります。
影響の受け手がもつ予想から生じるという点が特徴的です。実際に罰するかどうかではなく、罰せられるかもしれないと相手が思うことで生じる力です。
❸ 正当勢力
組織上の地位に基づいて、影響を及ぼす正当な権利があると認められることから生じる勢力です。
「課長だから指示を出してよい」という、地位そのものに伴う力です。
❹ 専門勢力
専門的な知識や技能をもっていることから生じる勢力です。
地位とは無関係に、「この人が言うなら確かだろう」と思わせる力です。
❺ 同一視勢力(準拠勢力)
影響の受け手が、その人物に魅力を感じ、同じようになりたいと思うことから生じる勢力です。
「あの人のようになりたい」という憧れから生まれる力です。
③ 5つを2つに分けて覚える
5つは、どこから来る力かで2つに分けられます。
| 分類 | 社会的勢力 | 何に基づくか |
|---|---|---|
| 地位に基づく力 | 報酬勢力、強制勢力、正当勢力 | 組織上の地位に伴って与えられる |
| 個人に基づく力 | 専門勢力、同一視勢力 | その人自身に備わっている |
この分け方が重要なのは、持ち運べるかどうかが違うからです。
・地位に基づく力……その地位を離れれば失われる
・個人に基づく力……どこへ行っても持っていける
部下が「肩書きだから従っている」のか「この人だから従っている」のかは、まったく別のことです。
④ バーナードの定義とのつながり
前のテーマで見たバーナードの定義を思い出してください。
「信念を創り出すことによって協働する個人的意思決定を鼓舞するような個人の力」
個人の力とあります。つまりバーナードが念頭に置いているリーダーシップは、専門勢力や同一視勢力に近いものだといえます。
強制勢力で人を従わせても、「自分から協力しよう」という気持ちは生まれません。権威受容説の4条件のうち③個人的利害との両立が満たされないからです。
⑤ 次節への橋渡し
この節ではリーダーシップの機能と源泉を扱いました。次節では、どんなリーダーが有効なのかという問いをめぐって、理論がどう変わってきたのかを追いかけます。
具体例
同じ課に2人の先輩がいる職場で、新人がどちらの指示に従うかという場面です。5つの勢力の違いがはっきり出ました。
D主任(地位に基づく力が中心)
・正当勢力……主任という役職に就いている
・報酬勢力……新人の評価シートを書く立場にある
・強制勢力……機嫌を損ねると翌月の当番が増えることを、新人は知っている
新人はD主任の指示に従います。ただし、言われたことだけをやるという従い方です。
E先輩(個人に基づく力が中心)
役職はありません。D主任より2年後輩です。
・専門勢力……その分野の資格を2つ持ち、トラブルが起きると必ず原因を言い当てる
・同一視勢力……顧客への説明が分かりやすく、新人は「ああいう説明ができるようになりたい」と思っている
新人はE先輩の助言に、自分から聞きに行きます。言われていないことまでやろうとします。
決定的な場面 ある案件で、D主任とE先輩の意見が割れました。
・D主任「前例どおりでいい。それで通してきた」
・E先輩「今回は条件が違う。このままだと不具合が出る」
新人は形式上D主任の指示に従いましたが、念のためE先輩の懸念を自分で検証し、問題が起きそうだと分かると課長に直接相談しました。
結果、E先輩の見立てが正しく、不具合は回避されています。
その後 D主任は異動し、別の部署へ移りました。正当勢力も報酬勢力も強制勢力も、この課では失われます。新人がD主任に連絡を取ることはなくなりました。
一方、E先輩も1年後に別の部署に移りましたが、新人はいまでも困ったときに相談しています。
地位に基づく力は地位を離れれば失われ、個人に基づく力は持ち運べる。5つを2つに分けて覚える意味が、ここにあります。
試験のポイント
| リーダーシップ | 力(パワー) |
|---|
| 目標の適合性 | 必要とする(同じ方向に向かう) | 要件としない |
| 主眼 | 目標に向けて影響力を及ぼすこと | 他者を追随させるための戦術 |
| 源泉 | 社会的勢力の5類型 | ほぼ同様 |
同じ方向を向いているかどうかが、2つを分ける鍵です。
前のテーマで見たバーナードの定義「信念を創り出すことによって協働する個人的意思決定を鼓舞するような個人の力」には、まさに「協働する」という目標の共有が含まれていました。
③ 組織における政治
組織における政治とは、こうとらえられます。公式の役割として認められているわけではないのに、組織内の意思決定に影響力を及ぼし、利益や不利益の配分を左右するような活動のこと。
定義のポイントは2つです。
・公式の役割として認知されているわけではない(組織図には載っていない)
・利益や不利益の分配に影響を及ぼす(誰が得をするかに関わる)
④ パワーの行使は政治である
裏返せば、組織でパワーを行使することは、政治を行うことでもあります。政治的な技量に長けた人は、パワーをうまく使える人だ、ということになります。
「政治」という言葉には否定的な響きがありますが、ここでは組織で物事を動かすための現実の働きかけという、中立的な意味で使われています。
第7章で学んだ資源依存モデルの「パワー(ある個人や集団に何かをさせたり、何かをさせない力)」や、コンフリクトの発生要因に出てきた「互いが自立性を求めたり、パワーを確保したりしようと意図した場合」も、この文脈につながっています。
⑤ 制度的リーダーシップ
トップが価値を吹き込み、その組織ならではの価値やアイデンティティが育ち、構成員のコミットメントまで形づくられる。そこまで来たとき、はじめは仕事をこなすための道具にすぎなかった組織が、トップの思いを体現した制度へと姿を変えます。
セルズニックは、このような組織を形成していくリーダーシップを制度的リーダーシップと称しました。
⑥ 「道具」から「制度」へ
この考え方の要は、組織の性格が変わるという点にあります。
| 道具としての組織 | 制度としての組織 | |
|---|---|---|
| 性格 | 単にタスクを遂行するための手段 | トップの思いを体現したもの |
| 価値 | 目的を達成できればよい | 独自の価値やアイデンティティを有する |
| メンバー | 役割を果たす | コミットメントが形成されている |
同じ人数で同じ仕事をしていても、「給料のためにここにいる」組織と「この会社の存在意義に共感してここにいる」組織では、まるで違います。後者に変えていくのが制度的リーダーシップです。
第1章で学んだ経営理念が、「創業者や功績を残した経営者が社内の訓示として残したものがインフォーマルに語り伝えられて、社風や組織文化の形で形成されている場合もある」とされていたことを思い出してください。トップが価値を注入するというのは、この過程のことです。
このあと第10節で学ぶ組織文化とも、直接つながる概念です。
具体例
創業35年の建設コンサルタント会社で、2代目社長が行ったことを見てみましょう。
引き継いだときの状態(道具としての組織) 社員60名。仕事はきちんと回っていましたが、社員に「なぜこの仕事をしているのか」と聞くと「発注があるからです」という答えしか返ってきませんでした。
単にタスクを遂行するための道具という状態です。
トップが価値を注入した 2代目社長は、創業者が災害復旧の現場から会社を始めた経緯を掘り起こし、「壊れた地域が元に戻るまで付き合う」という言葉を掲げました。
そして、次のことを続けました。
・完了した案件の10年後を訪ねて写真を撮り、社内で共有する
・利益率が低くても、災害復旧の案件は断らないと決めた
・採用面接で必ずこの話をする
7年後(制度としての組織) 社員に同じ質問をすると、答えが変わっていました。「10年後にまた見に行ける仕事をしたいからです」
独自の価値やアイデンティティを有した組織になり、組織構成員のコミットメントも形成された状態です。
これが制度的リーダーシップです。社長は業務の指示をしたのではなく、組織そのものの性格を変えたのです。
力(パワー)と政治が働いた場面 一方、この転換には抵抗もありました。
利益率を重んじる営業部長は、災害復旧案件の受注に反対していました。そこで社長は、
・経営会議の前に、賛同する役員2名に個別に話を通した
・営業部長の懸念(目標未達の責任)に対して、災害案件は別枠で評価すると約束した
という手を打っています。
これは組織における公式の役割として認知されているわけではないが、組織内の意思決定に対して影響力を行使する活動、つまり政治です。
リーダーシップとの違いも見えます。社長と営業部長は、この時点では同じ方向を向いていませんでした。目標の適合性がない状態で他者を追随させるのは、リーダーシップではなくパワーの行使です。
そして半年後、営業部長自身が災害復旧の現場を訪れ、考えを変えています。ここで初めて、目標の適合性が生まれました。
試験のポイント
② 同じ3つのステップを踏む
どちらの機能を果たすにも、通る段取りは同じ3つです。①目的・目標を決める、②それを果たすための人的ネットワーク(組織)を築く、③築いたネットワークが目的を達成できるよう手を打つ。違いが出るのは、各段取りの中身のほうです。
③ リーダーシップの3ステップ
| ステップ | 中身 |
|---|---|
| ① | 長期的なビジョンの提示 |
| ② | ビジョンの伝達によるメンバーの統合 |
| ③ | メンバーの動機づけ |
④ マネジメントの3ステップ
| ステップ | 中身 |
|---|---|
| ① | (短期的な)計画や予算の立案 |
| ② | 組織構造の設計と人員配置 |
| ③ | 予算や実績管理を行い、問題解決を図る |
⑤ 対比して覚える
同じステップでも、中身がきれいに対応しています。
| ステップ | リーダーシップ | マネジメント |
|---|---|---|
| ① 目的・目標を決める | 長期的なビジョンの提示 | 短期的な計画や予算の立案 |
| ② 人的ネットワークを築く | ビジョンの伝達による統合 | 組織構造の設計と人員配置 |
| ③ 目的を達成できるよう手を打つ | メンバーの動機づけ | 予算や実績管理と問題解決 |
対比の軸は次のとおりです。
・時間……リーダーシップは長期、マネジメントは短期
・人への働きかけ……リーダーシップは気持ちに、マネジメントは配置と管理に
・性格……リーダーシップは変える、マネジメントは回す
⑥ どちらが必要か
コッターの区別は、どちらか一方が優れているという話ではありません。
変革だけを推し進めて、日々の予算管理をしなければ会社は回りません。逆に、効率的な運営だけを続けて変革をしなければ、環境の変化に取り残されます。
第7章で学んだコンティンジェンシー理論の発想でいえば、安定的な環境ではマネジメントの比重が、不安定な環境ではリーダーシップの比重が高まると整理できます。
⑦ 本章の他の節とのつながり
この区別は、第12節で学ぶ戦略的組織変革の前提になります。組織を変えるという場面で求められるのは、コッターのいうリーダーシップのほうだからです。
また、第7章第6節で学んだ経営者行動と管理者行動とも対応しています。
| 第7章 | この節 |
|---|---|
| 経営者行動(経営目的・経営戦略の設定によりイノベーションを進める) | リーダーシップ |
| 管理者行動(計画・組織編成・配分と指導・チェックにより作業者行動を効率化する) | マネジメント |
言葉は違いますが、同じ区別を別の角度から述べていることが分かります。
具体例
業績が低迷していた地方百貨店で、社長と専務が果たした役割の違いを見てみましょう。
社長(リーダーシップ)
① 長期的なビジョンの提示 「10年後、この店を『買い物をする場所』から『この街の人が集まる場所』に変える」と掲げました。売場面積の3割を、物販以外の用途に充てる構想です。
② ビジョンの伝達によるメンバーの統合 全社員300名と、10人ずつ30回に分けて対話の場を持ちました。反対意見も含めて聞き、なぜそうするのかを繰り返し説明しています。
③ メンバーの動機づけ 「新しい売場のアイデアを出した人が、その売場の責任者になれる」という仕組みを作りました。2年で47件の提案が出ています。
専務(マネジメント)
① (短期的な)計画や予算の立案 改装に必要な投資額を12億円と算定し、3年間の資金繰り計画を作りました。各年度の売上目標と経費予算も組んでいます。
② 組織構造の設計と人員配置 物販中心だった組織に「地域連携部」を新設し、既存の売場から18名を異動させました。必要な資格を持つ人材を外部から4名採用しています。
③ 予算や実績管理を行い、問題解決を図る 月次で進捗を確認し、初年度に工事の遅れが出たときは工程を組み替え、予算超過分は他項目の削減で吸収しました。
どちらが欠けても成立しない
もし社長だけだったら、ビジョンは語られても資金が尽きていたはずです。
もし専務だけだったら、既存の売場を効率よく運営し続けただけで、変革は起きなかったでしょう。そして数年後、より厳しい状況に追い込まれていたはずです。
変革を推し進める機能と効率的・確実的に組織を運営する機能は、どちらも要るということです。
試験のポイント
プレミアムプラン
¥9,800〜/ 買い切り・自動更新なし(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。